稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

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「読売演劇大賞」受賞式レポート

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優れた演劇作品、演劇に携わる人に贈られる2010年度『第18回 読売演劇大賞』の贈賞式が25日夜、高円宮妃殿下を迎えて都内のホテルで行われた。

同賞は、古典から現代劇まで、演劇の全分野においての舞台芸術への活力を願い、読売新聞創刊120周年記念事業として1994年に創設された。
毎回、候補作品・人をノミネート、演劇関係の記者、編集者、プロデューサー、スタッフなど100人(今年は101人)による投票と、選考委員たちの最終選考会で、各賞が決定される。

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今回の「大賞/最優秀作品賞」は『ザ・キャラクター』が受賞。野田秀樹が作・演出を手がけ、地下鉄サリン事件を題材にして話題となった舞台である。野田はこの日も『南へ』の公演中とあって、受賞セレモニーの最初だけ出席、挨拶のあとはすぐに劇場へと向かった。
「最優秀演出家賞」の蜷川幸雄はこれで4度目。対象となった作品の『美しきものの伝説』は、大正デモクラシーのエネルギーを無名の若い演劇人たちで構成する「さいたまネクスト・シアター」によって瑞々しく上演。この日の会場には20人以上のネクスト・シアターの役者たちを連れてきていて、「彼らに、こういう輝かしく晴れがましい場のあることを見せ、ホテルの美味しい料理を食べさせてやりたいので」とコメント。記念撮影でも若者たちを呼び上げて嬉しそうな表情を見せていた。

「最優秀男優賞」を受賞した浅野和之は、シス・カンパニーの『叔母との旅』の何役もの演じ分けの見事さが評価されたもの。「この道に入りましてたかだか35年です。まだまだできないこと、わからないことがたくさんある。これからもがんばっていきたい」と謙虚に感謝の言葉を述べた。
「最優秀女優賞」は麻実れい。『冬のライオン』のエレノア王妃と『恐るべき親たち』のイヴォンヌが対象となり、大胆にして細心な演技で絶賛された。麻実は「ちょうど年齢も区切りの年になったところ、この賞はまた新しいスタートの大きな支えになります」と感激の面もちだった。
年間に活躍した新人に贈られる「杉村春子賞」を受賞した多部未華子は、初主演作品『農業少女』での演技が評価されたもの。「1枚の板の上でさまざまなことが行なわれる演劇。また挑戦したいと思います」と、舞台への意欲を語った。

そのほかにも最優秀スタッフ賞の小野寺修二は「想像力を刺激する舞台を作りたい」、芸術栄誉賞を受賞した翻訳家の小田島雄志は「上演してくれる人たちがいなければ戯曲を訳しても価値がない。皆さんのおかげでもらった賞」、選考委員特別賞には『日本人のへそ』で演出・出演した熊倉一雄が受賞、「こんな立派な賞を貰えてびっくりしています。井上ひさしくんも喜んでいると思います」と語った。

そのほかに優秀賞に選ばれた作品や俳優、スタッフが出席してそれぞれコメント。『Pal Joey』のメンバーを代表して登壇した坂本昌行は、今演じているゾロ役のためヒゲ面ながら満面の笑顔。『ヘンリー六世』の演技で受賞した上川隆也は生真面目な表情で挨拶。女優賞では常連の大竹しのぶから、多部未華子のような若手俳優まで、現在の演劇界を賑わす豪華な顔ぶれが一同に会した受賞式だった。

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第18回 読売演劇大賞


【作品賞】

最優秀作品賞・大賞/ 『ザ・キャラクター』(NODA・MAP)

優秀作品賞/『叔母との旅』(シス・カンパニー)、『Pal Joey』(Quaras)、『摂州合邦辻』(松竹・日生劇場)、『美しきものの伝説』(さいたまネクスト・シアター)

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【男優賞】

最優秀男優賞/浅野和之

優秀男優賞/尾上菊之助、上川隆也、チョウソンハ、橋爪功

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【女優賞】

最優秀女優賞/麻実れい

優秀女優賞/阿知波悟美、大竹しのぶ、銀粉蝶、多部未華子
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【演出家賞】

最優秀演出家賞/蜷川幸雄

優秀演出家賞/鈴木裕美、高瀬久男、前川知大

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【スタッフ賞】

最優秀スタッフ賞/小野寺修二

優秀スタッフ賞/小川幾雄、沢田祐二、土岐研一、乗峯雅寛 

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【その他の特別賞】

杉村春子賞/多部未華子

芸術栄誉賞/小田島雄志 

選考委員特別賞/熊倉一雄
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【取材・文/榊原和子】


KAATで芸術監督たちがオープントーク『劇場って何? 芸術監督って何?』

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2月26日、今年1月にオープンした神奈川芸術劇場(KAAT)の芸術監督である宮本亜門が、同じように芸術監督として活躍する蜷川幸雄、串田和美、宮田慶子の3人をむかえ、劇場と芸術監督について対話するトークイベント「オープントークVol.1」が行われた。

第一部が蜷川(彩の国さいたま芸術劇場)と宮本の対談。第二部が串田(まつもと市民芸術館)と宮田(新国立劇場演劇部門)と宮本の座談会で、岩城京子(演劇ジャーナリスト)の司会で行われたあと、最後は宮本が直接観客たちの質問に答えるという形で、約3時間半の長時間にもかかわらず、400人近い観客は熱心に聞き入っていた。

 

【オープントークの内容】

第一部は「劇場って何?」というテーマで13時に開始。宮本亜門と蜷川幸雄の率直な対話で約1時間があっというまに過ぎた。

それぞれの立地と集客についての試行錯誤、アイドルや人気俳優を主役にすることについての蜷川ならではの見解、海外と日本のスタッフワークや仕事のしかたの違いと向き合い方、自分の作品への批評や評価の受け止め方、蜷川の最近の展開であるネクストやゴールドという劇団の成果など、幅広く話は広がっていった。

 

第二部、「芸術監督って何?」というテーマで、串田和美、宮田慶子、宮本亜門の3人のトークセッションで司会は岩城京子、14時半に開始し16時に終了した。

芸術監督としての各氏の現在の仕事内容に始まり、地域との連携の努力、いくつかの劇場作りに携わった串田ならではの劇場への視点、新国立劇場の演劇部門の芸術監督の任期の問題、また人材を作り出す養成の話として劇場付きの劇団と自主的に集まった劇団の違いや功罪などが語られた。

1_第2部

観客との質疑応答 

第二部の終了後に10分ほどの短い時間だったが、宮本亜門が観客からの質問に答えた。海外と日本でのプロジェクトで感じる大きな違い、オーディションで俳優を選択する際の基準、神奈川芸術劇場の客席の見切れ席と料金の問題など、活発な質問が飛び、宮本からは丁寧な答えが返って、観客との生のコミュケーションが繰り広げられた。

このオープントークは今回がVol.1。入場無料で気軽に足を運べ、こういった豪華なメンバーの話が聞けるよい機会だけに、宮本亜門芸術監督の劇場運営に役立てるためにも、今後も継続していってほしいイベントである。

 

【取材・文/榊原和子】 

私の観劇計画3月その2 植本潤(花組芝居)×坂口真人(演劇ぶっく編集長)

リリパットアーミー

『音楽の時間』

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作・演出・出演◇わかぎゑふ

出演◇コング桑田 千田訓子 三上市朗 八代進一 岡田達也 佐藤心 ほか

3/516◎下北沢ザ・スズナリ、3/1924◎世界館(大阪)

 

植本 リリパットアーミー兇任后『音楽の時間』、作・演出わかぎえふさんということで。聞いたところによると、日本にドレミが入ってきたときの話らしいんです。

坂口 それはいつ? 普通で言えば明治の初め? いろんな欧米の文化が入ってきたときついでに入ってきたような気がしない?

植本 そのへんの時代を書いたらわかぎえふさんはとてもすごいので、これもきっとおもしろいと思うのですが。出演者は、コング桑田さんとか劇団員のほかに、三上市朗、岡田達也、美津乃あわ、江戸川卍丸、うちの花組芝居の八代進一が出るんですが。たぶん八代くんは大阪で稽古すると思います。

坂口 公演場所はどこですか?

植本 東京は下北沢ザ・スズナリ。大阪は世界館というところ。海のほうにあったな、僕一回行ったことがある。世界館に観に行ったときに、通りをイタチがぴょーんぴょーんて普通に出没してましたよ(笑)。そんなところです。

坂口 へえー。

植本 リリパットアーミー供慍山擇了間』は、東京公演が下北沢スズナリ3/5(土)〜16(水)、前売・当日ともに4500円です。

 

チャリT企画

『ネズミ狩り』

ネズミ狩り

作・演出◇楢原拓

出演◇ザンヨウコ 内山奈々 羽鳥名美子 滝寛式 松本大卒 ほか

3/313◎こまばアゴラ劇場

 

植本 チャリT企画さん。あれでしょ、早稲田の劇研?

坂口 そうですね。劇研の人たちを中心につくった劇団ですね。

植本 目立つチラシですね。

坂口 かわいらしいですよね。黄色地に縄かな。

植本 『ネズミ狩り』というタイトルです。再演なのかな、2008年佐藤佐吉賞「最優秀脚本賞」受賞作と書いてある。観たことあるんですか? チャリT企画。

坂口 僕はこれを観てるんですよ。よく憶えてないんですけど。とてもテンポもよくて、おもしろいシチュエーションコメディだったかなと。

植本 拝見したことがないので。早稲田の劇研ってそれぞれカラーがあるじゃないですか。どんな感じ?

坂口 社会的なテーマをわりとコミカルに描くというのが主宰の楢原拓さんの得意なところなんです。それがどこまで本気なのか、どこまでちゃかしているのかよくわからない部分がおもしろい。なかなかテンポがいい芝居づくりをしていると思います。

植本 1回観たいと思ってたんですけどね。

坂口 今度は出演者もちょっとおもしろいじゃないですか。

植本 ダブルキャスト?

坂口 女性3人はずっと出るんですよね。

植本 ザンヨウコさんは危婦人の方。毛皮族の羽鳥名美子さん。

坂口 それと内山奈々さんという劇団の方と、この3人の女性の組み合わせは魅力的かもしれないな。

植本 初演のご意見、ご感想が書いてある。「かくも重いテーマをこれほどおもしろく仕上げたことに拍手を送ります/スリリングで目が離せない展開。手放しでおもしろかったです/温かみがありつつも、どこか冷たくて怖い作品で、今までにない感動を受けました」。

坂口 その中でね、松本大卒さんというちょっととぼけた人がいて。

植本 本名じゃないよね(笑)。

坂口 この前お会いする機会があって。ナイーブな方で、彼が舞台に立ってどう変化するか興味があって。行こうと思います。

植本 編集長、いろんな俳優さん知ってるね。

坂口 いやいや。たまたまお会いして。ちょっとおもしろそうな方でした。

植本 チャリT企画『ねずみ狩り』です。こまばアゴラ劇場で、3/3(木)〜13(日)、ちなみに3/8(火)は休演日となっております。全席自由席整理番号付、前売3000円、当日が3500円です。

 

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