稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

観劇予報は2019年2月20日に引っ越しました。
新しい記事はこちらから読めます。

「第19回読売演劇大賞」贈呈式レポート

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2011年に上演された演劇の中から優れた舞台作品、人物を顕彰する読売演劇大賞(日本テレビ放送網後援)の贈呈式が、2月27日に都内のホテルで行なわれた。

今回で19回目を迎える演劇賞で、歌舞伎、能、ミュージカル、新劇、小劇場まで国内外を問わず広いジャンルを対象に選ばれる。大賞のほかに作品賞や俳優賞など5部門5人(5作品)とそれぞれの最優秀賞、新進に贈られる杉村春子賞、長年の功績者に贈られる芸術栄誉賞、以上の受賞者が栄誉ある賞を受けた。
 

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まず主催側の読売新聞グループ本社の取締役最高顧問の老川祥一氏から挨拶があったあと、各部門受賞作品および人物が登壇し、表彰状と記念品などを贈られる。
 


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芸術栄誉賞 
別役実

文学座公演アトリエの会『にもかかわらずドン・キホーテ』(2011年)の劇作などを含め、長年にわたる氏の精力的な活動により贈られた。74歳という年齢を感じさせないかくしゃくとした姿で挨拶した別役さんは「まだまだ書き続ける」ことを宣言。大きな拍手が送られた。


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選考委員特別賞 『背水の孤島』TRASHMASTERS

昨年の東日本大震災を鮮烈に捉えた作品として高い評価を受けた。主宰で作・演出家の中津留章仁が挨拶。「被災地に行ってボランティアをした経験から書いた。選んでいただいたことを感謝します」と語り、この夏に再演することを発表した。


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杉村春子賞 小川絵梨子
(オフィスコットーネ『12人』、響人『夜の来訪者』、tpt『プライド』の演出)

現代古典ともいうべき『12人』や『夜の来訪者』への独自の読み解き、また日本初演となった『プライド』の的確な演出で受賞、まだ33歳という若さで、「演出家が受賞するのは初めてということですが、重く受け止め励みにしていきたい」と話した。                                                      
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デヴィッド・フィン代理パルコプロデューサー フランソワ・セガン 原田保 福田暢秀

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フ賞/デヴィッド・フィン(『猟銃』)

      原田保(『奇ッ怪 其ノ弐』)

      福田暢秀(『背水の孤島』)

      フランソワ・セガン(『猟銃』)


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最優秀スタッフ賞 松井るみ
(『トップ・ガールズ』、『雨』、『GOLD 〜カミーユとロダン〜』の美術)

『トップ・ガールズ』の額縁の変化、『雨』の五寸釘を模した柱、『GOLD 』の白いアトリエなど戯曲への読み込みの深さが賞賛された松井は、「美術は大道具さんをはじめ様々な方たちの力で出来上がる。私はその代表として賞をいただいた」と名前の出ない多くのスタッフへの感謝の気持ちを伝えた。 
 

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シルビア・グラブ 中谷美紀 三田和代 麻実れい


女優賞/麻実れい(『トップ・ガールズ』、『みんな我が子』)

    シルビア・グラブ(『国民の映画』)

    中谷美紀(『猟銃』)

    三田和代(『秘密はうたう』)


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最優秀女優賞 大竹しのぶ
(『大人は、かく戦えり』、『ピアフ』の演技)

『大人は、かく戦えり』における感情の表出や『ピアフ』の歌唱などを含め、入魂の演技を見せた大竹は、出てきたとたん「袖で段田さんから“笑わせて泣かせて感動する挨拶を”とプレッシャーを受けました」と笑いを取り、「舞台は生もので消えていくけれど、こういう賞をいただくことで確かな実感となって残る。これからも演劇に携わる人たちを応援してほしい」と訴え大きな拍手を受けた。


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尾上菊之助 段田安則 平幹二朗代理平岳大 村井國夫代理東宝芸能プロデューサ
 


男優賞/尾上菊之助(『盟三五大切』、『京鹿子娘道成寺』、『髪結新三』)

             段田安則(『大人は、かく戦えり』、『国民の映画』)

    平幹二朗(『サド侯爵夫人』、『エレジー』)

    村井國夫(『秘密はうたう』)


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最優秀男優賞 小日向文世
(『国民の映画』の演技)

歴史上の人物ヨゼフ・ゲッベルズをリアルに舞台上に息づかせたことで受賞した小日向は、演劇での賞は初受賞で感激の面もち。「35年間の俳優生活でいちばん緊張し恐い舞台だった」と役柄への取り組みを振り返り、「役者は良い作品と出合うことがすべて。この作品を書いてくれた作・演出家の三谷さんに改めてお礼を言いたい」と語った。


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シス・カンパニー代表 世田谷パブリックシアター代表 パルコ代表

作品賞/『大人は、かく戦えり』(シス・カンパニー)

    『奇ッ怪 其ノ弐』(世田谷パブリックシアター)

    『猟銃』(パルコ、USINE C)


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最優秀作品賞 『国民の映画』パルコ        

政治権力と芸術のせめぎ合いと、人間のうちにある善と悪を描き切ったと讃えられたこの作品の作・演出家の三谷は、「重いテーマを重くならないように笑いをまじえて書くのが僕の仕事」と語り、「15年前にも権力と芸術の闘いを描いた作品(『笑の大学』)で受賞しました。僕はそういうものでないと受賞できないのか」と不満げに訴え、「次は、“笑ってもらうことだけを目的に書いた笑える作品大賞“という賞を貰いたいですね」と会場を沸かせた。


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小川絵梨子 中津留章仁 三谷幸喜 蜷川幸雄代理彩の国さいたま芸術劇場プロデューサー


演出家賞/小川絵梨子(『12人』、『夜の来訪者』、『プライド』)

     中津留章仁(『黄色い叫び』、『背水の孤島』)

     蜷川幸雄(『あゝ、荒野』、『ルート99』)

     三谷幸喜(『国民の映画』)


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大賞と最優秀演出家賞 前川知大
(世田谷パブリックシアター『奇ッ怪 其ノ弐』、イキウメ『太陽』の演出)

『奇ッ怪 其ノ弐』は大震災直後に鎮魂を描き、『太陽』は知的な想像力で近未来を見つめたと高く評価された。前川は『奇ッ怪』について「こんなに苦しんだ作品はない。キャスト、スタッフ、関わった皆さんに助けてもらった」と感謝。また『太陽』は「元劇団員がある事件に関わったことで残りの人間が危機感でまとまりエネルギーを出した」と語り、「一応その元劇団員が不起訴になったことを彼のためにお伝えしておきます」と劇団主宰らしい心遣いをみせた。


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授賞式でプレゼンターになったのは昨年度の受賞者たちだが、
麻実れいはプレゼンターであるとともに女優賞にも選ばれるという忙しさ。作品賞のプレゼンターの野田秀樹が「こういう場で、貰う側ではないというのは面白くない(笑)。でも三谷くんは僕ができない作品を作れる作・演出家、素直に喜びたい」と率直に語れば、男優賞プレゼンターの浅野和之が小日向に渡す前に「この人に賞を渡すことができるなんてドキドキします」と興奮気味に語り、よく共演する段田とも固く握手するなど、壇上ではいつにも増して感動的な光景が繰り広げられた。


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『国民の映画』カンパニーが集合



【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】


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演劇ぶっく」4月号 3月9日、全国書店にて発売!

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演劇ぶっく4月号(3/9発売)予告!

こんにちは、演劇ぶっく編集部の坂口です。

3月9日(金)発売の演劇ぶっく4月号を印刷所に入稿しました。今号は毎春恒例の“読者が選ぶえんぶ!チャート2011”を中心のページ構成で、かなり素敵なラインナップになりました。以下、ご紹介します。

●表紙&えんぶチャート記念インタビュー 松本 潤
表紙とカラー6ページの撮り下ろし写真とともに、『あゝ、荒野』にかけた思い、演出の蜷川さんのこと、ドラマ『ラッキーセブン』のことなどを語ってくれています。

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●発表!“読者が選ぶ!えんぶチャート2011”
読者投稿による、毎年恒例の[作品部門・俳優部門]のランキングです。みなさんの1年間の観劇&感激の集大成を最後の1票まで全て掲載しています。

●『下谷万年町物語』唐十郎インタビュー
唐十郎の伝説の世界が31年ぶりに蜷川演出でよみがえった話題作。主演の宮沢りえと藤原竜也、西島隆弘が演じた舞台写真と、唐十郎のインタビューで作品世界を再発見してみてください。

●さらに以下、たくさんの方にインタビュー!
早乙女太一 大和悠河 東山義久 広岡由里子 長塚圭史 三枝貴史・浅野千鶴  辻萬長・浅野雅博 馬場徹・加藤雅也 水夏希 近藤芳正・福島三郎 筒井道隆 松本明子 桜乃彩音 中村蒼 ほか

劇団☆新感線の粟根まこと、インディ高橋の人気連載コラムも続きます!

演劇ぶっく4月号(通巻156号)は3月9日発売!
えんぶ☆Shopにて、予約受付中です。


♪ご予約はこちらより

全国書店でも3月9日(金)よりご購入できます。

ピーター・ブルックの『魔笛』 追加公演決定!

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世界中を席巻する「モーツァルト×ブルック」の魔術的な舞台『魔笛』が、彩の国さいたま芸術劇場ほかで3月22日から来日公演を行うが、このほど好評につき追加公演が決定した。


世界の演劇史に名を残し、日本の演出家たちにも大きな影響を与えている偉大な演出家ピーター・ブルック。1962年から英国の名門劇場RSC(ロイヤルシェイクスピアカンパニー)で活動。『真夏の夜の夢』『マハーバーラタ』などの来日公演で、日本の演出家たちにドラスティックな衝撃を与えたことでも有名である。
 

シンプルな舞台装置に俳優の肉体と小道具を巧みに利用して、イマジネーション豊かな劇空間を生み出す「なにもない空間」という自身の演劇論に基づいた手法は、時に魔術的とさえ言われ、世界中の観客に大きな衝撃を与えてきた。 


今回の来日公演で上演するモーツァルト最晩年の傑作オペラ『魔笛』は、1791年にドイツ語で書かれた“庶民のため”のジングシュピール(台詞と歌で進行する芝居)として作られ、芸術的な音楽語法と民衆的なメロディが見事に融合された人気作品。

ブルックは、この傑作を今までにない人間讃歌にあふれた『魔笛』に生まれ変わらせた。

舞台には数十本の細い竹と1台のピアノ、7人の歌手、そして2人の俳優のみ。幕間なし、約90分のこの作品は、全編においてモーツァルトのスピリットが息づいていて、モーツァルトが人間に向けた愛に満ちた眼差しが凝縮されている。
 

この『ピーター・ブルックの魔笛』は、2010年11月、パリのブッフ・デュ・ノール劇場で初演、同年のフランス最高の演劇賞モリエール賞の最優秀作品賞(ミュージカル部門)を受賞している。現在24ヵ国を巡演中、ブルックの最新作でもある。


  

ピーター・ブルックの『魔笛』

(ドイツ語(歌)・フランス語(台詞)上演〈日本語字幕付〉

演出◇ピーター・ブルック 

原曲◇ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 

翻案◇ピーター・ブルック、フランク・クラウチック、マリー=エレーヌ・エティエンヌ 

●3/22~25◎彩の国さいたま芸術劇場

追加公演 3月24日(土)開演19:00 

〈料金〉 S席8,000円 A席5,000円 学生A席3,000円 (全席指定・税込)  

〈問合せ〉チケットセンター 0570-064-939(休館日を除く10:00~19:00) 

http://www.saf.or.jp [P C] http://www.saf.or.jp/mobile/[携帯] 

●その他の追加公演

3月31日、4月1日 北九州芸術劇場  中劇場   

4月7日、8日 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール  中ホール   



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写真/2010年初演時の舞台より  Pascal Victor / ArtComArt


【文/榊原和子


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