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小娘が吠える!月刊「根本宗子」『根拠のない余裕』

gekkan


私は10年ほど東京にあるENBUゼミナールという演劇・映像の学校のスタッフをしていました。毎年、春と秋、卒業生が旅立つ度に、いくつもの劇団が産声をあげていました。今回ご紹介する月刊「根本宗子」はそんな劇団の中の一つです。

劇団なのに月刊?「」で名前を括っているので、雑誌感覚??
と気にしていたところ、先日、公演の案内が編集部へ届きました。

出演者を見ると、THE SHAMPOO HATの梨木智香さんを筆頭に、劇26.25団桜田ファミィ〜リアなどENBUゼミの卒業生が旗揚げした劇団&
卒業生の名前が。

HPでチェックをしたところ、とてもかわいいお顔の女の子がトップページに。
プロフィールを見るとどうやら、主宰の根本宗子さんはENBUゼミの卒業公演で、THE SHAMPOO HATの赤堀雅秋さんにしごかれていたようです。赤堀さんのあの真正面から生徒たちにがっぷり向かい合う稽古の姿は、稽古の隅でそっと見ているだけで胸がじ〜んと熱くなるものがありました。

そんな特訓を受けた「20歳の小娘」が、「世の中のほとんどの男性は、根拠のない自身と余裕を持っている」という持論を声高に叫んでいます。
「女性のお客様はほくそ笑み、男性のお客様が悔し涙を流す芝居にしたい」とのこと。

さあ、これから夏!というこの季節に、
いっちょ小娘の激情を確かめに行ってみよう!

◆公演情報◆
月刊「根本宗子」第3号
『根拠のない余裕』

2010年7月23日(金)〜26日(月)◎タイニイアリス

作・演出◇根本宗子 
出演◇梨木智香(THE SHAMPOO HAT) 長尾長幸(劇26.25団) 相樂孝仁(桜田ファミィ〜リィア) 
高嶋由奈 久保田南美 根本宗子 花田薫子(熱帯

<料金>前売り¥2500 当日¥2800
<お問い合わせ>gekkan_nemotoshuko@yahoo.co.jp

http://nemotoshuko.com/

【文・矢崎亜希子】

考えて遊ぶ、そして気付く『AT HOME AT THE ZOO』

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この台詞には、こんな感情が込められているのかも、いや、でも違う意味にもとれる。今の台詞を自分と照らし合わせてみたらどうだろうかあぁでもない、こうでもないと考えを巡らせ、頭を働かせる時間が続く。そんな時にふと発見する、人間の本能的な姿。

一幕の台詞と、二幕の台詞とがスピード感を伴ってピーンと繋がり、その瞬間に、また一歩深いところに潜り込んで行けたような気持ちになる。この閃く瞬間ごとに作品に惹き込まれるのだが、そこで、まんまと作者の意図にハマっている。閃く方向へと導かれているのだ。そのくらい緻密な、伏線に次ぐ、伏線が戯曲の中に張り巡らされている。その伏線に自分なりの解釈を与える為に、とにかく色々考えたくなる芝居なのだ。

2度、3度と見て、考えることで遊びたくなる舞台であるが、堤真一、小泉今日子、大森南朋というキャストが揃った上に、上演されるのがシアタートラムというコンパクトな劇場。そう簡単に足を運べない状況だけが惜しい。しかし、大きな劇場でこの芝居を同じように上演しても、間に流れる空気感は伝わりにくくなってしまうだろうし、やはりこの大きさがベストなのかもしれない。上演空間が小さいからこそ濃密に体感できる、一瞬一瞬の細やかさを大切にしたい。

一幕は堤真一と小泉今日子の二人芝居『ホームライフ』。夫婦の付かず離れず、微妙な距離間の会話が続く。妻のアン(小泉)は幸せであるのは理解しているが、本能的に満たされてはいないという、夫(ピーター:堤)に対する諦めや、憎しみ、漠然とした不満を口にする。しかし、そんな妻の不満を全く理解できないピーター。話し言葉の戯曲だから、アンが理路整然と不満を口にする訳でもなく、二人の中でも本音や嘘が入り交じり、話す内容も行ったり来たり。しかし最後、嵐の訪れと共に、ピーターとアンの中にあった動物的な狂気が姿を見せる。二人の姿を見ていて、心がざわついた。

二幕は堤真一と大森南朋の二人芝居『動物園物語』。アンとの衝撃的な会話を経たあと、公園へやってきたピーターと、そこを通り過ぎた男(ジェリー:大森)との会話が繰り広げられる。この二幕で印象的だったのが、ジェリーが住んでいるアパートにいる犬の存在。ジェリーはその犬を手懐けようとハンバーガーの肉を与え続けているのだが、犬は依然としてジェリーに牙を向ける。ジェリーはそんな犬が、理解できない、憎らしい。しかし、殺意を持って、犬と見つめ合った瞬間に、初めてその犬と自分の気持ちとが通じあったような心持ちになる。愛情と憎しみが等しく湧き上がる。
アンが夫婦の間に求めた叶わない理想は、このジェリーと犬の関係の中にあるのではないか。不思議に「犬」と「アン」の存在が重なって見え、一幕と二幕とか繋がっていく

「動物園に行ってきた!」、「動物園で起こったことを話そう。」とジェリーは言う。殺したいと思うほど憎く、しかしそれと同じぐらい相手を愛おしく思う。理性で覆われて、自分自身でさえもそんな感情の存在に気付かないのが普通なのかもしれないが、この芝居は、その気付かない部分、動物的な人間の姿を引きずり出す。ジェリーが言う動物って私たちのこと?

ジェリーと出会い、望まずとも気付かされてしまったピーターは、あの後、アンとどんな生活を送るのだろうか。同じ疑問が、この芝居を見た人にも投げかけられる。深みにハマる芝居だ。

 

 

『AT HOME AT THE ZOO』

作◇エドワード・オルビー

演出◇千葉哲也

出演◇堤真一、小泉今日子、大森南朋

●6/17〜7/19◎シアタートラム

 

〈料金〉¥7000

〈問い合わせ〉シス・カンパニー 03-5423-5906
http://www.siscompany.com/ 


【文/岩見那津子】
 

大地真央のイライザ、ラストステージ『マイ・フェア・レディ』制作発表インタビュー

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大地真央のイライザが、ラストステージを迎える。
1963年、日本で一番最初に上演されたミュージカルである『マイ・フェア・レディ』。
大地は1990年から、このミュージカルの主役、上流社会での生活を夢見る下町の花売り娘・イライザを演じてきた。初演から20年、節目となる今年、大地真央がイライザ役に終止符を打つ。
上演回数も20101029日の昼の部で600回。大地と共にこの記念すべき公演を盛り上げようと、出演者たちが出席した『マイ・フェア・レディ』の制作発表が、624日、都内のホテルで行われた。

【挨拶】 

西川信廣(演出)「2002年から真央さんと一緒に、マイ・フェア・レディをスタートしました。その時は、まさかこんなに長くやるとは夢にも思っていませんで。前回か、前々回のパンフレットに大地真央のイライザは毎回進化して、変化すると書かせてもらったんですが、今回も進化、変化していくと思いますので、僕も心を新たにして、今回の作品を迎えたいと思っています」

s_RIMG0964石井一孝(ヒギンズ)「マイ・フェア・レディのヒギンズの台詞の中に立派な言葉の尊厳と栄光は僕たちにとって、もっとも大きな財産なんだというものがあります。これ僕の中では、こういう風に言い換えていつもやっています。日本のミュージカル界を牽引してきた、大地真央さんのを立派な尊厳と栄光は、僕たちショービジネスに生きる人たちにとって、もっとも大きな財産だと。真央さんというすばらしい方と、また共演させてらえる、それも大好きな大好きなマイ・フェア・レディという作品で。心新たに、初心に戻って、演じさせていただきたいと思います。とても、燃えています!よろしくお願いいたします」s_RIMG0969

升毅(ピッカリング大佐)「聞くところによりますと、真央さんのイライザは今回が最終ということで、最後なのか!という思いと、なんとか滑り込めた!という思いとが、あります(笑)。歴史ある作品ですので、非常に緊張もしておりますし、このカンパニーでは一番の新人でございます。パシリでもなんでもやって(笑)、早く一員になりたいと思っております」

s_RIMG0963大空眞弓(ヒギンズ夫人)「大好きな作品に出演できるということは、生きてきた証として、本当に最高の自分の誇りと嬉しさと、胸の中の熱さで、いっぱいでございます。私、本当に根っからのそっそかしい女でございますので、どうぞそれが舞台の上でバレませんようにと、それだけを念じております。本当の優しさとは何か、相手を認めるということはどんなことかということ人間のあるべき姿に気付いていくお母さんを、しっかりと演じられればと願っております。どうぞ上手くできますように、みなさんご一緒に念じてください。よろしくお願いします」s_RIMG0971

上條恒彦(ドゥーリトル)「現実には男の子しかいないものですから、こんな美しい娘がいる役で18年、本当に幸せな思いをさせていただきました。ドゥーリトルは最終的には情けない悲劇の役なんですけど、前半の自由奔放に生きている、中産階級のこざかしさを笑い飛ばしている、そういう風なところを思い切り弾けるように、頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いします」

s_RIMG0974大地真央(イライザ)「20年間、大好きなイライザをやらせていただきましたことを、今、心から感謝し、そして嬉しく思っております。イライザは私にとって大親友みたいなもので、毎回出会うたびに、発見があって、ずっと育ててもらって、一緒にやってきた、そんな存在です。そんな大好きな、愛するイライザだからこそ、この20年という節目の今年、お別れをする決意をいたしました。マイ・フェア・レディを卒業いたしますけれども、この素晴らしい作品は、これからも日本の宝として、公演され続けていくことと思います。またそうあってほしいと思います。まず、この公演をイライザの集大成、私にとって最高の舞台にしたいと心から思っております。素晴らしいスタッフの方々と愛するキャストのみなさんと、心を一つに、全力で取り組んでいきたいと思っております。どうぞ、最後の公演よろしくお願いいたします」

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東宝ミュージカル
『マイ・フェア・レディ』
演出◇西川信廣
出演◇大地真央、石井一孝羽場裕一、大空真弓、上條恒彦 他
●10/18〜31◎福岡 博多座
●11/2、3◎名古屋 中日劇場
●11/17〜20◎東京 JCBホール

〈お問い合わせ〉東京公演 東宝テレザーブ 03-3201-7777

【取材・文/岩見那津子】
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