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えんぶ4月号

福田雄一×井上芳雄 WOWOWオリジナルミュージカルコメディ『グリーン&ブラックス』製作会見 レポート

20170320WOWOW記者発表オフィシャル

福田雄一×井上芳雄がタッグを組み、ミュージカル界のスターたちが毎回ゲスト出演する番組、WOWOWオリジナルミュージカルコメディ『グリーン&ブラックス』の製作会見が、3月20日夜、TMC L1スタジオにて行われた。

2016年、WOWOWは、ミュージカルはもちろん、映画、ドラマ、舞台とジャンルを問わず破竹の勢いで活躍する福田雄一の脚本、監督によるオリジナルミュージカルコメディ番組『トライベッカ』を放送。ミュージカル界のプリンスたちが体を張って挑戦したコメディは大きな話題を呼んだ。今回、やはり福田の書き下ろし脚本・監督による第2弾を放送する。福田ワールド全開のミュージカルコメディドラマだ。
レギュラー出演者は『トライベッカ』に引き続きミュージカル界のトップスター井上芳雄。さらに、毎回ミュージカル界のスターたちがゲストとして続々登場する。また、井上司会によるゲストとのトークコーナーや、ミュージカルナンバーが堪能できるミュージックショーなど見どころが満載。ミュージカル好きはもちろん、ミュージカルに詳しくない人も見れば、その奥深さのとりこになること必至だ!

この製作会見には、脚本・監督の福田雄一、レギュラー出演者の井上芳雄、ゲスト出演者の中川晃教、柿澤勇人、加藤和樹、渡辺麻友、愛原実花、相葉裕樹が登壇した。

登壇者コメント】
 
福田雄一/脚本・監督
この前の番組で『トライベッカ』という番組を井上君とやっていて、その時はミュージカルを知らない人にもわかるように番組を作りました。今回はミュージカルを知っている人じゃないとわからないぐらい狭い世界にしたほうが、そそるんじゃないかと思っています。劇場の休憩室が「グリーンルーム」っていうそうで、井上君の面白いブラックな部分を出してもらい、「グリーンルームでブラックな話をしている」っていう状況になってます。なので、設定は楽屋になっています。出演していただく皆さん、実名で演じていただいてます。セリフで出てくる方も全て実名でやってまして、そうすることで皆さん自分で話が膨らんでくるので、ミュージカルファンの方にとって、覗き見してみたい楽屋の会話をやってみたかったので、結果としてこの番組タイトルとなりました。
オリジナルミュージカルコメディとして、ミュージカル俳優の皆さんがこうして集まることは画期的なこと。そんなメンバーが、バラエティ番組のようなひな壇に座り、トークできることに感動を覚えます。一丸となって番組を盛り上げ、いろんな方に番組に出てもらい、盛り上がっていければと思います。

井上芳雄/レギュラー出演者
今日の収録で、すごく手ごたえを感じてます。前身の『トライベッカ』という番組があっての今回の番組だと思います。ミュージカル界を取り上げてもらう番組は、なかなかないのでこれを足掛かりに、続けていけたらと思いってます。福田さんの舞台にも出演して、やっと福田ワールドの遊び方がわかってきて、今日の収録も楽しんでできました。台本もアドリブも含めて、大丈夫かなって思うところもあって、収録中かつてないほどマネージャー陣がざわついてました。こうした点での、中身の濃さを物語っていると思います。

中川晃教/ゲスト出演者
福田さんが、どんな風にミュージカルと番組を掛け合わせて視聴に届けるか、とても楽しみ。そこにミュージカル界のトップを走っている井上芳雄さんが、僕たちにどんなふうに刺激を与えてくるのかも楽しみです。収録中、誰よりも福田監督が笑ってましたね(笑)。そうした瞬間の笑いが、この作品の随所にちりばめられていると思います。

柿澤勇人/ゲスト出演者
福田監督の作品にいろいろ出させてもらってますが、この作品は特に台本を無視した井上さんのアドリブが、本当に面白く、楽しくやらせてもらってます。

加藤和樹/ゲスト出演者
福田監督の作品はずっと見てきたので、この作品に出られることが本当にうれしいです。また、井上さんともこの作品で共演させていただき、身も心も委ねて、一緒に楽しんでいければと思います。

渡辺麻友/ゲスト出演者
私はただのミュージカルファンなので、こんな錚錚たるメンバーたちの方々と一緒に出演させてもらえることに、すごく緊張しています。いつか自分もミュージカルに挑戦したいと思っていますので、頑張っていきたいです。

愛原実花/ゲスト出演者
以前の作品で、福田監督と井上さん出演の作品に出させていただきました。今回は初めての方とのつなぎの役をイメージしてましたが、自分がミス連発して、その分皆さんが頑張ってくれていて、本当に楽しい現場になっています。

相葉裕樹/ゲスト出演者
今日の収録はトークのみで、コントの現場はこれからですが、とにかく福田監督の作品に出たかったので、これからの収録が楽しみで仕方がないです。


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【番組概要】
WOWOWオリジナルミュージカルコメディ
福田雄一×井上芳雄『グリーン&ブラックス』(4月29日〜 全12回)
脚本・監督◇福田雄一
レギュラー出演者◇井上芳雄
ゲスト出演者◇中川晃教、柿澤勇人、加藤和樹、渡辺麻友、愛原実花、相葉裕樹 ほか
●放送日時:初回 4月29日(土・祝)深夜0:00〜 WOWOWプライム

タクフェス春のコメディ祭!の第1作目『わらいのまち』間もなく開幕! 宅間孝行・鈴木杏樹 インタビュー

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宅間孝行が主宰するタクフェスに、コメディ路線の新しいシリーズ「タクフェス春のコメディ祭!」が登場する。その第1作目になる『わらいのまち』が、3月30日の東京グローブ座初日を皮切りに、名古屋、兵庫で公演する。
この作品は、2011年に宅間の作・演出で上演、寂れた田舎町の寂れた温泉旅館「まつばら」を舞台に、行き違い、勘違いが巻き起こす、抱腹絶倒のシチュエーションコメディだ。
今回はキャストの中に、宅間作品を10数年前から観続けてきたという鈴木杏樹を迎える。その鈴木杏樹と宅間孝行に、この『わらいのまち』について語ってもらった「えんぶ」4月号の対談記事を、別バージョンの写真とともにご紹介する。

Unknown-3鈴木杏樹・宅間孝行

お互いに10年先まで、この世界で頑張れたらと

──タクフェスに新しいシリーズができるということですが?
宅間 秋のタクフェスは、泣いて頂く作品を上演していて、それを楽しみにしてくださるお客様が沢山いますので、それはそれで大事に。でも笑いの作品もやっていきたいなということで、明るい春に笑いのシリーズをやることにしたんです。
鈴木 泣ける作品と笑える作品と、どちらも作れるってすごいことですよね。
──鈴木さんは宅間さんの作品をずっとご覧になってきたそうですね。
鈴木 10年以上観させていただいてます。宅間さんが脚本を書かれたドラマに出させていただいたのがきっかけで、その本が本当に素敵で、どんな方が書かれたのか聞いたんです。
宅間 東京セレソンデラックスの時代ですね。
鈴木 ちょうど『ピリオド』という公演が上演中で、観に伺ったんです。終演後に「初めまして」とご挨拶したんですけど、私が感動して号泣していたせいで、ご挨拶もままならないという(笑)。
宅間 そのまま飲みに行って、そこからほぼ全部観てくださってますね。一度だけ海外に行ってて、観ていただけなかったけど、まだ1週間くらいしか公演を打てない時期だったのに、必ず観に来てくれて、最初に劇団のファンクラブを作ったときは、なんと10年分の会費をいっぺんに振り込んでくれて。
──10年先まで観たい劇団だったんですね。
鈴木 お互いに10年先まで、この世界で頑張れたらいいなという願いをこめて。
宅間 たぶん同じ業界の人では一番長く観てくださってます。

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なんでうちじゃないの? と若干ジェラシーが

──そういうお付き合いなら、いつ宅間さんの舞台に出てもおかしくなかったですね。
宅間 杏樹さんは絶対舞台をやらないと思っていたから。つねにレギュラー番組もあったし、生放送とか持ってると舞台のスケジュールは難しいですよね。ところが一昨年、いきなり「舞台出ますから、観に来て下さい」と言われて、「えーっ、やるの?」(笑)。
鈴木 初めてで、恥ずかしいですけど、やっぱり観てほしかったのでお声をおかけしたんです。
宅間 その『Walk oN!』の杏樹さんがすごく良かったんです。それで「舞台も全然OKじゃない! ていうか、やるんだ芝居!?」みたいな。若干ジェラシーがありました。なんでうちじゃないの? という(笑)。本当にやらない人だと思ってたから。
──出てみたい気持ちはあったのですね?
鈴木 ずっと拝見してましたから夢ではあったんですが、体力的にどうなんだろうとか、持っている番組との兼ね合いで諦めていたんです。でも『Walk oN!』で西村雅彦さんに声をかけて頂いて、知ってる方が一緒だと心強いなと。
──宅間さんの作品は好きだからこそ逆に出たくないとか?
鈴木 私はそんなこと全然ないんですけど、弟も宅間さんのお芝居が大好きで、その弟が「えーっ! 大丈夫??」って、すごい不安がってます(笑)。好きな世界に、姉が入ることで、現実として受け止めたくないみたいで。
宅間 ははは(笑)。
──具体的に出て頂くまでのいきさつは?
宅間 作品が『わらいのまち』に決まって、仲居の真知子役を誰にしようかなと考えたとき、杏樹さんならぴったりだなと。スケジュールもあるので引き受けてもらえるか心配してたんですが、出てくれることになって。関係者みんな、めちゃくちゃ盛り上がりましたよ(笑)。
鈴木 私も嬉しかったです。「えっ宅間さんの舞台? 出る出る出る!」(笑)、作品が何かとか役とか聞かないうちに「出る出る!」って(笑)。
──初演もご覧になってると思いますが、真知子役については?
鈴木 関西弁で喋る役で、関西出身なので言葉は大丈夫なのですが、たぶん登場人物で私1人だけ関西弁ですよね? 周りが違う中で喋るって意外と難しくて。
宅間 ああ、引っ張られるんだよね。
鈴木 『Walk oN!』の大阪公演で、西村さんに「カーテンコールでは関西弁で挨拶して」と言われたんですけど、全員が標準語で挨拶しているので、うまく関西弁が出てこなかったんです。大阪のテレビ局の方に「東京に心売ったんやな」と(笑)。次の日は、関西弁を喋るスタッフさんと袖で練習して、無事関西弁で挨拶できたんですけど。今回もちょっとそこが心配なんです。
宅間 出演者の辻本祐樹くんが確か大阪出身なので、彼と喋っててください(笑)。

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スライムみたいな状態で役に入っていく

──宅間さんから見て、女優さんとしての杏樹さんは?
宅間 一度共演してますよね。別れた旦那役で。
鈴木 私が主演した『ライアの祈り』(2015年)という映画に出てくださって。
宅間 ドラマも観てますが、素の杏樹さんとは違う人に、ちゃんとその役に見えるんです。
鈴木 嬉しいです。ありがとうございます。
──バラエティと役を演じるときとでは意識が違いますか?
鈴木 バラエティに関しては、素の鈴木杏樹で出ています。発言なども私自身です。でも役を演じるときは、その人はどんな人か考えて役になろうとします。そしてスライムみたいな状態で役に入っていきます。
──作・演出家としての宅間さんとは今回が初めてになりますね?
鈴木 そうなんです。以前、1回だけ初演の『歌姫』で稽古場を見せていただいたことがあって、自分で演出しながら主役でも出るってすごいなと感心した覚えがあります。よく色々な方が言う「怖い演出家」という印象はなかったです。
宅間 怖くないですよ(笑)。
鈴木 でも初演の『わらいのまち』のDVDの特典映像で、柴田理恵さんが「宅間さん怖いです」って言ってて、あの柴田さんが怖いって?(笑)。
宅間 いやいやいや、柴田さんのほうが怖いですって(笑)。
──そんな楽しい座組が今回も楽しみです。最後に意気込みをぜひ。
鈴木 私は、本当なら不安という気持ちがあってもいいのに、全然なくて(笑)、楽しみでしかなくて、ワクワクしています。出演者の皆さんやお客様と一緒に、楽しくすごせたらいいなと思っています。
宅間 この「タクフェス 春のコメディ祭!」が毎年のシリーズになればいいなと思っています。素敵なメンバーが揃ったので、期待して頂いて大丈夫です。東京グローブ座では初めてですが、コンパクトで居心地の良い劇場ですから、楽しみにいらしてください。

宅間孝行 鈴木杏樹
鈴木杏樹・宅間孝行

たくまたかゆき○東京都出身。脚本家、演出家、俳優。97〜12年にかけて劇団「東京セレソンデラックス」、以降は「タクフェス」を主宰。作家・演出家・監督・俳優として映像や舞台で活躍、辻本茂雄とのユニット「つじたく」でも活動中。俳優としての主な作品は、NHK朝の連続テレビ小説『つばさ』『新選組血風録』大河ドラマ『花燃ゆ』『嵐の涙-私たちに明日はある-』など、映画は『くちづけ』(原作・脚本・出演)『海難1890』『団地』『嫌な女』、昨年『全員、片想い』内の短編「サムシング・ブルー」を監督した。

すずきあんじゅ○1992年、連続ドラマ『十年愛』(TBS)でデビュー。以後、数々のドラマや映画に出演。現在、『相棒シリーズ』(EX)レギュラー。95年から20年間司会をした『MUSIC FAIR』は記憶に新しい。TVは朝の情報番組『ZIP!』(NTV)で金曜日のメインパーソナリティーとして出演、ラジオは『鈴木杏樹のいってらっしゃい』(04年〜/月〜金/LF)『オールナイトニッポン MUSIC 10』(15年9月〜/毎週水曜/LF)のレギュラー。舞台は『Walk oN!』(15年)に続いて2作目。

〈公演情報〉
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タクフェス 春のコメディ祭!『わらいのまち』
作・演出◇宅間孝行
出演◇宅間孝行 永井大 柄本時生/柴田理恵 鈴木杏樹 ほか
●3/30〜4/12◎東京グローブ座、
4/14〜16◎中日劇場、
4/18〜23◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
〈お問い合わせ〉東京/サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜18:00)
http://takufes.jp/warainomachi/


【撮影◇岩田えり】 



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伊阪達也、荒木健太朗を迎えて新作上演! 劇団イヌッコロ『まわれ!無敵のマーダーケース』インタビュー

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前列/伊阪達也、荒木健太朗 後列/小野友広、長谷川哲朗、森訓久

劇団イヌッコロとは、俳優の長谷川哲朗と森訓久、作・演出の羽仁修が中心となって、2010年1月1日から正式に活動を開始。毎回ワンシチュエーションのコメディにこだわり、様々な作品を発表してきた。今回、その11回目となる『まわれ!無敵のマーダーケース』が、3月21日〜26日まで中野ザ・ポケットで上演される。
出演者には、長谷川と森、小野友広などの劇団員以外に、様々な舞台で活躍中の伊阪達也、荒木健太朗をはじめとする客演を招き、今までに観たことのないコメディとなるはずだ。

【あらすじ】
作家・藤澤智彦(伊阪達也)は書いたことのないサスペンス物の仕事を引き受けてしまった。何日経ってもいっこうにアイディアは浮かんでこない。それどころか根本的な描写の仕方すらわからない。それほど藤澤はサスペンスに疎かったのだ。そんな中、彼はとんでもないことを思い付く。「そうだ! 嘘の殺人事件を起こして、人間のリアルな反応を見よー!!」
編集者の末國(大塚真矢)に協力を仰ぎ、人里離れたペンションを探し、売れない役者を雇い、知人を招き、いざ計画を実行したのだが、そこに本物の殺人鬼(荒木健太朗)が現れて…。

公演初日に向けて、熱く繰り広げられる稽古の合間を縫って、伊阪達也、荒木健太朗、長谷川哲朗、森訓久、小野友広がこの作品について、語ってくれた。

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お客さんにじゃれて喜んでもらおうと命名

──まず、演劇集団イヌッコロとはどういう劇団か、メンバーから語っていただきたいのですが。
長谷川 ラフな劇団です。
小野 って、それだけ!? イヌッコロという劇団だけに、お客様にじゃれ合う雰囲気のある劇団ですね。
伊阪 僕は大型犬っぽいねって言われますよ。
4人 わかる、わかる。
小野 話がずれてきた(笑)。真面目に「楽しく」じゃれ合うんです。
荒木 真面目に「適当」にじゃれ合うんですよね?
小野 適当、まあ、そう言われれば。いやいや真剣に笑いに打ち込むストイックな部分もあったりするんですよ。
荒木 計算で笑いをとる。決して偶然ではないんです。面白いものをワンシュチュエーションとしてやっているイメージがありますね。
長谷川 今、そう思いました。
 リーダーやん(笑)。最初は映像、舞台、声優というジャンルの仲の良い役者メンツで、草野球チーム「ハトス」をやっていたところから始まったんです。
4人 へー!
 (長谷川を見ながら)君も驚いてどうする!? 長谷川くんと僕が初めに立ち上げて、作・演出をしている羽仁修が脚本を書いてくれました。基本的にワンシチュエーションのコメディにこだわって、お客さんに笑ってもらいたいな、お客さんにじゃれて喜んでもらおうというコンセプトがありました。
荒木 どうしてイヌッコロという名前にしたんですか?
小野 これは諸説ありますね。僕は最後に入ったのでわからないな。
 僕が入る頃には名前が決まってましたね。
長谷川 羽仁修とファミレスで適当に決めました。
小野 やっぱり適当かい(笑)。

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「いいかげん」ではなくて「いい、加減」

──伊阪さんと荒木さんから見て劇団イヌッコロの印象は?
伊阪 劇団員はみんな適当なんです。適当ですけれど、作品はしっかりしています。みんなでお客さんを笑わそうとしますから。
 「適当」は、「適」時に「当」たるという意味ですから良い意味なんですよ。
伊阪 しかも個性的なんです。それぞれ役割があって、作品の中で役割分担ができていて、バランスがいいですね。今回、客演として入らせていただいてますが、すごく居心地が良いんです。引っ張っていってくれるところは引っ張ってくれる。それから、演技はこういう方向性だよと教えてくれたりします。みんなそれぞれの仕事があるし、素敵な劇団だなと思いながらも……稽古はきついです(笑)。
小野 伊阪くんは主役だからね。みんなをうまく回したり、見なくちゃいけないから。
伊阪 痩せました。
 コメディですから、主人公がてんやわんやするのが基本ベースにあるので、膨大なリアクションとセリフを主役が担わなくちゃいけない。
荒木 コメディは本当に気を抜く瞬間がないですよね。
 お客さんはずっといろんなリアクションを見ているので、新しいワードが出た時に、主役の伊阪くんがどんな反応するのか、全方向から観ることになるので、映像と違って、フォーカスが当たってない部分をどう演じるか、その面白さと難しさがありますね。
荒木 僕は去年の今頃、『トラベルモード』出ていたこともありますし、何度か拝見させていただいたんですけど、雑に見えるけれど、すごく計算されていて、適当という言葉ではないですけど、「いいかげん」ではなくて「いい、加減」なんですね。
4人 うまーい。
荒木 ワンシュチュエーションコメディは、今の演劇の中で減っています。その中では稀有な劇団だと思います。真面目にやるのが大前提でコメディとして成り立させているから、嘘がないように見えますね。
長谷川 公演を観てくれて出たいと言ってくれた人でも、やってみると大変だという人もいますから。
伊阪 僕は楽しいですよ!
小野 確かに大変だけど、狙った通りに笑いが来たらとても気持ちいいんです。
伊阪 お客さんがいると、また色々と見えてくるものが多そうですね。
 公演ごとに発見があります。特に初日ですね。本読みの時に感じていたものが、稽古をやっていると慣れもあって薄れるんです。それが初日は、お客さんの前に立つことで新鮮な気分になって、それで新たなことに気づくことが多いです。作・演出家の羽仁(修)とも「お客さん、ここでこういう反応来るんだね」と違った発見に驚くこともあります。また、客演の方によってさらに違うテイストが出るので、それも楽しいんです。荒木くんと伊阪くんの2人のシーンは、イヌッコロのメンバーにはない感じで面白いですし、今回の2人はとても頼もしいです。
伊阪・荒木 ありがとうございます。

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笑わせることが第一目標で最終目標

──今回の台本を最初に読んだ時の印象は?
長谷川 面白いなって思いました。
小野 客か!? グルメリポーターにもなれないね。
長谷川 うん。グルメレポーターのオーディションに落ちたことがある(笑)。
──どういったところが面白いなと?
長谷川 これまで僕はサスペンス的なお話をやったことがないんですよ。
小野 僕も今回、どんな笑いになるかなと思っていましたが、どの部分も面白くなる雰囲気を感じました。
 イヌッコロの脚本ミーティングは、みんなで話すのですが、その中で、今回サスペンスにしようとなった時に、いつものイヌッコロのパターンを想像していたんです。でも、今回はいつもと違う形になります。最後の仕掛けでどういう風にコメディにするのか、楽しみにしていてください。
荒木 羽仁さんが、9割がコメディで1割をサスペンスにしたいとおっしゃって。僕はサスペンス側をやらなければいけないけれど、台本を読んで初見の時に笑ってしまって、「これ笑わないで耐えられるかな?」と思ったほどです(笑)。荒木健太朗になってしまわないようにしないと。
 荒木くんは殺人鬼役ですけれど、主人公で作家の伊阪くんとのやり合いが面白いんですよね。
伊阪 僕も初見で笑ってしまったんです。そんなことあまりないから嬉しかったし、シチュエーションコメディというのはこういうことかと。事件が起きている状況の中で、てんやわんやがあって、その中で笑いを取るのが、シチュエーションコメディなんだなと。演じる上でセリフにも幅があって、どういう風になるのか想像すると楽しみです。とにかく第一目標はお客さんを笑わせるだけです。
小野 うん。第一目標で最終目標ですね。

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2回目も来たくなるように盛り沢山な工夫が

──それぞれの役柄についても教えてください。
伊阪 藤澤という作家で、サスペンスを書くことになったけれど、書き方がわからない。だから、役者さんをよんで、実際に殺人事件をドッキリでやる。でも、その中に本物の殺人鬼が紛れ込んでいて、彼に翻弄されつつ、ドッキリのみんなのリアクションを見て本を書いては悩んでいく、ちょっとドタバタな役です。
荒木 先ほども言ったようにサスペンス側ですし、伊阪くんの真逆なんですよね。ドッキリだと知らない状態の人間だから、そのバランス加減が難しいです。稽古を積み上げて、ほかの役者さんのセリフを聞きながら完成させたいなと思っています。
長谷川 僕は谷川という役です。いい役をもらったなと思います。
小野 役柄がないよ(笑)。谷川は僕の演じる広野と一緒で、藤澤先生に招かれた客です。
 僕はドッキリが行われるペンションのオーナーです。お話を演劇的に転がして、お芝居だとわかるようにしていく役です。
──この作品の見どころはどんなところになりますか?
小野 伊阪くんの奮闘ぶりだね。巻き込んでいるのに巻き込まれてる感じが面白い。
 藤澤先生の暴君ぶりに翻弄されていく僕らも見どころかな。
長谷川 そうだね。それにここにいる5人以外にも面白い人はたくさんいます。
──最後に公演向けての意気込みを。
伊阪 僕らは四苦八苦しながら頭を使って演じますが、観る方はボケーっと観てくれたら最高に面白いと思います。「殺人事件を体感しようかな」くらいの気軽な感じで来てもらいたいです。
荒木 演劇が好きじゃない人にも観てもらいたいですね。とっつきやすい作品ですし、テレビを観るような感覚でさらっと観れますから。
長谷川 やっている自分たちは、怒られたりけなされたり大変なんですけど。そういうことは全然わからないように頑張りたいです。
小野 一生懸命やるけれど、それを見せずに、気楽に見て欲しいですね。ただ楽しんで、2回、3回と来なさい!
 何ですか、急に先生みたいになって。
伊阪 確かに2回観てもらいたいですね。物語がわかった上で観てもらうとさらに面白いはずです。
小野 そんな雰囲気を醸し出すぞ〜!
 おー!って(笑)、確かに強制ではなく、2回目も来たくなるように色々工夫しています。ポイントカードを作ったり、初めて「お犬様席」を作ったり。トークショーだけじゃなく、どの公演のでもいいのでイヌッコロTシャツを着ていたら楽しめるイベントや、「イヌッコロ・サスペンス劇場」なんかもあります。どれも内容はまだ秘密ですけれど。お芝居だけでなく盛りだくさんの内容になっていますので、ぜひ、劇場に足を運んでください。
 
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前列/伊阪達也、荒木健太朗 後列/小野友広、長谷川哲朗、森訓久
 
いさかたつや○1985年生まれ、石川県出身。04年から放送された『幻星神ジャスティライザー』の伊達翔太/ライザーグレン役で人気に。05年、初舞台『ROCK MUSICAL BLEACH』に主演。以来、テレビ・舞台に活躍中。最近の主な出演作に『戦国BASARA2』(主演)『攻殻機動隊 ARISE』 『RE-INCARNATION RESOLVE』『灰とダイヤモンド』『WORLD ~beyond the destiny~』『拡がる世界の片隅で』(主演) 斬劇 『戦国 BASARA4 皇』 『ROSE GUNS DAYS ーseason1ー』など。

あらきけんたろう○1982年生まれ、熊本県出身。04年の劇団オーディションにて劇団スタジオライフに入団。シェイクスピア「Romeo&Juliet」のロミオ役や泉鏡花『天守物語』の姫川図書之助等、数多くのタイトルロールと主演を務め14年退団。以降、様々な舞台に出演。最近の主な出演作にKAAT『ペール・ギュント』『ロボ・ロボ』『のぶニャがの野望 幸村と五輪の輪』『トラベルモード』『ミュージカル 刀剣乱舞」〜阿津賀志山異聞〜』トライアル公演&本公演、『真田十勇士』『メサイアー暁乃刻ー』など。

はせがわてつろう○1980年生まれ、東京都出身。テレビ・舞台など、様々な作品に出演。主な出演作品に、舞台に『ケロケロちゃいむ』(98年)など。

もりのりひさ○1972年生まれ。声優・俳優。アニメの代表作は『おじゃる丸』川上さん役、『テニスの王子様』柳沢慎也役。舞台ではミュージカル『ハンター×ハンター』ブリゲルラ役など他にもテレビなど幅広く活躍中。

おのともひろ○1979年生まれ。大分県出身。主に映像や舞台などで活躍中。

〈公演情報〉
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『まわれ!無敵のマーダーケース』
作・演出◇羽仁修
出演◇伊阪達也 荒木健太朗 天野麻菜 こいづか登 若松春奈 高橋佑一郎 大塚真矢 想乃 牧田雄一 長谷川哲朗 小野友広 森訓久
●3月21日〜26日◎中野ザ・ポケット
〈料金〉前売り・当日3,800円、初日割・平日昼割3,300円、特別お犬様席4,800円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉inuccoro2010@gmail.com
〈公式サイト〉http://inuccoro.strikingly.com



【取材・文・撮影/竹下力】




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