稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

『僕のド・るーク』

4女優の競演で『キネマの天地』初日を開幕

『キネマの天地』舞台写真3s

昨年亡くなった井上ひさしの傑作『キネマの天地』が、新宿南口の紀伊國屋サザンシアターで初日を迎えた。その初日公演を前日に、メディア向けに公開舞台稽古が行なわれた。


この戯曲は、松竹大船撮影所の開所50周年記念として1986年に封切られた映画『キネマの天地』の続編であり、同年に日生劇場で松竹製作で上演されたもの。

初演は井上ひさしが作・演出を行なっていたが、そのとき演出助手をしていた栗山民也が今回の舞台を演出家として手がけている。

キャストには麻実れい、三田和代、秋山菜津子、大和田美帆という、それぞれ舞台での実績ある4女優と、男優陣も名うての演技派の木場勝己、浅野和之、そして頭角を現している若手の古河耕史と豪華なキャスティング。
 

時代は昭和10年。演劇のメッカ、築地東京劇場に打ち合わせと称して集められた4人の女優が順番に登場して物語は始まる。この4人が集められた裏にはある大女優の死があった。

4人のライバル意識むきだしの会話に笑わされ、やがてそれぞれの大女優への恨みがあばかれ、さらに舞台裏に隠された真実や大部屋役者の思いなどが浮かび上がり、どんでん返しに次ぐどんでん返しのドラマが、7人の役者たちの丁々発止のやり取りで繰り広げられていく。
推理劇という形をとりつつ、映画や演劇と役者論を展開、ついにはその世界に生きることに魅入られた人間の本質を焙り出していくというこの舞台は、映画や舞台を愛した井上ひさしならでは深い洞察と思いがいっぱいに詰まった作品となっている。

 

そんな舞台で、古き良き時代の映画女優を魅力いっぱいに演じている4人の女優から、初日に向けて、コメントが寄せられた。


『キネマの天地』舞台写真1s

麻実れい/立花かず子役

井上さんの暖かなまなざしで描かれたバックステージ物語、“キネマの天地”には井上さんの愛と香りがあふれています。笑いと涙そしてサスペンス!お客様に、あー面白かった!!と、お帰り頂きたい。
その為に今、死にもの狂いで?最終の仕上げに心地良い緊張感の中、皆で頑張っています。


三田和代/徳川駒子役

時代や社会批判が、重いテーマとして作品に潜んでいるのが、井上作品の特長ですが、

これは演劇論、俳優論に徹した珍しい作品です。芝居に対する作家の愛と祈りを感じます。

初日を控えひたすら緊張しておりますが、お客様に笑って楽しんでいただけるよう、

頑張りたいと思います。


秋山菜津子/滝沢菊江役

こまつ座初参加なので、私なりに楽しみたいと思っております。

一風変わったこのお芝居、楽しんで頂けたら幸いです。


大和田美帆/田中小春役

殺人事件の犯人追及劇の間に見られるキネマという輝かしい世界の光と影や、

きっと客席から見たら笑っていただけるようなスター女優たちの嫌味合戦など、

見どころたくさんです。

舞台界の素晴らしい先輩方の中で、キネマの世界を生きたいと思います。
 

『キネマの天地』舞台写真2s

こまつ座

『キネマの天地』

作◇井上ひさし

演出◇栗山民也

出演◇麻実れい、三田和代、秋山菜津子、大和田美帆、木場勝巳、古河耕史、浅野和之

●9/5〜10/1◎紀伊國屋サザンシアター

●10/4〜5◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

●10/8◎盛岡劇場

●10/10◎川西町フレンドリープラザ(山形)

〈料金〉東京 7350円/学生割引5250円

大阪 7800円

盛岡 3500円

川西町フレンドリープラザ(山形)5000円


チケット取り扱い

こまつ座 03-3862-5341

こまつ座オンラインチケット http://www.komatsuza.co.jp/contents/ticket/index.html


【取材/佐藤栄子 文/榊原和子】 

演じ手とともに新しくなった『身毒丸』


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白石加代子と藤原竜也で1997年に再演してから、98年、2002年、08年と公演を重ね、海外でも高く評価されてきた蜷川幸雄&寺山修司の『身毒丸』が、新しいキャストで演じられている。

継母の撫子は大竹しのぶ、身毒丸は8523人の中から選ばれたという19歳の矢野聖人。

この組み合わせが、名作世界をどう塗り替えるかというのが、今回の大きな見どころである。


物語のオープニングは定番かつ何度見ても衝撃的な、「闇に弾けるバーナーの花火」で幕を開ける。

うら寂しいような懐かしいような古い日本家屋と、街並が整えられて、物語が始まる。

身毒丸の家には父と小間使いしかいない。母さえいれば完璧な家になるのだと父は母を買いに行く。大勢の女たちの中に、もと女芸人だったという撫子がいた。身毒丸と撫子の目が合った瞬間、父親は彼女を母に選ぶ。女には拾った連れ子があり、父は「お父さん」「お母さん」、そして「子供」が2人も揃って大満足である。撫子は子を欲しがるが、年老いた父は必要ないと相手にしない。

4人は団欒の時間に家族合わせゲームをするが、身毒は自分が疎外されているのを感じる。継母との距離は縮まらず、反抗する身毒に撫子は折檻してしまう。家を飛び出した身毒は、地下へ通じる奇妙な「穴」を持つ仮面売りの男に出会う。亡き母を求め、死人が棲むと言われている地下世界へ降りて行った身毒だが、そこで撫子の思いがけない姿を見ることになる。

やがて身毒が出ていった家では、義弟が跡継ぎとなって一見円満な日々が送られているが……。


撫子の大竹しのぶは、奥様に納まりながら、息が詰まるような家庭で鬱積していく情念を感じさせ、そのあまり狂気を帯びていく姿は、「女」そのものである。身毒丸を呪って髪を振り乱し釘を打つ様が、己の妄執を打つようにも見えて哀れささえも感じさせる。

身毒丸の矢野聖人は少年と青年の狭間にある危うい色気があって、後半で「男」の部分が見えてくるところはこれまでにない身毒だと言っていいだろう。

父役の六平直政は昭和の父親像をがっちりと描き出している。小間使いの蘭妖子、仮面売りの石井愃一といったいつものキャスト、また見世物小屋の人々が描き出すまがまがしい世界は、寺山ならではの日常に潜む悪夢の世界だ。


今回のいちばん大きな変更点はラストで、そこには母と子の幸せな道行きはない。そのかわり男と女の情念の果てが昇華されて描き出される。その結末を導き出したのは、大竹しのぶという女優の持つ「欲望」の強さであり、矢野聖人だからこそのセクシュアリティと言ってもいいだろう。

そんな二人の特性が、「母」へのタブーが強い寺山修司より官能の岸田理生に傾かせたとも言えるし、さらに書き加えるなら、愛をもてあます大竹(母)とそれに戸惑う矢野(子)の現代性は、どこか今日的な風景や事件までつながっていく。

そういう意味でも、古典化しつつあった『身毒丸』を壊そうとする蜷川幸雄のエネルギーを感じる舞台である。


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『身毒丸』

作◇寺山修司/岸田理生

演出◇蜷川幸雄

出演大竹しのぶ、矢野聖人、六平直政、蘭妖子、石井愃一、中島来星・若林時英(wキャスト)他

●8/26〜9/6◎天王洲 銀河劇場

●9/10〜12◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

●9/17〜18◎愛知芸術劇場大ホール

http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=165


【文/榊原和子 撮影/渡部孝弘】


西川貴教主演で人気ミュージカルを上演。『ロック・オブ・エイジズ』

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現在もブロードウェイで大盛況公演中の話題作で、2012年にトム・クルーズ出演で映画化もされるという『ロック・オブ・エイジズ』が、この秋、日本に初上陸する!

この作品は、2006年ロサンゼルスでの初演を成功に収め、2009年3月ブロードウェイに登場すると同時に大きな話題を集め、同年のトニー賞では作品賞を含む5部門にノミネートされている。
 

日本版の上演も豪華キャスト。キーマンのドリュー役を務めるのは西川貴教。T.M.Revolution でのライブ活動はもちろん、ミュージカルでも活躍しているだけに今回も期待は大きい。
ヒロインのシェリー役には、幅広いジャンルを歌いこなす島谷ひとみ。
そして、山崎裕太、高橋由美子、鈴木綜馬、川平慈英をはじめとする歌唱も演技も優れたメンバーが、ジャーニー、ボン・ジョヴィ、スティクス、REOスピードワゴンなどなど、永遠のヒットソングを歌い上げる!

そのバンドメンバーとして、Leda(DELUHI) と LEVIN(La'cryma Christi)が出演することに決定! 
毎公演、生演奏を届ける。

 

 


 

 

ロックミュージカル

『ロック・オブ・エイジズ』

作◇クリス・ディアリエンゾ 

演出・上演台本◇鈴木勝秀 

音楽監督◇前嶋康明  

出演◇西川貴教 島谷ひとみ/山崎裕太 高橋由美子 misono 藤田玲 石橋祐 明星真由美 /なだぎ武 鈴木綜馬・川平慈英 他 

バンド◇Guitar:Leda(ex. DELUHI)  Guitar:中村康彦  Bass:渡辺大 Drums:LEVIN (ex. La'cryma Christi)  Piano:前嶋康明 

●10/28〜11/6◎東京国際フォーラム・ホールC 

●11/11〜13◎森ノ宮ピロティホール (チケット発売日:10月1日) 

●11/19◎アルモニーサンク北九州ソレイユホール (チケット発売日:9月19日) 

http://www.rockofages.jp

 

 

 

 

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