稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

ミュージカル『陰陽師』

『デンキ島〜白い家篇〜』

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中年男性たちによる、哀愁漂う群像劇。
モダンスイマーズの蓬莱竜太の「デンキ島シリーズ」の連続上演で、
この白い家篇の前には、松田リカ篇が上演されていた。
(松田リカ篇のレポートは→こちら
松田リカ篇にも登場していたキャラクターが白い家篇にも登場し、
その後の様子がみえる仕組みが面白い。
演じる役者が違うのが残念といえば、残念なのだけれど、
そこは、想像力で補うことにして・・・。

連続上演ということで、比べて見てしまうのだけれど、
同じセットで繰り広げられる、同じ島の話。
でも、演出家や登場人物、またその年齢が違うだけで、
こんなにも空気感が変わるんだ、という新鮮さがあった。
松田リカ篇はみんなが若くて、
島から出たいというエネルギーを色んなところにぶつけていた感じだけれど、
白い家篇は、当然、大人。
島から出たいというよりも、島でずっと暮らしてきた諦め、
そして島への愛情もそこはかとなく漂う感じで、また違った味わいだった。

終盤にヤクザが出てきて大乱闘。
でもそのヤクザだって、島の警官だって、漁師だって、みんな同級生。
進んだ道の違いと、根底にある同じ思い出が、
同時に浮かび上がってきて、ちょっと切ない気持ちにさせられた。

『デンキ島〜白い家篇〜』

作◇蓬莱竜太
演出◇大谷亮介
出演◇山本亨、井之上隆志、三鴨絵里子、丸山厚人、 鷲尾昇、蒲田哲、水内清光、本間剛、山口森広、福島勝美、松本紀保、かんのひとみ、青山勝

<上演期間・会場>
3/203/27◎あうるすぽっと

 <料金>
一般:4,50024歳以下割引:3,500

 <問い合わせ>
ぷれいす http://www.place-net.co.jp/
03-5468-8113(平日11:0018:00)

<上演時間>
2時間

【文/岩見那津子】

NODA・MAP第16回公演『南へ』

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野田さんの作品を観て、自分なりにでも筋を通せたとき、
なにか大きなメッセージを受け取れた!と感じられたときは、
なんだか自分がちょっと賢くなれたような、
ちょっと偉い人になれたような、そんな気持ちになる。
そして、演劇でしか表現できない野田秀樹の世界や物語に触れて、
多くのことを感じることができた感動と、
作品に込められた思いで胸がいっぱいになる。
時には、あまりにも深刻なものを突きつけられて苦しくなることも。

今回は、掴みきれなかった。
というのが観終わっての正直な感想。
自分の不勉強、知識不足なのか、それとも何か他に要因があるのか、
野田作品がわからなかったとき、まずそこで悩む。

まぁどう考えても野田秀樹の知識量に自分が追いついていないのは明らかなのだけれど、
そんな風にぽやぽや生きている人を叩き起こすために、歩み寄りつつ、
野田秀樹が演劇という手段で叫び続けているのは、わかる。伝わってくる。

今回は火山観測所が舞台。
その観測所に赴任してくる火山好きの男・南のり平(妻夫木聡)は、
そこで虚言癖のある女・あまね(蒼井優)に出会う。
火山は本当に噴火するのか、その火山の周りにいる人々が次々と発する嘘。
そこに帝の御毒見(銀粉蝶)と妃の御毒見(藤木孝)がやってくる。
毒見という名の通り、この場所が天皇が訪れるのに相応しいかどうかを、
彼らが見極めるのだという。だが、それにしても胡散臭い。
火山は噴火するのかしないのか、天皇は来るのか来ないのか。
刺激的な情報に猛スピードで食い付いていくマスコミ。
時間を超えて時代を行き来しつつ、進んでいく物語。
気づくと、南は自分が何者なのかわからなくなっていた・・・

自分が誰なのかわからなくなる南。
薄っぺらいIDカードなんかじゃ、自分が何者であるかなんて証明できない。
でも、いつしかみんな、そんなわかりきったことすら見失っている。
もっともっと深く、きちんと自分たちの歴史を、学べ、見つめろ。
そうしてからでないと、真っ直ぐに生きられないんじゃないか?
そう言われた気がした。
目を背けているわけでもなく、そこに「ある」、そこに「いる」、
それなのに気づいてもいないことへの危機感。警鐘。

野田さんは最近、鐘を鳴らし続けている。
「危ないのわかってるか?」「この音聞こえるか?」と。
音だけでも聞こえてしまったからには、
「わからない」とか言ってないで、学ばなければいけない。
そんな刺激を得られるだけでも、実は大きな意味があるんじゃないだろうか。

 

NODA・MAP第16回公演
『南へ』

作・演出◇野田秀樹
出演◇妻夫木聡、蒼井優、渡辺いっけい、高田聖子、チョウソンハ、
黒木華、太田緑ロランス、銀粉蝶、山崎清介、藤木孝、野田秀樹


<上演期間・会場>
2/103/31◎東京芸術劇場中ホール

<料金>
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席:9,500円 A席:7,500円 サイドシート:5,500

<問い合わせ>
NODA・MAP 03-6802-6681

<上演時間>
2時間

 

 

【文/岩見那津子】

25日から公演決定『月にぬれた手』

舞台芸術学院の60周年記念公演『月にぬれた手』の初日は、地震の影響により延期されていたが、25日から公演することに決まった。

なお休演期間中の払い戻しなどの詳細は、舞台芸術学院HPまで。 

 

舞台芸術学院の60周年記念公演
『月にぬれた手』
作◇渡辺えり
演出◇鵜山仁  
出演◇金内喜久夫 神保共子 木野花 もたいまさこ 平岩紙 色城絶 半澤昇 

●3/25〜31◎東京芸術劇場小ホール2

〈お問い合わせ〉舞台芸術学院 03-3986-3261   
www.bugei.ac.jp

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