稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

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中谷美紀の初主演舞台『猟銃』の制作発表レポ

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9月初めからカナダで上演される舞台『猟銃』の製作発表が先月8日に都内で行われ、初主演する女優中谷美紀が、演出を手がけるフランソワ・ジラールとともに会見に出席。その様子をレポートした。

 

この『猟銃』は井上靖の恋愛小説が原作で、日本とカナダが共同で創り上げる国際プロジェクト。
カナダの演出家のフランソワ・ジラールは、『レッド・バイオリン』(1998年公開)でアカデミー賞を受賞するなど映画監督としても世界的に有名で、現在東京で上演中のシルク・ド・ソレイユの『Z

ED』も演出している。中谷美紀とは08年に彼が監督した『SILK』のキャストとしてすでに共同作業をしている。また翻案は今年の神奈川芸術劇場の杮落とし作品『金閣寺』を担当したセルジュ・ラモットが手がける。


物語はある男の13年間にわたる不倫の恋が、その男の妻であるみどり、愛人の彩子、愛人の娘の薔子からの三通の手紙によって浮き彫りになる。一人はその不条理を怒りにぶつけ、一人は自らも嘲りながら哀しみとともに力強く、そしてもう一人は井戸の底のように静かに……。
この3人の女性役を中谷美紀が1人で演じ、相手役は俳優でダンサーでもあるロドリーグ・プラトーが演じる。
 

初演はカナダ・モントリオールからスタート、東京公演は10月に渋谷パルコ劇場、またその後、兵庫や新潟から九州まで広く全国で上演される。


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【挨拶と一問一答】
 

ジラール「美紀さんの隣りに座れてとてもハッピーです。この作品との出会いは、翻訳家のセルジュ・ラモットから僕のポケットにこの本を押し込まれたんです。それでこれを映画にしたらと言われたのですが、僕はこれは舞台化するべきだよと言いました。そこから時間をかけて話し合いながらここまできました。この作品はダイヤにたとえると本物の輝かしいダイヤだと思っています。この素晴らしい作品の内容、言葉、そういうものを皆さんに伝えられる機会をいただけて光栄です。またカナダの演劇界と日本の演劇が国境を越えて共同作業できることをたいへん嬉しく思っております」
 

中谷「私は舞台はこれまで何度か声をかけていただきながら勇気がなくてお断りしてきました。今回、『猟銃』のお話をいただいたとき、どの役でも選んでいいと言われたのですが、原作を読んだとき、あまりに深いお話でついついお断りするつもりが、三役全て演じたいと言ってしまいました。とくに、ジラールさんは映画でもご一緒しているのですが、キャストもスタッフも包み込んでしまうし、目の前にいらっしゃると「イエス」と言ってしまう限界を超えるなにかを与えてくださるかたなので、つい「イエス」と言ってしまいました。その後、なんていうことを引き受けてしまったのだろうと。実は外国の舞台で、お客さんが汚い言葉をかけたり、途中で席を立ってしまうのを見たことがあるのでトラウマになっていたんです。でも、今、この年齢だからできる舞台だと思いますし、またこの状況で世界が日本に注目している中で、日本人がたくましく強く生きていることを伝えられたらと思います」
 

ーーこの小説についての感想を。

ジラール「『猟銃』は純粋に悲劇的な本だと思います。人間が崩れていく様を描いています。シェイクスピアに共通するものがあると思います」

中谷「監督がなぜこの本を選ばれたのか不思議でした。西洋の文化では、自分の生き方を自分で切り開いていくのが普通なのに、この作品では本心を奥に秘めて、顕在するのは偽りの姿であるという、日本人の女性が本心を秘めている姿を理解して共感を抱いてくださったことが嬉しいです。私もいろいろな思いを抱いて生きていた人達がいたんだなということに感動します」
 

ーー西洋の目からこの作品をどう作りたいか。

ジラール「美紀さんがおっしゃったように育った文化はそれぞれ違うのですが、人間を描く事では同じであり、私は最近、国というものを越えた作品を発表していますので、そういう意味ではまた良い機会に恵まれたと思っております」

中谷「ジラールさんは西洋の方なのに、グレーの部分を敏感に感じとることができる方で、それを作品の中でも表現されています。緩急のある方とでも言うのでしょうか。日本の文化に深い理解と興味を示されていて、今回の舞台の中にも陰陽五行、木火土金水がすべて描き込まれているのです。舞台が木、石の要素が土だと喩えますと、猟銃は金と火ですね。そういう日本に伝わるものを大切に描いてくださるので、この作品でカナダに行けてまた日本の皆様に観ていただけるのはすごく嬉しいです」



この作品はまず9月7日〜10日までカナダのモントリオール USINE Cで上演し。凱旋公演が10月に行なわれる。


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日本凱旋公演

『猟銃』

原作◇井上靖
翻訳◇セルジュ・モラット
日本語監修◇鴨下信一
演出◇フランソワ・ジラール
出演◇中谷美紀 ロドリーグ・プロトー

●10/3〜23◎PARCO劇場

〈料金〉7,350円

〈問合せ〉PARCO劇場

●10/29〜30◎兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール

●11/6◎りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
●11/18〜19◎福岡キャナルシティ劇場

●11/23〜24◎名古屋 名鉄ホール

●11/27◎京都芸術劇場 春秋座

http://www.parco-play.com/web/page/information/huntinggun/


【取材・文/榊原和子】

間もなく出発!『清水宏のお笑いユーロツアー』

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どこか、世界のどこかにオレのための場所があるさ! 
行こう。そこを探しに。行こう。「逆”外タレ”ツアー」    

...そう、オレは外国では外国人!

当たり前のその実もふたもない事実を逆手にとって、中年演劇上がり芸人清水宏が残りの人生を掛けた大勝負に出る。    

捨てる神あれば拾う神あり。こっちの水が苦いなら、あっちの水や、そっちの水を飲めばいい。       

清水宏のヨーロッパツアー間もなく発射しまーす!

アテンションプリーズ!


イギリスのエジンバラの世界三大演劇祭のひとつエジンバラ・フリンジ・フェスティバル。 

今や演劇より世界中のコメディの祭典として世界的に有名なこの祭典に、日本から一人のオヤジが参加する。
男の名前は、清水宏。役者であり、芸人であり、そして路上パフォーマー... 。   

舞台という枠に収まりきらない男が、言葉も通じない異国で笑いという名の真剣勝負に挑むという。

その清水宏から抱負のコメントが届いた。


【清水宏コメント】 

カネも、コネもなければ、家族もいない45歳独身の清水宏が日本を元気にするため、日本のオヤジたちに活力を与えるため言葉もロクに通じないヨーロッパ各地でいきあたりばったりいきあたりばったりの、パフォーマンスで勝負する【一人ユーロ2011】を決行します。 

くしくも、なでしこジャパンの活躍が記憶に新しい所ですが貧乏生活ではなでしこ達に負けていない清水宏が、裸一貫地球という丸い土俵でガチンコ勝負をする様子は「マゲしこジャパン」「親父ジャパン」といえるかもしれません。 

無事に帰還できる保証もなければ、待ってくれる人もいない中、「野垂れ死に上等」のバカ元気おやじのチャレンジにご期待ください!


【清水宏のお笑いユーロツアー2011日程(予定)】

8月8日       日本出発 

8月14日〜28日 イギリス・エジンバラにてエジンバラ・フリンジ・フェスティバル参加 

8月29日〜31日 ベルギー・ブリュッセルにてショウケースやキャバレーショー等に出演 

9月1日〜3日   ドイツ・ベルリン 

9月4日       フランス・パリ 

9月8日       帰国 



鈴木杏の沖田総司で『新・幕末純情伝』制作発表

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戦後の演劇界につか旋風を巻き起こし、独特の口立てセリフでさまざまのヒット作品と優れた役者を生み出した
劇作家、つかこうへい。惜しくも昨年の7月10日、62歳の若さでこの世を去ったが、演劇界に彼が残した遺産は豊かで膨大である。その名作の1つ、『幕末純情伝』が新キャストで甦る。

 

9月13日が初日となるこの『新・幕末純情伝』は、新撰組の沖田総司が実は女だったという、つか戯曲ならではのユニークな着想で、『熱海殺人事件』『飛龍伝』と並ぶ代表的な作品として愛され、これまで幾度となく上演され続けている。

初演は1989年8月のパルコ劇場。その後、2003年には杉田成道演出のもと、広末涼子と筧利夫の2大スターが熱演し大絶賛を受け、さらに2008年には、石原さとみと真琴つばさという異色のキャスティングで、つかこうへい自らが18年ぶりに演出をつとめて話題を呼んだ。


今回は、紅一点の5代目沖田総司役に天才的な若手女優の鈴木杏を迎え、坂本竜馬や沖田をめぐる新選組の志士たちには、馬場徹、和田正人、加藤雅也、山崎銀之丞などの生きのいい男優たちが出演する。

この公演の制作発表が、7月21日にパルコ劇場で行われ、メインキャストの5人が顔を揃えた。

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【挨拶とコメント】
 

鈴木「つかさんにはお目にかかれなかったんですが、生まれて初めてちゃんと観たストレートプレイが『鎌田行進曲』でした。広末涼子さんの『幕末純情伝』も拝見してますので、今つかさんのこの作品に出られることに嬉しい驚きがあります。まだ稽古も始まってないのですが、心強いメンバーとがんばりたいと思います」

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馬場「つかさんには『飛龍伝2010ラストプリンセス』でご指導を受け、『広島に原爆を落とす日』にも出させていただきました。この『新・幕末純情伝』でも、また身体の限界を超える日々に挑戦させていただけるので、つかさんに怒られないようにがんばりたいと思います」

和田
「僕は箱根駅伝とか陸上をやってまして、この仕事を始めたのは24歳と遅かったんですが、舞台に初めて劇場に足を運んだのが杉田政道先生の演出された『幕末純情伝』でした。運命めいたものを個人的には感じていて、今回お仕事をさせていただくことを嬉しく思っています。僕の印象ではとにかくインパクトが強いお芝居で、シロート的な僕の一番印象に残っているのが、坂本竜馬と沖田総司のキスシーンで(笑)、正直まだ配役が決まっていない今、ぜひとも坂本竜馬がやりたいと心から思いました。鈴木杏とチューがしたい!(笑)。先日本読みをしたばかりなのですが、そういう下心が杉田先生に伝わっていなければいいなと思ってます」
 

鈴木「言っちゃったじゃないですか(笑)」

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加藤「元気な挨拶のあとで、やりにくいんですが(笑)。つかさんの作品は映画とか本とか大好きでしたが、今から10年ちょっと前、つかさんの芝居を観に行って、終わったあとに食事に誘っていただいんです。その時つかさんが『加藤くん、今度やってみない?」と声をかけてくださったんです。でもすごい芝居を観たあとだし、あれだけのセリフを覚える自信がなかったので「難しいですね」と答えて、会話は終わってしまったんです。でも今から3年前に初めて舞台に出て、こんな楽しい仕事があったんだと。そのときからつかさんに声をかけていただいたときにやればよかったという後悔がありました。そして北区のつか劇団の解散公演と聞いて伺ったら、あの食事に同席されていたという方に会ったんです。そして「あのとき加藤さんが帰ったあとに、出てもらうんならこういうセリフを言わせたいと、つかさんは話していました」と。そこに今回のお話をうかがって、二つ返事で出していただきたいと。あのときの後悔を取り戻したい。どこまでできるか、未知のつかさんの世界に取り組んでいきたいと思ってます」

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山崎「わが師つかこうへいが亡くなってから1年になります。演劇史の中ではつか以前つか以以後とよく言われるんですが、この『幕末純情伝』も幕末以前、幕末以後と言ってもよい、演劇の作劇が変わったような作品だと思っています。その作品に携われて光栄ですし、つかさんの作品はつかさんの生の声が聞こえてきてそばにいるような気がして嬉しく思ってます。つかさんを生でご覧になってない方も、今までご覧になってきて大好きな方も、ぜひ観にきていただきたいと思ってます」

 

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ーー鈴木さんは沖田役について。

鈴木「こんなにかっこいいセリフを言うことが出来るんだとワクワクしてます。早く稽古してこのかっこいいセリフをかっこよく言えるようになりたいと思ってます」

山崎「今回は紅一点の鈴木杏さんを稽古場から、みんながせめぎ合って奪い合うような形になると思います。それがこの作品の醍醐味だと思いますから、それが舞台にも出るといいんじゃないかと思ってます」

ーー馬場さんはつかさんの思い出などは?

馬場「出たときは胃が破裂しそうなくらい緊張して、夜も眠れなかったんですが、とにかく何も考えずにつかさんに身をゆだねるしかありませんでした。1度、稽古中にお寿司屋さんに連れてっていただいて、お腹いっぱいプラス三割増しくらい食べさせていただいた覚えがあります。短い期間でしたが凝縮して教えていただいたことを生かしたいです」

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ーー和田さんは初めて今回の台本を読んでいかがですか?

和田「基本的に坂本竜馬のところばかり読んでたんですが。セリフの一言ずつの内容よりも、とにかくセリフの熱量が伝わってきました。それがなぜか今でも自分に残っています。こういうお芝居は初めてなので、今、正直不安はありますが、いつか取り組ませていただきたいと思っていたので、ぶつかっていくしかないです。今、鈴木杏さんの隣りにいるだけで緊張してます。この思いを役に生かしたいですね」

加藤「僕もつかさんの芝居は、セリフの熱を感じますし、全体的に何を伝えるかが大事だと思います。今、話を聞いてたら坂本竜馬が良い役だなと(笑)」

ーーみなさんやりたい役は?

加藤「坂本竜馬(笑)」

馬場「もちろん(笑)」

鈴木「私は沖田です」

和田「坂本竜馬じゃき!(笑)」

山崎「プロデューサーは僕が坂本竜馬だと(笑)」
 

ーーそれを受けて鈴木杏さんは?

鈴木「みなさんに初めてお会いしたのですが、楽しい稽古場になるんじゃないかと思っています」
 

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『新・幕末純情伝』
作◇つかこうへい
演出◇杉田成道
出演◇鈴木杏/馬場徹 和田正人 吉田智則 小澤雄太/加藤雅也/山崎銀之丞 他
●9/13〜25◎パルコ劇場
●10/1〜2◎梅田芸術劇場・シアタードラマシティ

〈料金〉東京/6800円

    大阪/5800円

〈問合せ〉東京/パルコ劇場 03-3477-5858

     大阪/キョードーインフォメーション 06-7732-8888(10:00〜19:00) 

http://www.parco-play.com/web/play/bakumatsu/

【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】 
 


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