稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

『真夜中の弥次さん喜多さん』三重

テンポよく笑えて泣ける『スピリチュアルな1日』レビュー


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昨年の大震災の影響で、一部公演中止となってしまった『スピリチュアルな1日』が再演。
主演のNON STYLEの石田明を中心に、初演メンバーの須藤理彩、吉本菜穂子、諏訪雅、今井隆文、そして新メンバーとして片桐仁、猪塚健太、柳澤貴彦が加わり、たった3日間しかできなかった昨年の幻の公演を取り戻すかのように、エネルギッシュな舞台を繰り広げている。


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【あらすじ】

あるマンションの一室、ドキュメンタリー番組のディレクターの三井(石田)は、先輩でプロデューサーのあさみ(須藤)とルームシェアしていたが、彼女への思いを告白しようとした矢先、あさみは交通事故で亡くなってしまう。

そして半年後。三井と後輩の守山(柳澤)は心霊番組のドキュメントを制作中、だが撮影した映像がなぜか映っていない。そこで霊能カウンセラー(片桐)を呼んで撮り直しをすることに。ちょうどそのとき天使(今井)に連れられたあさみが部屋を訪れるが、そこは先住の地縛霊(猪塚)が暴れていたり隣りの夫婦(吉本・諏訪)が闖入してきたりと、とんでもないことになっていた。


ゴーストもののドキドキ感とラブ・ストーリーの切なさ、そしてシチュエーションコメディ的な面白さを織り込んであり、テンポよく笑えて泣ける舞台である。
 
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同居した最初から秘かに思いを寄せていた三井と、そんな年下男の心も知らないで、マイペースに生きて不意打ちのように死んでしまうあさみ。肝心なところでズレまくっていた2人の思いが、”スピリチュアル”でメチャクチャな1日のあとに奇跡のように1つになる。
そこまでの伏線となる「不思議な出来事」やそれに関わるおかしなキャラたちで、いやというほど笑わせておいて、最後に一気に泣きに落とし込む脚本と演出はお見事としか言いようがない。

ゴーストものならではの異空間の扱いや、キーになる小道具の使い方なども巧みで、観客をファンタジーに滑り込ませる細かい工夫をきちんと用意してある。
 

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俳優は、ちょっと頼りないけれど誠実で仕事熱心なディレクターの三井を自然体で見せる石田、キャリアはあるがどこか脆さのある女性プロデューサーを生き生きと演じる須藤。

脇を固めるメンバーは、どこまでがアドリブかわからない面白さと胡散くさい霊能カウンセラー役で賑わす片桐や、切れ味鋭い笑いを次々に繰り出して目が離せない吉本と諏訪の夫婦。ADの柳澤のリアリストぶり、ボケてるようで空気がいちばん読めてる天使の今井、スプラッターな外見に似合わない可愛さの猪塚などが、良いスパイスとなって、ちょっと甘めのラブストーリーをベタに落とさずウェルメイドコメディに仕上げている。

東京公演は6月24日まで池袋のあうるすぽっと。月末から大阪で公演したあと仙台でも上演が予定されている。

※柳澤貴彦さんのやなぎは「木夘」が本来の文字ですが代わりの文字になっています。

 

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『スピリチュアルな1日』
脚本◇小峯裕之

演出◇板垣恭一
出演◇石田明(NON STYLE)、須藤理彩、片桐仁、吉本菜穂子、諏訪雅(ヨーロッパ企画)、猪塚健太、今井隆文、柳澤貴彦
●6/13〜24◎東京 あうるすぽっと
●6/29〜7/1◎大阪 ABCホール
●7/7〜8◎宮城 仙台市青年文化センター シアターホール
〈料金〉前売 5,500円 当日 6,000円(全席指定・税込)
 ※東京公演の当日券は60分前よりロビーにて受付
公式HP http://www.amuse.co.jp/stages/sp/index.html


【文/榊原和子 写真提供/アミューズ】

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維新派・松本雄吉が語る『夕顔のはなしろきゆふぐれ』

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大阪を拠点に「ジャンジャン☆オペラ」と呼ばれる表現スタイルを確立し、自分たちの手で一から劇場を建て公演することで知られる維新派。

約3年ぶりの関西公演は、神戸の港近くに建つ近代産業遺産の建造物にて行われます。少年たちが走り、止まり、並び、踊る。独特の言葉や身体のリズムと美術・照明・音楽など全てが響き合い、心を揺さぶる維新派の舞台。

現在、創作真っ最中の主宰・松本雄吉が今回の作品について、語ってくれました。

「神戸の港の近く、貿易のための生糸の検査所だった建物です。昭和の初期に建てられた石造りの4階建。奥行き80メートル、高さ12メートルの部屋にセットを組みました。遠近法を立体化した、ホワイト・キューブ。もう8割がた出来ています。思っていたよりかっこいいものになったなと皆で満足しています。舞台に人が立つとすごく小さく見えて、人のからだのかたちがすごく新鮮に映る。照明の吉本もやる気十分で、とにかく照明がやりがいのあるセットです。僕も何か新しい演劇の発見ができそうな予感がしています。
過去に「水街」「王國」「流星」と都市三部作をやったんですが、その延長線上の都市論をテーマにした作品です。都市の現在、過去、未来をヂャンヂャン・オペラの音楽形式と、映画的な方法を意識して表現します。都市の風景がどんどん変わっていくなかで、僕らは街をどんなふうに眺めているのか、この舞台が一つのきっかけになってそれぞれ人の街への思い<街論>がにぎやかになってくれたらと思っています。」


【何か新しい演劇の発見】に立ち会えるかも知れないこの機会。
今年の夏は、まず初めに、神戸の維新派に会いに行きましょう!


維新派
『夕顔のはなしろきゆふぐれ』
〜Perspective play for City〜


7/12〜29◎デザイン・クリエイティブセンター神戸(旧神戸生糸検査所)
<神戸市中央区小野浜町1>
※各線三宮駅より徒歩20分、ポートライナー貿易センタービル駅より徒歩5分

構成・演出◇松本雄吉
音楽◇内橋和久
出演◇維新派
<料金>一般¥6,300ほか
<お問い合わせ>維新派 http://www.ishinha.com/ 06-6763-2634(12:00〜18:00)


えんぶ☆ショップにて一部チケットを割引販売中!
http://enbu.shop21.makeshop.jp/shopbrand/027/O/

新・勘九郎と宮藤官九郎の『天日坊』が開幕。

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渋谷・コクーン歌舞伎 第十三弾『天日坊(てんにちぼう)』。

1994年に始まって以来、とどまることなく進化を続けるコクーン歌舞伎。第十三弾の今回は、幕末に上演された河竹黙阿弥の幻の作品に挑む。

初演から150年のときを超え、人気脚本家・演出家・俳優である宮藤官九郎の新たな脚本、串田和美の演出・美術で、『天日坊』が甦る。

歌舞伎の邦楽ではなくトランペットを中心とした音楽、串田デザインを元にした独特の衣裳、かつてないコクーン歌舞伎の誕生である。

2月に六代目を襲名した中村勘九郎が天日坊をつとめるほか、中村獅童、中村七之助といった次代の核となる歌舞伎俳優と白井晃、近藤公園、真那古敬二などジャンルを超えた個性豊かな俳優たちがシアターコクーンを熱く盛り上げる。

この舞台の公開稽古が初日前日に行なわれ、囲み会見に中村勘九郎、中村獅童、中村七之助、演出の串田和美が出席した。


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七之助、勘九郎、串田、獅童

【コメント】 

串田 たぶん、歴史的な、これがはじまりか、と思えるものになる予感がしています。今回は特に若いみなさんで、何を要求しても挑戦してくれる。18年で、コクーン歌舞伎にも伝統ができてきた。伝統は守るだけではなく、壊そうとするものができてはじめて伝統となるのだと思い、幸せな思いです。


勘九郎 18年前(1994年)にはじまったコクーン歌舞伎ですが、串田監督がこれまで積み上げてきたものが机の上にあって、ドンと肘を置いてすべて落とした。串田監督の演出プランを聞いて、稽古をして、ものすごいかっこいいものになると確信している。自信を持って提供できるものに仕上がっている。これまでのコクーン歌舞伎があってはじめてできる新しい作品。お楽しみにしてください。


獅童 黙阿弥の七五調の長台詞のなかにブルース・ギターが入ってきたり、是非、若い方に観ていただきたい。生の舞台を体感してほしい。


七之助 稽古場に観に来た父(勘三郎)は、「面白い!できてるじゃん!」とびっくりしていた。もっとひどいものになると思ってたみたい(笑)。僕は松田聖子さんのディナー・ショーに行くのが夢でしたので(笑)、ご結婚おめでとうございます。


渋谷・コクーン歌舞伎 第十三弾
『天日坊(てんにちぼう)』

原作◇河竹黙阿弥『五十三次天日坊』
脚本◇宮藤官九郎
演出・美術◇串田和美

出演◇中村勘九郎 中村七之助 中村萬次郎 片岡亀蔵 坂東巳之助 坂東新悟 近藤公園 真那胡敬二 白井晃 中村獅童 他

●6/15〜7/7◎Bunkamuraシアターコクーン

〈問合せ〉0570-000-489 チケットホン松竹

松竹HPhttp://www.shochiku.co.jp/play/


【資料提供/松竹】
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