稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

えんぶ8月号

宮本亜門・森田剛の『金閣寺』ニューヨーク公演へ

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今年1月の神奈川芸術劇場のこけら落し公演で、三島由紀夫の世界を斬新に表現したと評判が高かった舞台『金閣寺』が、7月21日から24日までニューヨーク公演を行なうことになった。

その渡米直前の会見が都内の稽古場で行なわれた。


この『金閣寺』は、今年の1月から神奈川芸術劇場ほかで初演され、吃音の青年僧侶の鬱屈した金閣への憧れを、奥行きと身体感覚に満ちた世界で表現。主演の森田剛をはじめとする出演者の演技も高く評価された作品である。

その結果、厳しい選考で知られる「リンカーンセンター・フェスティバル」での上演が決まり。「リンカーンセンター・フェスティバル 2011」に正式参加することになった。


ニューヨークへの出発を数日後に控えた7月14日、演出家の宮本亜門、主演の森田剛、共演の高岡蒼甫、 大東俊介、中越典子、高橋長英、岡本麗、花王おさむ、山川冬樹、瑳川哲朗ほか出演者が一同に集まり、舞台ニューヨーク公演直前の気持ち、抱負などを語った。


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宮本「いよいよ1週間前になりました。ニューヨークのリンカーン・フェスでは、海外で初めてミュージカルの『太平洋序曲』を上演させてもらいました。それ以来、何かやればという主催側からの誘いはあったのですが、中村座さんや蜷川幸雄さんなども行かれて、僕は何をしたらいいんだと考えていたとき、この「金閣寺が浮かんだんですが、作品を見なければ呼ばないという状況がありまして、この神奈川芸術劇場での公演をスタッフが観に来てくれたことによって、今回の上演につながりました。
ニューヨークには日本文学を愛して詳しく知っている方が多いというのは、あちらのジャパンソサエティで話しをさせていただいて感じたことです。鋭く厳しい目で観てくれるのではないかと、ドキドキワクワクしているところです。みんな緊張するのやめようね(笑)。とにかく今回のフェスはピーター・ブルックやRSCがくるので、相手にとっては不足ないので(笑)。このスタッフ、キャストで行けて本当に嬉しいです」
 

森田「緊張はすると思います。でも本当に貴重な経験だと思いますし、このチームで日本を回ったという強い気持ちがあるので、その気持ちを持って行ってきたいと思います。楽しんできたいと思います」
 

高岡「フェスということで、アメリカの目の肥えたお客さんたちを日本に連れて来るチャンスだと思うので、どれだけすごいか、こういう時期ですけど、日本人ってすげえんだぞというのを見せてきたい思ってます。あとはニューヨーク・ヤンキース・スタジアムで、ハンバーガーを食べたいなと(笑)。あとは緊張と不安を取り除いて、思いきって芝居を見せて来られたと思ってます」
 

大東「僕にとってすごく大事な作品で、作品自体の持ってる人間のエネルギーというか、舞台上でのエネルギーがすさまじいなと思ってるので、ぜひ海外の人にも観てもらいたいと思うし、日本の持ってるエネルギーを、ぜひ伝えたいと思ってます。あとは、金閣寺スニーカーを作ったんですけど、こういう場所で履こうねと、僕と森田さんと蒼甫さんと三人おそろで履こうと言っていたんですけど、今日、森田さんに伝えるの忘れてて、僕と蒼甫さんだけめちゃ浮いてるなと(笑)。ニューヨークでは三人でおそろで履こうと思ってます」
 

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中越「とにかくニューヨークという土地を、舞台で踏ませていただくなんて思ってなかったし、これまでそんな現実があると思ってなくて、本当に光栄なことだと思っています。神奈川での公演をさらにバージョンアップして、三島世界、亜門さんの世界をリンカーンセンターの舞台で表現できることの喜びをかみしめてきたいと思います。さっきまで緊張してなかったのに、今、緊張してきました。この緊張をいいパワーに変えてがんばりたいです」
 

高橋「去年12月、その前からちょっと稽古してて、共演者スタッフの方々とああだこうだ言いながら作り上げて来た作品が海外に行けるというのがすごく嬉しいです。たぶんあちらでもすごく喜んでもらえると、そういう作品になってるんじゃないかと思っています」
 

岡本「私はメインランドに渡るのが初めてで、それが芝居の公演だというので、がんばらなくちゃと思います。このお芝居が大好きで、本番が始まって、森田くんをはじめ高岡くん大東くんたちがどんどん進化していくんです。それを本番中に袖で観ているのが楽しくで飽きなかったです。それと亜門さんの演出もなんですが、大駱駝艦のかたたち、山川さんたちが鳥肌が立つほどすごくて、これはニューヨークで絶対に喜ばれるぞと思ってます。厳しい目を持っているところですけど、やってやるぞと思ってます。自分に言い聞かせてます。私は溝口のいたらない母なんですけど、演技はいたらなくならないようにと思ってがんばります」
 

花王「森田剛くんをいじめる役でファンのかたに申し訳けないんですけど、ニューヨークではもっといじめたいと思ってます(笑)」 
 

山川「僕も森田さんをいじめる役です。これは30何回公演したんですけど、毎回ある場所にある時間に必ず戻っていくような感覚があって、ですから今回もニューヨークに行くという感覚ではなくて、ニューヨークから金閣寺に人が来るというような感覚なんです。そんな気持ちでやりたいと思います」
 

瑳川「これまで文学と演劇はそんなに遠くなくて、近いものだと思っていたのですが、この『金閣寺』はその距離がどんどん離れて行く感覚を味わっております。文学の演劇化ということは大賛成なのですが、そのイマジネーションの表現に悩んで来たのがこの作品でした。そして森田くんたち青年三人が軽々と私が悩んでいるようなことを越えてしまう。あの時代と現代の距離を軽々と越えてしまう。その彼らの演技に劣等感を感じて、もっとしゃんとしろと言い聞かせておりました。今度のニューヨーク公演では三島通の方々も多いという事で何らかの飛躍をして、私の演じる金閣寺の道詮和尚というもののリアリティが作れれば、私にとっていい場所になると思います」
 

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この公演は凱旋公演として1月27日〜2月12日に赤坂ACTシアター、1月19日〜22日に梅田芸術劇場メインホールで公演を予定している。



ニューヨーク公演

『金閣寺』ーThe Tenple of the Golden Pavilionー

「Lincoin Center Festival 2011」参加作品

●7/21〜24◎ローズシアター

原作◇三島由紀夫

脚本◇セルジュ・ラモット

出演◇森田剛 高岡蒼甫 大東俊介 中越典子、高橋長英、岡本麗、花王おさむ、山川冬樹、瑳川哲朗、大駱駝艦、岡田あがさ、三輪ひとみ 

http://www.parco-play.com/web/play/kinkakuji/NY/
www.parco-play.com

【取材・文/榊原和子】

あのブラジルが、紀伊國屋ホールで公演!

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左が諫山幸治、右が西山聡

“苦笑系喜劇”を標榜して10年、小劇場でコメディからシリアスまで幅広く、人間模様を描いてきたブラジルが満を持してこの夏、紀伊國屋に登場します。上演する作品は08年に初演され、スタイリッシュな演出と俳優たちの熱い演技で評価の高かった『さよなら また逢う日まで』。初演に続き出演する劇団メンバーの西山聡と諫山幸治に、見どころをインタビュー!

——前回公演は半年前、下北沢にある駅前劇場でしたが、今回、紀伊國屋ホールとかなり会場が大きくなりましたね。

西山 この作品の初演はアゴラ劇場だったんですよ。

諫山 演出とか、変わるのかな?

西山 変わるだろうね。今までニュアンスを伝える演出が多かったけど、劇場の大きさに合わせてお客さんに届くように。これから演出と相談して作っていくところです。

——稽古はまだですか?

西山 はい。でも再演なので、台本はあるので読んでいます。ブラジルのメンバーは前回と同じ役なので。

諫山 今回は半分くらい出演者が変わっていて。女優陣は一新してKAKUTA高山奈央子さんとクロムモリブデン奥田ワレタさんに出演していただくことになりました。お二人とも初参加なので、楽しみですね。

——簡単なストーリーと見どころを教えて下さい。

西山 過去の強盗失敗と刑務所出所後の仲間との関係の変化。友情と裏切りの話です。バカ哀しいというか。深刻だったり、混乱した状況に置かれると、人間笑ってしまうよねというのがうちの劇団のウリなんですけど。そこを観て欲しいですね。

諫山 見どころ・・・。ぼく、最初すごくたくさんしゃべっているので、そこを観て下さい!

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『さよなら また逢う日まで』
脚本・演出◇ブラジリィー・アン・山田
出演◇中川智明 西山聡 櫻井智也 諫山幸治 信國輝彦 服部ひろとし 加藤慎吾 高山奈央子 奥田ワレタ
8/14〜16◎紀伊國屋ホール

ブラジル公式サイト
http://www.bra-brazil.com/


演ぶShopにて20%オフにてチケット販売中!
http://enbu.shop21.makeshop.jp/

【インタビュー/坂口真人 文/矢崎亜希子】

安田章大主演のハートフルな舞台『トラストいかねぇ』レビューとインタビュー

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関ジャニ∞の安田章大が主演する舞台『トラストいかねぇ』が東京グローブ座にて開幕し、プレスコールと囲み取材が行われた。

 

『カゴツルベ』(09年)に次いで主演舞台二作目となる安田が組むのは、演出家・松井大悟。
06年、演劇ユニット“ゴジケン”を旗揚げ後、全作品の作・演出・出演をつとめ、映像作品も手掛けるなど、幅広い活躍で注目されている。



海辺のとある場所で、物語はスタートする。

安田が演じるのは、「デビューしてビッグになる」と漠然とした夢を追いかける若者・正。
ある日、かつての恋人・紗江(高梨臨)から祝賀会に誘われ、互いを“ファミリー”と呼び合う音楽仲間と共に参加する。

それは絶縁状態の正の父(三宅市朗)が代表をつとめる、ボランティア団体主催のものだった。

久々の再会にギクシャクする2人。
そこに祝賀会のメインとなる9000万円の寄付金が持ち込まれる。

しかし大金の入ったバッグがいつの間にか無くなり、大騒ぎに!
 
疑いの目は、部外者である正たちに向けられる。

「何で俺らが疑われなきゃいけねぇの…マジで、ぜってぇ犯人見つけてやる…
トラストいかねぇよマジで!」
納得のいかない正は、犯人探しを始めるが……。
 


楽に生きているようで、父親との関係性にジレンマを抱える主人公を安田が自然体で体現。

二年ぶりの舞台を存分に楽しんでいる様子が伺える。

元恋人役の高梨はフレッシュな空気感で、存在も爽やか。
勢いあるメンバーの中でベテランの三宅は、安田と関西人同士、息の合ったやり取りで武骨な親子関係を見せる。

暑い夏にぴったりな、軽快なハートフル・コメディに仕上がっている。


初日前のプレスコールのあと、囲み取材に、安田章大、高梨臨、三宅市朗、松井大悟が登場した。




〈挨拶とインタビュー〉



――初日ですね!



安田 ホンマ楽しみで仕方なかったです!



――皆さんの和気あいあいとした感じが伝わって来ました。


安田 はい!皆の連携プレーが見所です!プライベートでも、ご飯行ったりしてますし。舞台でも、役を通してコミュニケーション取ってます。

――共演の皆さんは舞台での先輩ばかりですが、問題なく?

安田 すごく実力のある方々なので、一緒にお芝居をしていてとても勉強になります。だからこそ、いい感じにかみ合っているんじゃないかと思います。

――舞台を楽しまれている感じが伝わってきます。

安田 舞台は楽しいですね!生きてるなという感じがします。せっかく生かされているので、今生きてる時間を楽しみたいと思います!

――本当に楽しそうですね!



安田 めちゃくちゃ楽しいです!気持ちがワクワク・ドキドキしてますから!

――松井さんは演出されていて、いかがですか?



松井 若者にしか作れない、テンポ感を出したいとやってきました。稽古でも巻いて作っていきましたし。

――タイトルもすごいですね。

安田 打ち合わせで「タイトルどうしよう?」って話になって。新しい斬新な感じにしたくて、これに決まりました。

――ちなみに関ジャニ∞のメンバーの中で『トラストいかねぇ』のは、どなたですか?

安田 だいたい丸山ですね。普段何してるかわからないんで(笑)。でも、みんな信頼関係はありますよ。最近「トラストいった?大丈夫?」とか、メンバーにいじられてます(笑)。

――皆さん見に来られますかね?

安田 見に来てくれると信じてます!

――関ジャニ∞の皆さんは、ファミリーのようですものね。

安田 ありがとうございます(笑)!

――では皆さんに、座長の安田さんの印象を伺いたいのですが。

三宅 こんな息子がいたら、最高じゃないですか!同じ関西人だし。楽しすぎて、本番来てほしくないですね。始まるとあっという間なので。
安田 ありがとうございます!

――高梨さんは?

高梨 安田さんは優しいし、面白いです。
安田 (関ジャニ∞の)メンバーの中では、一番面白くないっていわれているんですけどね(苦笑)。このカンパニーは、みんなウケてくれるんで嬉しいです(笑)。

――まさにファミリーという感じですね。

安田 ありがとうございます!
三宅 他にないようなバランスの良さで、チームワークが自然と出来ていますね。
高梨 すごいですよね! 一番年下なので緊張していたのですが、安心して初日を迎えられて嬉しいです。

――安田さんは二年ぶりの舞台ですが、緊張はないですか?

安田 ないといったらそれまでですが、ホンマないんですよね。次はお客さんに何を見せていったらいいのか、とか思ってます。家族関係の絆の話でもあるので、子供たちから親に言えない気持ちとか、舞台を観て感じてもらえたらいいですね。このようなご時世ですから、舞台を通して心が躍動感に満たされるようになったら良いなと思います。

――お客さんの反応も楽しみですね。

安田 読めないんですよね。コメディなんで、稽古しててこのタイミングって思ってても、違うところで来るだろうなと。楽しみですね!
三宅 舞台は日々進化しますからね。初日と楽日では、やはり違いますし。自分たちも楽しみたいと思います。

――セットが夏感満載で、引き込まれます。

安田 セットのことも意見を出したので、夏感が伝わったのなら大成功ですね。アイデアをいろいろ出させてもらって、夏っぽさを目指したので。海の見せ方って、難しいんですよ。遠くのものをどう見せた方がいいのかとか話し合いました。

――衣装もかわいい感じで。

安田 ポップな感じが良いかなと思いまして。

――ストーリーは、まだ何かありそうですね。

安田 あれ(公開されたシーン)から急展開するんですよ。見てても、最後までわからないんじゃないですかね。いろいろあります!

――暑いですけど、夏バテとか大丈夫ですか?

三宅 よく飲みに行ってますので!あと肉を食べてます。みなさん、そうでしょ?!暑いときには肉!
安田 強いて言うなら、キャンドルを焚いたりして自分が落ち着く空間を作って、満たされた気持ちになるようにしていることですかね。
高梨 楽屋にぬいぐるみを置いています。さみしいので、癒されます。

――大阪公演もありますが。

安田 ふるさとですし、ずっとお世話になってきたので、出来ることなら長くやりたかったんですけど。見に来られる方は、楽しみにしていてください!

――美味しいものもいっぱいありますしね。

安田 そうですね。どこに行くかの話は、既にしてます。「たこ焼き食わな」とか(笑)。

――ありがとうございました。最後にメッセージをお願いします。

安田 今回、本当に面白いストーリーになっていて、刺激的で元気になる作品だと思います。見に来られる方は、ぜひ楽しみにしていてください!



『トラストいかねぇ』


作・演出◇松井大悟
出演◇安田章大 高梨臨 駒木根隆介 町田マリー 加藤啓 川島潤哉 玉置孝匡 三上市朗 
●7/9〜8/1◎東京グローブ座 

〈問い合わせ〉東京グローブ座 03-3366-4020 

〈料金〉S席8,500円 A席7,500円 B席5,500円(全席指定・税込)              
●8/4〜8/7◎シアター・ドラマシティ

〈料金〉8,500円(全席指定・税込)
 〈問い合わせ〉キョードーインフォメーション 06-7732-8888
                                    
 

 
                     
【取材・文/桜井麻子】



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