稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

『江戸のマハラジャ』

東京スウィカプロデュース『光の庭』

 

tirashi_s2

演劇プロデュース東京スウィカの新作が29日から赤坂レッドシアターで公演する。
福祉にも力を入れて毎公演招待などでも知られる東京スウィカは、主宰、比佐廉(脚本/演出)と、 女優吉田羊、制作部で福祉も手がける石津陽子の三人によって2000年にスタート。 2001年に旗揚公演『サーカスの唄』を発表。 その後毎年12本の新作及び再演公演を行ってきた。
現在は吉田と石津は抜けたものの、比佐廉を中心とするプロデュース集団として活動。 レギュラーメンバーのほかに、毎回新しいキャストによる公演を行っている。また福祉公演として毎回、障害児の招待、施設への貸切公演も行っている。

 

今回のキャストの1人、石橋徹郎さんからコメントが届いた。

「舞台は群馬県の古い農家。過疎化打開のために悪戦苦闘したり、子供の問題に悩んだりと、普通の人たちの悲喜こもごもの様子です。
激しい人物が出てきたり、強烈な出来事が起きたりはしません。かといって淡々と静かに進行するわけではなく、賑やかに展開してゆき、そのなかにほろ苦さが加味されて、そこはかとなく幸福感が漂う、優しくて澄んだ気持ちになるような物語です」

 

 

東京スウィカプロデュース
『光の庭』

出演◇石橋徹郎(文学座)、比佐一成、長州小力、竹内正男、気谷ゆみか、山素由湖、緒方和也(Studio Life)、下川江那、最所美咲(OH!LABANBA)、石川なつ、松宇一聖

3/294/3◎赤坂レッドシアター

〈料金〉前売 3,500円/当日 3,800円 
平日割引 3301400〜の公演 2,500円 
高校生までは前売・当日共に2,200

〈お問い合わせ〉J-stage Navi 03-5957-5500(平日11:0018:00
東京スウィカHP http://www.tokyoswica.net/

 


『カスケード〜やがて時がくれば〜』

033023

なんだか、作品全体で一人の人間みたいだったというか、
登場人物はたくさんいるんだけれど、
それぞれに明確な性格や考えは、あるようでない、気がした。
一人一人が詩みたいで、不思議で、ものすごく感覚的。

若手の役者がチェーホフの『かもめ』を上演する、その稽古場での様子。
観劇後にチラシを見てびっくりしたのは、役者さんの名前と役名が同じだったこと。
役名と名前が違ったのは演出家のミナミを演じた、小林竜樹さんだけ?
この『カスケード』自体、作・演出の岩松了さんが、
若手との創作を望んで作った、ということなのだが、
実際に若手俳優である役者さんたちの姿と、芝居の中で役として生きる姿が重なって、
今、考えると余計にリアルだ。

『かもめ』の稽古場ということで、
トレープレフを演じるのは誰か。ニーナは?アルカージアは?トリゴーリンは?
と、『かもめ』の登場人物の名前が飛び交い、
また、ところどころで『かもめ』のワンシーンが演じられる。
でも、それが果たして稽古なのか、彼らの心情をあらわしたものなのかは、わからない。
その嘘に嘘を重ねていくような感じが、
すごく意地が悪いと思うのと同時に、
なんとなく惹かれてしまう作品そのものの魅力でもあったと思う。

ニーナ役を渇望する吉牟田さんが、ぶっ飛んでいてインパクト大。
稽古場の管理人である駒木根さんも、掴みどころのない飄々としたキャラクターが、
良い意味で確かに気持ちが悪くて印象に残る。
(劇中でも何度か「気持ちが悪い」という言葉を投げかけられていた)

チェーホフの『かもめ』のトレープレフは作家志望の青年。
でも、彼は苦悩に耐え切れず最後は自殺してしまう。
トレープレフを演じる予定だった、尾上君はすでに死んでいて、
そこから話ははじまっている。
ニーナは女優志望で上昇志向のある娘。彼女の行く末も決して明るいものではない。
岩松さんが書いた『カスケード』と生身の役者とチェーホフの『かもめ』とが入り混じる。

「カスケード」というのは、“連なった小さな滝”のこと。
演じることの苦さを突きつける残酷な愛情と、
でも滝のように大きく激しい流れにもなって欲しいという純粋な愛情と、
その両方が作品の中に詰まっている気がした。

 


『カスケード〜やがて時がくれば〜』

作・演出◇岩松了
出演◇安藤聖、青山ハル、今村沙緒里、尾上寛之、小林竜樹、駒木根隆介、清水優、滝沢恵、田中慎吾、永岡佑、橋本一郎、罐献腑鵐潺腑鵝⊂硝椶舛機吉牟田眞奈〈五十音順〉

<上演期間・会場>
3/16〜3/27◎下北沢 駅前劇場

<料金>
指定席3,800円、自由席3,500円

<問い合わせ>
鈍牛倶楽部 03-3400-2131

<上演時間>
約2時間

 

【文/岩見那津子】

私の観劇計画4月その2 植本潤(花組芝居)×坂口真人(演劇ぶっく編集長)

3軒茶屋婦人会『紅姉妹〜べにしまい〜』

benisimai

作・演出◇G2&3軒茶屋婦人会
出演◇篠井英介 深沢敦 大谷亮介

4/21〜29◎紀伊國屋ホール
4/30・5/1◎シアター・ドラマシティ
5/15◎北九州芸術劇場


植本 4月に観られるお芝居を紹介していきます。
坂口 今回は植本さんの選んだものでいいですよ。先週は僕の選んだのばかりやってたから。
植本 うーん、これかな。先輩方が出てるんでね。3軒茶屋婦人会。4回目だそうです。『紅姉妹〜べにしまい〜』ということで、今回はわかぎゑふさんが書き下ろしてます。そして出演はいつものお3人さん。篠井英介さん、深沢敦さん、大谷亮介さん。そして演出がG2。
坂口 これっていつも3人?
植本 うん、3人以外出てない。『ヴァニティーズ』『女中たち』や、赤堀雅秋くんの作品をやったりとか。まあでもこの3人に書き下ろすのはわかぎゑふさんはぴったりだと思う。
坂口 そうだね。わかぎさんの作品ってとても整理されているじゃないですか。だからこのエグい3人がやるとちょうどいいバランスになるかもしれないですね。
植本 僕はエグいって言ってませんからね。
坂口 言っちゃいけないの!? でもそれがウリでしょ、このチラシですもの(笑)。
植本 皆さんお着物を着てて、でも襟元にレースが入ってたりして今風な感じ。大谷亮介さんなんて絵みたいじゃない? すでに。写真なんだろうけど。『紅姉妹〜べにしまい〜』これぜひ、僕観ます。
坂口 ちょっと犯罪だよね。
植本 僕は言ってませんからね。4/21(木)〜29(金・祝)まで、東京は紀伊國屋ホールでの上演となります。

クロムモリブデン『裸の女をもつ男』

hadaka

作・演出◇青木秀樹
出演◇森下亮 金沢涼恵 板倉チヒロ 奥田ワレタ 木村美月 久保貫太郎 渡邊とかげ 辰巳智秋

4/16〜24◎シアタートラム

植本 次はクロムモリブデンさん。
坂口 今、僕が公演を観るのが楽しみなものをいくつか挙げろといわれると、これ挙げます。
植本 この間紹介した森下亮さん? 演劇ぶっくのえんぶチャートに入った方。30位でしたっけ。わりと主演の方なんですか。
坂口 そうですね。印象に残らないイメージなんだけど、しっかりいつの間にか真ん中にいるというタイプの人。けなしてないですよ(笑)。風貌もわりと普通だし。なのにドラマの中に入っていくと、いつの間にかきちっと真ん中にいるという。これね、役者もけっこうみんなおもしろいです。個性的で魅力的なキャラクターがそろってますよ。男女問わず。
植本 チラシを見ると、全裸の女性をお姫様抱っこ風に抱えてる男性がいて。これが森下くん?わりと街中にぽんとは置けないようなチラシとなっておりますが。
坂口 これね、大変ですよ。こういう格好で胸が出ているというのは大変なんですよ。
植本 そうなの?アメリカでは考えられないような?
坂口 っていうか、体型としてね。ペタンとなっちゃうから。
植本 (笑)何を語るかと思ったらそこか。
坂口 わざわざ立派な方を連れてこないとこういう写真は撮れない。だから凝ってる映像なんですよ、これは。
植本 これ、合成だと思ったの。なぜかというと、手で抱えてるともっと肉体に手が食い込むんじゃないかなと思って。そうじゃないんでしょ。
坂口 違うんですって。実際に撮って、重くて大変だったらしいですよ。
植本 タイトルが『裸の女をもつ男』。「まんまやんけ」という(笑)。出演は全部劇団員の方なのかな? そこにブラジルの辰巳智秋くんというでかい俳優さんが。
坂口 顔のでかい人だね。
植本 もちろん体もすごくでかいですが、顔もでかい。
坂口 僕ね、辰巳さんとあるパーティでお会いしたんですよ。全然面識なかったんだけど、人見知りの僕がすぐ挨拶に行っちゃいましたよ。何回も会ったような気になったんですね、きっと。
植本 あとは何かしら安心感があるんでしょうね(笑)。
坂口 不思議なキャラクターの人で大好きです。
植本 いろんなものに出てるしね。そして今注目のクロムモリブデン。
坂口 この劇団はすごく表現に対する覚悟があると思うんです。なのでぜひ観てみたいと思います。
植本 そして一度観たら忘れないこのチラシ。紹介します。『裸の女をもつ男』は4/16(土)〜24(日)まで、三軒茶屋シアタートラムです。料金が3500円、当日3800円です。学生の方は劇団のみの扱いで前売2500円、当日2800円です。いいですねこれぐらいのお値段で観られたら。

『芝浦ブラウザー』


sibaura

作・演出◇上田 誠
出演◇井ノ原快彦 音尾琢真 芦名星 市川しんぺー 伊達暁 ヨーロッパ企画のみなさん

4/2〜19◎本多劇場
4/22〜24◎シアター・ドラマシティ

植本 「『昭和島ウォーカー』から3年、2011年春、やつらが再び動き出す。待望の新作上演決定!」ということで、イノッチ(井ノ原快彦)とヨーロッパ企画の上田誠くんのコンビの第2弾ですね。相性がよかったんだろうね。
坂口 仲良しなんですよね。前作のときに演劇ぶっくの表紙になってもらったりしたんです。とてもいい感じにお話をされていたんで。で、このお芝居ってたぶんリメイクだと思うんですけど。
植本 ああ、ヨーロッパ企画でやったやつ。『Windows5000』。
坂口 トップスの空間にいろんな部屋をごちゃごちゃつくって、そこで生活している人たちを二人のキャラクターがのぞき見るという。こういうとき話が違ってたらどうするんだろうね(笑)。
植本 4月1日も近いんで、まあ。
坂口 濃密な空間でコミカルなシーンも多くあっておもしろかったですね。
植本 俺、観た気がするなあ。
坂口 今回は、東京グローブ座なんでシチュエーションがある程度変わるかもしれないですし、どういうびっちりした舞台をつくるかちょっと楽しみなんですよ。
植本 俺が思うにジャニーズの方たちって、同じ作・演出の人とあんまり組むことがないはずなんですよ。別の例外はきだ(つよし)さんとかありますけど、他の方はあまりなくて。だからこういうふうに2回組んで、しかも仲良しというのは本当にいいことだと思うんですよ。共演は芦名星さん、市川しんぺーさん、伊達暁。そこに加わってるのは永野宗典くんや本多力くんのヨーロッパ企画組が入っていて。そこにTEAM NACSから音尾琢真さん。
坂口 なかなかいい座組ですね。
植本 4/2(土)〜19(火)、東京グローブ座で『芝浦ブラウザー』が上演されます。ぜひご覧下さい。

『桃天紅』

toutenko

作◇中島らも
脚色◇中島さなえ
演出・出演◇山内圭哉
出演◇松尾貴史 兼崎健太郎 黒川芽以 中山祐一朗、コング桑田、松村武、川下大洋、福田転球、平田敦子
 椿鬼奴 ほか

4/15〜24◎本多劇場
4/30・5/1◎シアターBRAVA


植本 『桃天紅』。山内圭哉くんのですね。中島らも作、脚色が中島さなえさん。
坂口 娘さんですね。
植本 そうですね。演出・主演 山内圭哉。リリパットアーミーのときに山内くんが…。
坂口 初めて主演した作品なんですって。
植本 だから書き下ろしてもらったってことだよね。それを主演した。今度はそれを自分で主演しながら演出すると。
坂口 おもしろいと思うな。前のやつもおもしろかったじゃない。町田康の小説…。
植本 『パンク侍』?
坂口 そうそう。あれって、猿が空から降ってきたりして、もどうやったら舞台になるんだというような小説なんだけど、すごく上手につくってたと思うんですよ。乱暴さも含めてね。
植本 共演の方々もとても個性的な方が多くて、黒川芽以という若い女優がいますけど、中山祐一朗、コング桑田、松村武、川下大洋、福田転球、平田敦子、そこにキッチュ・松尾貴史さんが入っていて、そして椿鬼奴も入ってたりとか。さすがお笑い系にも強い山内くんだなと。4/15(金)〜24(日)まで、本多劇場です。すごいね、山内くんはアクティブにいろんなことをやってるな。
坂口 ミュージカルにも出てたしね。
植本 『時計じかけのオレンジ』にも出てたね。本多劇場で『桃天紅』です。らもさんの書き下ろしを娘さんが脚色したものです。ぜひぜひ。
記事検索
演劇キックラインナップ

演劇キック

観劇予報

宝塚ジャーナル

演劇人の活力源

日刊えんぶ

えんぶ情報館

えんぶショップ

えんぶミロクル

えんぶfacebook

広告について