稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

『真夜中の弥次さん喜多さん』三重

『たいこどんどん』公開舞台稽古とインタビュー

0396


井上ひさしの追悼シリーズの1つ『たいこどんどん』が、5月2日から東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演されている。

この作品は、井上ひさしの直木賞受賞後第一作目となる小説「江戸の夕立ち」を1975年に劇化したもので、3月の『日本人のへそ』に続いて、井上ひさし"追悼ファイナルBunkamuraシリーズ"として上演される。


物語は江戸の薬種問屋の若旦那である清之助(中村橋之助)と、忠実な幇間(たいこもち)の桃八(古田新太)が、品川で遊んでいるうちに漂流して、拾われた船に連れて行かれたのが東北・釜石。江戸へ帰るまでに9年という珍道中は次から次へと災難が降りかかり、あげくの果てにたどり着いた江戸では……。


0151


風土も生業も厳しく一筋なわではいかない東北の地に、脳天気な江戸者2人が迷い込んで右往左往するさまは、折からの東北地方の大震災という生々しい現実に、なすすべもない関東のありさまとどこか重なって、井上戯曲の深く覚めた目線に改めて心撃たれる戯曲である。

休憩も含めて3時間半以上という長さなのだが、舞台上に溢れるエネルギーに引きずられて、一気にラストまで持っていかれる。


0109


中村橋之助の歌舞伎役者ならではの底力に丁々発止と絡む古田新太。11年ぶりの舞台出演となる鈴木京香は大胆に悪の色気を、瑳川哲朗、六平直政、立石凉子、宮本裕子、大林素子など、ひときわでこぼこ感の強い個性派俳優を揃えているのも蜷川作品ならではで、井上戯曲らしいプリミティブな生命力が伝わってくる舞台だ。


0269




【会見インタビュー】


DSCF8266


初日前に行なわれたこの『たいこどんどん〉の公開舞台稽古の前に、蜷川幸雄、中村橋之助、古田新太が記者の取材陣の前に姿を現し、インタビューに以下のように答えた。


橋之助「井上先生の作品は、以前、歌舞伎で『手鎖心中』を『浮かれ心中』と変えてやらせていただきましたが、こういう形でしっかり取り組むのは初めてです。井上先生が亡くなって1年、早いものですね。

蜷川先生とは初めてで、怖い方かなと思っていたのですが、心優しい方だと思います。この作品は長いので、そのままではやらないだろうと思っていたら、一切切りませんと。ト書きもちゃんとやりますと(笑)。おまけに、僕は初めて洋楽で歌を披露します。そして三味線を古田さんが弾きます。そこで四苦八苦するのが見どころです(笑)本当に素敵なカンパニーなので、あとは自分が楽しむことが大切だと思っています」


古田「セリフは膨大ですし、三味線はあるし、しんどいので、やらなければよかったと思いましたが、やっぱり井上先生の文体は楽しいんで。いつもいい加減に芝居をやってるんですが、今回はできるだけ台本通りに喋ろうという、僕的にはよこしまな考えでやってます。

橋之助さんとは初共演ですが、すごくやりやすいというか、ほとんど相談なしに動ける。旦那とたいこという関係なんで、俺は後ろにちょろちょろしてればいい(笑)。

京香さんについては、僕と橋之助さんの出ている前であられもない姿をしているのをお見逃しないように(笑)」


蜷川「井上さんに新作を書いてもらうつもりだったのが亡くなって、その代わりにやることになった作品だけど、楽しんでやってます。

見どころは2人の演技ですね。この2人は対照的な芸風の持ち主ですが息がぴったりで仲が良くて、稽古は僕も笑いながら見てました。 

なにしろ膨大なセリフにダジャレ、語呂合わせ、下半身ネタ、歌はあるという大変さですから、2人とも“井上め!”と思ってるんじゃないかな。でも、ニコニコやってますね。

鈴木京香さんは、美人が東北弁を使うのが面白いし、またうまいんです。

仕上がりは、すごく楽しくて、全体でいうと鎮魂歌のような悲しみのある作品になってます。

場面転換が多いので後ろでは戦場のように駆け回っていて、今日、うまくいけば明日の初日も延ばさずに開くでしょう(笑)」


DSCF8264



井上ひさし 追悼ファイナルBunkamuraシリーズ

『たいこどんどん』

作◇井上ひさし

演出◇蜷川幸雄

出演◇中村橋之助、古田新太、鈴木京香、宮本裕子、大石継太、大門伍朗、

市川夏江、大林素子、飯田邦博、塚本幸男、立石凉子、

六平直政、瑳川哲朗

●5/2〜5/26◎Bunkamuraシアターコクーン

〈料金〉S席\10,000 A席\8,500 コクーンシート\5,000(税込)
〈問合せ〉Bunkamuraチケットセンター <10:00〜17:30>
03-3477-9999 http://www.bunkamura.co.jp/



【取材・文/榊原和子】

『A.B.C-Zプロデュース みんなクリエに来てクリエ!2011』初日インタビュー!


p_lineup_crea11

昨年5月シアタークリエにて上演され、好評のだった『みんなクリエに来てクリエ』が、今年はさらにバージョンアップして再演されている。

今公演をプロデュースするのが、河合郁人、五関晃一、塚田僚一、戸塚祥太、橋本良亮によるジャニーズの5人組“A .B.C-Z”。去年に引き続き、前売券が即完売となった人気のユニットだ。

『滝沢歌舞伎』『PLAYZONE』『少年たち』など、2010年は東京の大劇場での作品に相次いで出演。今年は山下智久のアジアツアーにも帯同した彼らが、その経験を生かしたステージで魅せる。

構成・曲目も一新し、なかでも注目されるのが、“ギャグジカル(=ギャグ+ミュージカル)”。

メンバーが出演経験のある『SHOCK』『新春 滝沢革命』『DREAM BOYS』などのジャニーズ・ミュージカル作品のパロディ化に挑戦している。作品を愛し、その魅力を理解する彼らによる名場面の数々は、必笑?!


初日を迎えたこの日、通し稽古と囲み会見が行われた。


【囲み会見インタビュー】


――始まりますね!


河合 はい!正直どう見えているか、どこが面白いかという不安もありますが、面白くなくても思いっきりやろうと!


――”ギャグジカル“という新しい試みについてですが。


河合 社長(ジャニ−喜多川氏)が提案してくれまして。「それ面白そうだね」と、そこから僕たちで作りました。

戸塚 脚本、構成、演出は“Fumito Kawai”です!


――『SHOCK』のシーンではフライングもされていますが、(堂本)光一さんの許可は?


五関 得てないです(笑)。

戸塚 失礼のないよう、敬意を持ってギリギリのラインでやってます。ジャニーズ愛があるので、大丈夫です!

河合 でも光一くんが来たら、緊張しちゃうでしょうね。

五関 カミカミでしょう(笑)。


――名場面の階段落ちは?


河合 あれはギャグにしてはいけないです。光一くんにしかできないものですから。

とにかく面白くなかったとしても、思いっきりやります!


――それにしてもすごい汗ですね、特に塚田さん。本番さながらの熱演でしたね。


塚田 元から代謝が良い方なんです。この劇場の空間が、空気感が近いので、すごく燃えてきちゃうんです。シアタークリエならではの空気感ですね。だから体重も結構減っちゃいますね。一公演で一キロくらい。その分、食べてます。

戸塚 僕は納豆食べてます。

橋本 僕は朝ご飯は基本食べないんですが、みんなの、お客さんのパワーがあるんで、そこで栄養とってます。

戸塚 コンサート無い時はどうしてるんだよ?!

河合 僕はニンジンを主食にしてます。朝昼晩とニンジンなんで(笑)。

   (*河合さんは“馬顔”キャラを自称。)

五関 華奢な方なので心配されるんですが、体調管理はしっかりやってますので大丈夫です!


――山下さんのツアーを経ての凱旋公演になりますが、アジアでの反響はいかがでしたか?


河合 A.B.C-Zが出た時の歓声がすごくて。日本が辛い時だからと、みんな拍手とか支援とかたくさんしてくださって。

塚田 遠い所でも応援してくださっているのを感じました。

戸塚 開演前には「ニッポン!」とコールをいただいたりして。そのパワーをここで出していきたいです。


――それでは、PART3のパーソナル編について伺いたいのですが。


塚田 僕はアクロバット編です。今出来る技をどう良く見せるかを考えています。

戸塚 僕は作詞作曲編です。自分の中ではこれだというものが既にありまして。新しい曲もやります。

橋本 ボーカル編をやります。アクロバットとか踊りのイメージがA.B.C-Zにはあると思うんですが、僕のコーナーでは歌声一色で魅せようかと!

河合 内容教えてもらっていいですか?

橋本 内容ですか?!内容は…ないよう!

五関 うわっ(苦笑)!

河合 まだ“ギャグジカル”が続いているので(笑)。帰るまでが“ギャグジカル”!

僕は笑えないコント編をやらせていただきます。長いストーリーコントみたいなものです。脚本も僕が書きますので、ハードルをめちゃめちゃ上げて見に来てほしいです!それでだめだったら、一人でへこみます。

戸塚 メンタル強いな(笑)!

五関 僕はダンス編です。これぞA.B.C.-Zというダンスを見せたいです!


――稽古状況は、いかがですか?


戸塚 今は、河合くんの公演の台本を持っているくらいです。

河合 脚本・構成は僕と戸塚くんで、振り付けは五関くんで…と、明日やっても出来るくらいのグループなんで!何でも出来ます!!ただ(Kis-My-Ft2と違って)ローラースケートは出来ないです(笑)。


――今回、震災の影響で来られない方もいらっしゃるでしょうが。


河合 すごく来ていただきたかったですけど、また来年出来た時、見に来てもらえたらという思いです。今、やるべきことはこの公演で精一杯歌って踊って、ギャグをすることかなと思っています。

今回の公演も照明を極力抑え、アクロバットでお客さんに良いものを見せていきたいです。もっと辛い人たちがたくさんいらっしゃるので、ちょっとでも力になれたら。

塚田 "ギャグジカル“は初の試みですが、自分たちを信じて、お客さんを巻き込んで一つになれたらと思っています。


――最後に一言、意気込みをお願いします。


戸塚 去年に引き続き、『みんなクリエに来てクリエ』は、5月29日までやっています。

ニッポン盛り上がっていくぞ!

A.B.C-Z イェー!!



A .B.C.-Zプロデュース

『みんなクリエに来てクリエ!2011』

●4/29~5/29◎日比谷シアタークリエ

4/ 29〜5/5 [PART1]  A .B.C.-Zプロデュース 海外ツアー凱旋公演

5/7〜5/10、21、22  [PART2] 北山宏光×藤ヶ谷太輔 スペシャルライブ (*A .B.C.-Zは出演いたしません)

5/13〜5/18 [PART3]  A .B.C.-Zプロデュース パーソナル (*A .B.C.-Zメンバーが日替わりで公演をプロデュース)

13日 河合プロデュース「笑えないコント編(笑)」 

14日 戸塚プロデュース「作詞作曲編」

15日 橋本プロデュース「Vocal編」 

17日 塚田プロデュース「アクロバット編」

18日 五関プロデュース「Dance編」

5/23〜5/29 [PART4] A .B.C.-Zプロデュース with 真田佑馬・野澤祐樹(Mis Snow Man)、ジャニーズJr.

〈料金〉6,800円(全席指定・税込)  

〈問合せ〉日比谷シアタークリエ 03-3591-2400


【取材・文/桜井麻子】











私の観劇計画5月その6 植本潤(花組芝居)×坂口真人(演劇ぶっく編集長)

『スウィーニー・トッド』

すウィニー

演出・振付◇宮本亜門
出演◇市村正親 大竹しのぶ キムラ緑子 ソニン
 田代万里生 安崎求 斉藤暁 武田真治 ほか

5/14〜6/5◎青山劇場


植本 これ再演ですね。『スウィーニー・トッド』。同じメンバーですかね。
坂口 ごめん、僕、前のメンバーを知らなくて。
植本 演出・振付が宮本亜門さん。市村正親さんと大竹しのぶさんの主演、ブロードウェイ・ミュージカルの『スウィーニー・トッド』ですけども。
坂口 映画にもなってますよね。ジョニー・デップで。監督はティム・バートン? けっこうエグい話なんですよね。復讐だったり。
植本 床屋さんの話。
坂口 床屋さんて事件の真ん中にいるのが多くない?カミソリもってるからかな。
植本 髭当たるときとかね。
坂口 エキセントリックな人が床屋さんになるとかいうことじゃないですよね。
植本 今僕はスキンヘッドなんでここ10年床屋に行ってないんですけど、行ってた頃はこの人に命を預けてるなという感覚が常にありましたよ。
坂口 そういう意味では、まさにそういう話じゃないですか。
植本 ミュージカルなんですけど、人肉パイの話しだからね。
坂口 そう、それ。復讐と人肉パイの話が絡み合ってドロドロした話じゃないですか。でもミュージカルなんですよね。それで宮本亜門さんが演出なんですね。
植本 前回が07年だったそうです。あまり面子は変わってないのかな。他に出演がキムラ緑子、ソニンちゃん、田代万里生くん、斉藤暁さんとか武田真治さんとか。再結集と書いてあるから大体同じ方なのかも。
坂口 怖くてエグいことが宮本亜門氏のもってるキャラクターでうまく展開していくと、ちょっと怖くておもしろいミュージカルになるのかな。
植本 ミュージカルっておもしろいもので、暗いダークな素材のものがけっこう多いですよね。別に『レ・ミゼラブル』だって明るい話じゃないし、ドラキュラものがあったりとか。そこに題材を求めてくるミュージカル界っておもしろいなあと思います。
坂口 だからこそミュージカルなのかな。ただ “じとー” ってやってもしんどい話になっちゃうからね。
植本 『オペラ座の怪人』もそうですね。『スウィーニー・トッド』は5/14(土)〜6/5(日)、青山劇場で上演されます。


記事検索
演劇キックラインナップ

演劇キック

観劇予報

宝塚ジャーナル

演劇人の活力源

日刊えんぶ

えんぶ情報館

えんぶショップ

えんぶミロクル

えんぶfacebook

広告について