稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

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竹内都子・菅原大吉 夫婦印の第三弾『月とスッポン』

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夫婦印とは、その名の通りこの芝居のキャストである「ピンクの電話」のミヤちゃんこと竹内都子と、懐の深い演技で定評がある俳優の菅原大吉夫妻が主宰する演劇ユニットのこと。
2人はオシドリ夫妻として知られるが、出会いは以前同じ劇団(劇団7曜日)に所属していたときで、以来それぞれ、映像に舞台にCMにと活躍してきたが、いつかは「2人で芝居を」と長年夢みてきた。

その2人の夢が実現したのは2006年5月、コミカルで人情味溢れる作品作りで有名な水谷龍二を作・演出に迎え、夫婦印プロデュース第一弾となる『満月ー平成親馬鹿物語』を上演、笑えて泣ける2人の掛け合い芝居で好評を得た。
続いて2008年の第二弾『月夜の告白』も、恋には不器用な中年男女のちょっと切ない愛を描いて好評を博し、いよいよ第三弾として4月8日から上演されるのが『月とスッポン』という作品である。

今回の物語は離婚を考え始めた中年夫婦のおはなし。 
50才の夫は所轄の刑事で、48才の妻はスーパーのパートで働く一方、シナリオ教室にも通っている。二人が離婚を考え始めたのは数年前、しかしそのことを面と向かって話し合うようになったのは、三ヵ月ほど前だった。妻が応募したテレビドラマのシナリオが佳作となり、執筆に本腰を入れ始め、すれ違いの毎日となり、夫がひと言「俺たち、なんで一緒に暮らしてるんだ?」と言ったことが発端だった。
妻は自分の生き方を模索し、夫もまた定年後の人生を真剣に考え始めていた。そんなある日、妻の義父が亡くなった。しかし、妻は通夜に行くことを躊躇していた。母が再婚した義父を少なからず恨んでいたからだ。大酒飲みでうだつの上がらない映画プロデューサーの義父は、スナックを経営していた母のヒモ的存在だったのだ。「俺は好きだったけどな、あのオヤジ、豪快で話が面白くて」「あの人の話は全部ウソや」妻はなかなか腰を上げようとしなかった。 

実際の夫婦である菅原大吉と竹内都子が、役の上でも夫婦を演じる哀歓溢れる喜劇。夫婦が入り込んだ長いトンネルの出口で待っているのは果たして何か...... 。

 

夫婦印プロデュース

『月とスッポン』

作・演出◇水谷龍二 
出演◇菅原大吉 竹内都子

●4/8~4/17◎ シアター711(下北沢、ザ・スズナリの隣り) 

 〈料金〉前売・当日共 指定席 4000円/自由席 3000円(※自由席は石井光三オフィスでのみ取扱い) 

〈問合せ 〉 石井光三オフィス 03-5428-8736(平日13:00~18:00) 

http://www.ishii-mitsuzo.com/

 

舞台芸術学院60周年記念公演『月にぬれた手』

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高村光太郎と自分。
光太郎の妻・智恵子について。
そこから見えてきた、戦争、芸術、男、女。
書きたいことが、表現したいことが、
とにかく、たくさんたくさん渡辺えりの中にあったんだろう。

光太郎の半生を振り返るような形で、次々と場面も時代も変わり、
また次々と、思いが言葉になり、演技になり、提示されていく。
2時間という上演時間のわりに、詰め込まれた情報量が多いので、
少しでも気を抜いたら、ポツンと取り残されそうになる。

池袋にある舞台芸術学院の60周年を記念した公演。
作家、演出家、出演者、スタッフにいたるまで、舞芸出身者が勢揃いしている。
今回、公演が行われたのも、池袋の東京芸術劇場だ。

平岩紙の智恵子が印象的だった。
光太郎を愛していながら、最高に憎んでもいるというか、
劣等感と尊敬、全てが入り乱れて、精神が乱れてしまった女性。
一人何役かを振り分けられている中、平岩さんも田舎の娘などを演じていて、
その時は、ほわんとした可愛らしい感じなのに、
智恵子になった途端に目つきが変わるので、ぞくっとする。
木野花や、神保共子は男装から農家のおばさんまでお手のもの。
振り幅が広くて驚く。
もたいまさこの、一風変わったナゾの女からも目が離せないし、全体的に女優が強い。

その強い女優陣に翻弄される高村光太郎役の金内喜久夫は、
プログラムの光太郎の写真によく似ている。
ただ何かを内に抱えて芸術の世界に身を置いてきた人、というよりは、
隠居生活をほがらかに味わうおじいさん、というイメージが強かった。
本当の光太郎の姿は、いったいどこにあるのだろう。
心から優しい人でありながら、繊細な狂気を抱えていたのだろうか。

最後、女性がみな、赤いセーター姿で現れて、
それぞれが智恵子として登場する場面があった。
どんな女性の中にも智恵子のような激しさが潜んでいるという、
渡辺えりからの暗示だったのかもしれない。
その激しさに、ちょっと心をかき乱されて劇場をあとにした。

 

 

 

 

舞台芸術学園60周年記念公演
『月にぬれた手』


作◇渡辺えり
演出◇鵜山仁
出演◇金内喜久夫、神保共子、もたいまさこ、木野花、平岩紙、色城絶、半澤昇


<上演期間・会場>
3/173/31◎東京芸術劇場小ホール2

<料金>
一般:
6,000円 学生・シニア(65歳以上)5,000
高校生:
1,000円 ※枚数限定・前売のみ・舞台芸術学院のみ取扱
ペア:10,000
(全席指定・税込)

<問い合わせ>
舞台芸術学院 03-3986-3261

<上演時間>
2時間




【文/岩見那津子】

自転車キンクリーツカンパニー『〆』

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見る前にちらっと目を通したあらすじは、

ライトノベル作家の元に、ゾンビ寸前の、その作家の大ファンが訪れる。
「完全にゾンビになってしまう前に、話の続きを読ませろ!」
と作家に迫る、ゾンビ未満の方々。
書けない作家と、そのゾンビ未満の方々とのお話。

というようなものでした。
『コメディーかな。』『楽しく笑って見終われそう。』
と思って観に行って、実際ゾンビたちと作家のやり取りに何度も笑い、
楽しい時間を過ごしていたものの、
終盤に近づくにつれて、「ん?これは・・・??」。

全く書けなくなった作家が抱えていた暗い闇が、
最後の最後にドバッと溢れてきて、
いや、これは笑って、すっきり終われない。

その作家は自分が書いていたライトノベルの最終章を書き上げていたのだけれど、
それをまず一番に自分の彼女に読ませたかったらしい。
今までで一番、面白い作品が書けたと信じていた。
だからこそ、彼女に・・・と思っていたのに、
その彼女がゾンビになってしまい、最終章を読んでもらうことが叶わなかった。
それだけでなく、彼はゾンビと化した彼女を自分の手で殺している。
だから、どんなにファンに迫られても、もはや脅迫されても、
キーボードを打つ手はいっこうに進まなかったし、
すぐにはぐらかして、執筆から逃れようとしていた。

という過去が作家にはあった。
それまでのドタバタの会話劇からは、
想像も付かなかった終盤の重さに、ちょっと呆気にとられもした。
でも基本的には、面白い。くすくす笑える。
出てくる人、一人一人のキャラクターに愛着が湧いてくる面白さ。

作家の代田要(瀧川英次)は、受け身のキャラクター。
「書け!!」と迫るゾンビたちの要求を飄々とかわす。
次々と、その代田の自宅にゾンビファンが訪れるのだが、
茂子(星野園美)は、押しの強い、ある意味空気の読めない夢見がちな女。
かすみ(松坂早苗)は虚弱体質でひ弱ながら、
言葉で痛い所を付いてくるブラックさがあって面白いし、
美里奈(和田ひろこ)はサバイバル系美人。
彼女は他のゾンビの腕を振りちぎり、
ベランダをよじ登り、血だらけで代田の部屋までやってくる。
一人、男のファンである登呂(平塚真介)は警官でありながら、
代田の作品に登場する女の子キャラを溺愛する乙女な心を持ったオトメン。

主な流れはコメディーでありながら、
でも「書く」ことに対する苦しみが、じわじわと滲み出ていて、
その暗さが、心に引っかかる。
この話は、作・演出の飯島早苗さんの心情にもかぶるのだろうか?
観終わって、なんとなく考えてしまった。

 

 

 

自転車キンクリートSTORE
『〆』


作・演出◇飯島早苗
出演◇瀧川英次、星野園美、松坂早苗、和田ひろこ、平塚真介


<公演期間・会場>
3/173/27◎赤坂RED/THEATER

<料金>
3,800円(全席指定・税込)

<問い合わせ>
自転車キンクリーツカンパニー 
03-5489-4434

<上演時間>
1時間25

 

 

【文/岩見那津子】

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