稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

『江戸のマハラジャ』

多彩なキャストで送る豪華な3ヶ月『エリザベート』舞台稽古インタビュー

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89日に初日を迎える10周年目の『エリザベート』。
タイトルロールのエリザベート皇妃役は、2008年より参加の朝海ひかると、今回が宝塚歌劇団退団後、初のミュージカル出演となる瀬奈じゅんがダブルキャストで演じる。
トートは山口祐一郎、石丸幹二、城田優のトリプルキャスト、またルドルフ役には田代万里生、伊礼彼方、浦井健治とこちらもトリプルキャストでの上演となる。
そのほか、ルキーニの高嶋政宏、フランツ・ヨーゼフの石川禅、マックスに村井国夫と日本のミュージカル界を代表するような豪華な顔ぶれが勢ぞろいした。
もともとミュージカル作品としてのレベルの高さに加え、役替わりが生む新鮮さが、毎回楽しみな『エリザベート』だが、初日を前日に控えた88日、通し舞台稽古を終えた朝海ひかる、瀬奈じゅん、石丸幹二、城田優、高嶋政宏の5人が囲み取材に登場した。

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【インタビュー】

ーーいよいよ明日初日を迎えますが、今の心境をお願いします。

朝海 いよいよ始まると言うことなので、身も心も引き締めて、3ヶ月間頑張っていきたいなと、思っております。

瀬奈 明日初日と言うのが信じられない気持ちなんですが、今出来る精一杯のことをつとめてまいりたいと思っております。

石丸 怪我のないようにね、みんなで乗り切っていきましょう!そして、楽しんでできるといいなと思ってます。

城田 エリザベートという公演も、3ヶ月という上演期間も未知の世界なので、本当に全力疾走して、気付いたら千秋楽っていうぐらい、集中したいと思います!

高嶋 僕は毎回そうなんですけど、ゲネプロが初日だと思ってるんで、関係者以外の方が見る公演が初日という気持ちで。だからもう初日終わっちゃったんですよ(笑)。

一同 (笑)

今日を、基本にどれだけ進化していけるか。今日夜もう一回ゲネプロやるんですけど、明日の初日は、その三度目の正直の回をみなさんが見るわけですよ。

一同 おー!

高嶋 そこから千秋楽にどこまで行けるかです。もう打ち上げしたい気持ち(笑)。

一同 (笑)

ーー今回エリザベートをWキャストで演じられる二人に、お互いに何か意識していることはありますか?

朝海 お互いに意識してることですか?瀬奈さんに対して私が意識してること? 

石丸 稽古場で憎しみあってたとか?(笑)

朝海 そんな (笑)。 

一同 (笑)

朝海 自分の課題が余りにも多いので、本当に自分の事で精一杯でした。

瀬奈 私は、とにかく全部、一回朝海さんがされて、それを見て、全部覚えたりとかしていたので、すごくお手本にさせていただきました。私にないとてもキュートな部分っていうのが、とても羨ましく思いました(笑)。

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ーートートはトリプルキャストですが、お互いライバル視しているところ、もしくは共感し合うことがありましたら。

石丸 いやねあ、いい? 俺、先に喋って(笑)。

城田 どうぞどうぞ!(笑)

石丸 僕ら新参者でしょ?でも、山口さんがすっごく丁寧に教えてくださって、いわゆる身のこなしから、楽屋での居かたまで。

一同 (笑)

石丸 本当に、どのタイミングで扇ぐといいよとか(笑)、本当にそういうアドバイスに守られてここまできました。本当に山口さんのおかげだと思ってます。

城田 本当に石丸さんがおっしゃったように、山口さんはことある毎に呼んでくださって、色々教えてくださったので、ライバル視だとかは一切しておりません。2人で新しく入って、2人でいつも一緒で、恐れ多いんですけどお兄ちゃん的存在で、いつも「石丸さん、石丸さん」って頼ってたので、本番始まると会えなくなるのが本当に寂しくて心細いです(笑)。

ーー高嶋さんはお一人でルキーニを続けてきたわけですが、10周年ということに関してはいかがですか?

高嶋 そうですね、今回800回、900回と迎えるわけですけど、新しく入ったキャストの方たちから、ものすごい刺激を受けるんですよね。僕らが、忘れてたこととかを、ふとした時の表情から、「あ、そうだ、こういうのもあるんだ」って思い出せたり。約2年ぶりなんですけど、本当にこの作品は楽しいなっていうのが、実感ですね。

ーー瀬奈さんは宝塚でもエリザベートをやられて、今回も同じエリザベート役となりますが、周りび環境が変わって改めて気付くこととか感じることはありましたか?

瀬奈 そうですね、全く違う作品に出させていただいている感覚なので、とても新鮮に取り組ませていただいてるんですけど、ふとした時に、前の歌詞が出て来てしまうんですね。それは、慣れた頃に気をつけなければと思っております。あとは、2幕の場面の順番が違うので、感情の流れが全く違うんですね。こんなにも感情の変化があるものかと。でも本当に新鮮に、新しい作品に取り組んでいる気持ちでいます。

高嶋 瀬奈さんは、実はあの、ルキーニもやってるんですよね?

瀬奈 もう、こういう格好してるときに言わないでください(笑)。

一同 (笑)

高嶋 いやだから、もし、僕が何かあったら瀬奈さんが変わりにやってくれると思う(笑)。

一同 (笑)

ーー宝塚時代トートもやってらっしゃいますよね?

石丸 そうなんですよー。全部やってるから(笑)。

瀬奈 やめてくださいよ(笑)今こういう格好してるんですから!

石丸 朝海さんはルドルフ(笑)。全部出来ますね。本当にね、すごいなぁー。

ーー今年で初演から10年になる新生エリザベートですが、是非ここを見て欲しいという何かアピールをお願いします。

朝海 本当に新しいキャストの方々に入って、新しい風がエリザベートという作品に吹いておりますので、その辺りを感じていただけたらと思っています。

瀬奈 今回はダブルキャスト、トリプルキャストという本当に多彩なキャストでお送りできるので、たくさんの組み合わせで、また違った見方ができるんじゃないかと思っております。そこを何回でも楽しんでいただければと思います。

石丸 そうですね、お二人がほとんどおっしゃってくださいましたけど(笑)、この3ヶ月の間に、どんどん変わって行くと思いますから。8月、初日が開いてすぐご覧になった方も、10月見ると違うかもしれません。それを期待していらしてください。

城田 本当にその通りで、僕なんかは緊張がほどけないまま千秋楽を迎えるんじゃないかって心配してるんですけど、万が一緊張が解けたときには、2倍ぐらいの力がもしかしたら、出るかもしれないので(笑)。

石丸 いや、もう出てる出てる(笑)。

城田 いやいやいや、それこそ8月と10月で、みなさんそうだと思うんですけど、良い意味で場数をこなしたことで、余裕が出て来て、お芝居が変わってきたりとか、色々と変化が生じてくると思うので、是非二度三度、何度でも、足を運んでいただきたいなと思います。

高嶋 とにかく何百回もやった慣れを一回ゼロにして、脚本にクンツェさんが書いたこと、譜面にリーヴァイさんが記したことに忠実にやれば、今までと違う新生エリザベートになるんじゃないかと、今強く思ってますけど。結局それが一番良いからその譜面、脚本になったわけですから。それが10周年の新生エリザベートのポイントだと思いますね。

 

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東宝ミュージカル
『エリザベート』

脚本・歌詞◇ミヒャエル・クンツェ
音楽◇シルヴェスター・リーヴァイ

演出・訳詞◇小池修一郎

出演◇朝海ひかる/瀬奈じゅん(Wキャスト) 山口祐一郎/石丸幹二/城田優(トリプルキャスト) 高嶋政宏 ほか

●8/910/30◎帝国劇場

<料金>

S13,000円/A8,000円/B4,000(全席指定・税込)

<問い合わせ>

帝国劇場 03-3213-7221


【取材・文/岩見那津子】

わらび座でミュージカル化決定、朝海ひかるがヒロイン役『おもひでぽろぽろ』

 

1991年に大ヒットしたスタジオジブリのアニメーション映画『おもひでぽろぽろ』のミュージカル化が決定した。

この舞台の制作主体は、手塚治虫の『アトム』で高い評価を得た劇団わらび座(6月に東京で公演、現在全国ツアー中)。秋田県仙北市にあるわらび劇場をホームグラウンドに、愛媛にも坊ちゃん劇場を持つなど、幅広い観客層に支えられた創作ミュージカル劇団である。

『おもひでぽろぽろ』は、岡本蛍と利根夕子原作の漫画を宮崎駿がプロデュース、高畑勳監督によりアニメ化、大きな感動を呼んだ大ヒット作として知られている。

今回の舞台化については、わらび座の拠点秋田の隣県である山形が舞台になっていることや、アニメーション美術を担当した男鹿和雄は秋田県大仙市(旧太田町)出身であること、またわらび座ミュージカル『火の鳥』『アトム』などで、手塚漫画の舞台化を成功させた実績がかわれ、ミュージカル化が実現した。

主役のタエ子とその母親役には、やはり隣県の宮城県仙台市の出身で、ともに元宝塚雪組のトップスターというキャリアを持つ朝海ひかると杜けあきの出演が決まった(東京公演のみ)。

演出には『火の鳥』を壮大なスケールで展開した栗山民也、音楽は『アトム』『火の鳥』と続けて手がけた甲斐正人、美術は松井るみ、照明に勝柴次朗など、現在の日本演劇界の最高峰のスタッフが顔を揃えている。

東京の銀河劇場公演は2011年4月16日〜29日、わらび劇場公演は2011年5月8日〜2012年1月3日が予定されている。

 

ミュージカル『おもひでぽろぽろ』

原作◇岡本螢・刀根夕子

台本・作詞◇齋藤雅文

演出◇栗山民也

作曲◇甲斐正人

出演◇朝海ひかる、杜けあき、三重野葵 他

●2011/4/16〜29◎天王洲 銀河劇場

〈料金〉

東京/前売¥8,500円(全席指定・税込)12月4日(土)発売

〈問合せ〉

銀河劇場チケットセンター03‐5769-0011(平日10:00〜18:00)〈公演に関する問合せ〉

わらび座関東・東海事務所 048‐286-8730

 

●2011/5/8〜2012/1/3◎わらび劇場

出演◇碓井涼子、三重野葵 他

〈問合せ〉

たざわこ芸術村予約センター 0187-44-3939

わらび劇場 0187‐44‐3915

● 全国公演  2012年より

〈問合せ〉

わらび座公演営業部 0187‐44‐3316

http://www.warabi.jp

 


【取材・文/榊原和子】
 

その人のためのカクテル『Xday』

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未知、そして交差を連想させる「X」の文字。
とびきり悪いことも、とびきり良いことも、
交差する時、出会ったその瞬間から動き出す。
未知の何かが起こるその日が「Xday」。

たった6人きりの地球ゴージャスの舞台。
岸谷五朗と寺脇康文、この二人が生み出すエンターテイメント感満載の舞台に、
中川晃教、陽月華、藤林美沙、森公美子。
この4人がそれぞれの技術とエネルギーを、出し惜しみせずに上乗せしていったような、
人数は少ないけれど、それを全く感じさせないボリューム感のある作品に仕上がっていた。

6つのACTに分かれた作りになっていて、ACTごとに中心となる人物が変わる。
どの場面にも個性を生かした笑いや、歌、ダンスなどが盛り込まれていていて、
単純に楽しめもするのだけれど、
話を追う中で見えてくるのは、人が抱える闇、拭いきれない孤独。
楽しいけれど、心の隙間にちょっと風が吹くような、寂しさも同時に味わう。

ACT6で、それまでバラバラに見えていた物語が、
パズルのピースを一つづつはめ込んでいくように、
パチパチと一つの形に向って、猛スピードで動き出した。
こんな偶然ってあるんだろうか?でもあり得ないとは言い切れない。
出会ってしまったから生まれる葛藤と、出会えたからこそ感じる幸せがある。
喜びも悲しみも、誰かと誰かが出会い、交差するからこそ生まれる。
人はそこから逃れられない。


「辛い時もあるよね?哀しい時もあるよね?
でも、前向いて、頑張って生きて、せっかくだから毎日を楽しもうよ。」

というようなメッセージがACT6からは伝わってきた。
痛みを受け入れてくれた上で、手を引いて一緒に歩もうとしてくれる暖かさ。
そのメッセージを受け取ることができたのも、
劇場という空間での出会いがあったからこそだ。

バーテンダーに扮した岸谷が、
「バーに来たお客さんの気持ちを少しでも救えるような、
そのお客さんの為のカクテルを、僕は作りたいと思っている」
というような台詞を言う場面があった。

それがそのまま『Xday』という舞台が目指した所だったと思う。
人の心をそっと元気付ける、その人のためのカクテル。
色とりどりの魅力を放つ6人が、出会って、混ざって、
そこから思いもよらない、新たな味が生まれる。
そう思って、チラシの6人の写真を見ると、また楽しい。
青・岸谷、紫・寺脇、黄色・中川、ピンク・陽月、オレンジ・藤林、緑・森。
一人一人の個性が持つ色。混ざった時に生まれる色。
その両方を味わった後に、自然と笑顔になれる作品だった。

 

 

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地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.11

『Xday』

作・演出・出演◇岸谷五朗

出演◇寺脇康文、中川晃教、陽月華、藤林美沙、森公美子

●7/16〜8/8◎天王洲 銀河劇場

●8/13〜15◎札幌 道新ホール

●8/21〜22◎仙台イズミティ21大ホール

●8/28〜29◎福岡市民会館大ホール

●9/3〜5◎中京大学文化市民会館プルニエホール

●9/8〜9◎新潟市民芸術文化会館・劇場

●9/18〜29◎イオン化粧品 シアターBRAVA!

 

〈料金〉

銀河劇場/S席10000円 A席8000円(全席指定/税込)

札幌/8400円(全席指定/税込)

仙台/8400円(全席指定/税込)

福岡/8500円(全席指定/税込)

名古屋/8500円(全席指定/税込)

新潟/8500円(全席指定/税込)

大阪/9500円(全席指定/税込)

〈問合せ〉

銀河劇場/チケットスペース 03-6264-999

札幌/ハンドクラップ 011-615-8500

仙台/キョードー東北 022-217-7788

福岡/キョードー西日本 092-714-0159

名古屋/サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

新潟/キョードー北陸チケットセンター 025-254-5100

大阪/キョードーインフォメーション 06-7732-8888

 

【文/岩見那津子】

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