稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

『真夜中の弥次さん喜多さん』三重

堂本光一の博多座初日が開幕。『Endless SHOCK』

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1月7日、堂本光一主演のミュージカル『Endless SHOCK』が福岡の博多座で幕を開けた。

昨年の3月11日、東日本大震災で中止になった幻の800回目の公演である。
 

念願の初日を迎えて、公開舞台げいこを終えた堂本光一は、「ついにこの日がやってきました。3月11日の震災以来、僕らも時間が止まったままでした。こうして博多座という素晴らしい劇場で『SHOCK』の時間が動きだす。嬉しいし素晴らしいことです」と喜びを語った。
 

この『SHOCK』シリーズは、帝劇で12年間絶大な人気を受けて最多公演記録を伸ばし続けているものだが、フライングや階段落ちなど大掛かりなセットの都合で、他の劇場では上演が困難とされていた。だが博多座の何年にもわたる熱意により、今回、初の外部劇場での公演が実現することとなった。
博多座ではフライング用の装置を取り付けるため、昨年8月に約5000万円かけて大改修工事を行い、12カ所の穴をあけた。また、階段のセットなど11トントラックで25台分の装置が持ち込まれ、現地のスタッフと綿密な打ち合わせで本番に備えた。
 

堂本光一は1月3日から舞台稽古入り、劇場や舞台の大きさに合わせて助走距離も多めに取るなど、フレキシブルに調整を行ない、公開稽古では博多座で初めてのパフォーマンスを鮮やかに展開。天井が帝劇より1メートル高いためフライングのワイヤーが約70センチほど長い点について「勢いがすごい。大きく回れる」など、帝劇以上の迫力を見せられることへの期待を語った。

また、2部のショー部分ではこの公演から加えられた新場面が初お目見え。マイケル・ジャクソンの振付けで知られるトラヴィス・ペイン氏に依頼し、渡米して作り上げたというダンスシーンでは、熱いエネルギーを発散した。
 

博多座公演は1月31日まで。2月7日からは東京の帝劇に戻り、4月末までのロングラン公演に挑戦する。 


『Endless SHOCK』

作・構成・演出◇ジャニー喜多川

主演◇堂本光一

出演◇内博貴、町田慎吾、米花剛史、ふぉーゆー、石川直、神田沙也加、植草克秀(特別出演) 他

2012/1/7〜1/31◎博多座

2012/2/7〜4/30◎帝国劇場

〈お問い合わせ〉03-3213-7221 帝国劇場

東宝HP http://www.toho.co.jp/stage/



堂本光一の『Endless SHOCK』へかける思いが、発売中の「演劇ぶっく2月号」で

特写グラビアとともにカラー4P掲載されています。その一部をここで紹介!!


【堂本光一インタビューより抜粋】

――今回の振付けはマイケル・ジャクソンの振付家でもあったトラビス・ペインさんですが、ロスまで会いに行かれたとか?

堂本 自分としてはすごく大きな収穫でした。トラビスからマイケルとどういうふうに接してきたとかいろいろ聞けましたし、何よりもクリエイトするうえで、彼がどういうふうに作品や表現を作り上げていくかを間近で感じることができました。

――ショーの中で彼の振付のパートがあるそうですが、作るうえで意見を出し合ったりしたのですか?

堂本 そうですね。『SHOCK』自体がストーリーのあるものですから、その部分は向こうもかなり気にしてくれていたので、それについての僕の考えを伝えました。あとは彼から生まれるものをこっちも受け入れることが何よりも一番エネルギーを生み出すものだろうと思っていたので、あまり細かい説明は必要なかったし、あとは実際の振付の中でコミュニケートしました。

――振付けはもうできているのですか。

堂本 できてます。

ーーではすぐにでも踊れますね?

堂本 個人的にはここでも踊れますけど(笑)、周りのアンサンブルとかがまだですから。

――トラビスさんは一流のアーティストとずっと一緒にやってきた方ですが、その魅力を実感しましたか?

堂本 それが身近で一番感じたかったことだし、感じられたのは一番の収穫でした。
(以下略)

 

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『寿歌』舞台レポート

寿歌

「もう一度観たい!」と思う芝居だった。
北村想がチラシを見て新たに書き足したというプロローグ。
櫛のお礼に干し芋を真っ赤な袋に入れて持ってきたキョウコ(戸田恵梨香)。
呆然としつつもそれを受け取ろうとしたヤスオ(橋本じゅん)。
切なげに発せられた「アホっ!」というキョウコがヤスオを罵る声。
去り際のキョウコの芝居がかった台詞。
「ホタル」が意味するものは?ヤスオとは一体?
最後まで観たあとに、もう一度初めに戻りたい。
きっと見えてくるものが、感じられるものが、またたくさん増えるはずだ。 

心に引っかかる伏線のようなものが散りばめられた戯曲なのだが、
わかりやすい物語が描かれた戯曲ではないので、見終わったあとには疑問が残るかもしれない。
核戦争の末、人影もまるでなくなった荒野を行く旅芸人のゲサク(堤真一)とキョウコ。
そこにいきなり現れるのが不思議な芸を持ったヤスオである。
ゲサクとキョウコのあてのない旅路にヤスオが加わり、3人はまた荒野を行く。
話の筋はただそれだけで、そこで交わされる3人のやり取りが時に笑いあり、時に詩的で綺麗であったりもして、ふと考えさせられる。

ゲサクとキョウコが芸を披露する場面を観ていて、これは魂から魂へのレクイエムなのかもしれないと思った。上空には多数のミサイルが美しい花火のように飛び交っているのだが、それを操る人間はもう世の中にはいない。
ミサイルはコンピューターの暴走により発射されているだけで、
町はもろとも、もはやそこに住む人間はみな死んでしまったのではないか?
ゲサクとキョウコは「町に着いた!」と言ってその町の人々のために、でたらめな芸を披露するが目に見える観客は誰一人としていない。
それなのに、自分たちを含めて、もう誰も生きていないかもしれないのに、ゲサクとキョウコは底抜けに明るい。
関西弁で綴られた台詞のテンポも良く、漫才まで披露して、からっとした笑いに包まれている。
人類が滅亡した・・・とも思えるような状況の中で、たくましく生き抜こうとするゲサクとキョウコは絶望の中で明るい希望を見せてくれる。
ただ不思議な力を持ったヤスオでさえも、この状況から二人を救うことはできない。
救うことができない、という絶望をヤスオは背負う。
だからこそ二人の元からヤスオは離れていったのかもしれない。

とにかく一つの答えには決して辿り着かない舞台である。
観客それぞれが、自由に感じて、考えることを望んでいる作品であるような気がした。


『寿歌』

作◇北村想
演出◇千葉哲也
出演◇堤真一 戸田恵梨香 橋本じゅん

●1/5〜2/2◎新国立劇場 小劇場

<料金>
S席:7,500円 A席:4,000円

<HP> 
http://www.siscompany.com/03produce/36hogiuta/index.htm 


【文/岩見那津子】

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今回のテーマは光! 中西俊博インタビュー

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演劇ファンには『ア・ラ・カルト』でおなじみの中西俊博は、ジャズ、ポップス・ヴァイオリン奏者として活躍中だが、彼の5人編成のバンド“Reel’s Trip”(リールズ・トリップ)のコンサートが、青山円形劇場で1月末に開催される。
 

この“Reel’s Trip”シリーズは2009年から始まり今回で3回目だが、ヴァイオリン(中西俊博)、ベース(木村将之)、ピアノ(伊賀拓郎)、ギター(ファルコン)、パーカッション(はたけやま裕)という5人が、個々の音を尊重し、音で旅をし、色や景色を奏で、音でイメージを表現するというドラマティックなライブだ。
 

昨年の副題は「水の記憶」、水が流れていく先で出会う国や人々、光景などを浮かび上がらせながら、水から生まれるさまざまなイメージを音で表現してみせた。
今年は「はじめてのひかり」として、中西俊博自身がクラシックからポップス・ジャズフィールドに転向して現在に至るミニ個人史や、テーマのイメージを構築したものになるという。そのライブへの思いを話してもらった。

 


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光と闇を奏でる

 

ーー昨年の「水」に続いて、今回は「光」がテーマということですが?

光という言葉にはいろいろな意味があると思うんです。具体的な光もあれば抽象的な意味での光。たとえば目に見える光や心の中の光、そして闇の中の消えそうな光やまばゆいばかりの壮大な光、そんなものから生まれてくるイメージを音で表現してみたいと思ったんです。
 

ーーそういう意味ではやはり大震災と結びつけてしまうのですが。

実際に被害を受けていない僕が言葉で何かを語るなどおこがましいと思っているのですが、この現実も含めて音楽で光を表現していかなくてはならないという思いはあるんです。被災地には教え子が何人かいて、あの当時、僕のところにくるメールには「暗くて寒い」とか「水を飲みたい」、「光がない」、そういう言葉があったんです。それがとても心に突き刺さっていたし、それに応えられない事が歯がゆかったです。
 

ーーそういえばチャリティコンサートもされましたね。

そうですね。教会でやったんですが、1日2回公演が満員になって。そしてコンサートに来れない人が寄付金を送金してくれて。制作側も一人も経費を取らずに100%被災地に渡すことが出来て嬉しかったです。
 

ーーもともと中西さんの音楽作りは自然と共振する部分があったので、今年のそういう状況の中でこの副題になったというのはわかる気がします。

タイトルは「光」なのですが、同時に闇というものも表現していけたらと思っています。光があるということは闇もあるということですから。そして闇の中だと一筋の光でもすごく大きく見える。そんなふうに、どの場所から何をどう見るか、それによって変わる光の多様なイメージを音で表現したいと思っているんです。


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良い時間を過ごす
 

ーー今回のもう1つのコンセプトですが、ご自分のオリジナル曲にもう1度向かい合うということもあるそうですが?

昔は自分がプレーヤーであることと、作曲家であり同時にアレンジャーであることは切り離せなかったんですが、最近プレーヤーとしての活動が増えてきて、そのプレーヤーの僕が自分の曲を切り離して聴くと、意外と楽しめるようになってきたんです。それで、自分がこれまでに作った曲を純粋にプレーヤーとして演奏してみようかなと。
 

ーーそれは楽しみですね。アレンジはどんな感じになるのですか?

今の自分はちょっとハードなほうにきてしまっているので(笑)、昔のものはなるべく昔のままでやろうと思っているんです。そのほうがお客様も喜んでくれると思いますし、デビューしたての頃の、沢山の人たちの前で演奏したいとか、そういう真っ直ぐな思いを曲に込めたときの気持ちは、ある意味で「光」とも言えるわけですから。
 

ーーまさに原点を見つめるわけですね。

それと同時に、今の自分はそういう年齢になったからだと思うのですが、いつかは死ぬということを考えるんです。そして死ぬ時には満足したいという思いがある。若い頃は何でもすぐに結果を出したかったし、世間的な成功を求めていた。死ぬ時に自分が満足することはなんだろうと考えるとお金でもないし地位でもない、「良い時間を過ごした」と最後に思えることだろうなと。結果を出すということよりも、何かに向かって一生懸命物を作っていることがいい。そのために迷っている事や避けている事に決着をつけたいと思うようになったんです。だから最近ちょっと逃げていた昔の自分、そして曲と向き合ってみたいんです。
 

ーー自分の足跡を確認してみるということですね。

昔作った曲って、今弾くとなんか照れくさいんです。そういう曲を作曲家としてでなくミュージシャンとして向き合ってみる。これをやってみたい。
 

ーー肯定的な意味で客観化するみたいなことですか?

そうですね。避けずに一度向き合いたいです。演奏する自分が楽しみだし、きっとお客様にも新鮮に聞いていただけると思います。


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個性豊かなメンバーたち
 

ーーこのライブはジャンルも多様で前回はケルトが沢山入ってましたが?

今回はプログレとかクラシックも入りそうです。このバンドのメンバーは若手ばかりで、彼らのおかげで僕の興味の幅がすごく広がっています。それぞれ優れたミュージシャンですし、個性豊かなメンバーなのですごく触発されるし、影響される部分も大きいんです。彼らの良さをどんどん生かしながら、このメンバーならではのサウンドをお客様に届けられるように、演出家の吉澤耕一さんと考えているところです。
 

ーー吉澤耕一さんの演出やスタッフワークも毎回楽しみですね。

吉澤さんの演出が、ライブに奥行きを作ってくれます。それに懐が深くて、僕が音楽家の立場から「ムリかな?」と思っていることでも、発想の自由さで助けてくれるんです。照明や音響も僕のイメージを期待以上にふくらませてお客様に伝えてくれる、センスのいいチームです。みんなで作っているステージ、一度客席で観てみたいもんだなあ(笑)。
 

ーー1年の始まりに素敵なライブを楽しみにしています。

年明けに「光」を表現するライブですから、明るい気分で楽しんでいただきたいですね。
 


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中西俊博 Leapingbow2012

『Reel’s Trip 〜はじめてのひかり〜』

演出◇吉澤耕一

出演◇中西俊博(vln)

木村将之(ba)、ファルコン(g)、伊賀拓郎(pf)、はたけやま裕(perc)

●2012/1/28〜29◎青山円形劇場

〈料金〉6000円 未就学児の入場不可

〈問合せ〉こどもの城劇場事業本部 03-3797-5678


【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】

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