稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

ミュージカル『GRIEF7』

25日から公演決定『月にぬれた手』

舞台芸術学院の60周年記念公演『月にぬれた手』の初日は、地震の影響により延期されていたが、25日から公演することに決まった。

なお休演期間中の払い戻しなどの詳細は、舞台芸術学院HPまで。 

 

舞台芸術学院の60周年記念公演
『月にぬれた手』
作◇渡辺えり
演出◇鵜山仁  
出演◇金内喜久夫 神保共子 木野花 もたいまさこ 平岩紙 色城絶 半澤昇 

●3/25〜31◎東京芸術劇場小ホール2

〈お問い合わせ〉舞台芸術学院 03-3986-3261   
www.bugei.ac.jp

私の観劇計画4月その1 植本潤(花組芝居)×坂口真人(演劇ぶっく編集長)

劇団☆新感線『港町純情オセロ』

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原作◇ウイリアム・シェイクスピア
脚色◇青木豪
演出◇いのうえひでのり
出演◇橋本じゅん 石原さとみ 大東俊介 粟根まこと 松本まりか 伊礼彼方 田中哲司 ほか

4/15〜22◎シアターBRAVA!
4/30〜5/15◎赤坂ACTシアター

植本 では、4月に観られるお芝居をチラシを見ながら紹介していきます。
坂口 外国の作品ネタをやりたいと思います。
植本 これ、もうやるんだ。橋本じゅんさん大丈夫かしら。
坂口 記者会見では元気そうだったって聞きましたたけど。
植本 『港町純情オセロ』、劇団☆新感線です。石原さとみちゃん、大東俊介くん、粟根まこと、松本まりか、伊礼彼方、田中哲司というメンツで『オセロー』をやります。シェイクスピア第2弾になるのかな。
坂口 『リチャード三世』をやりましたよね、古田新太で。
植本 『メタルマクベス』もやってたよね。じゃあ第3弾ぐらいかな。脚本が青木豪くん。脚色で入ってますね。先に4月の中旬から大阪でやって、4月30日から東京で公演です。絶対的にこれは仮チラだと思うけど。写真がないので。
坂口 いのうえさんはシェイクスピアのお芝居やって、その経験を踏まえて新しいことを考えていきますね。シェイクスピアに限らず外国の作品って、やっぱり習慣とかつくられた時期とかで、齟齬(そご)、日本人が見たときのちぐはぐさがあるじゃないですか。いのうえさんはそれをなんとか解消したい、もちろんエンターテイメントにもしたいということで、かなり新感線なりのアイデアが入っている作品になると思うんですよ。
植本 日本の演劇人がトライして戦ってきたことなんですが。新感線というカラーがあってシステムがあり、彼らが『オセロー』に挑戦する。
坂口 まさにそういうことですね、おもしろい企画だと思います。
植本 コピーが、「いまどきのシェイクスピアはようわかりまへん!とお嘆きの貴兄に」という。その通りですね。大阪公演のほうが先です。4/15〜22イオン化粧品シアターBRAVA!。東京が4/30〜5/15赤坂のACTシアターです。

新国立劇場『ゴドーを待ちながら』

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作◇サミュエル・ベケット
演出◇森新太郎
出演◇橋爪功 石倉三郎 石井愃一 柄本時生 山野史人

4/15〜5/1◎新国立劇場小劇場

植本 『ゴドーを待ちながら』。名作中の名作というか、不条理劇の代表作ですね。
坂口 これも外国ネタの難しさという意味では、1950年ぐらいにベケットがつくったときのフランス演劇界の状況とか世相の違いがまずありますね。当時のお芝居はお話しがあったわけで、いきなりこんな物語がないものが出てきたというインパクトがある。さらにベケットの作品ってものすごくいろんな知識、歴史とか風習が入っていてそのおもしろさがこめられてる作品だと思うんです。
植本 これは宮田慶子さんが新国立劇場の芸術監督になられて、「現代劇の系譜をひもとく」という昔の古典が今の演劇にどうつながってるかというシリーズの一つで取り上げられてるんですよね。
坂口 そこらへんをどうやって解消するかというのは当然考えられてるんでしょうが、ひとつはキャスティングにもあると思うんです。
植本 主役はこの二人でしょ、橋爪功さんと石倉三郎さん。
坂口 そのキャラクターが強烈に今を代表して出てくれば、いろんな細かい解消できないところがなんとなく解消できるのかなと思って、興味があったんですよ。
植本 何年にいっぺんはどこかでやられてる作品ですよね。
坂口 ベケットがつくったときに演出家に求めてるのは、このお芝居はあたかも振り付けるように、近寄ったり離れたりするリズムが大切なんだと言ってるんです。ただの会話劇じゃなくて、ダイナミックなお芝居のようですね。実際読んでみると、とぼけたこと言いながらも人の動きがけっこうありますよね。
植本 翻訳も今回のための新訳上演だそうです。翻訳はどんどん変わっていっていいものだと思います。4/15(金)〜5/1(日)まで。新国立劇場小ホールTHE PITで上映されます。

パルコプロデュース『欲望という名の電車』

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作◇テネシー・ウィリアムス
演出◇松尾スズキ
出演◇秋山奈津子 池内博之 鈴木砂羽 オクイシュージ 猫背椿 杉村蝉之介 顔田顔彦 河井克夫 ほか

4/12〜5/1◎パルコ劇場
5/7・8◎シアター・ドラマシティ

植本 この続きでなんかある? …ははーん、これかあ。『欲望という名の電車』。
坂口 同じようなことが言えると思うんですよ。戦後のアメリカの作品で、アメリカは太平洋戦争の戦勝国だったでしょ。でもそういう大変な、ショッキングなことが起こってるわけですよね、アメリカの町々で。ということを今の日本でお芝居にするときに、どうするということじゃないですか。そこで松尾さんが登場するわけですよね。
植本 演出が松尾スズキさん。ああ、『欲望〜』を松尾スズキさんが!という感じがするね。主演は当然のような感じがするんですけど、秋山奈津子さん。相手役は池内博之さん。妹のステラ役は鈴木砂羽さん。あとは大人計画の方々が何人か出てます。
坂口 ポーカーをやってる仲間たちですかね。3人ぐらいいますが、あれ大切ですよね。
植本 ミッチとかね。
坂口 淋しい大人が出て来るんですよね。切ない話もいっぱい入っています。
植本 名作中の名作だと思います。4/12(火)〜5/1(日)パルコ劇場です。
坂口 名作中の名作だけど、名作で終わらない松尾スズキさんの強引な作品になるといいですね。
植本 なっちゃんのブランチは観る前からはまるだろうなという気がすごくする。ちなみに料金は7700円で、アンダー25チケットというのがあります、5000円。25歳以下の人は当日身分証明があれば5000円で観られます。
坂口 そういえば僕、だんだん上の設定にはまるようになってきそうで怖い。
植本 え、シルバー料金?じゃあ普通に払えばいいじゃない。
坂口 それもいやだ(笑)。

『イヴ・モンタン〜彼を憎んだ女と男』

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作◇大輪茂男
演出◇野崎美子
出演◇、安奈淳 大鳥れい 南海まり 野原みのり 井上順

4/22〜26◎三越劇場


植本 次はどれ行く?
坂口 エディット・ピアフについて2本ありますが。
植本 その前に、安奈淳さん大鳥れいさんという宝塚出身の方で『イヴ・モンタン〜彼を憎んだ女と男』。三越劇場。
坂口 これはイヴ・モンタンが出てこないんですよね。その周辺にいた人たちのお話で、イヴ・モンタン像が浮かび上がるというドラマなんです。
植本 4/22(金)〜26(火)までです。

美輪明宏版『愛の讃歌〜エディット・ピアフ物語〜』

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作・演出・美術・衣装◇美輪明宏
出演◇美輪明宏 佐藤雄一 YOU 大和田伸也 山谷初男 ほか

4/5〜5/5◎ル テアトル銀座
富山・名古屋・広島・福岡・大阪・神奈川・新潟・山梨・長野・石川・仙台・静岡・沖縄などの、地方公演あり


植本 次いきます。『愛の讃歌〜エディット・ピアフ物語〜』。こちらは美輪明宏さま。
坂口 これはもう。誰も文句のつけようのない。
植本 美輪さんの歌も聞けるんだよね。
坂口 「ピアフ」最近は安蘭けいさんもやってましたね。

『私の中のピアフ〜いいえ、私は後悔しない』


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構成・演出◇松原史明
出演◇三田佳子 池田成志

4/5,6,7,26,27◎SHIBUYA-AX
4/20◎Zepp Nagoya
4/22◎Zepp Fukuoka
4/23◎Zepp Osaka


植本 『私の中のピアフ〜いいえ、私は後悔しない』。これはどう見たって三田佳子さんだ。「三田佳子50周年特別公演スペシャルコンサート」だ!
坂口 まあコンサートなんだけど、池田成志さんも出てドラマ仕立ての……。
植本 は!?成志さん何してるの、これ。スペシャルコンサートに出るの?
坂口 演ずる部分もあるんようですね。
植本 あ、パルコ劇場の『ねずみの三銃士』で知り合ったんじゃない?三田佳子さんがセーラー服になったやつだ。「共演」って書いてある。おもしろいな、何するんだろう成志くん。
坂口 池田さんも新感線の公演でケガをして休演したので、復活ですね。
植本 4/5・6・7・26・27、SHIBUYA AXというところで。三田さんの歌ってあまり聞いたことないから。どんななんだろうね。
坂口 チャレンジという部分ではピアフに近いかも……。
植本 『私の中のピアフ〜いいえ、私は後悔しない』でした。



『国民の映画』

01

笑いも、もちろん忘れない。
見に来たお客さんをきちんと笑わせて、楽しませるエンターテイメント性はある。
でも、それ以上にその時代に生きた人を見つめて、描ききった印象の方が強かった。

ナチスの宣伝大臣であるゲッベルス(小日向文世)は、大の映画好きで、
『風と共に去りぬ』を超える映画を自国で作り出す、その企画を発表するために、
自宅に名だたる映画人たちを集めてパーティーを行う。
映画人のほかにも、ゲッベルスの行動に不穏さを感じた親衛隊長のヒムラー(段田安則)や、
ゲッベルスにとっては目の上のたんこぶ、招かざる客であるゲーリング元帥(白井晃)も、
なぜかパーティーに訪れる。
思うようにことが運ばず苛立つゲッベルス。
思惑を抱いている人も、まったく何も考えていない奴も…とにかく自由奔放な映画人たち。
その間を、機転を利かせ、決め細やかに立ち回る執事(小林隆)。

「戦争という状況下に映画などという娯楽は必要なのか」
その問いかけは、震災後の公演ということもあり、よりリアルに胸に突き刺さってきた。
物語の結末も重い。爽やかに笑って劇場をあとにできるようなものではない。
しかし、そんな結末を受け止める観客の気持ちも、
それまでに聞こえてきた、たくさんの笑い声も、
決して失ってはいけないものである、そう思えた。
開演前、三谷幸喜自身からの挨拶にもあったけれど、
だからこそ演劇人は上演を続け、だからこそ劇場に足を運ぶ観客がいる。
音楽や美術、映画、演劇が持つ心を豊かにする力を信じたい。

実は見終わって感想を書こうと思ったとき、
ケラリーノ・サンドロヴィッチの『黴菌』を思い出した。
KERAさんと、三谷さん、似ても似つかないような気もするが、
ある事象のなかに置かれた人間をじっと観察して、
そこから人の滑稽さや、愛おしさ、ペーソスを見出していった点に共通するものを感じた。

虫一匹を殺せないヒムラーが、なぜあんな未来に進んでいってしまうのか。
傍から見たら矛盾していて理解できないような思いを抱えてそれぞれの人間が生きている。
きっとクローズアップする部分をずらせば、大爆笑につぐ大爆笑の痛快喜劇を、
“ナチスを背景に一本の映画のために集まった人々”
この題材から作り出すことも三谷幸喜ならできたと思う。
しかし、今回はとても人間的な部分を切り取った。
三谷幸喜生誕50周年は伊達じゃない!
強まっていく、作家の筆の力を感じた作品だった。

 

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『国民の映画』


作・演出◇三谷幸喜
 
出演◇小日向文世、段田安則、白井晃、石田ゆり子、シルビア・グラブ、新妻聖子、今井朋彦、小林隆、平岳大、吉田羊、小林勝也、風間杜夫


<上演期間・会場>
3/6
4/3PARCO劇場
4/64/17◎森ノ宮ピロティホール
4/205/1KAAT 神奈川芸術劇場ホール

<料金>
PARCO劇場
9,000(全席指定・税込
U-25チケット6,000円(25歳以下対象/枚数限定/当日指定席券引換/要身分証明書/ローソンチケットのみ取扱)

●森ノ宮ピロティホール
9,500(全席指定・税込)

KAAT神奈川芸術劇場ホール
S
9,000円/A 6,500円/B 4,500
U24チケット S4,250円(24歳以下対象/S席半額料金/枚数限定/当日指定席券引換/要身分証明書)
高校生以下割引
1,000円(高校生以下対象/枚数限定/当日指定席券引換/要生徒手帳)
シルバー割引
S席より500円引き(8,500円)

<お問い合わせ>
PARCO劇場 03-3477-5858
●森ノ宮ピロティホール キョードーインフォメーション
06-7732-8888
KAAT神奈川芸術劇場ホール 045-633-6500 http://www.kaat.jp/

<上演時間>
3時間(休憩15分含む)



【文/岩見那津子】
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