稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

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KAATで芸術監督たちがオープントーク『劇場って何? 芸術監督って何?』

1_第1部

2月26日、今年1月にオープンした神奈川芸術劇場(KAAT)の芸術監督である宮本亜門が、同じように芸術監督として活躍する蜷川幸雄、串田和美、宮田慶子の3人をむかえ、劇場と芸術監督について対話するトークイベント「オープントークVol.1」が行われた。

第一部が蜷川(彩の国さいたま芸術劇場)と宮本の対談。第二部が串田(まつもと市民芸術館)と宮田(新国立劇場演劇部門)と宮本の座談会で、岩城京子(演劇ジャーナリスト)の司会で行われたあと、最後は宮本が直接観客たちの質問に答えるという形で、約3時間半の長時間にもかかわらず、400人近い観客は熱心に聞き入っていた。

 

【オープントークの内容】

第一部は「劇場って何?」というテーマで13時に開始。宮本亜門と蜷川幸雄の率直な対話で約1時間があっというまに過ぎた。

それぞれの立地と集客についての試行錯誤、アイドルや人気俳優を主役にすることについての蜷川ならではの見解、海外と日本のスタッフワークや仕事のしかたの違いと向き合い方、自分の作品への批評や評価の受け止め方、蜷川の最近の展開であるネクストやゴールドという劇団の成果など、幅広く話は広がっていった。

 

第二部、「芸術監督って何?」というテーマで、串田和美、宮田慶子、宮本亜門の3人のトークセッションで司会は岩城京子、14時半に開始し16時に終了した。

芸術監督としての各氏の現在の仕事内容に始まり、地域との連携の努力、いくつかの劇場作りに携わった串田ならではの劇場への視点、新国立劇場の演劇部門の芸術監督の任期の問題、また人材を作り出す養成の話として劇場付きの劇団と自主的に集まった劇団の違いや功罪などが語られた。

1_第2部

観客との質疑応答 

第二部の終了後に10分ほどの短い時間だったが、宮本亜門が観客からの質問に答えた。海外と日本でのプロジェクトで感じる大きな違い、オーディションで俳優を選択する際の基準、神奈川芸術劇場の客席の見切れ席と料金の問題など、活発な質問が飛び、宮本からは丁寧な答えが返って、観客との生のコミュケーションが繰り広げられた。

このオープントークは今回がVol.1。入場無料で気軽に足を運べ、こういった豪華なメンバーの話が聞けるよい機会だけに、宮本亜門芸術監督の劇場運営に役立てるためにも、今後も継続していってほしいイベントである。

 

【取材・文/榊原和子】 

私の観劇計画3月その2 植本潤(花組芝居)×坂口真人(演劇ぶっく編集長)

リリパットアーミー

『音楽の時間』

 wakagi

作・演出・出演◇わかぎゑふ

出演◇コング桑田 千田訓子 三上市朗 八代進一 岡田達也 佐藤心 ほか

3/516◎下北沢ザ・スズナリ、3/1924◎世界館(大阪)

 

植本 リリパットアーミー兇任后『音楽の時間』、作・演出わかぎえふさんということで。聞いたところによると、日本にドレミが入ってきたときの話らしいんです。

坂口 それはいつ? 普通で言えば明治の初め? いろんな欧米の文化が入ってきたときついでに入ってきたような気がしない?

植本 そのへんの時代を書いたらわかぎえふさんはとてもすごいので、これもきっとおもしろいと思うのですが。出演者は、コング桑田さんとか劇団員のほかに、三上市朗、岡田達也、美津乃あわ、江戸川卍丸、うちの花組芝居の八代進一が出るんですが。たぶん八代くんは大阪で稽古すると思います。

坂口 公演場所はどこですか?

植本 東京は下北沢ザ・スズナリ。大阪は世界館というところ。海のほうにあったな、僕一回行ったことがある。世界館に観に行ったときに、通りをイタチがぴょーんぴょーんて普通に出没してましたよ(笑)。そんなところです。

坂口 へえー。

植本 リリパットアーミー供慍山擇了間』は、東京公演が下北沢スズナリ3/5(土)〜16(水)、前売・当日ともに4500円です。

 

チャリT企画

『ネズミ狩り』

ネズミ狩り

作・演出◇楢原拓

出演◇ザンヨウコ 内山奈々 羽鳥名美子 滝寛式 松本大卒 ほか

3/313◎こまばアゴラ劇場

 

植本 チャリT企画さん。あれでしょ、早稲田の劇研?

坂口 そうですね。劇研の人たちを中心につくった劇団ですね。

植本 目立つチラシですね。

坂口 かわいらしいですよね。黄色地に縄かな。

植本 『ネズミ狩り』というタイトルです。再演なのかな、2008年佐藤佐吉賞「最優秀脚本賞」受賞作と書いてある。観たことあるんですか? チャリT企画。

坂口 僕はこれを観てるんですよ。よく憶えてないんですけど。とてもテンポもよくて、おもしろいシチュエーションコメディだったかなと。

植本 拝見したことがないので。早稲田の劇研ってそれぞれカラーがあるじゃないですか。どんな感じ?

坂口 社会的なテーマをわりとコミカルに描くというのが主宰の楢原拓さんの得意なところなんです。それがどこまで本気なのか、どこまでちゃかしているのかよくわからない部分がおもしろい。なかなかテンポがいい芝居づくりをしていると思います。

植本 1回観たいと思ってたんですけどね。

坂口 今度は出演者もちょっとおもしろいじゃないですか。

植本 ダブルキャスト?

坂口 女性3人はずっと出るんですよね。

植本 ザンヨウコさんは危婦人の方。毛皮族の羽鳥名美子さん。

坂口 それと内山奈々さんという劇団の方と、この3人の女性の組み合わせは魅力的かもしれないな。

植本 初演のご意見、ご感想が書いてある。「かくも重いテーマをこれほどおもしろく仕上げたことに拍手を送ります/スリリングで目が離せない展開。手放しでおもしろかったです/温かみがありつつも、どこか冷たくて怖い作品で、今までにない感動を受けました」。

坂口 その中でね、松本大卒さんというちょっととぼけた人がいて。

植本 本名じゃないよね(笑)。

坂口 この前お会いする機会があって。ナイーブな方で、彼が舞台に立ってどう変化するか興味があって。行こうと思います。

植本 編集長、いろんな俳優さん知ってるね。

坂口 いやいや。たまたまお会いして。ちょっとおもしろそうな方でした。

植本 チャリT企画『ねずみ狩り』です。こまばアゴラ劇場で、3/3(木)〜13(日)、ちなみに3/8(火)は休演日となっております。全席自由席整理番号付、前売3000円、当日が3500円です。

 

井ノ原快彦が取り組む芝浦の不動産。『芝浦ブラウザー』制作発表

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今では情報番組の朝の顔としておなじみの井ノ原快彦が、3年ぶりの舞台に取り組む。前作は『昭和島ウォーカー』として上演されたもので、若手人気劇団「ヨーロッパ企画」の主宰で、作・演出の上田誠と組んでの第二弾になる。

ヨーロッパ企画は京都を中心に活動を続けていて、上田は『サマータイムマシン・ブルース』や『冬のユリゲラー』が映画化されるなど、期待の演出家で、近未来のうらぶれたロボット工場とそこで働く人々を取り上げた『昭和島ウォーカー』に続いて、今回は芝浦を舞台に、高層ビル群とその隙間に立つある建物の話を、青春群像劇コメディの形で描き出す。

主演の井ノ原快彦は3年ぶりの舞台出演だが、前回も井ノ原からのラブコールで公演が実現したというエピソードもあり、気の合った上田との第二弾公演となる。
共演は、清純な役柄から妖艶な役柄までこなす新進女優・芦名星、北海道の人気劇団「TEAM NACS」の音尾琢真。また「猫のホテル」から味のある演技の市川しんぺー、「阿佐ヶ谷スパイダース」の個性派で多彩な顔を持つ伊達暁、そして上田が主宰するヨーロッパ企画からは永野宗典、本多力をはじめとする劇団員が多数出演する。
この公演の制作発表が、2月17日、都内で行われ、上田、井ノ原、音尾、芦名、市川、永野、本多が出席した。

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【一問一答】

ーー今回のみどころ。

上田 3年前の『昭和島ウォーカー』以来、待ちに待ったプロジェクトで、楽しみにしてました。前回はお互いに町工場の息子という共通項があり、それをもとに作品を作りましたが、その公演中に、井ノ原さんも僕も「物件」にただならぬ興味がある「物件フェチ」だとわかり、今回はそれをテーマにしました。井ノ原さんには不動産会社の社員になってもらうということで、「ブラウザー」というのはウェブの閲覧ソフトのことですが、芝浦の高層ビルの物件を見ているうちに、そこに似合わないある集合住宅を発見して、覗き見をするという話になります。芝浦は水路と運河の町ですがそこに道路が出来て重層的になってきたので、住宅を考えるのに最適な場所だなと。不動産へのこだわりは“思いがけない発見”ですね。実家の工場に大きくなって知らない小部屋を見つけたときはびっくりしました。

井ノ原 3年ぶりの舞台ということで楽しみにしています。上田くんともいろいろ話し合ってここに至ったのですが、前回に続いてタイトルも土地の名前と横文字です。これまで10回近くの引っ越しを経験してますし、一番興味あるものを舞台にできるのが嬉しいです。物件が好きというか、もともと間取りとか図面とか見るのが大好きで、ここの隙間にあの家具を入れたらぴったりだなとか考えてると幸せになるので(笑)。それが舞台になるだけで楽しみです。それに、もしかしたら新しい形の舞台が作れるかもしれないなと思ってます。不動産へのこだわりは、いろんなお店の人と仲良くなりたいので商店街が近いこと、あとは駅近ですかね(笑)、10分までならOKです。

芦名 管理人さんという役です。なかなかない役ですし、管理人さんという響きがいいなと思っています(笑)。上田さんがこの作品を書かれる前に料理の話とか聞かれたので、きっとそういう部分も生かされているのかなと思ってますし、期待にそえる管理人さんになりたいです。不動産へのこだわりは、“丸い穴(笑)”で、福島なので雪が降るのでかまくらの中とか大好きです。そういう自分を発見できたのはこの公演に出ることになったからで、これからもそういう発見が楽しみです。

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市川 3年前の作品の評判を聞いていたので、そこに入れていただけて嬉しいです。今日はみなさんがスーツでくるとは思わず、はずしてしまったなと(笑)。稽古前に上田さんはいろいろ話し合いをされるということで、一緒に作るのを楽しみしています。

永野 3年前も出ていましたが、すごく好きな公演でしたし、いつかヤツらは戻ってくると思ってました(笑)。その「昭和島」を超える、すみません。あ、超えていいんですか? じゃ、そういう公演になるようにがんばります。

本多 こんな(永野)先輩と一緒に一緒にヨーロッパ企画でずっとやってます。3年前の公演も楽しい思い出しかないので、この公演も、今ここでしゃべってることから、もう楽しくてしかたありません。

音尾 京都の劇団ヨーロッパ企画と、NACSは北海道の劇団で、これまでも交流はあったんですが。今回は出演できるというので、上田さんの作り方を楽しみにしています。イノッチについては、みんながいい人だと。そんないい人がいるとは思えないので、公演中に絶対にブラックな部分を暴いていきたいと思ってます(笑)。

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『芝浦ブラウザー』

作・演出◇上田誠

出演◇井ノ原快彦、芦名星、市川しんぺー、伊達暁、永野宗紀、本多力 ほか/音尾琢真

●4/2〜19◎東京グローブ座

〈料金〉S席¥8500 A席¥7500 B席¥5500(全席指定・税込)

〈問合せ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337

●4/22〜24◎シアター・ドラマシティ

〈料金〉¥8500 (全席指定・税込)

〈問合せ〉キョードーインフォメーション 06-7732-8888

 

【取材・文/榊原和子】

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