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『向日葵かっちゃん』舞台化決定!

「当たり前の世界を揺るがす」本能中枢劇団・吉原朱美インタビュー

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ナンセンスなんだけど感動的。
そう、ありきたりな理由なんかない。
シーンの積み重ねも、意味があるのかないのかわからない。
だけど、胸にジーンとくる一瞬がある本能中枢劇団の作品。
色白で博多人形のような容姿と身のこなしから、意外な台詞や動きが炸裂する!
そのギャップに一目見たときから虜になった劇団員、吉原朱美に本能中枢劇団の秘密を聞いた。


——西島さんが主宰していたベターポーヅの舞台を初めて見たとき、どう感じられました?

本当にすごいおもしろい! 今までに見たことのない感じだったし、この中に入って自分もしゃべったり動いたりしたいって思いました。

——実際に参加してみて、いかがでしたか?

最初は夢中だったので、楽しいとか難しいとか感じなかったですね。ただ言われたままにやってみる感じでした。

——単語そのものは普通の単語なのに、組み合わせの妙というか、独特の世界を形成しているあの台詞をもらって、まず最初に考えるのは何ですか?

最初はとにかく台詞を覚えて、その書かれている人がどういうふうにやったら一番魅力的に見えるかということですね。見た目はとっぴなことをやっている芝居かもしれないですけど、リアルなお芝居とベースは一緒だと思っていて。お客さんが、その世界をリアルに感じるかどうかだと思うんですよ。一見支離滅裂な台詞でも、それを言っている私はその世界では真面目に生きていて、その世界を当たり前として生きている人として、本当に説得力を持つように、見ている人に届くようにやりたいなと思っています。

——リアルに感じるように届けるために、実際はどんな風に演じるのですか?

自分がどう思うかとかはあんまり考えないんですけど・・・、やるときはできるだけ普通に入っていけるようにしますね。リラックスして。でも、なんかね、力んじゃうんですけどね(笑)。今回も新しい方とかいっぱいいて、みんな面白かったりすると「自分ができることって何だろう?」とか余計なことを考え始めると力が入って、おかしなことになっちゃうんで。もっとリラックスしてどんどんやれたらなと思っているんですけど。

——今日もいろんな劇団で活動されている方が集まっていますが、どの方も魅力的に見えて、びっくりしました。

西島さんは誰も気付かなかった魅力とか、その人がチャーミングに見えるように書くのが上手だなと思います。

——台詞のあるシーンもそうですけど、ダンスシーンも毎回印象的ですが、踊っているときは何を考えているのですか。

私はダンサーじゃないのであれですけど、台詞がない分よりコミュニケーションをしようっていう気持ちが強くなるっていうか・・・なんて言い表したらいいかわからないけれども、何かを共有できたらという感じがあります。

——前回、初参加された出演者の方たちが、西島さんの世界に戸惑いを感じていたと耳にしましたが。

これまで当たり前だったことが、当たり前じゃなかったんだというか。戸惑っている人の姿を見て、改めて西島さんの本のことについて考えられるというか、すごい新鮮に受け止められました。前回も今回も出演者の方には、すごく恵まれていて。みんな分からないと言いながら、絶対よくしようと思って取り組んでいらっしゃるので、そういう姿を見て刺激を受けています。

——稽古が意外と穏やかで、価値観の押しつけがないようなので、驚きました。

稽古はまだまだの段階ですね。たぶん6合目くらいだと思います。西島さんはすごく自分のアイデアとか台詞に執着しないというか、ばっさり面白いシーンをカットしたりするんです。その執着のなさはすごいなと思ったりします。でも結果それより面白いものが出てくるので、すごいですよね。

——稽古場のリラックスした空気感も印象的でした。本番間近になるとピリピリした雰囲気になったりするのですか?

今日なんて、全然ゆるゆるでしたよね(笑)。これから本番に向けてピリピリすることは・・・ないと思います。西島さんの芝居の場合はそれがいいですよね、きっと(笑)。
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稽古の様子はこちらでご覧いただけます。

演ぶShop【チケット 店】では、公演日の一週間前まで、割引価格でチケットを販売中です。
http://www.enbu.co.jp/kick/shop/

公演情報
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本能中枢劇団
『家庭の安らぎの喜びと恐怖』

7/23〜8/1◎こまばアゴラ劇場
作・演出◇西島明
振付◇山田うん
出 演◇猿飛佐助 吉原朱美 森下亮(クロムモリブデン) 飯野遠(民藝) 真下かおる(くねくねし) 成田さほ子(拙者ムニエル) 森田ガンツ(猫のホテル) 横塚真之介 宮下今日子
<料金>前売¥3000  当日¥3300(整理番号付自由席)
<お問い合わせ>三村里奈  090-2916-1739 mrco@m8.dion.ne.jp

http://honchu.net/

【取材・文/矢崎亜希子】

意味があるのか、意味はないのか、なくていいかも 『透明感のある人間』

 

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意味がない、ナンセンスという所に分類される作品。確かに意味がない。意味がないを通り越して、さっぱり訳がわからない時だってある。だけど、そこに笑ってしまうし、むしろその意味のなさ、くだらなさこそ魅力!と思ってしまうのはなぜなんだろうか。

演劇弁当猫ニャーとして2004年まで活躍し、その後はフリーで作家活動を続けているブルースカイが作・演出を務めたこの作品。2009年の『この世界から消える魔球』に続き、今回も所属事務所ダックスープのプロデュース公演という形で上演される。

なぜ?の理由は「脱力感」にあるのかもしれない。例えば世界平和を訴えたり、愛を叫んでみたりだとか、作品を通じて何かを伝えたい!!という思いを大して感じない。
見る側に何かを強いることがなく、ゆるい。何かを感じてくれるのなら、それはそれでありがたいし、でもただ笑って帰って行くだけでも全然構わないし、こっちはこっちで好きなことしてみたから、お客さんはお客さんで、好きなように楽しんでください。
でも、チケット買って見に来てくださっている訳だから、その部分はエンターテイメントとして最低限頑張ります。というような、作る側と見る側のまったりした関係性を客席で感じた気がする。

常に濃く深くたくさんの人と繋がっていたいとはあまり思わないのだが、それぞれの意志で成立する自由な繋がりや、暖かさは無くさずにいたい。そんな作品が醸し出す雰囲気が肌に合う。だから、こちらも見ていて楽だったし、面白いと感じた。

一つ一つが細かく、しかもくだらなすぎて、具体的なネタというか、笑った部分はあまり思い出せないし、仮に思い出して文章にしてみたとしても絶対に面白さは伝わらないと思うのだが、ずば抜けて印象に残っているのは、とりあえず池谷のぶえの存在。
突拍子もない台詞になんだか訳のわからない色気を持たせたり、「鳩の写真集を出版したい」とかいうリアリティのない願いに、妙な現実味を漂わせたり、とにかく池谷のぶえという個性を言葉に植え付けてガツンと成立させてしまう、そのインパクトがすごい。場をさらっていく。

ナンセンス、くだらなさが魅力的と書いてきたけれど、それでも、その無意味さを連発させて一つ作品を書き上げたブルースカイという人の意識をちらっと感じられるような所がある。開場時に配られたチラシの中にあったブルースカイの挨拶には「選択肢が増えてしまったことによる不幸」についてが書かれていた。

意味のないところに、意味を見つけようとしてしまうのは、人の性なんだろうか。無意味さに、勝手に意味を見出すという、不思議な面白がり方をした。まぁでも、そんな面白がり方も意味ないかもしれない。

 

ダックスープ プロデュース

『透明感のある人間』

作・演出◇ブルースカイ

出演◇池谷のぶえ 野間口徹 黒田大輔 永井秀樹 いせゆみこ 眼鏡太郎 ほか

●7/37/11◎ザ・スズナリ

 

【文/岩見那津子】

400年という時を超えて、幸せな出会いが。 スタジオライフ『じゃじゃ馬ならし』

じゃじゃ馬ならし


美人で金持ち姉妹の結婚話に興味のない人は、まずいないでしょう。そしてその関係者たちが全員強烈な個性の持ち主とくれば、なおさらにスキャンダラスな成りゆきを期待してしまうのは必定であります。16世紀末に作られた、シェイクスピアの『じゃじゃ馬馴らし』が今でも面白く上演される可能性を持つのはここ、下世話な興味につきるような気がします。

シェイクスピアはずるがしこい男ですから、縦横に策略を張り巡らし、次々に事件を起こして観客の興味をそらしません。従順で美しい妹娘ビアンカには大勢の結婚希望者がいるのですが、父親が”じゃじゃ馬“の姉キャタリーナが結婚するまでは妹は結婚させないと宣言しています。これをなんとかしようと、色と金に目がくらんだイタリア紳士たちが策略をめぐらします。最後にはタイトルどおり”じゃじゃ馬“娘をペトルーチォという男が、強引な努力で従順な妻に仕立て上げるという落ちになるのですが・・・。

いま博品館で公演されているスタジオライフの『じゃじゃ馬ならし』はシェイクスピアの肝をきっかり捕まえて、おおもとの”シェイクスピア的な要素“はしかりと残しつつ、(稽古でつちかわれたと思われる)俳優たちの存在感や、第三者的存在の「売れない女優とネコおばさん」を配した巧みな構成で、上品に味付けされた濃厚な逸品になりました。

シェイクスピア劇は当時男優のみで上演されていたので、今回のように男優だけで上演されるケースもよく見かけるのですが、男性が女性を演じるという部分が生煮えで、一生懸命さしか伝わってこない作品が多いと思っていました。今回のスタジオライフの作品はそういった意味では、覚悟のある、自分たちがどう見えているかをしっかりと見極めた上で、エンターテイメントに作り上げています。長年にわたり手間暇かけて複雑な作業を続けてきた成果が、シェイクスピアのオールメールという男優だけの上演スタイルと出会って、ここに花開いた感があります。時代を超えての、奇跡のようなしあわせな出会を目撃したいま、人ごとながらこの出来事を祝わずにはいられない気分であります。

スタジオライフ『じゃじゃ馬ならし』
7/8〜28◎銀座 博品館
7/31〜8/1梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
作◇W・シェイクスピア 演出◇倉田 淳
出演◇松本慎也 青木隆敏 山本芳樹 曽世海司 関戸博一 岩崎大 穗積恭平 坂本岳大 ほか
お問い合わせ◇スタジオライフ 03-3319-5645
http//www.studio-life.com/


文◇坂口真人
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