稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

『ストリップ学園』

ネクスト・シアターの2作目が開幕。『美しきものの伝説』

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彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督である蜷川幸雄、彼が率いる無名の若手俳優の集団「さいたまネクスト・シアター」が、2作目の幕を開けた。

昨年10月の旗揚げ作品『真田風雲禄』に出演していた44名は、1年の間に蜷川の厳しい指導で22名に絞り込まれ、いっそう気合いの入った集団となっている。

今回の作品は、1968年初演の宮本研の戯曲『美しきものの伝説』で、大正時代を駆け抜けた実在の人物たちの理想と現実を描いた傑作青春群像劇である。

s_DSCF6483登場するのは、新しい演劇を求め身をささげる演劇人。社会主義に憧れ、労働者の解放を訴える文学者や思想家たち。女性解放運動を実践し男女同権を唱え、恋に生きる女性たち。モデルとなっているのは松井須磨子、島村抱月、小山内薫、大杉栄、伊藤野枝、平塚らいてう、神近市子、辻潤、荒畑寒村、中山晋平、そのほかにも歴史に名を残す人々ばかり。

物語は大正元年(1911年)から始まる。大逆事件という国家権力による弾圧で、民衆の自由な気運が閉塞しつつあったなかで、自由と革命の思想を謳う知識人や演劇人の闘いが、やがて関東大震災後の混乱に乗じた大杉栄、野枝夫妻の虐殺で、より時代の闇を深めていく様を描いている。

大正という短い時代に国家権力に翻弄されながらも、変革を求め闘った「美しきものたち」の姿が、演劇という闘いに命がけでぶつかるネクスト・シアターの、無名の若き俳優たちの闘いと重なる。

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【蜷川幸雄囲みインタビュー】
 この初日を迎えた16日に、取材陣の前で蜷川幸雄のインタビュー取材が行なわれた。その内容を要約して以下にレポートする。

s_DSCF6535「稽古開始の直前にゴールド・シアターに応援を頼みました。ここには高齢者と若者のふたつの集団があって、これが融合すると劇の幅が広がって、そしてお互いにいい影響を与えられるんじゃないかと思ったので。この作品は一種の演劇史の戯曲であり、こんなに美しく語られているものは他にない。そして縦軸の歴史の中に自分が存在していることを知ってほしいと思っていました。中身はさることながら、演じるのもとても難しいんです。若者は自分自身の体験にないので、何でもないように下駄や手ぬぐいを扱うといのができないんです。ちゃんと下駄を履けないから稽古場に入ったら常に下駄を履くようにしました。キャスティングは、当初、自分の頭の中で考えていたのでやってみたらあまりよくなくて。前回の『真田風雲録』の時に台詞がほとんどなかったような若者たちにやらせてみたら、よかったんです。稽古をやりながらキャスティングが決まっていく。とんでもないことが起きてると思いました。今まで絶対だめだと思っていた連中にもチャンスがあった。上手くなったら希望が叶えられるというのが、みんなの中に芽生えてきたんじゃないかな。ぜひ若者たちがどれだけ成長したか見てほしいです。それだけしかお返しするものはないから。今の時点では、これが目一杯だと思うんですが、ここからいい俳優が飛び立ってくれるといいなと思います。いわゆる無名の若者でもこんなに心を打つことができるんだと」

 

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さいたまネクスト・シアター
『美しきものの伝説』
作◇宮本研
演出◇蜷川幸雄
出演◇さいたまネクスト・シアター(22名)、さいたまゴールド・シアター(21名)/原康義、横田栄司、飯田邦博

20111216日〜26日◎彩の国さいたま芸術劇場 インサイド・シアター(大ホール舞台上特設劇場)

<料金>¥3800(全席自由・税込)

<お問合せ>彩の国さいたま芸術劇場 0570-064-939(10時〜19時)

 http://www.saf.or.jp

  

【取材・文/榊原和子】

早乙女太一インタビュー。1月の銀河劇場と2月の新歌舞伎座公演。

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2010
年も幅広く活躍した早乙女太一。劇団朱雀を率いて全国で公演するほか、4月の明治座座長公演の『田原坂』や、10月の外部出演『薄桜鬼』では、男の役で凛々しく迫力ある殺陣を見せてくれた。相変わらず美しい女形姿でに日本舞踊も、いちだんと磨きがかかり妖しさとあでやかさを増している。そして10代最後の誕生日にはイベントも開催、たくさんのファンとともに19歳を祝った。

20歳になる来年は、新年そうそうから劇団朱雀二代目座長としての大きな舞台が待っている。まずは天王洲・銀河劇場での新春公演と、2月の大阪・新 歌舞伎座公演である。銀河劇場は「絵島生島」の2役を演じるという画期的な試みがあることで話題を呼んでいるし、新歌舞伎座は建て直し後のこけら落としラインナップの1つという記念の公演になる。

さまざまな意味で大きな節目を迎えることになる早乙女太一に、2011年の公演の内容について語ってもらった。

 

【早乙女太一インタビュー】

ーーお正月の銀河劇場公演について。
1月、天王洲の銀河劇場での新春公演『龍と牡丹』は、新年にふさわしいスタート公演なので劇 団朱雀一丸となってがんばります。

第1部が「19*ザベスト」、第2部が「絵島〜大奥・許されざる恋」の、舞踊2部構成になっています。
「19*ザベスト」は、10代の最後の年ということで、これまでの集大成というか、タップだったり洋舞だったり…新しい構成や演出で現代的エンターティンメントを是非、観ていただきたいです。
第2部の「江島〜」は有名な「絵島生島」の悲恋をもとにした舞踊で、ストーリー性はあるのですが、芝居として見せるのではなく「絵島生島」 をイメージした舞踊で表現します。女形の絵島と歌舞伎役者の生島を僕1人で、2役こなすのが面白い発想かなと思います。
最近、ショー構成を考える中でイメージや音楽、絵など、面白いアイデアが浮かんだ時には、演出の方に伝えて反映させてもらっています。僕がイメージした場面が出てくるかもしれませんので、楽しみにしていてください。

ーー新歌舞伎座での座長公演について。
2月は、2010年夏に新しく大阪の上本町駅に建築された新歌舞伎座の、オープニ ング記念公演の一環として『早乙女太一特別公演』を行ないます。演目はお芝居の「狐笛のかなた」と「舞踊ショー」で す。
「狐笛のかなた」は上橋菜穂子さんの人気ファンタジー小説を舞台化したもので、悪い呪術師に使われてる3匹の狐の1匹で、人間の姿に化けて阿部なつみさんの娘と恋をします。
「舞踊ショー」は元宝塚歌劇団の演出家だった荻田浩一さんが手がけてくださるので、斬新な演出がとても楽しみです。
新歌舞伎座は今回で3度目になります。以前、難波にあった時に初座長公演をさせていただいた縁の深い劇場です。お客様も良いものを見慣れている方が非常に多い伝統ある劇場ですから、座長という立場での舞台はやはり緊張します。でも晴れのこけら落とし公演ですから、劇団朱雀の仲間とともに精一杯がんばりたいと思います。

ーーいよいよ20歳を迎えることについて。
2011年は10代最後の年になるんですが、あまり考えたくないですね。10代がとても充実して楽しかったので(笑)。最後の10代を満喫して、20歳になったらさらに飛躍したいと思います。



※演劇ぶっく2月号(1/9発売)にて『薄桜鬼』の舞台写真と早乙女太一SPインタビューが掲載されます。お楽しみに!

 

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早乙女太一新春特別公演

『龍と牡丹』

第1部「19*ザベスト」

第2部「絵島〜大奥・許されざる恋」

出演◇早乙女太一、劇団朱雀

2011//2〜5◎天王洲 銀河劇場

〈料金〉8500円(全席指定・税込)

〈問合せ〉03-5459-7461(株)うぼん(平日12001800



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新歌舞伎座 新開場記念

『早乙女太一特別公演』

「狐笛のかなた」「舞踊ショー」

2011//3〜23◎大阪・新歌舞伎座

〈料金〉一階席 10000円 二階席 6000円 三階席 3000円 特別席 12000円(全席指定・税込)

〈問合せ〉06-7730-2222 新歌舞伎座テレホン予約センター(平日10001800

 

【取 材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】




 

2011年は衝撃と狂騒でスタート!『時計じかけのオレンジ』公開稽古

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『時計じかけのオレンジ』の公開舞台稽古が9日に行われた。スタンリー・キューブリック監督の映画でも知られるこの作品の主人公・アレックスに挑むのは小栗旬。来年の1月2日に初日を迎える作品なのだが、新年を迎えためでたさに、真正面から刃向かうような暴力的な舞台になりそうで、短い公開稽古ではあったが期待は高まった。

この日に披露されたのは「ドグール・ソング」というキャストたちによるショー・ナンバー。
物語の始まりを告げる歌として披露される曲で、歌詞の中には“ナッドサット語”と呼ばれるこの物語独自の言語が含まれている。アレックスとして、ふらふらっとその場に佇む小栗と、仲間であるジョージー(高良健吾)、ディム(ムロツヨシ)、ピート(矢崎広)との絡み。後ろでは橋本さとしや武田真治、山内圭哉、石川禅、キムラ緑子、吉田鋼太郎ら他のキャストが合唱隊として歌い踊っている。

舞台は近未来のロンドンの街。異常な程の残忍さを持つアレックスは力の限りをつくし街を席捲。気に入らなければ仲間さえもナイフで刺してしまうアレックスは、ある日、襲撃した家で夫人を殺害する。仲間にも裏切られた彼は警察に捕まり刑務所送りになるのだが、そこで新開発された人格矯正法「ルドヴィコ療法」の実験材料として選ばれる。「ルドヴィコ療法」とは暴力や性に対して完全に無力な人格を植え付けるというもの。
実験は成功し、羊のようにおとなしくなったアレックス。しかし彼の中に残り続けるベートーヴェンの第九交響曲。アレックスが起こした事件がきっかけで死んだ女の夫との出会い、治療を受け再び蘇る残忍なアレックスの人格、そんな中鳴り響く第九…。

上演台本と演出をつとめるのは河原雅彦。音楽には維新派やUAへの楽曲提供でも知られている内橋和久を迎え、舞台ならではの、独自の『時計じかけのオレンジ』を目指す。
今回は公開稽古ということで、もちろん衣装も、照明も、舞台美術も何もない状態であったが、実際の舞台では一体どんな風に観客を狂騒の世界へと引きずりこんでいくのだろうか。幕が開く日を楽しみに待ちたい。

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パンク・オペラ
『時計じかけのオレンジ』


原作・脚本◇アンソニー・バージェス
上演台本・演出◇河原雅彦
音楽監督◇内橋和久
振付◇井手茂太
出演◇小栗旬 橋本さとし 高良健吾 山内圭哉 ムロツヨシ 矢崎広 桜木健一 石川禅 キムラ緑子 吉田鋼太郎 ほか


東京公演●2011/1/2〜1/30◎赤坂ACTシアター
仙台公演●2011/2/4〜2/6◎イズミティ21 大ホール
大阪公演●2011/2/9〜2/15◎梅田芸術劇場メインホール
北九州公演●2011/2/18〜2/20◎北九州芸術劇場 大ホール
愛知公演●2011/2/24〜2/27◎刈谷市総合文化センター(アイリス)大ホール
 
<料金>
東京公演
S席:11,000円 A席8,000円(全席指定、税込)

<問い合わせ>
ホリプロチケットセンター 03-3490-4949
ホリプロオンラインチケット http://hpot.jp
 



 
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