稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

『レビュー夏のおどり』

WOWOWライブにてリーディングドラマ『Re:』4夜連続放送!

★リリースキーカット_kumi
上段/藤木直人×ベッキー、竹中直人×中越典子 
下段/古田新太×宮沢りえ、生瀬勝久×仲間由紀恵 

撮影:引地信彦


当代の人気“演技者”たちがそれぞれの個性を存分に注ぎ込む、新作リーディングドラマ『Re:』(アールイー)。

今年3月に「CBGKシブゲキ!! プレミアムステージ企画」第一弾として上演された『Re:』は、土田英生の書き下ろし新作で、1組の男女が10年間に渡り交わしたPCメールをリーディングするという、現代的なスタイルの朗読劇。

出演は藤木直人×ベッキー、竹中直人×中越典子、古田新太×宮沢りえ、生瀬勝久×仲間由紀恵という豪華4組で、それぞれ1日限りという贅沢な日程で、チケットも即日完売の貴重なステージとなった。その舞台をWOWOWライブにて6月12日(火)〜15日(金)の夜11:00から4夜連続放送する。


物語は片山なつきという女性が、苦しい恋に悩む友人を助けようと交際相手の男性におせっかいメールを送ったことから始まる。受け取ったのは堂山参太郎。堂山は交際相手本人ではなく単なる彼の同僚だったのだが、なつきは勘違いプラス成りゆきから辛辣な文面を連続送信。「失礼な方ですね」と返信する堂山。やがてふたりは頻繁にメールを交わすようになり…。

舞台上には椅子と小さなテーブルだけ。しかし、怒ったりふざけたり悲しんだり、俳優が様々な感情を声に乗せメールを読み合ううち、観客は次第に彼らが刻んだ時間、過ごした日々、育み合った愛情の確かさと暖かさを感じ取り、共有していく。


このステージに出演した8人から、以下のコメントが届いた。
 

藤木直人「距離感が変わったり、違う人にちょっと心が行ったりしつつもずっと繋がり続けたふたり。お客様も純愛として感動できるんじゃないでしょうか」

ベッキー「なつきは最後とかどんどん弱くなっていくし乙女になっていくから…可愛いなって。まっすぐな女性なんだろうなって思いました」


竹中直人「朗読劇だと自分なりの理想的な音があって、それを探りながら…でも、探り過ぎると今度はテンポが落ちるので、そこが難しかったかな」

中越典子「読みながら、竹中さんの顔を見たい、横を向いてみたい、お客さんと感情を共有したいと惑わされそうになったけど(笑)、楽しかったです」


沢りえ「堂山さんは魅力的。文書がやっぱり…キュンっと来るところ、ありましたね。女心がくすぐられるような。古田さんもセクシーですし」

古田新太「りえちゃんは声もチャーミング。4組やった中で僕らが一番エロかったんじゃないかなって思います。…ホントの意味でのエロ、エロス」


仲間由紀恵「ぶつかっていけば乗っていけちゃう素晴らしい本だったので、読んでいて自分でもドキッとしました。ストーリーに飲み込まれている感じ」

生瀬勝久「小屋があればできる作品だよね。僕はこの『Re:』をいろんなところで上演したいって思います。できればまた新作も書いていただきたいな」


演者によってふたりの愛の在り方、見え方が変容するのも本作の大きな魅力。シンプルゆえにダイレクトに心に迫るラブストーリーを、劇場の次はぜひ自宅のリビングでもじっくりと堪能しよう。


リーディングドラマ『Re:』(アール・イー)

6月12日(火)〜15日(金)夜11:00〜 WOWOWライブにて。

藤木直人×ベッキー(12日放送)

竹中直人×中越典子(13日放送)

古田新太×宮沢りえ(14日放送)

生瀬勝久×仲間由紀恵(15日放送)

http://www.wowow.co.jp/stage/


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『神様の観覧車』美山加恋、中河内雅貴、福田転球、平沼紀久インタビュー

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中河内雅貴、美山加恋、平沼紀久、福田転球


コラボレーションユニット「Hysteric・D・Band」による『神様の観覧車』が、6月6日から青山円形劇場で幕を開けた。

このユニットは、アニメ作品の声優や連続ドラマの執筆などで知られる脚本家・渡辺啓と、絵本出版や舞台のプロデュースでも活躍する俳優・平沼紀久が結成、今回が第2弾となる。

主人公は事故で視力を失い、やがて不治の病に冒される1人の少女。その3人の兄や医師、事故の加害者の息子など周辺の人間関係を描きながら、サンタクロース、トナカイ、スノーマンも現れるという、ちょっとファンタジックな舞台になる。
ヒロイン役には舞台初主演の美山加恋を迎え、3人の兄たちには福田転球、
平沼紀久、中河内雅貴が扮する。 このヒューマンで切ない物語を生きる4人兄妹を、稽古場にたずねて作品とお互いの役などについてインタビューした。


 
【理想の妹と個性的な兄たち】


ーーまず、このユニットの主宰でもある平沼さんから、今回の公演について話していただけますか?

平沼 僕と渡辺啓で「Hysteric・D・Band」というのをやっていまして、今回、2回目公演なんですが、もともとこの少女の話は前回から企画に上がっていたんです。でも、なかなかこれという女優さんに巡り会えなくていたんですが、今回、ちょうど美山加恋さんの出演が決まったということで「よし、やれるぞ」と。命に関する話ですので、震災のことや渡辺の個人的なこともあって、やはり、今、やるべき作品だという気持ちです。
 

ーー妹とそのお兄さんたちのお話だそうですが、それぞれの役どころを教えてください

美山 私の役は目が見えなくて、そのうえ重い病気にもなってしまいます。

福田 僕が長男で、両親がいないものですから、弟や妹を支えてるという設定です。でもちょっと支え切れてないかもしれないんですが(笑)。長男として一応頼りになる役なので、それをなんとか見せたいなと。

平沼 僕は次男で、ムードメーカー的な存在ですね。家族を明るくしようといつも思ってます。

中河内 三男で両親が亡くなったことを自分のせいだと思っていて、心に闇を抱えていて、事故の後から表に出られないんです。普段とはまったく違うような役で。

福田 そうなんだ?

中河内 そうです(笑)。
 

ーー個性がバラバラなのになぜか家族らしさが漂う面白いキャスティングですね。

平沼 美山さんはまさに理想の妹です。みんなが感情移入できる素敵な妹で、芸歴も長いので安心しています。転球さんは実は前からファンで、出てくれると決まったとき、スタッフみんなが歓声をあげました。

福田 全然知らなかった(笑)。

平沼 雅貴はもう1つ企画があって一緒にやろうと言ってて、その流れでこれに出てもらったんですが、いつもの明るい役を封印するというのが僕からの提案でした。

中河内 難しい役をいただいて嬉しいです。ふだんはワイワイしてるタイプなんですけど、たまに1人になったときは、過去に経験したことで重なるところもあるし、新たな発見もあって、やりがいがあります。



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【兄たちの妹への愛が浮かび上がる】


ーー美山さんはなかなか難役だと思いますが、この役をどう作っていこうと?

美山 しぃちゃん(静香)は本当は明るい子だと思いますし、そういう部分は自然にやれるんですけど、目が見えないことは想像するしかないし、そこをどう演じるかというのが今回の課題です。死ぬ役というのも何回か経験しているのですが、だんだん弱っていく過程を見せることや、2時間でしぃちゃんの心境の変化などをどう表現できるか、それを考えながら取り組んでいます。
 

ーー妹から見た3人のお兄ちゃんはそれぞれどんな存在ですか?

美山 最近やっといろいろ関係が見えてきて、転球さんのお兄ちゃんは頼れるときとまったく頼れないときがあって(笑)、たまに私が叱ってあげないといけなかったり、妹なのに上から目線のときもあるんです(笑)。

福田 だいぶ頼ってます(笑)。

美山 平沼さんの(かつにぃ/勝二)はいつもへらへら明るいけど、そういうところにしぃちゃんは何回も救われたんじゃないかなと思います。目が見えないことでつらい時も兄の明るさが救ってくれたのではないかと。それから中河内さんのさんちゃん(三太)との関係はちょっと複雑で難しくて。

中河内 そうだね。

美山 しぃちゃんが本当は背負うべきものをさんちゃんが背負ってくれている部分もあるし、兄弟の中ではちょっと違う存在なのかなと。でもたまに弟みたいな感じもあります。

中河内 兄弟みんなでいるときはフラットなんですが、妹と1対1になるとちょっと違う感じになる。いろいろ心の襞がある役ですごく楽しいです。考えれば考えるだけいろんなことができる役で、家族の中でもちょっと離れたところにいたり、場合によっては中心にいたり、すごく振り幅のあるのでやってて面白いです。
 

ーー転球さんや平沼さんは役との距離はどうですか?

福田 僕は実生活では次男ですし、役とあまり重なるところはないんですが。でも実の兄がちょっとへんな人で(笑)、でも、いざとなるとしっかりしてる部分もあって、そういうところはこの役に重ねながらやれるかなと思ってます。

平沼 僕も実際は長男なんですが(笑)、役は、やや当て書きしてもらってるところと違うところと混ざってます。いちばん違うところは僕は人を亡くした経験がないので。そこを想像で補いながら作っていってます。
 

ーー兄たちそれぞれのキャラクターを描きながら、妹への愛が伝わる作品になりそうですね。

平沼 そうですね。稽古を重ねることでそれぞれのしぃちゃんに対する空気はできてきたので、あとは兄3人の男兄弟としての関係性や思いが、ちゃんと見えるようになればと思っているんです。男兄弟って気をつかってないようで、さりげなく思い合ってる部分もあって。そういう3人の仲をちゃんと見せることで、最終的にはしぃちゃんの物語へと戻っていくんじゃないかと思いますし。
 

ーーそんな兄たちが愛する妹を看取らないといけない、涙なしには見られないですね。

平沼 でもファンタジックで楽しい見せ場もありますし、笑いもありますから。最後は温かい気持ちで帰っていただける作品になると思います。


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稽古前に円陣を組んでストレッチをかねてボール投げ。
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落としたら罰ゲームがあるので笑いが起きる中にも真剣さが漂う。




Hysteric・D・Band vol.2

『神様の観覧車』

●6/6〜17◎青山円形劇場

作・演出◇渡辺啓

出演◇美山加恋、中河内雅貴、福田転球、増田裕生、聖也、井関佳子、田島潤、大川良太郎/平沼紀久

〈料金〉7,000円(全席指定・税込)

〈問合せ〉

サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜19:00)  

http://www.nelke.co.jp/stage/hysteric_d_band-2/


【取材・文/榊原和子】


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フォークトの美声で魅了する 新国立劇場オペラ『ローエングリン』


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撮影/冨田実布

リヒャルト・ワーグナーの名作『ローエングリン』が、6月1日、新国立劇場オペラ劇場で開幕した。

ワーグナーが最後に書いたロマンティック・オペラと言われるこの作品は、劇中に出てくる「結婚行進曲」でもよく知られていて、気高い騎士と悲劇の王女の愛と別れを描く物語。

弟殺害という無実の罪をきせられた王女エルザが、白鳥の舟に乗って現れた尊い騎士によって救われるが、魔女の企みに乗せられて騎士の身分を疑ったっため、その愛を失ってしまうというもので、ワーグナーらしい神話的でファンタジックな設定の中に、人間の心の脆さや揺れがリアルに描かれている。


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撮影/冨田実布

また、この『ローエングリン』という作品は新国立劇場にとっては大きな意味のある演目で、1997年の開場記念に、ワーグナーの孫でもある故ヴォルフガング・ワーグナー(バイロイト祝祭劇場の当時の総監督)が新演出として上演し、大きな感動を呼んだものだった。

今回、新しく演出を手がけるのは、ヴォルフガング・ワーグナーやキルヒナーといった多くの演出家のアシスタントを15年以上務め、新国立劇場『さまよえるオランダ人』(2007年)で本格的オペラ演出のデビューを果たしたマティアス・フォン・シュテークマン。現代的で抽象化されたダイナミックな空間を作り出し、スケール大きなワーグナーの楽劇の世界をみごとに表現している。

とくに美術と衣裳を担当するロザリエとのコラボレーションは秀逸で、1幕では宙から降りてくる黄金色の白鳥の舟、2幕の大きな螺旋のスカート、3幕の紙細工のような巨大な花など、抽象化された美術はどれも衝撃的なほどの斬新さに溢れている。


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撮影/三枝近志
 

指揮者はペーター・シュナイダーで、今回のエルザ役を演じるリカルダ・メルベートなど第一線で活躍するワーグナー歌手をまとめ上げることではドイツオペラの第一人者だけに、出演者との息もぴったりの演奏で壮大なドラマをより迫力に満ちたものに仕上げている。

また、今回のローエングリン役は「現代最高のローエングリン」ともいわれるクラウス・フロリアン・フォークトが、7年ぶりに新国立オペラに登場。その明るく強く甘い美声で、黄金の舟での第一声から観客をとりこにしてしまう。ブロンドでハンサム、まさに騎士そのものという姿も含めて、この公演の大きな魅力の1つとなっている。
 
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撮影/三枝近志


その他のキャストも豪華な実力派ばかりで、エルザ役のメルベートは、王女の気品とともに揺れる女心を激しくかつ繊細に表現。魔女のオルトルートをダイナミックで多彩な歌唱で演じるスサネ・レースマーク、その夫の貴族テルラムントを演じるゲルト・グロホフスキーやドイツ国王ハインリヒのギュンター・グロイスベックなど、それぞれな存在感ある歌い手たちが、ワーグナーらしいイマジネーション力豊かな世界をみごとに具現化してみせる。

また公国の群衆などで登場する100人近い新国立劇場合唱団の厚みのあるコーラスと、整然としたフォーメーションは、この壮大な楽劇の世界観を大きく支えていて、とくに3幕で隊列ごとセリ上がる場面は圧巻の見せ場となっている。

フォークトをはじめとする名歌手たちが繰り広げるこの新国立劇場のオペラ『ローエングリン』は6月16日まで上演中。
 

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撮影/三枝近志

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撮影/三枝近志

 


新国立劇場オペラ2011/2012シーズン

『ローエングリン』

リヒャルト・ワーグナー/全三幕

指揮◇ペーター・シュナイダー 

演出◇マティアス・フォン・シュテークマン

出演◇ギュンター・グロイスベック、クラウス・フロリアン・フォークト、リカルダ・メルベート、ゲルト・グロホフスキー、スサネ・レースマーク、萩原 潤 ほか

●6/1、4、7、10、13、16◎新国立劇場オペラ劇場

〈料金〉S席26,250円 A席21,000円 B席14,700円 C席8,400円 D席5,250円(全席指定/税込)

〈問合せ〉ボックスオフィス 03-5352-9999

http://www.nntt.jac.go.jp/opera/



【文/榊原和子】


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