稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

ミュージカル『GRIEF7』

『新春浅草歌舞伎』市川亀治郎・片岡愛之助会見

 

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若手人気役者を揃えて浅草の正月を彩る恒例の『新春浅草歌舞伎』が、2011年の1月2日から幕を開ける。

今回は市川亀治郎が河竹黙阿弥の名作『三人吉三巴白浪』のお坊吉三、家の芸・猿之助四十八撰の1つ『黒手組曲輪達引』の三役をどれも初役で演じるほか、片岡愛之助も『三人吉三巴白浪』の和尚吉三、義太夫狂言『壺坂霊験記』の座頭沢市を初役で勤める。

『三人吉三巴白浪』は同じ「吉三」という名の若い盗賊三人が運命の糸で結ばれて義兄弟の契りを結ぶ白浪もの。「月も朧に白魚の篝も霞む春の空」という七五調の台詞で有名。『黒手組曲輪達引』は歌舞伎十八番の一つである「助六」をパロディーにした河竹黙阿弥の作品。伯父の猿之助の演出で亀治郎が早替わりで助六など三役を勤め、猿之助以来22年ぶりに大詰めの「水入り」まで演じる。そのほかに亀治郎が一人で踊る猿翁十種の1つ『独楽』と、全4演目を昼と夜の部に分けて上演する。

その公演の会見が行なわれ、市川亀治郎と片岡愛之助に話を聞いた。

 

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市川亀治郎

『新春浅草歌舞伎』は、この劇場だからこそ初めて歌舞伎を観にいらっしゃる方も多いですし、そういう意味ではいい演目が並んだと思っております。僕はもう10年やってますから年中行事という感覚ですね。演目については、昔はすごく考えましたけど、おかげさまで毎年観てくださるお客様も増え、ある程度つらい演目でもついてきてくれるようになりました。また観劇料が安いのは一番の魅力だと思いますね。敷居が高いというのは、内容じゃなくてハードのほうだと思うので、安くなることでいろいろなかたに見ていただくチャンスが広がると思います。
今回初めて勤める『黒手組曲輪達引』は、伯父の猿之助が、前から僕にやらせたいと思っていたそうですし、やはり家の宝なのでやらない手はないと思いました(笑)。『黒手組曲輪達引』では権九郎、伝次、助六の三役早替りを初役で勤めることと、大詰の水入りが22年ぶりに上演されることで、大きな挑戦ですが、水は冷たいほうが上がってから風邪を引かないそうなので(笑)、それも含めて緊張しながら挑もうと思っています。
『三人吉三巴白浪』では、やはり初役のお坊吉三を演じます。名台詞の七五調は音楽のように耳に心地よいと思うのですが、逆に台詞の中身をどう理解していただくかが難しいですから、心地よい部分とは別に台詞としてしっかりと伝えたいし、またリズムを変えて語らないといけないと思っています。
それから舞踊の『独楽』は中学生の時に踊って以来で、こちらも22年ぶりとなります。設定が浅草・雷門の前で物売りをするという踊りなので、ぜひご当地でやりたかったんです。夢が叶いました。


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片岡愛之助

この『新春浅草歌舞伎』は、同世代同士で芝居ができるのですごく楽しいです。父なり叔父なりの大先輩たちいないのでのびのびやれますが、そのぶん修正が効かないし、よりいっそう自分との戦いになるので、ちょっと怖い部分もあります。
『三人吉三』では和尚吉三を演じさせていただくのですが、実は僕の出身の上方歌舞伎ではあまり上演されない演目なんです。ですから演じるにあたって叔父の片岡仁左衛門に聞いてみたところ、“アウトローな若者を描いたものだから、若いお前たちが感じるままやればいい”と言ってくれました。そういう舞台を勤められることが、『新春浅草歌舞伎』に参加させてもらって面白いところです。
通し狂言については、たとえば江戸時代だったら物語の大筋を知って来られるお客様が多かったと思いますので、1場面だけお見せするだけでも泣けたわけですが、今は、初めて歌舞伎をご覧になる方も多いと思うので、より深く歌舞伎を知っていただくためにも、通しで観ていただくのはいいんじゃないかと思います。
やはり初役の『壺坂霊験記』では、目の不自由な沢市と妻の情愛が見どころです。難しいところは盲目の男の眼があくところですが、叔父の片岡我當に教わってしっかり勤めたいと思います。今回はまさかという初役ばかりですし、いつもは白塗りの役どころが多かったのですが、白塗りの役が1つもなくて珍しいなと思います。
この劇場では、『お年玉』という年始のご挨拶があるので、お客様にとっても、役者の素顔が見られるめったにないいい機会だと思います。

 

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『新春浅草歌舞伎』

出演◇市川亀治郎、片岡愛之助、中村七之助、中村亀鶴 他

●2011/1/2〜26◎浅草公会堂

〈料金〉1等席9,000円 2等席 5,500円 3等席2,000円
(学割・浅草公会堂窓口のみ発売1等席6,500円 2等席4,000円)
〈問合せ〉チケットホン松竹 0570-000-489

 

※お知らせ
WOWOWオンエア。『新春浅草歌舞伎』千秋楽の2日後から2日間にわたって、「三人吉三巴白浪」2011/1/28深夜0時より、「黒手組曲輪立引」1/29日午後2時半より放送予定。

 

【取材・文/榊原和子】【撮影/田中亜紀】

 

人気少年マンガの世界が登場! 『ろくでなしBLUES』

最新「ろくでなしBLUES」

90年代にヤンキーの学園ものとして一大ブームを巻き起こした『ろくでなしBLUES』。その漫画世界が劇団EXILEの若手ユニット「華組」と「風組」の合同公演として舞台化される。

音楽界の最前線にいる人気グループEXILE、そのリーダーであるHIROが意欲的に取り組んでいる「劇団EXILE」の演劇活動。
メンバーたちが歌、ダンスに加えて演技力も磨くことで、さらに新しい地平をめざすというのがゼネラル・プロデューサーHIROの夢でもある。
そして08年に、「劇団EXILE」の若手ユニットとして結成されたのが、「華組」「風組」「響組」の3つの組。

今回の『ろくでなしBLUES』には、「華組」の青柳翔、磯村洋祐、春川恭亮、施鐘泰、秋山真太郎、小澤雄太。そして「風組」の白濱亜嵐、山下健二郎、ELLYが参加、ほかにも劇団EXILEの新人を含めて生きのいい若手メンバーたちが顔を揃えた。

その彼らが、取り組む人気マンガの世界は、主役の前田太尊とそれを取り巻く若者たちの夢と日常を描いて、炸裂するギャグとアクション、そして愛と友情で見せる青春群像劇。
笑いの中に涙あふれる少年マンガの熱い世界を、体当たりで見せる「劇団EXILE」の若いパフォーマーたち。天王洲・銀河劇場で間もなく開幕である。

 

 

劇団EXILE 華組×風組合同公演

『ろくでなしBLUES』

原作◇森田まさのり

脚本◇丑尾健太郎

演出◇茅野イサム

ゼネラル・プロデューサー◇HIRO

出演◇劇団EXILE華組、劇団EXILE風組 他

●12/4〜12◎天王洲 銀河劇場

〈料金〉

5800円(全席指定、税込)

〈お問い合わせ〉

公演事務局 0570-064-807 (平日12:00〜19:00)

http://www.gekidan-exile.com

 

 

【文/榊原和子】

 


1時間半の別世界『令嬢ジュリー』

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この上なく濃厚な1時間半。
息つく暇を与えない、薄暗い地下室でのたった二人っきりのやり取り。
光によって、より陰影が濃くなるような、密な空間。
パッと客電が点いて、芝居の終演を理解した瞬間、「戻ってこれた」と一息つきたくなった。
そのくらい観客も芝居の中に引きずり込んでいくような作品だ。

感情の揺れを自分でも持て余しているようなジュリー。
ジャンと一緒に墜ちていってしまいたいのも、
伯爵家に生まれたプライドも、女としての誇りも、愛情も、狂気も・・・
全てが彼女の中にある真実の感情なのだと思う。
ジャンとのやり取りの中で、
ジュリーの心は次々と移り変わっているようにみえるが、実のところ嘘がない。
ただ全てが愛おしくて、同じぐらい全てが憎い。
そんな感情が彼女の中でふつふつと湧き上がり続ける。
彼女の中には様々な思いが渦巻き過ぎていて、
その感情が発するエネルギーにジュリーの身体はついていけなかったのかもしれない。
もうそれ以外に方法がない。
死が彼女を解き放つ。

変化自在などという言葉では表しきれない、毬谷友子にしかない、
聖なる美しさと、その対極にあるような自分を含めた人を引きずり落とすような魔性を
ジュリーの演技で堪能する。

その毬谷の演技を受け、時には上から見下ろした谷田歩のジャン。
下僕の身でありながら、どこか紳士的でもあり、
しかし身分の差を超えられない本能的に植え付けられた畏怖が彼の中にはある。
崇拝に近いジュリーへの思いと、恐れの中でジャンも激しく揺れる。

冒頭ではジュリーとジャンは向き合わずにお互い言葉を交わし続ける。
実際には触れていないのに触れ合っているように感じられる演出は、
目に見える以上に官能的で創造力を刺激された。

光と影が際立たせる人間の欲望を見つめ続ける1時間半の別世界。
別世界を感じられる。
それこそ芝居の醍醐味だ。






『令嬢ジュリー』



原作ストリンドベリ
台本
木内宏昌
演出
毬谷友子
演出協力
千葉哲也
出演
毬谷友子 谷田歩

東京公演●11/2712/2◎赤坂レッドシアター
兵庫公演
●12/45◎兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

<料金>
全席指定・税込 
4000

<ご予約・問い合わせ>
東京公演 ジェイ.クリップ 03-3352-1616
兵庫公演 芸術文化センターチケットオフィス 
079868-0255

 

 

【文/岩見那津子】

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