稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

『真夜中の弥次さん喜多さん』三重

六代目中村勘九郎襲名披露が「平成中村座」で初日スタート


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3月3日、平成中村座にて中村勘太郎改め六代目中村勘九郎の襲名披露公演、『平成中村座 三月大歌舞伎』が初日を迎えた。2月の新橋演舞場に続き、平成中村座では初めての襲名披露となる。


浅草の隅田川そばに建てられた平成中村座は、江戸の芝居小屋を再現した劇場で、昨年11月より本年5月までロングラン公演を行なっているが、もともと平成中村座という小屋は、2000年に中村勘三郎がまだ勘九郎と名乗っていた時代に創りだしたもの。この襲名興行で勘九郎の名前がやっと平成中村座に帰ってきたことになる。
 

今回の襲名披露で新・勘九郎が演じるのは、昼の部『一條大蔵譚』の一條大蔵長成と夜の部『御所五郎蔵』の御所五郎蔵。また夜の部には『六代目中村勘九郎襲名披露 口上』が演目に加わる。


初日、3月3日は夜の部で、新・勘九郎の誕生を祝う『襲名披露 口上』が行われ、中村勘三郎、市川海老蔵、片岡仁左衛門、笹野高史、中村七之助、六代目中村勘九郎など出演者が舞台上で『口上』を行なった。


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中村七之助、中村勘九郎、中村勘三郎
 

中村勘三郎「この度は私の前名・勘九郎を、長男が継ぎます。昭和34年に5代目勘九郎を襲名してから、勘九郎ちゃん、勘九郎ちゃん、と皆さんに呼んでいただきました。もはや子役ではないので、私とは違う新しい勘九郎を作っていってほしいと思います。縁も所縁もない笹野高史さんまで列座していただき、ありがとうございます。今後ともお見捨てなきよう、勘九郎ともども、歌舞伎を行く末長くよろしくお願い申し上げます」


市川海老蔵「勘九郎襲名おめでとうございます。幼い頃より舞台をともにさせていただきました。新・勘九郎さんは大変真面目な方です。私も見習って真面目に精進してまいる所存でございます。勘三郎さんは歌舞伎界にとってとても大事な方です。病気が治られてよかったです。中村屋さんの繁栄を心よりお祈り申し上げます」


片岡仁左衛門「勘三郎さんが勘九郎時代に創りだした平成中村座に、新しい勘九郎が生まれます。新・勘九郎さんは本当に真面目な方。決して器用ではないが、努力努力の人です」


笹野高史「このような歌舞伎の目出度い襲名に列座させていただきとても嬉しいです。初めて勘九郎さんとお会いしたのは渋谷の劇場でした。弟・七之助さんとも若かったお二人はニコニコニコニコされていて、私もつられてニコニコニコニコ。ただ、三人でニコニコニコニコ。今でも会うとニコニコニコニコ」(笹野は終始涙ぐんで感動)


中村七之助「兄とは初舞台から一緒です。平成中村座は10代の頃から思い出の詰まった劇場。今後とも兄弟仲良く芸道に勤しんでまいります」


六代目中村勘九郎「このような立派な襲名興行を先月に続いて行わせていただけること、誠にありがとうございます。父はじめ、諸先輩方、皆様のおかげでございます。平成中村座は父が19歳の頃に江戸の芝居小屋に憧れ夢見た劇場です。勘九郎が創った平成中村座で、勘九郎を継ぐことができますこと大変嬉しく存じます。感謝の気持ちでいっぱいです。温かいご声援、厳しいご叱咤をいただけましたら幸いです」


満場の観客からは割れんばかりの拍手が送られ、「六代目!」「中村屋!」の声がかかり、六代目勘九郎を祝って大盛況の客席となった。この襲名披露公演は27日まで上演中。
 

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『一條大蔵譚』一條大蔵長成:中村勘九郎   『御所五郎蔵』御所五郎蔵:中村勘九郎 星影土右衛門:市川海老蔵




六代目中村勘九郎襲名披露

『平成中村座 三月大歌舞伎』
 

昼の部(午前11時開演)

『暫(しばらく)』『一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)』『舞鶴雪月花』

夜の部(午後4時開演)

『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』『襲名披露 口上』『曽我綉侠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)』『元禄花見踊(げんろくはなみおどり)』
 

●3/3〜27◎平成中村座(隅田公園内 仮設劇場)

〈料金〉松席(1階平場)17,000円、竹席(1・2階)17,000円
    梅席(2階)12,000円、
桜席(2階)10,000円、お大尽席(2階)35,000円

※昼夜ともに午前10時より当日券が出ます(座席がなくても立ち見席あり)

〈問合せ〉
チケットWeb松竹 http://nakamuraza.com/

チケットホン松竹 0570-000-489 東京03-6745-0333 



【文/榊原和子 資料提供/松竹株式会社】


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「第19回読売演劇大賞」贈呈式レポート

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2011年に上演された演劇の中から優れた舞台作品、人物を顕彰する読売演劇大賞(日本テレビ放送網後援)の贈呈式が、2月27日に都内のホテルで行なわれた。

今回で19回目を迎える演劇賞で、歌舞伎、能、ミュージカル、新劇、小劇場まで国内外を問わず広いジャンルを対象に選ばれる。大賞のほかに作品賞や俳優賞など5部門5人(5作品)とそれぞれの最優秀賞、新進に贈られる杉村春子賞、長年の功績者に贈られる芸術栄誉賞、以上の受賞者が栄誉ある賞を受けた。
 

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まず主催側の読売新聞グループ本社の取締役最高顧問の老川祥一氏から挨拶があったあと、各部門受賞作品および人物が登壇し、表彰状と記念品などを贈られる。
 


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芸術栄誉賞 
別役実

文学座公演アトリエの会『にもかかわらずドン・キホーテ』(2011年)の劇作などを含め、長年にわたる氏の精力的な活動により贈られた。74歳という年齢を感じさせないかくしゃくとした姿で挨拶した別役さんは「まだまだ書き続ける」ことを宣言。大きな拍手が送られた。


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選考委員特別賞 『背水の孤島』TRASHMASTERS

昨年の東日本大震災を鮮烈に捉えた作品として高い評価を受けた。主宰で作・演出家の中津留章仁が挨拶。「被災地に行ってボランティアをした経験から書いた。選んでいただいたことを感謝します」と語り、この夏に再演することを発表した。


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杉村春子賞 小川絵梨子
(オフィスコットーネ『12人』、響人『夜の来訪者』、tpt『プライド』の演出)

現代古典ともいうべき『12人』や『夜の来訪者』への独自の読み解き、また日本初演となった『プライド』の的確な演出で受賞、まだ33歳という若さで、「演出家が受賞するのは初めてということですが、重く受け止め励みにしていきたい」と話した。                                                      
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デヴィッド・フィン代理パルコプロデューサー フランソワ・セガン 原田保 福田暢秀

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フ賞/デヴィッド・フィン(『猟銃』)

      原田保(『奇ッ怪 其ノ弐』)

      福田暢秀(『背水の孤島』)

      フランソワ・セガン(『猟銃』)


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最優秀スタッフ賞 松井るみ
(『トップ・ガールズ』、『雨』、『GOLD 〜カミーユとロダン〜』の美術)

『トップ・ガールズ』の額縁の変化、『雨』の五寸釘を模した柱、『GOLD 』の白いアトリエなど戯曲への読み込みの深さが賞賛された松井は、「美術は大道具さんをはじめ様々な方たちの力で出来上がる。私はその代表として賞をいただいた」と名前の出ない多くのスタッフへの感謝の気持ちを伝えた。 
 

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シルビア・グラブ 中谷美紀 三田和代 麻実れい


女優賞/麻実れい(『トップ・ガールズ』、『みんな我が子』)

    シルビア・グラブ(『国民の映画』)

    中谷美紀(『猟銃』)

    三田和代(『秘密はうたう』)


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最優秀女優賞 大竹しのぶ
(『大人は、かく戦えり』、『ピアフ』の演技)

『大人は、かく戦えり』における感情の表出や『ピアフ』の歌唱などを含め、入魂の演技を見せた大竹は、出てきたとたん「袖で段田さんから“笑わせて泣かせて感動する挨拶を”とプレッシャーを受けました」と笑いを取り、「舞台は生もので消えていくけれど、こういう賞をいただくことで確かな実感となって残る。これからも演劇に携わる人たちを応援してほしい」と訴え大きな拍手を受けた。


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尾上菊之助 段田安則 平幹二朗代理平岳大 村井國夫代理東宝芸能プロデューサ
 


男優賞/尾上菊之助(『盟三五大切』、『京鹿子娘道成寺』、『髪結新三』)

             段田安則(『大人は、かく戦えり』、『国民の映画』)

    平幹二朗(『サド侯爵夫人』、『エレジー』)

    村井國夫(『秘密はうたう』)


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最優秀男優賞 小日向文世
(『国民の映画』の演技)

歴史上の人物ヨゼフ・ゲッベルズをリアルに舞台上に息づかせたことで受賞した小日向は、演劇での賞は初受賞で感激の面もち。「35年間の俳優生活でいちばん緊張し恐い舞台だった」と役柄への取り組みを振り返り、「役者は良い作品と出合うことがすべて。この作品を書いてくれた作・演出家の三谷さんに改めてお礼を言いたい」と語った。


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シス・カンパニー代表 世田谷パブリックシアター代表 パルコ代表

作品賞/『大人は、かく戦えり』(シス・カンパニー)

    『奇ッ怪 其ノ弐』(世田谷パブリックシアター)

    『猟銃』(パルコ、USINE C)


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最優秀作品賞 『国民の映画』パルコ        

政治権力と芸術のせめぎ合いと、人間のうちにある善と悪を描き切ったと讃えられたこの作品の作・演出家の三谷は、「重いテーマを重くならないように笑いをまじえて書くのが僕の仕事」と語り、「15年前にも権力と芸術の闘いを描いた作品(『笑の大学』)で受賞しました。僕はそういうものでないと受賞できないのか」と不満げに訴え、「次は、“笑ってもらうことだけを目的に書いた笑える作品大賞“という賞を貰いたいですね」と会場を沸かせた。


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小川絵梨子 中津留章仁 三谷幸喜 蜷川幸雄代理彩の国さいたま芸術劇場プロデューサー


演出家賞/小川絵梨子(『12人』、『夜の来訪者』、『プライド』)

     中津留章仁(『黄色い叫び』、『背水の孤島』)

     蜷川幸雄(『あゝ、荒野』、『ルート99』)

     三谷幸喜(『国民の映画』)


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大賞と最優秀演出家賞 前川知大
(世田谷パブリックシアター『奇ッ怪 其ノ弐』、イキウメ『太陽』の演出)

『奇ッ怪 其ノ弐』は大震災直後に鎮魂を描き、『太陽』は知的な想像力で近未来を見つめたと高く評価された。前川は『奇ッ怪』について「こんなに苦しんだ作品はない。キャスト、スタッフ、関わった皆さんに助けてもらった」と感謝。また『太陽』は「元劇団員がある事件に関わったことで残りの人間が危機感でまとまりエネルギーを出した」と語り、「一応その元劇団員が不起訴になったことを彼のためにお伝えしておきます」と劇団主宰らしい心遣いをみせた。


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授賞式でプレゼンターになったのは昨年度の受賞者たちだが、
麻実れいはプレゼンターであるとともに女優賞にも選ばれるという忙しさ。作品賞のプレゼンターの野田秀樹が「こういう場で、貰う側ではないというのは面白くない(笑)。でも三谷くんは僕ができない作品を作れる作・演出家、素直に喜びたい」と率直に語れば、男優賞プレゼンターの浅野和之が小日向に渡す前に「この人に賞を渡すことができるなんてドキドキします」と興奮気味に語り、よく共演する段田とも固く握手するなど、壇上ではいつにも増して感動的な光景が繰り広げられた。


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『国民の映画』カンパニーが集合



【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】


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演劇ぶっく4月号(3/9発売)予告!

こんにちは、演劇ぶっく編集部の坂口です。

3月9日(金)発売の演劇ぶっく4月号を印刷所に入稿しました。今号は毎春恒例の“読者が選ぶえんぶ!チャート2011”を中心のページ構成で、かなり素敵なラインナップになりました。以下、ご紹介します。

●表紙&えんぶチャート記念インタビュー 松本 潤
表紙とカラー6ページの撮り下ろし写真とともに、『あゝ、荒野』にかけた思い、演出の蜷川さんのこと、ドラマ『ラッキーセブン』のことなどを語ってくれています。

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●発表!“読者が選ぶ!えんぶチャート2011”
読者投稿による、毎年恒例の[作品部門・俳優部門]のランキングです。みなさんの1年間の観劇&感激の集大成を最後の1票まで全て掲載しています。

●『下谷万年町物語』唐十郎インタビュー
唐十郎の伝説の世界が31年ぶりに蜷川演出でよみがえった話題作。主演の宮沢りえと藤原竜也、西島隆弘が演じた舞台写真と、唐十郎のインタビューで作品世界を再発見してみてください。

●さらに以下、たくさんの方にインタビュー!
早乙女太一 大和悠河 東山義久 広岡由里子 長塚圭史 三枝貴史・浅野千鶴  辻萬長・浅野雅博 馬場徹・加藤雅也 水夏希 近藤芳正・福島三郎 筒井道隆 松本明子 桜乃彩音 中村蒼 ほか

劇団☆新感線の粟根まこと、インディ高橋の人気連載コラムも続きます!

演劇ぶっく4月号(通巻156号)は3月9日発売!
えんぶ☆Shopにて、予約受付中です。


♪ご予約はこちらより

全国書店でも3月9日(金)よりご購入できます。

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