稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

ミュージカル『GRIEF7』

終わらない行軍「砂と兵隊 Sables&Soldats」

砂漠をひたすら匍匐前進して進む兵隊達。
向う先も、目的もよくわからない。
同じ砂漠を通り過ぎる新婚旅行中の夫婦、母親を探している父と娘達、
一人の男を追い続ける日傘をさしたワンピース姿の女性。
そして常に彼らとは逆の方向へと歩く、敵なのか、なんなのかわからない男女二人組の兵隊。

ここがどこなのか、時代はいつなのか、
目的もわからなければ、場所も時間もわからないという設定。
ただ兵隊達は人を殺すことができる銃を常に携帯している。
誰かの命を奪う、または自分の命を奪われる可能性のある、
そんな緊迫した空間にいるのかと思いきや、
交わされる会話は、近々母親が再婚するだとか、
父親がペットを飼いたいと言っているだとか極めて日常的。
自然と笑いも生まれている。
最初はそのあまりに日常的な会話と銃声の聞こえる戦場との間に違和感を覚えたのだけれど、
徐々に、もしかしたらこれがリアルなのではないか?という気がしてきた。

実体がつかめない大きなものからの命令を受け、目的もわからないまま行軍を続ける。
そこには自分が戦地に赴いているなどという重い実感はあまり存在せず、
それなのに、実際、誰かの命は奪われ続けている。

男女二人組の兵隊が桃缶を食べるシーンが印象的。
口にした甘い甘い桃の果肉。
缶から滴り落ちる甘い汁。
二人が手にした美味しい桃缶は、新婚旅行中だった夫婦の旦那が持っていたものだ。
旦那は民間人だったが洋服の袖に、
偶然、軍人であることを示す腕章を付けていたがために殺された。

もう一つ最後に大きく印象に残るのが、この芝居の終わり方。
出演者が一列に並んで拍手を受ける、というお決まりのカーテンコールを一切拒否。
舞台には終演を伝える言葉が映し出され、客席では案内のお兄さんが、
ひたすらに「本日の上演は終了いたしました。」と退場を促す声をかけ続けている。
しかし、舞台上には行軍を続ける兵士たち、母親を探す家族、日傘をさした女性…
それぞれが今までと同じように、砂漠を歩き続けていた。
客席に人がいなくなるまで、永遠に歩き続けるのだと思う。

もはや理由も何もわからなくなっているのに、
人が死んでいるのに、この行軍は終わらないんだ。

終わらない終演からもメッセージを感じた。



なおこの作品のフランス語版『Sables&Soldats』が、
10月5日、6日に同じくこまばアゴラ劇場にて上演される。





青年団第63回公演/青年団国際演劇プロジェクト2010


『砂と兵隊/Sables&Soldats』


作・演出◇平田オリザ
翻訳◇ローズマリー・マキノ
出演◇「砂と兵隊」山内健司 ひらたよーこ 志賀廣太郎 渡辺香奈 ほか
「Sables&Soldats」クレマンティーヌ・べアール ケイト・モラン 福士史麻 河村竜也 ほか


●9/16〜10/6◎こまばアゴラ劇場


<料金>
一般:3,500円 学生・シニア(65歳以上):2,500円 高校生以下:1,500円(全席自由/税込)


<問い合わせ>
青年団 03-3469-9107


【文/岩見那津子】

早乙女太一インタビュー。ファンと祝う19歳!『早乙女太一/19歳BIRTH DAYイベント』

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大衆演劇の世界が生んだ人気若手スター、早乙女太一が9月24日に19歳の誕生日を迎えた。そのバースディイベントが都内のライブハウスで開かれ、1240人のファンとともに賑やかに誕生日を祝った。

s_DSCF5317この『早乙女太一/19歳BIRTH DAYイベント』は、二部形式で上演。第一部では太一の美しい女形で「深川」から始まり、男姿でのロック調の踊りや、見事な剣舞を見せてくれる「田原坂」など、得意の演目をふんだんに披露、ますます迫力の増した道具使いや切れのいい舞い姿で、満席のファンを魅了した。



第二部はトークショー。寡黙で知られる太一とは別人のように、司会者の質問に気軽に答えて会場を湧かせた。

s_DSCF5344太一への誕生日を祝うビデオレターは、ドラマで『新参者』で親子になった泉谷しげる、仲良しの上戸彩、劇団☆新感線公演の共演者たち、稲森いずみ、橋本じゅん、堺雅人。また『トゥーランドット』で初共演して、来年の新歌舞伎座でも一緒の舞台になる安倍なつみなど、豪華ゲストたちが次々に太一へのお祝いのコメントを送った。


そのあとは舞台上にサプライズゲストとしてミラクルひかるが登場、太一への熱狂的なファンぶりを語れば、ジョニー・デップs_DSCF5355のそっくりさんが抽選箱を押して現れる。そこへ大きなバースディケーキも運ばれて、いやがうえにもイベントは盛り上がる。

最後に太一から「18歳から19歳への1年はまるで1カ月のような早さで過ぎてしまった」と感想が述べられ「これからもがんばりますので応援してください」とファンへの気持ちが伝えられて幕となった。




このイベントの終演後、早乙女太一がインタビューに応じてくれた。

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【早乙女太一インタビュー】

ーー19歳の誕生日おめでとうございます。すごく早い1年だったそうですが。

そうですね。今までは15歳か!とか16歳か!とか、18歳になったんだ!とか、その年齢のことを考えたりしましたが、そういう思いもないうちに19歳になっていたというか。大学とか行ってれば学年とか周りとかで感じることがあるんでしょうけれど。今回は、なってから改めて、そうかみたいな感じでした。

ーー次は20歳ですが、大きな変わり目だなとか考えますか?

いえ、とくにそういうのはないです。僕の中では20歳になったらお酒の席に行くことになるので、また色々な話とかそこで聞けたり、知り合いが増えたりというので勉強にはなるかなと思ってますけど。

s_DSCF5205-1ーー20代へのイメージとか、仕事とかでしたいことは?

今の仕事をそのままやっていくことが大事だと思ってます。

ーー6人のビデオレターで素敵なコメントがありましたが?

想像してなかった人たちが次々に出て来たことで、すごくびっくりしました。僕のためにわざわざ時間をとってくれて申し訳けないと思ってます。でも色々言ってくださったのが嬉しかったです。皆さんからたくさん刺激を受けましたし、またこれからも色々なかたと知り合えるような仕事をしていきたいです。

ーー『薄桜鬼』の稽古も終盤ですが、どういうところが見どころですか?

すごく殺陣が多いです。僕は土方歳三の役ですが、まだ出来上がってないと自分で思ってるので、もっとどんどん作り上げていかないと。周りのかたとの中で色々考えながら作っていってるところです。

ーー同年輩のかたとの共演での刺激は?s_DSCF5319

すごく楽しくやってます。演技でこうしようとか話しながら。窪田正孝くんとは雑誌で対談したので、そのあとすぐご飯を食べに行ったりしてます。みんな酒を飲むんですが、僕と窪田くんだけ飲まないので、そこも共通なんです。コーラで盛り上がってます(笑)。

ーー最後に、ファンと過ごした今日の誕生日の感想を。

これだけたくさんのかたにきてもらって、一緒にお祝いしてもらって嬉しかったです。19歳の1年もがんばります。

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■早乙女太一公演予定■

『薄桜鬼 新選組炎舞録』

演出◇キムラトシヒロ

脚本◇毛利亘宏

出演◇早乙女太一、黒川智花、木村了、RYO、川岡大次郎、窪田正孝、武田航平、中村倫也 他

● 10/117◎天王洲銀河劇場

〈料金〉S席8500円 A席5500

〈問い合わせ〉オデッセー 03-5444-6966

 

【取材・文/榊原和子】

中井貴一×市原隼人舞台初共演『カーディガン』

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交換輸血がきっかけで性格が変わってしまう二人の男。
カーディガンが似合う穏やかなサラリーマンがとんがり始め、
乱暴者だったヤクザが優しさに目覚める。

人間の情けなさや優しさを描く劇団『ONEOR8』の田村孝裕が、PARCO劇場に初登場する『カーディガン』の製作発表が9月28日に行われた。サラリーマン・田中亘には中井貴一、ヤクザ・大下三樹夫役にはこれが舞台初出演となる市原隼人が配され、二人の共演にも注目が集まる。ドラマ『WATER BOYS2』や映画『ROOKIES-ルーキーズー』などで市原と共演することも多い中尾明慶が三樹夫の舎弟役、亘の妻にはキムラ緑子、三樹夫の恋人役にはこちらも舞台初出演となる石橋杏奈、その他、菊池均也、外山誠二、劇団『ONEOR8』からは伊藤俊輔と各方面で活躍する多彩なメンバー、8名がこの日の製作発表に登場した。

【挨拶】

田村 普通の気の優しいサラリーマンと尖ったヤクザの二人がですね、病院で手術を行って輸血をする。その輸血のせいで、性格が変わっていくという・・・物語になるかと思います。途中でもしかしたら「入れ替わってしまったんじゃないか?」なんてこともありつつ、進んでいきます。そんな感じです。先ほど読み合わせを聞かせていただいたんですが、僕が思っていた以上に既に全然面白いなぁと思いましたし、これからもっとよりよい台本が書ければいいなと思いますし、稽古場が凄く楽しくなりそうなので、早く稽古が始まらないかなと思っております。

中井 緑子さんとも話してたんですが、あまり舞台でこういう製作発表やることがないので、どんな感じのことを言ったらいいのかわからないんですが・・・抱負?(笑)

(司会:そうですね、はい(笑)、あとどういう風に稽古場で過ごして行きたいかとか。)

どういう風に稽古場で過ごして行きたいか??(笑)

(司会:いや、抱負を述べていただければ大変ありがたいです!)

今、司会者も、脚本家も、随分前から脚本が上がってるのを今日初めて読んだみたなこと言ってますけど、昨日の夜、台本ができてきまして、今朝読み合わせという無謀なスケジュールで現在に至っております。稽古場でどういう風に過ごしたいか。稽古をしたいと思います!そのぐらいでいいでしょうか(笑)。

市原 この作品は人間の二面性が面白く描かれている作品だと思います。来ていただいたお客さんに、ちょっといつもと違う帰り道で帰ってみようかなとか、違う自分を見つめる楽しさを感じていただけたら嬉しいです。
舞台という場所が初めてなので、気合い入れて、みなさんに楽しんでいただけるように、自分ももっと楽しんでやりたいと思います。

中尾 去年PARCO劇場は一度やらせていただいて、すごく楽しい思い出しかありません。今回は隼人君と、『WATER BOYS2』って作品だったり『ROOKIES』って作品で、すごく縁があるといいますか、また一緒にやらせていただける嬉しさがあります。精一杯舎弟になろうと思います。よろしくお願いします!

石橋 舞台が初めてなのですごく緊張しているんですが、毎日色々吸収しながら、新しい自分を発見できたらと思います。絶対に楽しんでいただける作品だと思うので、たくさんの方に見ていただきたいです、よろしくお願いします。

菊池 今日、初めて本読みだったんですけれど、非常にバカな奴が愛おしいことをやっているなっていう印象で、見た後に誰かに優しくしてあげたいなと僕は思いました。魂を込めて演じてさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

伊藤 僕は作家の田村さんの劇団の『ONEOR8』というところの劇団員で、普段は小さな劇場で芝居をしているんですけど、PARCO劇場という場所で、こんなブラウン管の中で見ていた、スターの方たちと本を読み合わせていたときは、足の震えが止まらず、今もなんですけど(会場:(笑))稽古が始まって、後半ぐらいにはこの震えも止まるんじゃないかと思います。精一杯頑張ります。よろしくお願いします。

外山 院長先生のような・・・あんまりこれは言わない方がいいんですよね、だから言いません。これはご覧になってからのお楽しみというような役です。今日みなさんと本読みしましたが、日常的な会話の中に楽しいことがいっぱい詰まってる、そういう本だなと思いました。早く楽しい稽古が始まらないかなと思っています。どうぞよろしくお願いします。

キムラ 中井さんの奥さんができて、私は嬉しくて舞い上がったままここにいますけれど、ありがとうございます。外山さん以外はみなさん初めて舞台で共演させていただく方たちばかりなので、すごく楽しみにしてます。今日初めて皆さんと声を合わせたんですけど、市原さんのテンションが凄く高くって、もう私すごいビックリして!すごい楽しい作品になるだろうなと思いました。なるべく稽古場で正直でありたいと思っております。楽しみにしてます。よろしくお願いします。

ーーもし自分の性格が正反対に入れ替わってしまったら、どうなると思いますか?

キムラ どうなってしまうでしょうか。自分の中にすごい大好きな部分と、嫌いな部分があるので、また同じように嫌いだなと、くよくよ思いながら生きていくんだろうと思います。

中尾 僕は普段から明るく元気に生きてきたので、ものすごく暗い子になっちゃうんじゃないかな、と。想像しただけでゾッとします(笑)。

市原 180度変わるなら、僕も自分のことがよくわからないんで、もしなれるとしたら女になってみたいです!(笑)

中井 そうですね、役者って商売をやってると色んな性格に実際なってるので、正直僕たちはどれが本当の自分だかわかってないと思うんですね。ですから180度・・・オカマですかね(笑)。

石橋 私も自分の性格がよくわからないので、180度変わってもあまりわからない、気づかないかもしれないし、よくわからないです。

菊池 結局感情の入れ替わりですよね、喜怒哀楽が逆になったりするんじゃないかと思うんですけど。どうなりたいかというと、すごく大人になりたいですねぇ。漠然としててすみません。

伊藤 自分が思っている自分と他人が思っている自分とは違うところがあると思うんですよね。まぁだから、結構、180度変わったら、まず人の目を見て話ができるようになって、割とどもらなくなるんじゃないかなと。そうなりたいですね、そうなってみて、戻ってみたいですね。コミュニケーションですね、人ととの。

外山 自分でも嫌なところいっぱいあって、そういうところをなんとか直して、ちょい悪オヤジになって、モテモテになってみたいですね。失礼しました(笑)。

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PARCO PRODUCE
『カーディガン』

作・演出◇田村孝裕(ONEOR8)
出演◇中井貴一 市原隼人 中尾明慶 石橋杏奈 菊池均也 伊藤俊輔 外山誠二/キムラ緑子

●11/1〜11/23◎PARCO劇場(東京)
●11/26〜11/28◎森ノ宮ピロティーホール(大阪)
●12/3〜12/5◎福岡シティ劇場(福岡)

<料金>
一般 7,500円(全席指定・税込)

<問い合わせ>
PARCO劇場 03ー3477ー5858(東京)
キョードーインフォメーション 06ー7732ー8888(大阪)
ピクニック 092ー715ー0374(福岡)


【取材・文/岩見那津子】

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