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山本耕史の初演出作品『GODSPELL』福田転球・明星真由美インタビュー

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俳優・山本耕史が初めて演出を手掛けているロックミュージカル、『GODSPELL』が125日から三軒茶屋のシアタートラムで公演中である。

この作品は「新約聖書マタイ伝」の福音書を題材に、舞台を現代のNYに置き換え、イエス・キリストの最後の7日間を描いている。1971年にブロードウェイで初演、大ヒットして日本でも78年に初演。以来何度も上演されていて、山本耕史も01年に主役のジーザスを演じている。

70年代アメリカならではのエネルギッシュでソウルフルなミュージカルで、リードボーカルの歌う「Day by Day」などなじみやすい楽曲が多く、観客と一体となれるショー的要素もある。また、登場人物はジーザスとユダ以外は役名がないという自由でユニークな舞台だ。

山本を囲む出演者は、映像で活躍する内田朝陽、ミュージカルに進出がめざましい原田夏希、小劇場出身の実力派である福田転球や明星真由美などに加えて、オーディションで選ばれたキャストが半数を占めている。

今回が舞台初演出となる山本耕史の演出家ぶり、そしてこの作品への取り組みについて、福田転球と明星真由美に稽古中に話を聞いた。

 

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【ミュージカルとの深い縁?】

ーー稽古の進み具合はどんな感じですか?

明星 歌稽古が最初に1週間くらいありまして、そこから進んで、今はピアノだけですがこれから楽器がどんどん増えていくのかなというところです。歌う曲がとにかく多くて、全16曲ある中で歌わないのが2、3曲ですか。

福田 僕もそんなもんです。僕はソロはほとんどないんですが。

明星 私は1曲ソロがあって、あとはとにかくみんなでハモってます。

ーー明星さんは、氣志團のマネージャー兼シンガーという歌のキャリアがありますね。

明星 いやいやマネージャーだけでした。本当にたまに飛び入りで、好きな曲を好きな衣装着て歌っていただけで(笑)。

福田 でも、すごいね!

明星 高校時代はヘヴィメタを毎日歌ってました(笑)。歌は好きだったから、2年ぐらい前にミュージカルに出たい宣言して、それから少しずつ出していただくようになって。本格的なのは宮本亜門さんの『三文オペラ』(09年)が最初で今回が2作目です。でも、こんなに曲が多いと思ってなかったので、ちょっとたいへんです。

ーー転球さんは大阪芸大のミュージカル学科出身ですね。

福田 でも、ちゃんとしたミュージカルはほとんど初と言っていいですから、パロディでいやというほどやってはいるんですが(笑)。むっちゃ新鮮な稽古場です。

明星 どうしてミュージカル科を選んだんですか?

福田 信じられへん話だと思うんですが、受験したときに演技コースもあったんですが、ミュージカルコースは体力テストと書いてあったんですよ。で、僕はなんにもできないで受けたから、とりあえず走ったり飛んだりするのならなんとかなると思って。そしたらなんとダンスで(笑)、試験場で先生がいきなり踊りだしたときはびっくりしました(笑)。

ーーそれでも受かったんですからすごいですね。

福田 男はほぼ全員入れました(笑)。

明星 授業は歌とかダンスとかですか?

福田 そうなんですが、全然まじめに出てませんでしたからね。でも発表会は『コーラスライン』とか『ウエストサイドストーリー』とか。

明星 めちゃめちゃ出てるじゃないですか(笑)。

福田 もうすっかり忘れてます(笑)。

 

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【体力も熱量もすごい演出家】

ーーこのミュージカルは山本耕史さんの演出ですが、山本さんと共演は?

明星 私は初めてご一緒します。『オケピ!』とか舞台は拝見してるんですが。

福田 僕は『BOYS TIME』(99年)という亜門さんのミュージカルで共演してるんです。まだ彼が24歳くらいで、でも才能ある若い人だなと。

ーー演出家・山本耕史はどんな感じですか?

明星 いろいろ探りながらというか、今回の出演者は舞台は初めての人もいますし、芸歴の長いかたもいます。ストレートプレイが多い人、ミュージカルしかやったことがない人、いろいろ混じっているんです。だから演出家の言った一言に対しても捉え方がすごく違う。それを敏感に察知してそれぞれの様子を見ている感じがします。御自身の確固たるイメージよりも前に、まずはそれぞれに好きにやらせてみようかというような、そういう空気でしばらく進んでいって、終盤にはきちんと締めていくんだろうなと思ってます。

福田 よく自分でやって見せてくれるんですが、それがすごい。

明星 なんでも一番うまいですからね(笑)。私は今回、耕史節を身につけたいと思ってるんです(笑)。

ーーミュージカルはすごく好きなかたですから、作りたいイメージはきちんとあるんでしょうね。

明星 そうだと思います。でも作る行程が私と違うのもよくわかるので、そのへんの隙間を自分でどう埋めるか、それが稽古しててすごく楽しいですね。なんか、ただならぬ包容力を感じるんですよ、山本さんって。

福田 そうだね。

明星 たぶん人間が好きなんだろうなと思うし、「そこで自由にやってみて」と言われると、何をやっても助けてもらえるなというそんな安心感があって。

ーーすごい仕事量なのに、けっこう人付き合いもいいと聞きますね。

福田 朝までずっと一緒に遊んでても次の日は切り替えてるし、1週間して会ったときにはもう違うワザを覚えてはる。いったいどこにそんな時間があるんかなと(笑)。そういうすごさは、会うたびに思いますね。

明星 いわゆる人間力が大きいなというのは会ってすぐわかりました。氣志團のリーダーもそうなんですが、体力が違うというか熱量が違うというか。そういう人に会うとわくわくしますよね。

ーー若い年代には珍しく熱いですよね。だからこの『GODSPELL』が似合うのかもしれませんね。

福田 稽古してて山本さんのジーザスと接していながら、どこか山本さん本人の部分も感じるんですよ。役柄的にもジーザスと重なる。

ーーこの作品ですが、ジーザスとユダ以外は役名がついてないということですが。

明星 自分の名前が役名になるんです。私は明星で。

福田 僕は109(笑)です。

明星 でも役名で呼ばれることはないんです。そういう漠然とした台本なので、自分たちがどう役を作っていくかということも、それぞれに課せられているんです。

福田 あまり経験してない形だから、なかなか難しいんですが。

明星 でも、ただの有象無象になってしまっては面白くないので、探りながら自分たちで役割りを作ってますが、それも楽しいです。

福田 役者にはすごく難しいけど、そのぶん面白い作品です。

 

ロックミュージカル

GODSPELL

●201012/526◎シアタートラム

作詞・作曲◇スティーブン・シュワーツ
脚本◇ジョン・マイケル・テべラク
翻訳・上演台本・訳詞◇Team YAMAMOTO

演出◇山本耕史
音楽監督・演奏◇前嶋康明

出演◇山本耕史、内田朝陽、原田夏希、福田転球、明星真由美、中山眞美、上口耕平 他
〈料金〉7000円(全席指定・税込)

〈問合せ〉世田谷パブリックシアター劇場チケットセンター 03-5432-1515

10:0019:00  

 

【取材・文/榊原和子 撮影/田中亜紀】

 

 

 

 

 

ネクスト・シアターの2作目が開幕。『美しきものの伝説』

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彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督である蜷川幸雄、彼が率いる無名の若手俳優の集団「さいたまネクスト・シアター」が、2作目の幕を開けた。

昨年10月の旗揚げ作品『真田風雲禄』に出演していた44名は、1年の間に蜷川の厳しい指導で22名に絞り込まれ、いっそう気合いの入った集団となっている。

今回の作品は、1968年初演の宮本研の戯曲『美しきものの伝説』で、大正時代を駆け抜けた実在の人物たちの理想と現実を描いた傑作青春群像劇である。

s_DSCF6483登場するのは、新しい演劇を求め身をささげる演劇人。社会主義に憧れ、労働者の解放を訴える文学者や思想家たち。女性解放運動を実践し男女同権を唱え、恋に生きる女性たち。モデルとなっているのは松井須磨子、島村抱月、小山内薫、大杉栄、伊藤野枝、平塚らいてう、神近市子、辻潤、荒畑寒村、中山晋平、そのほかにも歴史に名を残す人々ばかり。

物語は大正元年(1911年)から始まる。大逆事件という国家権力による弾圧で、民衆の自由な気運が閉塞しつつあったなかで、自由と革命の思想を謳う知識人や演劇人の闘いが、やがて関東大震災後の混乱に乗じた大杉栄、野枝夫妻の虐殺で、より時代の闇を深めていく様を描いている。

大正という短い時代に国家権力に翻弄されながらも、変革を求め闘った「美しきものたち」の姿が、演劇という闘いに命がけでぶつかるネクスト・シアターの、無名の若き俳優たちの闘いと重なる。

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【蜷川幸雄囲みインタビュー】
 この初日を迎えた16日に、取材陣の前で蜷川幸雄のインタビュー取材が行なわれた。その内容を要約して以下にレポートする。

s_DSCF6535「稽古開始の直前にゴールド・シアターに応援を頼みました。ここには高齢者と若者のふたつの集団があって、これが融合すると劇の幅が広がって、そしてお互いにいい影響を与えられるんじゃないかと思ったので。この作品は一種の演劇史の戯曲であり、こんなに美しく語られているものは他にない。そして縦軸の歴史の中に自分が存在していることを知ってほしいと思っていました。中身はさることながら、演じるのもとても難しいんです。若者は自分自身の体験にないので、何でもないように下駄や手ぬぐいを扱うといのができないんです。ちゃんと下駄を履けないから稽古場に入ったら常に下駄を履くようにしました。キャスティングは、当初、自分の頭の中で考えていたのでやってみたらあまりよくなくて。前回の『真田風雲録』の時に台詞がほとんどなかったような若者たちにやらせてみたら、よかったんです。稽古をやりながらキャスティングが決まっていく。とんでもないことが起きてると思いました。今まで絶対だめだと思っていた連中にもチャンスがあった。上手くなったら希望が叶えられるというのが、みんなの中に芽生えてきたんじゃないかな。ぜひ若者たちがどれだけ成長したか見てほしいです。それだけしかお返しするものはないから。今の時点では、これが目一杯だと思うんですが、ここからいい俳優が飛び立ってくれるといいなと思います。いわゆる無名の若者でもこんなに心を打つことができるんだと」

 

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さいたまネクスト・シアター
『美しきものの伝説』
作◇宮本研
演出◇蜷川幸雄
出演◇さいたまネクスト・シアター(22名)、さいたまゴールド・シアター(21名)/原康義、横田栄司、飯田邦博

20111216日〜26日◎彩の国さいたま芸術劇場 インサイド・シアター(大ホール舞台上特設劇場)

<料金>¥3800(全席自由・税込)

<お問合せ>彩の国さいたま芸術劇場 0570-064-939(10時〜19時)

 http://www.saf.or.jp

  

【取材・文/榊原和子】

早乙女太一インタビュー。1月の銀河劇場と2月の新歌舞伎座公演。

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2010
年も幅広く活躍した早乙女太一。劇団朱雀を率いて全国で公演するほか、4月の明治座座長公演の『田原坂』や、10月の外部出演『薄桜鬼』では、男の役で凛々しく迫力ある殺陣を見せてくれた。相変わらず美しい女形姿でに日本舞踊も、いちだんと磨きがかかり妖しさとあでやかさを増している。そして10代最後の誕生日にはイベントも開催、たくさんのファンとともに19歳を祝った。

20歳になる来年は、新年そうそうから劇団朱雀二代目座長としての大きな舞台が待っている。まずは天王洲・銀河劇場での新春公演と、2月の大阪・新 歌舞伎座公演である。銀河劇場は「絵島生島」の2役を演じるという画期的な試みがあることで話題を呼んでいるし、新歌舞伎座は建て直し後のこけら落としラインナップの1つという記念の公演になる。

さまざまな意味で大きな節目を迎えることになる早乙女太一に、2011年の公演の内容について語ってもらった。

 

【早乙女太一インタビュー】

ーーお正月の銀河劇場公演について。
1月、天王洲の銀河劇場での新春公演『龍と牡丹』は、新年にふさわしいスタート公演なので劇 団朱雀一丸となってがんばります。

第1部が「19*ザベスト」、第2部が「絵島〜大奥・許されざる恋」の、舞踊2部構成になっています。
「19*ザベスト」は、10代の最後の年ということで、これまでの集大成というか、タップだったり洋舞だったり…新しい構成や演出で現代的エンターティンメントを是非、観ていただきたいです。
第2部の「江島〜」は有名な「絵島生島」の悲恋をもとにした舞踊で、ストーリー性はあるのですが、芝居として見せるのではなく「絵島生島」 をイメージした舞踊で表現します。女形の絵島と歌舞伎役者の生島を僕1人で、2役こなすのが面白い発想かなと思います。
最近、ショー構成を考える中でイメージや音楽、絵など、面白いアイデアが浮かんだ時には、演出の方に伝えて反映させてもらっています。僕がイメージした場面が出てくるかもしれませんので、楽しみにしていてください。

ーー新歌舞伎座での座長公演について。
2月は、2010年夏に新しく大阪の上本町駅に建築された新歌舞伎座の、オープニ ング記念公演の一環として『早乙女太一特別公演』を行ないます。演目はお芝居の「狐笛のかなた」と「舞踊ショー」で す。
「狐笛のかなた」は上橋菜穂子さんの人気ファンタジー小説を舞台化したもので、悪い呪術師に使われてる3匹の狐の1匹で、人間の姿に化けて阿部なつみさんの娘と恋をします。
「舞踊ショー」は元宝塚歌劇団の演出家だった荻田浩一さんが手がけてくださるので、斬新な演出がとても楽しみです。
新歌舞伎座は今回で3度目になります。以前、難波にあった時に初座長公演をさせていただいた縁の深い劇場です。お客様も良いものを見慣れている方が非常に多い伝統ある劇場ですから、座長という立場での舞台はやはり緊張します。でも晴れのこけら落とし公演ですから、劇団朱雀の仲間とともに精一杯がんばりたいと思います。

ーーいよいよ20歳を迎えることについて。
2011年は10代最後の年になるんですが、あまり考えたくないですね。10代がとても充実して楽しかったので(笑)。最後の10代を満喫して、20歳になったらさらに飛躍したいと思います。



※演劇ぶっく2月号(1/9発売)にて『薄桜鬼』の舞台写真と早乙女太一SPインタビューが掲載されます。お楽しみに!

 

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早乙女太一新春特別公演

『龍と牡丹』

第1部「19*ザベスト」

第2部「絵島〜大奥・許されざる恋」

出演◇早乙女太一、劇団朱雀

2011//2〜5◎天王洲 銀河劇場

〈料金〉8500円(全席指定・税込)

〈問合せ〉03-5459-7461(株)うぼん(平日12001800



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新歌舞伎座 新開場記念

『早乙女太一特別公演』

「狐笛のかなた」「舞踊ショー」

2011//3〜23◎大阪・新歌舞伎座

〈料金〉一階席 10000円 二階席 6000円 三階席 3000円 特別席 12000円(全席指定・税込)

〈問合せ〉06-7730-2222 新歌舞伎座テレホン予約センター(平日10001800

 

【取 材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】




 
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