稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

公演初日まで1ヶ月を切った公演を50%OFFで販売中!

ショーアップした泉鏡花。音楽劇『ACT泉鏡花』

 

ACT泉鏡花舞台ph2

ファンタジックな物語とポップなショーが組み合わさった、華やかで不思議な世界が展開されていた。

文豪泉鏡花の作品をアイドルグル−プAKB48が演じるということで話題の音楽劇、『ACT泉鏡花〜妖しのポップファンタジー』が、10月1日から東京グローブ座で開幕している。

この舞台の狂言回し的な役どころである作家泉鏡花の役を近藤正臣が、彼と暮らす女や下町の占い小母さんを木の実ナナが演じていて、劇中の「お蔦主税」をしっとりと見せる彼らの佇まいには、明らかに明治から昭和に生きた泉鏡花の小説世界が映し出されている。

ACT泉鏡花舞台ph1

注目のAKB48(秋元才加、仲川遥香、片山陽加、佐藤亜美菜)と、SDN48(浦野一美)の5人は、劇中劇では「オペレッタ海神別荘」で海の少女たちを、「滝の白糸」では可憐な太夫姿でダンスや歌を披露して舞台をショーアップする。また「天守物語」の姫や侍女役ではしっかりとした芝居を見せるなど大活躍。とくに大きな役どころで「天守物語」の富姫に扮している秋元才加は口跡も鮮やかに、相手役の図書之助の山本芳樹とのやり取りで求心力のある演技を見せている。

共演には、男優だけの劇団スタジオライフから山本の他に松本慎也、曽世海司が参加していて、松本は「海神別荘」の美しい公子で魅せ、曽世は僧侶や追っ手の武士などで存在感を示している。
また、鏡花世界へ導いていく役割り「卯」と「酉」がいて、宮菜穂子と三浦涼介が扮し、カリカチュアされた動きで妖しさを盛り上げ、三村晃弘は博士などで場面を締めている。

ACT泉鏡花舞台ph4
ショー部分や劇中歌などで、AKB48のヒット曲の「月見草」「飛べないアゲハチョウ」「桜の栞」などが効果的に使われていて、また、この劇のための新曲も多く作られている。少女たちのエネルギーと耽美を織り込んだ「コワレタイ」をはじめ、印象的な楽曲がふんだんにちりばめられ、AKB48ならではのライブ感覚をたくみに盛り込んだ泉鏡花の世界となっている。

 

 DSCF5533DSCF5525
DSCF5561DSCF5557
DSCF5553

アトリエ・ダンカン プロデュース

音楽劇『ACT泉鏡花〜妖しのポップファンタジー』

作・演出◇加藤直

音楽◇和田俊樹

出演◇木の実ナナ、近藤正臣

[Studio Life]松本慎也、山本芳樹、曽根海司

[AKB48]秋元才加、仲川遥香、片山陽加、佐藤亜美菜、[SDN48] 浦野一美

宮菜穂子、三浦涼介、三村晃弘

 

●10/1〜10◎東京グローブ座

●10/12◎仙台電力ホール

●10/15◎名古屋名鉄ホール

●10/17◎長崎市公会堂

●10/20◎京都芸術劇場 春秋座

●10/23◎北國新聞赤羽ホール

〈料金〉

東京:S席¥7500、A席¥5500(全席指定/税込)

〈問合せ〉

東京 03-3256-7855 東京音協

仙台 022-268-2174 仙台放送

名古屋 052-331-9966  メーテレ・イベント事業部

長崎   095-826-2266   長崎国際テレビ

京都   075-791-8199   京都造形芸術大学舞台芸術研究センター

金沢   076-260-3581  北國新聞社事業局

 

【取材・文/榊原和子(下段のみ撮影)  撮影/石郷友仁 】

「心」も「お腹」も満たすハンバーグ屋『東京バーグ』

s_tokyo_berg_1

美味しそうなハンバーグにつられて見に行こうと決めたら、
本気でかめはめ波的なエネルギー砲を撃ち合ってる悪魔がそこにいました。

「役者がいるところが舞台だ!」をモットーに俳優・渡部将之が旗揚げした円盤ライダー。
今回の舞台は東京バーグという渋谷の宮益坂方面にあるハンバーグ屋さん。
カフェっぽい外観で、
もちろん公演のないときは普通に営業しているレストランなんですが、そこが舞台。
劇場の中で全員が客席に座り、正面を向いて芝居を観るという状態からはかけ離れていて、
それだけで新鮮な気持ち。

お店に入るとウェイターさんが2人いてお客さんを席まで案内し、
ドリンクやフードのオーダーを聞いてくれます。
席に付いてドリンクを飲みながらパラパラと受付でもらったチラシを見ていると、
チラシの写真とウェイターさん2名の顔が一致。

『そうか、役者さんだったのか。
 役者さんっぽいとは思ったけど、やっぱり。』

他にもホールのお手伝いをしていた女性のスタッフさん、
そしてキッチンには、これまた美味しいハンバーグを作りそうなスタッフさん2人がいましたが、
彼らはおそらく本当にお店の人。
終演後にハンバーグを食べて帰ることもできるので、
芝居が始まってからも、その料理の用意をずっとしてくださってました。

芝居は軽くノンストップで90分。
表向きはハンバーグ屋さん。
でも実はそこで働いているのは悪魔で、
人の記憶を代償に願い事を叶えるという裏メニューが存在。
裏メニューを求めて、ある男女が別々にお店に訪れて・・・というお話。

ジャンプ黄金期、mixi、Twitterなんとなく世代を感じる言葉の数々。
ボケもツッコミも両方心地良いし、くすくす笑える場面もいっぱい。
登場人物も憎めない可愛いキャラクターばかり。
何より同じように観客である自分もそのハンバーグ屋にいるという状況が面白い。
キッチンからはトントンと包丁で野菜か何かを刻む音だったり、
水道から水が流れる音が聞こえ、
終盤ではチーズニョッキのチーズの匂いまでしてきた。
音も匂いも確かにその場で感じるリアルなのに、
ウェイターは人の記憶で願いを叶えられるという悪魔。
リアルと物語とが混ざる。

役者さんたちみんな、
特に主宰の渡部さんの「真っ直ぐ前だけ見てるんだな」って思わせる目が印象的。
そこから「心」も「お腹」もいっぱいになる時間が生まれるんだなぁ、と。

演劇っていう世界でなら、悪魔にもなれるし、
かめはめ波も本気で撃てる。
バカバカしいかもしれないけど、でもその勢いが人の心に響いて、心を動かす。
最後には、ホロっとしてしまう暖かいお芝居でした。



s_RIMG3011


ちなみに終演後は絶対ハンバーグ食べたいよね!
ということで、1プレートを女性二人でシェアして食べてきましたが、
200gのハンバーグに、チーズニョッキ、
真カジキの燻製、たっぷり野菜のラタトュイユ、中華粽と盛り沢山で、
文字通りお腹もきちんと満たされて帰ってきました。


 

 

円盤ライダー第11
『東京バーグ』

●9/24〜10/10◎東京バーグ

脚本・演出御笠ノ忠次
出演
伊藤栄之進 エリックまたひら 加古臨王(Func A ScamperS 009) 川上冠仁 塚原直彦 藤枝直之 横大路伸 富田麻帆 渡部将之

<料金>
前売
3,500円/当日3,800円(日時指定・全席自由/ワンドリンク付)

<問い合わせ>
円盤ライダー 090-8677-247412:0024:00

【文/岩見那津子】 

クセになる歪み。奥秀太郎「FREAKS」

目を背けたくなるぐらいグロテスクな愛情表現なのに、
完全に拒絶できないのは自分の中にもそういった偏愛を抱えているからなのだろうか。
少し怖くなる。

10月のはじめに東京芸術劇場小ホールにて行われた奥秀太郎作・演出の舞台『FREAKS』。
麻薬中毒、知的障害、不倫に殺人。
映し出される映像によって次々と変化していく場所。
雨の降る公園、夜の高速道路、都会的なマンションの一室、刀鍛冶を営む男の庵・・・
冒頭、能舞台のような所から話が始まったり、
「刀」がポイントとして使われたりと日本的な空気感が舞台上には漂う。
そこから見えてくるのは人のドロっとした暗く重い欲望だった。
でもその欲望は、真っ当に発散させることのできなかった愛情と紙一重である気がした。
紙一重だから怖い。

それにしても、作・演出の奥は自身の内側に一体どんな思いを秘めているのだろうか。
同じく東京芸術劇場の小ホールで行われた『赤い靴』、
先日シアターコクーンで上演された『キミドリ』、
いずれにしても歪んだ感情の中に純粋さがあるというか、
普通の人ならなんの疑問も持たずに進んで行くだろう線路から、
だいぶ前に脱線して、そのまま生きてきた人の物語というか、少し曲がっている。

この歪んだ感情とリアルなのに幻想を孕んだ綺麗な映像とが混ざり合った所に、
奥秀太郎独特の世界があるのだと思う。
鞘から覗く刀の冷たく鋭い輝きが彼の作品と少し重なる。
出てくる人たちの感情は、
それぞれにぐちゃぐちゃしているので目を背けたくなる時もあるが、
そこも含めてクセになる世界だ。

 


『FREAKS』

作・演出◇奥秀太郎
出演◇畠山勇樹 中本昂佑 幸田尚恵 嶋崎朋子 今奈良孝行 野村恵里 鈴木雄大 岡本孝 倉持哲郎 續木淳平 あらいまい 内田悠一 森一生 小根山悠里香 嶋田菜美 松谷友香

●10/2、3◎ 東京芸術劇場小ホール

<料金>
5,000円(税込)




【文/岩見那津子】

 

記事検索
演劇キックラインナップ

演劇キック

観劇予報

宝塚ジャーナル

演劇人の活力源

日刊えんぶ

えんぶ情報館

えんぶショップ

えんぶミロクル

えんぶfacebook

広告について