稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

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早乙女太一が華麗に舞い、自分の影と切り結ぶ『龍と牡丹 2012』

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1月初旬に公演された早乙女太一の新春特別公演『龍と牡丹 2012』は、昨年20歳を迎えて一段と実力と華やかさを増した太一を堪能させてくれる舞台だった。

百年に一人の天才女形として劇団朱雀を牽引し、外部舞台でも活躍、昨年は劇団☆新感線の『髑髏城の七人』で、無界屋蘭兵衛として観客を魅了した太一。彼が劇団メンバーとともに繰り広げる華やかな舞踊ショーがこの舞台で、昨年の『龍と牡丹』をニューバージョンに作り変え、第一部『彩春賦』、第二部『龍』というプログラムになっている。


第一部『彩春賦(さいしゅんふ)』は、「女性が持つ美しさ」という太一の女形を追求するにふさわしいテーマ。「月白」「朱」「鴇色」「紫紺」「緋色」「黒紅」という各章に分けられ、清純から凄艶までさまざまな女性の内面を太一が舞いで描き出す。
オープニングは月を背景に、「月白」という言葉通り白羽をつけた少女(鈴花あゆみ)と女性たちの群舞から始まり、白地に金銀の模様入りの衣裳をまとった太一がホリゾントから優雅に登場して舞う。

続いての激しい洋舞シーン「朱」は、早乙女友貴の長刀による剣舞。5人のダンサーとともにアクションも入れてのパワフルな場面。そこに白い打ち掛けを羽織った太一が登場、舞台上に鋭く刺さった太刀と戯れるように妖艶に舞い踊る「鴇色」の場面。
 
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次は、鈴花奈々の踊りから始まる「紫紺」で、孔雀のセットの中で踊る黒羽の踊り子たちの中に、緋色の太一が現れ、やがて魔性化して仮面姿に。友貴、そして黒羽の女とや男のダンスのが繰り広げられる中に、凄みをまとった太一が登場して、場面は「緋色」へ。背景に炎が立つ。浮かび上がる蜘蛛の巣の中を背に、懐剣を手に荒々しく踊る姿で、周りのものたちは滅びていく。

 

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そして、大詰めの「黒紅」へ。彼岸花の咲き乱れる中で全員が踊り、背景が白く輝く孔雀に変わると同時に花魁の太一が登場する。鮮やかな色彩と重みのある打ち掛けを羽織り、帯の上に金糸が大きく流れている豪華な装いだ。段上で裾を流して立つ姿はまさに孔雀のように美しい。その姿でしだいに激しい舞いへ。大きな花魁鬘や豪奢な着物をものともせず、しなやかに艶やかに舞い狂う花魁の太一で第一部の幕が閉じる。
 

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第二部の『龍』は、今回の銀河劇場だけで公演する音と踊りで魅せるショー。
太鼓奏者の茂戸藤浩司、尺八奏者き乃はち、津軽三味線の木乃下真市、タップダンサーのサーロという4人の「匠」と太一がそれぞれコラボするシーンで組み立てられている。

オープニングは舞台上に太鼓のセットが2組、茂戸藤浩司と太一がバチさばきもリズミカルに、力強く太鼓を響かせる。そこに5人の太鼓奏者が現れ、ダイナミックな太鼓の競演となる。

続く場面は早乙女友貴とダンサーたちのパンクなダンス。熱く盛り上がった場のあとは、一転して静かな情景に。紗幕前に正座している白い着物と袴姿の太一。扇の技で魅せる「田原坂」の素踊りのあと、待望の「影絵」との闘いが始まる。

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2011年の新春公演と名古屋公演で好評を博した映像との共演は、太一自身「極めたい」と断言するだけあって、さらにバージョンアップ。3DCGの技術を駆使、自分自身の映像を相手に切り結ぶ驚異の殺陣が見せ場だ。今回はCGの絵もバリエーションが広がり、波や花、巨大な鳥や獣など次々に変化する。そして最後は、「影絵の太一」が「生身の太一」に襲いかかってくるという1人2役で見せる殺陣。太一同士の闘いはまさに迫力いっぱいの見どころだ。

 

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次のシーンはき乃はちの尺八で、友貴が六尺棒で踊ってみせるという軽やかで楽しいダンスシーン。

そのあとはいよいよタップダンサーのサーロと太一のタップ対決になる。
2人の軽やかで鋭い足さばきの競い合いが心地よい。かなり高度な変拍子のタップもこなし、全身を使って音を響かせる太一。その2人に津軽三味線の木乃下が鋭いバチさばきで絡んでくる。「じょんがら」のサビをサーロと太一のタップ音、茂戸藤の太鼓でハモるというセッションで盛り上がる。さらに尺ハのき乃はちも加わって、まさに音とリズムで高揚するライブとなった。

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フィナーレは、全員が登場。赤と青を基調にした衣裳でロックなダンスで総踊り、賑やかに幕を降ろした。


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20歳となって、より優れたエンターティナーとして存在感を増し、技術に磨きをかけている早乙女太一。そのとどまることのない可能性を、また見せてくれた新春公演だった。


早乙女太一と劇団朱雀は、今回のショーの『彩春賦』と、新作芝居『伴天連鬼十郎ー愛寄る三つの魂ー』という組み合わせで1月20日から全国で公演する。『伴天連鬼十郎』は天草の乱で故郷を追われた三兄妹の物語で、太一は強盗団の首領、伴天連鬼十郎という悪役に挑む。新しいこのキャラクターでどんな太一を見せてくれるか期待したい。

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2012年新春特別公演

『早乙女太一 龍と牡丹2012』

第一部『彩春賦』

第二部『龍』

●1/6〜11◎天王洲 銀河劇場


新春ビッグ・ステージ2012 早乙女太一新春特別公演

芝居『伴天連鬼十郎ー愛寄る三つの魂ー』

舞踊劇『彩春賦』

●1/20〜27◎兵庫、大阪、兵庫

〈問合せ〉公演事務局 06-6966-8000

●4/6〜4/7◎香川、高知

〈問合せ〉グッドラックプロモーション 0120-30-8181

●4/13〜4/25◎神奈川、茨城、山形、宮城

〈問合せ〉(株)うぼん 03-5459-7461(平日 12時〜18時)

●5/31〜6/14◎群馬、千葉、静岡、埼玉

〈問合せ〉(株)うぼん 03-5459-7461(平日 12時〜18時)

公式HP http://www.saotometaichi.com/events/


【文/榊原和子 撮影/冨田実布】

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堂本光一の博多座初日が開幕。『Endless SHOCK』

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1月7日、堂本光一主演のミュージカル『Endless SHOCK』が福岡の博多座で幕を開けた。

昨年の3月11日、東日本大震災で中止になった幻の800回目の公演である。
 

念願の初日を迎えて、公開舞台げいこを終えた堂本光一は、「ついにこの日がやってきました。3月11日の震災以来、僕らも時間が止まったままでした。こうして博多座という素晴らしい劇場で『SHOCK』の時間が動きだす。嬉しいし素晴らしいことです」と喜びを語った。
 

この『SHOCK』シリーズは、帝劇で12年間絶大な人気を受けて最多公演記録を伸ばし続けているものだが、フライングや階段落ちなど大掛かりなセットの都合で、他の劇場では上演が困難とされていた。だが博多座の何年にもわたる熱意により、今回、初の外部劇場での公演が実現することとなった。
博多座ではフライング用の装置を取り付けるため、昨年8月に約5000万円かけて大改修工事を行い、12カ所の穴をあけた。また、階段のセットなど11トントラックで25台分の装置が持ち込まれ、現地のスタッフと綿密な打ち合わせで本番に備えた。
 

堂本光一は1月3日から舞台稽古入り、劇場や舞台の大きさに合わせて助走距離も多めに取るなど、フレキシブルに調整を行ない、公開稽古では博多座で初めてのパフォーマンスを鮮やかに展開。天井が帝劇より1メートル高いためフライングのワイヤーが約70センチほど長い点について「勢いがすごい。大きく回れる」など、帝劇以上の迫力を見せられることへの期待を語った。

また、2部のショー部分ではこの公演から加えられた新場面が初お目見え。マイケル・ジャクソンの振付けで知られるトラヴィス・ペイン氏に依頼し、渡米して作り上げたというダンスシーンでは、熱いエネルギーを発散した。
 

博多座公演は1月31日まで。2月7日からは東京の帝劇に戻り、4月末までのロングラン公演に挑戦する。 


『Endless SHOCK』

作・構成・演出◇ジャニー喜多川

主演◇堂本光一

出演◇内博貴、町田慎吾、米花剛史、ふぉーゆー、石川直、神田沙也加、植草克秀(特別出演) 他

2012/1/7〜1/31◎博多座

2012/2/7〜4/30◎帝国劇場

〈お問い合わせ〉03-3213-7221 帝国劇場

東宝HP http://www.toho.co.jp/stage/



堂本光一の『Endless SHOCK』へかける思いが、発売中の「演劇ぶっく2月号」で

特写グラビアとともにカラー4P掲載されています。その一部をここで紹介!!


【堂本光一インタビューより抜粋】

――今回の振付けはマイケル・ジャクソンの振付家でもあったトラビス・ペインさんですが、ロスまで会いに行かれたとか?

堂本 自分としてはすごく大きな収穫でした。トラビスからマイケルとどういうふうに接してきたとかいろいろ聞けましたし、何よりもクリエイトするうえで、彼がどういうふうに作品や表現を作り上げていくかを間近で感じることができました。

――ショーの中で彼の振付のパートがあるそうですが、作るうえで意見を出し合ったりしたのですか?

堂本 そうですね。『SHOCK』自体がストーリーのあるものですから、その部分は向こうもかなり気にしてくれていたので、それについての僕の考えを伝えました。あとは彼から生まれるものをこっちも受け入れることが何よりも一番エネルギーを生み出すものだろうと思っていたので、あまり細かい説明は必要なかったし、あとは実際の振付の中でコミュニケートしました。

――振付けはもうできているのですか。

堂本 できてます。

ーーではすぐにでも踊れますね?

堂本 個人的にはここでも踊れますけど(笑)、周りのアンサンブルとかがまだですから。

――トラビスさんは一流のアーティストとずっと一緒にやってきた方ですが、その魅力を実感しましたか?

堂本 それが身近で一番感じたかったことだし、感じられたのは一番の収穫でした。
(以下略)

 

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『寿歌』舞台レポート

寿歌

「もう一度観たい!」と思う芝居だった。
北村想がチラシを見て新たに書き足したというプロローグ。
櫛のお礼に干し芋を真っ赤な袋に入れて持ってきたキョウコ(戸田恵梨香)。
呆然としつつもそれを受け取ろうとしたヤスオ(橋本じゅん)。
切なげに発せられた「アホっ!」というキョウコがヤスオを罵る声。
去り際のキョウコの芝居がかった台詞。
「ホタル」が意味するものは?ヤスオとは一体?
最後まで観たあとに、もう一度初めに戻りたい。
きっと見えてくるものが、感じられるものが、またたくさん増えるはずだ。 

心に引っかかる伏線のようなものが散りばめられた戯曲なのだが、
わかりやすい物語が描かれた戯曲ではないので、見終わったあとには疑問が残るかもしれない。
核戦争の末、人影もまるでなくなった荒野を行く旅芸人のゲサク(堤真一)とキョウコ。
そこにいきなり現れるのが不思議な芸を持ったヤスオである。
ゲサクとキョウコのあてのない旅路にヤスオが加わり、3人はまた荒野を行く。
話の筋はただそれだけで、そこで交わされる3人のやり取りが時に笑いあり、時に詩的で綺麗であったりもして、ふと考えさせられる。

ゲサクとキョウコが芸を披露する場面を観ていて、これは魂から魂へのレクイエムなのかもしれないと思った。上空には多数のミサイルが美しい花火のように飛び交っているのだが、それを操る人間はもう世の中にはいない。
ミサイルはコンピューターの暴走により発射されているだけで、
町はもろとも、もはやそこに住む人間はみな死んでしまったのではないか?
ゲサクとキョウコは「町に着いた!」と言ってその町の人々のために、でたらめな芸を披露するが目に見える観客は誰一人としていない。
それなのに、自分たちを含めて、もう誰も生きていないかもしれないのに、ゲサクとキョウコは底抜けに明るい。
関西弁で綴られた台詞のテンポも良く、漫才まで披露して、からっとした笑いに包まれている。
人類が滅亡した・・・とも思えるような状況の中で、たくましく生き抜こうとするゲサクとキョウコは絶望の中で明るい希望を見せてくれる。
ただ不思議な力を持ったヤスオでさえも、この状況から二人を救うことはできない。
救うことができない、という絶望をヤスオは背負う。
だからこそ二人の元からヤスオは離れていったのかもしれない。

とにかく一つの答えには決して辿り着かない舞台である。
観客それぞれが、自由に感じて、考えることを望んでいる作品であるような気がした。


『寿歌』

作◇北村想
演出◇千葉哲也
出演◇堤真一 戸田恵梨香 橋本じゅん

●1/5〜2/2◎新国立劇場 小劇場

<料金>
S席:7,500円 A席:4,000円

<HP> 
http://www.siscompany.com/03produce/36hogiuta/index.htm 


【文/岩見那津子】

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★『寿歌』に出演中の堤真一が表紙と本文カラー4pに登場、

 作品についての熱い思いを語っています!


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