稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

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中井貴一×市原隼人舞台初共演『カーディガン』

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交換輸血がきっかけで性格が変わってしまう二人の男。
カーディガンが似合う穏やかなサラリーマンがとんがり始め、
乱暴者だったヤクザが優しさに目覚める。

人間の情けなさや優しさを描く劇団『ONEOR8』の田村孝裕が、PARCO劇場に初登場する『カーディガン』の製作発表が9月28日に行われた。サラリーマン・田中亘には中井貴一、ヤクザ・大下三樹夫役にはこれが舞台初出演となる市原隼人が配され、二人の共演にも注目が集まる。ドラマ『WATER BOYS2』や映画『ROOKIES-ルーキーズー』などで市原と共演することも多い中尾明慶が三樹夫の舎弟役、亘の妻にはキムラ緑子、三樹夫の恋人役にはこちらも舞台初出演となる石橋杏奈、その他、菊池均也、外山誠二、劇団『ONEOR8』からは伊藤俊輔と各方面で活躍する多彩なメンバー、8名がこの日の製作発表に登場した。

【挨拶】

田村 普通の気の優しいサラリーマンと尖ったヤクザの二人がですね、病院で手術を行って輸血をする。その輸血のせいで、性格が変わっていくという・・・物語になるかと思います。途中でもしかしたら「入れ替わってしまったんじゃないか?」なんてこともありつつ、進んでいきます。そんな感じです。先ほど読み合わせを聞かせていただいたんですが、僕が思っていた以上に既に全然面白いなぁと思いましたし、これからもっとよりよい台本が書ければいいなと思いますし、稽古場が凄く楽しくなりそうなので、早く稽古が始まらないかなと思っております。

中井 緑子さんとも話してたんですが、あまり舞台でこういう製作発表やることがないので、どんな感じのことを言ったらいいのかわからないんですが・・・抱負?(笑)

(司会:そうですね、はい(笑)、あとどういう風に稽古場で過ごして行きたいかとか。)

どういう風に稽古場で過ごして行きたいか??(笑)

(司会:いや、抱負を述べていただければ大変ありがたいです!)

今、司会者も、脚本家も、随分前から脚本が上がってるのを今日初めて読んだみたなこと言ってますけど、昨日の夜、台本ができてきまして、今朝読み合わせという無謀なスケジュールで現在に至っております。稽古場でどういう風に過ごしたいか。稽古をしたいと思います!そのぐらいでいいでしょうか(笑)。

市原 この作品は人間の二面性が面白く描かれている作品だと思います。来ていただいたお客さんに、ちょっといつもと違う帰り道で帰ってみようかなとか、違う自分を見つめる楽しさを感じていただけたら嬉しいです。
舞台という場所が初めてなので、気合い入れて、みなさんに楽しんでいただけるように、自分ももっと楽しんでやりたいと思います。

中尾 去年PARCO劇場は一度やらせていただいて、すごく楽しい思い出しかありません。今回は隼人君と、『WATER BOYS2』って作品だったり『ROOKIES』って作品で、すごく縁があるといいますか、また一緒にやらせていただける嬉しさがあります。精一杯舎弟になろうと思います。よろしくお願いします!

石橋 舞台が初めてなのですごく緊張しているんですが、毎日色々吸収しながら、新しい自分を発見できたらと思います。絶対に楽しんでいただける作品だと思うので、たくさんの方に見ていただきたいです、よろしくお願いします。

菊池 今日、初めて本読みだったんですけれど、非常にバカな奴が愛おしいことをやっているなっていう印象で、見た後に誰かに優しくしてあげたいなと僕は思いました。魂を込めて演じてさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

伊藤 僕は作家の田村さんの劇団の『ONEOR8』というところの劇団員で、普段は小さな劇場で芝居をしているんですけど、PARCO劇場という場所で、こんなブラウン管の中で見ていた、スターの方たちと本を読み合わせていたときは、足の震えが止まらず、今もなんですけど(会場:(笑))稽古が始まって、後半ぐらいにはこの震えも止まるんじゃないかと思います。精一杯頑張ります。よろしくお願いします。

外山 院長先生のような・・・あんまりこれは言わない方がいいんですよね、だから言いません。これはご覧になってからのお楽しみというような役です。今日みなさんと本読みしましたが、日常的な会話の中に楽しいことがいっぱい詰まってる、そういう本だなと思いました。早く楽しい稽古が始まらないかなと思っています。どうぞよろしくお願いします。

キムラ 中井さんの奥さんができて、私は嬉しくて舞い上がったままここにいますけれど、ありがとうございます。外山さん以外はみなさん初めて舞台で共演させていただく方たちばかりなので、すごく楽しみにしてます。今日初めて皆さんと声を合わせたんですけど、市原さんのテンションが凄く高くって、もう私すごいビックリして!すごい楽しい作品になるだろうなと思いました。なるべく稽古場で正直でありたいと思っております。楽しみにしてます。よろしくお願いします。

ーーもし自分の性格が正反対に入れ替わってしまったら、どうなると思いますか?

キムラ どうなってしまうでしょうか。自分の中にすごい大好きな部分と、嫌いな部分があるので、また同じように嫌いだなと、くよくよ思いながら生きていくんだろうと思います。

中尾 僕は普段から明るく元気に生きてきたので、ものすごく暗い子になっちゃうんじゃないかな、と。想像しただけでゾッとします(笑)。

市原 180度変わるなら、僕も自分のことがよくわからないんで、もしなれるとしたら女になってみたいです!(笑)

中井 そうですね、役者って商売をやってると色んな性格に実際なってるので、正直僕たちはどれが本当の自分だかわかってないと思うんですね。ですから180度・・・オカマですかね(笑)。

石橋 私も自分の性格がよくわからないので、180度変わってもあまりわからない、気づかないかもしれないし、よくわからないです。

菊池 結局感情の入れ替わりですよね、喜怒哀楽が逆になったりするんじゃないかと思うんですけど。どうなりたいかというと、すごく大人になりたいですねぇ。漠然としててすみません。

伊藤 自分が思っている自分と他人が思っている自分とは違うところがあると思うんですよね。まぁだから、結構、180度変わったら、まず人の目を見て話ができるようになって、割とどもらなくなるんじゃないかなと。そうなりたいですね、そうなってみて、戻ってみたいですね。コミュニケーションですね、人ととの。

外山 自分でも嫌なところいっぱいあって、そういうところをなんとか直して、ちょい悪オヤジになって、モテモテになってみたいですね。失礼しました(笑)。

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PARCO PRODUCE
『カーディガン』

作・演出◇田村孝裕(ONEOR8)
出演◇中井貴一 市原隼人 中尾明慶 石橋杏奈 菊池均也 伊藤俊輔 外山誠二/キムラ緑子

●11/1〜11/23◎PARCO劇場(東京)
●11/26〜11/28◎森ノ宮ピロティーホール(大阪)
●12/3〜12/5◎福岡シティ劇場(福岡)

<料金>
一般 7,500円(全席指定・税込)

<問い合わせ>
PARCO劇場 03ー3477ー5858(東京)
キョードーインフォメーション 06ー7732ー8888(大阪)
ピクニック 092ー715ー0374(福岡)


【取材・文/岩見那津子】

文学座の若手俳優インタビュー まもなく初日!『カラムとセフィーの物語』

亀田佳明・渋谷はるか

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60周年を迎える文学座アトリエ、その記念3公演の第二弾は、若手俳優の2人が主演する『カラムとセフィーの物語』。英国の女性作家が描いた現代の社会を映し出す「ロミオとジュリエット」ともいうべき社会派の恋愛悲劇で、この10月1日にいよいよ初日を迎える。 
物語は現代社会でもなお根深い人種差別への批評を込めたもので、2002年にイギリスで初演。若者世代の観客から大きな共感を得て大評判となった。
この作品がユニークであり優れているところは、肌の色の黒いクロス(×)が支配階級であり、肌の色の白いノーツ(○)が被支配階級という、まさに現実とは逆転した発想から作劇されている点で、クロス社会で生きる少女セフィーと、ノーツの少年カラムが恋をしたことから生まれる悲劇や社会の不条理が、リアルに鋭く描き出されていることだ。またスピード感に富んでドラマティックな展開は、まさに現代社会に斬り込む鋭さを感じさせる作品である。

そんな注目作で、主人公のカラムにキャスティングされたのは文学座8年目の若手男優、亀田佳明。外部出演の『ガブリエル・シャネル』や椿組公演などで活躍して、めきめきと頭角を現している。
またセフィー役には、文学座員としてはまだ2年目の渋谷はるか。すでに文学座本公演やアトリエ公演で次々に抜擢されている、期待の新進女優である。
この若さ溢れるコンビに、話題作『カラムとセフィーの物語』への取り組みと、文学座アトリエへの思いを話してもらった。

 

【スピーディーな展開が魅力】

ーーこの話題作の主役に選ばれた感想から聞かせてください。

亀田 台本を読んだ時点であまりの大役にかなり衝撃を受けたんですけど、嬉しい反面大丈夫かなと思いました。役の年齢が16歳なんですが、僕は30歳を越えてるので若さがうまく出せるかなと(笑)。それから展開の早さが面白いなと感じて、そこをちゃんとやれたらいいなと思いました。

渋谷 私もこの役をいただいてすごく嬉しかったです。原作はかなり前に読んでいて、面白いなと思っていたので。黒人と白人の立場が逆転してる発想もすごいし、スピーディに展開していく瑞々しい本だなと。その長い小説を、うまくピックアップしていい場面でまとめている脚本も素晴らしいと思いました。

ーー脚本ではモノローグの部分とダイアローグとすごく混ざってますね。

亀田 原作もそうなんですが、カラムの語り、セフィーの語りという場面が交互にあるんです。

渋谷 カラム視点とセフィー視点、それぞれの語りが出てくるんですが、その場面場面の切り替わりがご覧になってて面白いのではないでしょうか。

亀田 なんと場面が50近くあって、どんどん物語が進んでいくんです。それを役者がちゃんと繋いでいかないといけない。

渋谷 たぶんお客さんよりちょっと早く物語が展開していくくらいのほうが、面白く観ていただけるのではないかと。私は最初は14歳で出てきて子供の純粋さで世の中を見ていたのが、「こんなにうまくいかないんだ」という大人になった思いまで、一幕だけで行ってしまうんです。その心理の階段をうまく昇っていきたいです。カラムとの心の絆があったうえで、もどかしいと思いながらも関係が変わっていってしまう。その「どうしようもなさ」みたいなものも見せられたらいいですね。

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【距離が色っぽい】

ーーやや若い年齢役とはいえ、それぞれの役の気持ちには共感できるのでは?

亀田 僕はいつもそうなんですが、役に対しての共感って、ほとんどなくて。なんかつねに距離があるというか。ここが分かるとかいうのがないんです。もちろんイメージは漠然とはあるんですが。でもそれに対する距離がすごくあって、僕は僕で、役は役で、そこを縮める作業をあまりしない。その術がわからないし、また、同化しなくても生きられるという感じがしてます。

渋谷 私は、役を自分にくっつけるほうですね。

亀田 いい意味で没入していく人だよね。精神が真っ直ぐで。

渋谷 たまに自分で思いもよらないことが起きることがあって、「あ、こんな声が出た」みたいなことがあるから面白いなと思います。でも、そういうふうに出来るときと出来ないときがあって。心がすごく速く回転してると思いがけない表現が出てくるみたいですね。

亀田 お芝居の決まり事で、ここでこう進んでとか段取りがあるんですが、回転が速くなって来るとその決まり事すらなくなる感じになるからね。そうすると思いもよらない声とか音とかが出てくる。

渋谷 亀田さんは、さっき役と自分は距離があると。でも私から見たらそこが魅力で、だから色っぽいのかなと思います(笑)。

亀田 えっ(笑)。

渋谷 たぶんちょっと引いてるからこそ、そこにふっとお客さんが入っていきたくなるものがあるんじゃないかと思ってます。

 

【差別問題をどう表現していくか】

ーー黒人と白人という逆転が風刺的になっている作品ですが、日本ではどう表現してお客さんにもどう捉えてもらえるかが問題ですね。

亀田 その見せ方が難しいと思います。僕らは黒人でも白人でもない黄色人種なんですが、その立場からどう演じるのか。色を塗ったりすることで、人種間の問題などを逆差別的に受け止められたらどうするのかとか、やはり考えますね。

渋谷 原作の方たちにとっては歴然と目の前にある人種問題を、私たち黄色人種があえてやる意味をどこに見つけるかということでもあるので。でも差別というのは、誰の意識にもあるし日常であることだと思うし。

ーー普遍的な問題としての差別を、どうこの作品らしく表現していけるかですね。その中で恋人同士もすれ違っていくのが悲しいですね。

亀田 好きなのに、2人の気持ちだけでは動かない問題がたくさんあって、好きという表現がちゃんと言えない状況に起き込まれていく。

渋谷 ずっとカラムが好きで好きという気持ちでいるのに、好きだけではいられなくなるし、カラムにも分かってもらえなくなる状況は、本当につらいです。

ーー物語のラストはすごく切ないけど、愛が伝わりますね。

亀田 そうなればいいですね。

渋谷 私の出番なので、がんばります(笑)。

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【文学座とアトリエへの思い】

ーーアトリエ公演も60周年ということですが、アトリエへの特別な思いは?

亀田 出るのは研究生時代以来で7年ぶりですから、気合いが入ります。お客さんとの距離が近いことが好きだし、なんか匂いというか香りがある。懐の深い空間ですから、何をやっても成立するし、逆にそういう空間だからこそ伝わりやすいし絶対にウソがつけない。本当に信じてやらないとお客様に見透かされます。

渋谷 私は去年も出させていただいたんですが、演じる側の体温が伝わるしお客様の体温や空気も伝わる。一緒に作り上げるという感覚があります。

ーー文学座の座員としての自分はいかがですか?

亀田 座員になって5年目ですが、先輩たちにたくさん魅力的で面白い方たちがいるのがいいですね。僕は劇団公演より外部公演のほうが多いのですが、やはり劇団公演には特別な緊張感があります。良いところも悪いところも知られてるわけですから、かえって緊張するんだと思います。

渋谷 私は歴史のある劇団に伝わる良さを感じてます。たとえば着物の着方から羽二重の付け方まで教えていただけるので。それに本当に幅広い年齢層の俳優がいるという場のすごさというか。上は80歳の方から私たちの世代までいますから。

ーーその中での若手俳優の旗手として、この公演は大事ですね。

亀田 そうですね。しっかりやらないと。

渋谷 はい、がんばります。

 

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文学座アトリエ60周年記念公演

『カラムとセフィーの物語』

原作◇マロリー・ブラックマン

脚色◇ドミニク・クック

訳◇中山夏織

演出◇?瀬久男

出演◇亀田佳明、渋谷はるか、山本郁子、山崎美貴 他

●10/1〜14◎文学座アトリエ

〈料金〉

前売 4000円/当日 4300円

〈問合せ〉

文学座 03-3351-7265

 

【取材・文/榊原和子】

 

 

 


映像作家奥秀太郎が描くフリークスとは。『FREAKS』公演

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映像作家として独自の世界を展開するとともに、最近は優れた舞台作品の作・演出家としても活躍している奥秀太郎が、10月2、3日に新作の舞台を上演する。
奥は、この8月末にも『キミドリ』という作品を発表したばかりで、過去に起きた悲惨な事件をモチーフに、1人の女性をめぐるさまざまな青春の痛みを、美しい映像とニュアンスに富んだ言葉で描いて好評だった。
今回は、『FREAKS』というタイトルで、直訳するとマニア、狂という意味だが、偏ったもの、歪んだもの、異常なものなどもこの言葉からは連想される。
果たして映像作家の奥が舞台ならではのアプローチで表現する『FREAKS』とは?

『FREAKS』
脚本・演出・映像:奥秀太郎

出演:畠山勇樹、中本昂佑、幸田尚恵、今奈良孝行、野村恵里、嶋崎朋子ほか

●10/2〜3◎東京芸術劇場 小ホール1
2日(土) 19:00  3日(日) 14:00 / 18:00

〈料金〉
5000円(全席指定・税込)

 

〈問合せ〉tel 03-3405-5715 株式会社NEGA

 www.nega.co.jp


 


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