観劇予報

『向日葵かっちゃん』舞台化決定!

映像作家奥秀太郎が描くフリークスとは。『FREAKS』公演

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映像作家として独自の世界を展開するとともに、最近は優れた舞台作品の作・演出家としても活躍している奥秀太郎が、10月2、3日に新作の舞台を上演する。
奥は、この8月末にも『キミドリ』という作品を発表したばかりで、過去に起きた悲惨な事件をモチーフに、1人の女性をめぐるさまざまな青春の痛みを、美しい映像とニュアンスに富んだ言葉で描いて好評だった。
今回は、『FREAKS』というタイトルで、直訳するとマニア、狂という意味だが、偏ったもの、歪んだもの、異常なものなどもこの言葉からは連想される。
果たして映像作家の奥が舞台ならではのアプローチで表現する『FREAKS』とは?

『FREAKS』
脚本・演出・映像:奥秀太郎

出演:畠山勇樹、中本昂佑、幸田尚恵、今奈良孝行、野村恵里、嶋崎朋子ほか

●10/2〜3◎東京芸術劇場 小ホール1
2日(土) 19:00  3日(日) 14:00 / 18:00

〈料金〉
5000円(全席指定・税込)

 

〈問合せ〉tel 03-3405-5715 株式会社NEGA

 www.nega.co.jp


 


二大歌姫の競演!『プライド』制作発表

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シアタークリエの12月公演『プライド』の制作発表とトークショーが9月21日に行われた。2000人の応募の中から選ばれた140名のオーディエンスがいる中、原作者である漫画家の一条ゆかり、演出の寺崎秀臣、脚本の大石静、そして池之端蘭丸役・佐々木喜英、麻見史緒役・笹本玲奈、緑川萌役・新妻聖子、神野隆役・鈴木一真の出演者4人が登場した。
『有閑倶楽部』や『砂の城』など数々の名作漫画を生み出してきた一条ゆかり。この『プライド』が一条マンガ初の舞台化作品となる。脚本は学生時代に劇団「二兎社」を旗揚げし、近年は連続テレビ小説『ふたりっ子』や大河ドラマ『功名が辻』などテレビドラマの脚本でも活躍中の大石静が担当する。
オペラ歌手を目指す緑川萌と麻見史緒の二人の姿が、今、日本のミュージカル界を代表する歌姫二人、笹本玲奈と新妻聖子に重なるという刺激的なキャスティング。今まで同じ役を演じたことはあるが、笹本と新妻が同じ舞台に立ち、競演するのは今回が初めてだ。
出演者は4人であるが、4人だからこそ見せられる濃厚なドラマに期待が高まる。

<質疑応答>

ーーなぜ今回『プライド』の舞台化を承諾したのかと、それぞれキャストの印象をお聞かせください。

s_RIMG2733 一条 どうしても豪華にやって欲しくって、TVではなくもう少しスケールのある形で"歌を聴かせる”っていう。それで出来れば舞台がいいなと思っていたときにこの話がきて、でも私は、ミュージカルのこと本当に知らないんですね。ただ周りの人に聞いたら、本当に今、日本の二大歌姫が、初めて同じ舞台に立つ。こんなことはあり得ないんだと、うちの担当も熱く語って『そうなんだ〜』と。そういう意味で、すごく私自身もどんな舞台になるのか楽しみにしています。でもさっき聞いたら、4人だけしか出ないと。「ケチ!」と思ったんですが(笑)そうではなくて、もう4人でどれだけ見せるかってことで、大石さんがものすごく頭を悩ませて、脚本を書いてくれて、読んでとてもすごいなって感じました。

一人一人の印象は、ます蘭丸くんはこのままでカツラかぶったら・・・横にいて今すごく役得なんですけど、すごくかわいいんですよ(笑)。これでドレスを着たら、本当にそのまんまいいと思うんですよ。で、さっきちょっといじめてたんですが(笑)「ピアノ、弾かないの?」って。これからピアノも練習するそうです。子供の時にやっていたそうで。

史緒ちゃんは見るからに姫っていう。もう頭にティアラ付けたいと。イメージも立ち方も堂々としていて、イメージに合うんですが、でももっと偉そうにして欲しいです。「あ、そう?」っていうぐらいの。

萌ちゃんは、本当にぴったりですね。ちょっと見て笑っちゃいました。あんまりにもぴったりで。カツラって聞いたんですけど、ヘアスタイルもとても似合って、顔に気合いがすごくあるんですよ。絵に似ているなと思いました(笑)。是非、目をキッとしながらやって欲しいです。

神野さんはさっき頭にいっぱいピンがついてておかしかった(笑)。でもピンを取ったら、さすがに元モデルだということもあって、すごく綺麗な立ち方で、すっとしていて。歌を歌うのかどうか聞いたんですが、まだわからないんだそうです。いるだけで格好良いなと思います。本当に素敵です。

ーー笹本さんと新妻さん、ライバル役を演じることについて。

s_RIMG2717笹本 あの、私は原作を読んだ時に、私と聖子ちゃんだなって思いながら読んで(笑)。一般的には、同じ役を3回もやっていますし、出会ってから7年間同じ舞台に立つってことが一度もなかったので、世間のみなさまはライバル同士っていう目で私たちのことを見ていたんじゃないかな?と思っていました。私自身も出会ってからの7年間というのは、すごく聖子さんから刺激を受けてここまでやってきたので、漫画を読んだときには、どっちがどっちをやるかっていうのは想像つかなかったんですけど、マネージャーさんからお話を聞いたときに「これ聖子ちゃんとでしょ?」って先に言ってしまったぐらい、重ねて読んでましたね。





s_RIMG2722新妻 あぁーそうですかー(笑)。今、あぁそうなんだと思ってたんですけど、私は逆にお話いただいてから漫画を読ませていただいたんで。本当に玲奈ちゃんとは、初舞台から、『レ・ミゼラブル』、『ミス・サイゴン』、そして苦楽をを共にした『マリー・アントワネット』というミュージカルでずっと同じ役をやらせていただいて、同じ役だからこそ、同志といいますか、本当に二人で一緒にその役を作り上げてきたという感覚がとっても強くて、ライバルとかってそういう風に意識したことがなかったので。前から早く共演したいねって言ってて、やるなら姉妹役かなぁ?言ってたのに、こんなバトルチックな役になってしまって(笑)、「あららー」と言ってたんですけど、本当にでも彼女とだったらとても良い作品が作れるに違いないと思って、今はただただ楽しみにしております。



ーーそれぞれのキャラクターの魅力をどう受け止めていらっしゃいますか?

s_RIMG2712佐々木 蘭丸はですね、ピアノ科のプリンスと呼ばれている役で、本当にピアノの天才なんですよ。まずピアノが第一にあるっていうのと、あと女装をするんですね。これが僕すごく、楽しみというか、なんというか。本当に普通の人に会って「あ、あの人、女の人だな」と思うような綺麗な格好をしているんで、普段からちょっと、女らしい仕草というか、女に見られる仕草とかを研究していきたいと思います。

笹本 初めて原作を読ませていただいたときに、私はどっちかというと萌よりの気持ちで読んだんですね。それほど私にとってはかけ離れている、本当に見るからにお嬢様っていう方なので、これをどう役作りしていこうか、今すごく頭を悩ませていますし、マナー講座とか通っちゃおうかとか考えるぐらいで(笑)本当に恐縮しています。実は人間らしい恋に揺れる部分だとかは同じ女性として、すごく共感できる部分が多いので、そういうところも大切に演じたいと思ってます。
 
新妻 萌は原作読ませていただくと、最初のほうは本当に普通の子なんですよね。無邪気で、かといって、貧乏な境遇に負けることなく、生きている子だなと。その後いろんなことが起きるなかでスイッチが入って行って、時には鬼のようなこともしてしまうんですけど、生まれつき鬼という人間はいないので、神野さんを思う気持ちだとか、母を求める心だとか、萌の中にある美しいものを見失わずに演じることができたら、萌ちゃんの魅力、人間としての美しさが舞台上にも現れるんじゃないかと思ってます。萌が味わっている苦しみだとか、喜び、それを客席のお客様と共有できるような、そんな萌像を作り上げて行ければと、そんな親近感が湧くところが萌の魅力ではないかと思っています。

s_RIMG2727鈴木 神野はすべてを手にした男というか、仕事でもプライベートでも、家柄も、全てですし、僕は読んでいて友達になりたくないな、と(笑)。だんだんその、4人の関係がずれて行く中で、弱いところが見えてきたときに、「一緒に飲みに行ってあげたいな」と思うようになりました。静かで冷徹を装ってるけれど、実は弱かったっていう、そこがすごく僕は感動しました。









ーーオリジナルにこだわられている中で、それでも脚本を引き受けた理由は。

大石 オリジナルにこだわってはいますが、時々脚色はTVの方でやったりしています。やっぱり原作者の哲学というものに共感できないと、脚色もできないと思っていて。そういう意味で一条先生の人間の造形に共感できて、立体的な心っていうんですかね、人間には、天使の心もあるし、悪魔の心もあるし、すごく多面的な人間の悲しさとか、切なさとか、計り知れない奥深さを描いてらっしゃる。そして一つのことに向かって努力することの美しさ、無様でも必死にもがく人間がいかに美しいかってことを、私は原作を読んでよくわかったので、その辺を凝縮して描いてみたいと思って、この作品を受ける決意をしました。


制作発表のあとに行われたトークショーでは、ミュージカルではなくあくまでストレートプレイである作品中に、歌はあるのか?という、誰もが気になる質問に対する答えもあった。もちろん歌は「ある」とのこと。SRM(史緒・蘭丸・萌の3人のユニット名)の楽曲も披露されるということで、笹本と新妻がどんなハーモニーを奏でるのかが、今から楽しみだ。

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「プライド」

 

原作◇一条ゆかり

脚本◇大石静

演出◇寺崎秀臣

出演◇佐々木喜英、笹本玲奈、鈴木一真、新妻聖子(五十音順)

 

●12/1〜12/19◎シアタークリエ

●12/22◎岸和田浪切ホール

●12/23◎名古屋名鉄ホール

 

<料金>

シアタークリエ 8,800円(全席指定・税込)

 

<問い合わせ>

シアタークリエ 03−3591−2400



【取材・文/岩見那津子】 

信じることの危うさ。野田地図番外公演「表に出ろいっ!」

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勘三郎が酔った際に発したという『表に出ろいっ!』という言葉。
それがそのままタイトルになり、そのまま作品に込められた思いにもなった。

 

両親と一人娘という3人家族。

父が中村勘三郎、母が野田秀樹、
娘役はWキャストで黒木華と太田緑ロランスの二人がオーディションの結果選ばれた。

3人には生活を投げうってでも自分を捧げたいと思う「信じるもの」がある。

それはアミューズメントパークであったり、
アイドルグループであったり、キャラクターグッズであったり様々だ。

3人それぞれ、絶対に今日出掛けなければ「信じるもの」を失う状況にあるのだが、
家には産気づいたペットの犬・ピナバウシュがいる。

誰か一人が留守番をして面倒を見なければ、
ピナバウシュとその子供たちの命は失われるかもしれない。

それでもみんな自分が信じるものが一番で、
例え家族であろうと別の人間の「信じるもの」、
価値観の違いを絶対に認めることができない。

誰が留守番をするかを巡って起こる、小さな家の中での言い争い。

 


パッと観れば、家族間でのドタバタ喧嘩劇。

でもそこに世界を感じる瞬間が確かにある。

家なのに世界。世界なのに家。

「信じるもの」の違い、それを認められないから争いが起こるのだ。

東京芸術劇場の小ホールという小さな小さな空間から、
大きな世界を想像させる野田秀樹らしい、演劇らしい演劇である。

意識を広げたり、内にこもらせたり、
自由自在に観客一人一人の想像力を操って遊んでいるような印象すら受ける。

でも遊ばれた方が、絶対に面白い。

 


前回の野田地図公演『ザ・キャラクター』とリンクする部分があるのもこの作品の面白さ。

もちろん観ていなくても楽しめるのだが、
観ていたらより息を飲む瞬間があるだろうし、
あの胡散臭い書道教室が頭をちらつき、娘が本当に信じるものも想像しやすい。

 


中村勘三郎と野田秀樹が1時間20分を1955年生まれの55歳とは思えない、
いや、むしろ信じたくないぐらいの、ものすごいテンションで駆け抜けていく。
体力的にも全力疾走。

その55歳に物怖じせずぶつかって、更なる嵐を巻き起こす娘。

3人のエネルギーに爆笑しつつも、
「ここまで来てみろ」と煽られているような気分にもなった。


今回、娘を演じたのは太田緑ロランスであったが、
およそ二人の娘には見えない容姿のアンバランスさからして面白い。

全く受ける印象の違う黒木華との違いがどう出ているのか、
黒木バージョンを見るのも楽しみである。

 


「信じるもの」の違いにがんじがらめになった3人は、
家から出られなくなり、水もない、食料もない状態、「死」に直面する。

アミューズメントパークも、アイドルも、キャラクターも結局は救ってはくれない。

外に繋がる、玄関のあの扉。

あの扉を開けることができたのは自分なのに、
もはや自分でさえ扉を開けることができない。表に出ることができない。

こんなことになる前に自分の力で「表に出ろいっ!」と、
観ている側としては重いものをぶつけられた気は確かにしたのだけれど、

そこをさらっとかわして、悲劇にはしない、シリアスにはしない終わり方が憎い。

野田秀樹に最後の最後まで操られて、遊ばれてしまった。

 

 

 






NODA
MAP番外公演

『表に出ろいっ!』

 


作・演出野田秀樹

出演中村勘三郎 野田秀樹 黒木華/太田緑ロランス(Wキャスト)

 


/5〜9/28◎東京芸術劇場 小ホール

 


<料金>

一般¥7,500/サイドシート¥4,000(25歳以下¥2,000 要身分証)

高校生割引¥1,000(要学生証)

 

 



<問い合わせ>
NODA・MAP 03-6802-6681

【文/岩見那津子】

 

 

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