稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

えんぶ最新号

『血は立ったまま眠っている』制作発表

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2010年、シアターコクーンの年明けを飾るのは、寺山修司が23歳で書いた処女戯曲『血は立ったまま眠っている』である。
60年代安保闘争を背景に描かれた鮮烈な青春劇は、底辺で生きる人間たちの憤りや葛藤が生々しく描かれている。
この衝撃的な戯曲に挑むのは、演出に蜷川幸雄。主人公の若きテロリスト2人には、最近舞台での活躍が目覚ましいV6の森田剛、初舞台にして蜷川作品に挑む窪塚洋介。そして窪塚の姉役に扮する寺島しのぶをはじめ、六平直政、三谷昇、金守珍、またこれが役者として初舞台というパンクロッカーの遠藤ミチロウなど、多彩な顔ぶれが揃った。蜷川幸雄中心に個性豊かな役者たち、総勢18名が集まった熱気溢れる製作発表の模様をレポートする。(森田剛さんの写真は都合により掲載できません)

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【出演者挨拶】

蜷川幸雄「この出演者を見ていただければわかるように、2010年の正月は禍々しい夢を見ていただこうと思ってます。無事初日が開きますかどうか、先ほどから賑やかなこのメンバー、雑多な感性を持った、身銭を払いながら生きてきた人たちと仕事をするのは楽しい。久方振りにいろいろ、あの手この手を使って、悪い夢を見ていただこうと思ってます。どうぞ期待してください。僕はこの仕事ができて本当に嬉しいと思っています。じゃ(出演者に)よろしくね」

森田剛「良役をやらせていだきます。稽古をしっかり頑張って、良い舞台をやりたいなと思います。みなさんよろしくお願いします。蜷川さんと仕事する気持ちですか?緊張してます。でも、声を掛けていただいて非常に嬉しく思っています」

DSCF1059窪塚洋介「初舞台になります。いつかは舞台をやってみたいなって思いは、ずっとあったんですけれども、なかなかタイミングが合わずにここまできました。未開のジャングルに素っ裸で入っていくみたいな気持ちがあります。コーディネーターが蜷川さんと言うことで、安心して委ねていきたいなと思ってます。実際台本を読んで、全然やっぱり映画の台本とは違うので、そんなことだけでも新鮮さを感じていたりはしてますけれども、一緒にあるプレッシャーみたいなものは集中力に変えて、稽古から楽しんでやってきたいと思います。よろしくお願いします」

寺島しのぶ「えっと、蜷川さんとは7年ぶりのお芝居で、7年前は確か稽古中に、私の芝居がダメで、目の前で胃薬を飲まれた記憶があって(笑)。それからちょっと7年も経ってるんで、もう、あんまりお互い若くはないので、迷惑を掛けないようにしたいと思います。とにかく本当に本が素晴らしいと思いますので、新春から生臭く匂い立つような、舞台を目指して頑張りたいと思います。よろしくお願いします」

遠藤ミチロウ「今日はありがとうございます。芝居と言うか演技をやることが生まれて初めてでして、小学校の学芸会さえもやってないので、そんな僕を使うって蜷川さんはすごいパンクだなって思います。もう本当に清水の舞台から飛び降りた気分でやってくれって言われましたけど、清水どころかなんかエッフェル塔から飛び降りるような気分で頑張りたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします」

金守珍「僕は、新宿梁山泊というテント芝居をやっていまして、唐十郎、寺山修司、そのアンダーグランドという大海原で、今まで泳いでまいりました。実は僕は蜷川と言う川で生まれまして、演劇のいろはから全部、蜷川さんから叩き込まれてます。蜷川さんのところで生まれて、修行に行ってくると言って戻らないまま迷い道に入っちゃって、本当に三十数年ぶりに、やっと蜷川の川に戻ってくることができました。こんな嬉しいことはありません。蜷川さんに恩返しできるかどうかわかりませんが、六平ともども、ちょっと寺山修司の世界を遊んでみたいと思います」

三谷昇「三谷昇です。まだ死んでません。2年前体調をくずしたんですが、一日たばこ40本、お酒も飲んでましたけど、それを一切禁止されて、珍しく僕としてはそれを忠実に守ったおかげだと思います。俳優を辞めるつもりだったのが、声を掛けられて、おっちょこちょいですから、今回も世界の蜷川さんから声を掛けられ、役を聞いたら77歳の老人。半世紀以上役者をやりましたが、私にピッタリの役は初めてです(笑)。絶対に成功させます! これは間違いありません。台本に77歳の老人と書いてあります。今、誰もできません(笑)。頑張ります」DSCF1062

丸山智己「えっと、すごい意気込みを聞いた後で(笑)、僕はもう何も言うことは、あまりありません。本当に、エネルギーをそのまま持っていって、難しいことは考えずに、爆発させて。僕の持ってるものは全部持っていって、たぶんおつりが返って来ることはないと思うので…とにかく何が出てくるかって言うのを楽しみにやりたいと思います」

蘭妖子「私は寺山さんの作品には沢山出てるんですが、寺山さんが30歳の時に出会いました。この作品は彼が23歳の時に書いたもので、まだ私も寺山さんと出会っていないときの作品、最初の作品に出られるのはとても幸せなことで、蜷川さんから声を掛けていただいて、本当に感謝してます。あの頑張り過ぎないように頑張りたいと思います」

江口のりこ「葉っぱ役をやらせていただきます。すごく楽しみな気持ちでいっぱいです。不安もあるんですけど、今日みなさんとお会いして、すごく賑やかな方たちなので、まぁとにかく(笑)、なんか嬉しい気持ちでいっぱいです」

柄本祐「えっと柄本です。ちょっと緊張しているんですが、あのほんとに、ちょっと、あの、ちゃんとやります。(笑)頑張ります。よろしくお願いします」

大石継太「寺山さんの作品は今回初めてなんですが、今このときに寺山さんの作品に出られてとても嬉しく思ってます。蜷川さんの演出と、すごいエネルギーのある役者さんたち。稽古するのが楽しみです。」

日野利彦「蜷川さんとは何回か芝居をやらせてもらってます。蜷川さんに怒られないように頑張りたいと思います」

市川夏光「この舞台に立たせていただくチャンスをくださったことを、心から感謝します。若輩者ですがノイズを残せるように頑張りますので、よろしくお願いします」

富岡弘「この作品が発表されました1960年に生まれました。来年50歳になります。50歳の最初の作品ですので、力の限り挑みたいと思います」

DSCF1064大橋一輝「たぶん座組の最年少になると思うので、元気良く、おもいっきりやりたいと思います。よろしくお願いします」

マメ山田「ハイ!マメちゃんですよろしくお願いします!今回このお話いただいて、大変嬉しく思っておりますので、張り切ってやりたいと思っておりますが、年が年ですからどこまで張り切れるかわかりません。みなさんの足を引っ張りながらやりたいと思いますので、どうぞよろしく、お手柔らかにお願いいたします」

六平直政「思い返せば、僕は唐十郎の運転手をやってたんですけど、あの寺山さんが、阿佐ヶ谷の河北病院で亡くなる日も、唐さんはもちろん寺山さんの親友でしたから、唐十郎を赤いコスモに乗っけて、病院に行って、ちょうどその夜に亡くなって。この本をやることになって、寺山さんがなんかこう、考えたら俺と繋がってんのかなぁーっと思うこともあって。なんかこう、むちゃくちゃドアングラみたいな芝居になったら面白いなと思ってるんですよね。蜷川さんもたぶん同じこと思ってると思うので、きっとなんか来年早々、むちゃくちゃな芝居が見れんじゃないかと思って、みなさんご期待くださいませ!」

【一問一答】

ーー長く暖めてきた作品ということで、上演を熱望した理由や作品の魅力を。

蜷川「この芝居は、俳優さんが関わることでどんどん面白くなる演劇だと思ってます。そういう意味では、この出演者が揃ったことが全てで、キャスティングの段階でどういう風になってるかってことを、ワクワクしながら、僕が一緒に走ろうという感じですね。
ちょうど1960年の時は、僕も俳優になりたてのころで、研究生としてデモに行ったり、この周辺のところにいたわけで、我々の鬱屈とかそういうものを垣間見るような形です。それを丸ごと再生してもしょうがないので、言ってみれば、渋谷の街の車越しにチラっと見えた光景のように、あれ?見えたかな?というような舞台にならないかなと。それを丸ごと再生するんではなくて、現在のサブカルチャーが蔓延している中で、ちょっと本物を見たぜ。あの光景忘れてたな。というような舞台にならないかなというのが僕の野心です。それを今やるってことに意味を見つけています。
そして、できるだけテレビでは見られないような舞台を作ろうと。あえて言い切ってしまおうと思います。どうぞ現場に来て、我々の「生」の舞台を見ていただきたい。言ってみればある種のライブのものですから、その魅力を充分発揮して、その事を鮮烈に見せることが僕の仕事だと思ってます」DSCF1083

ーー遠藤さんは蜷川さんだから出演されるのだと思いますが改めてその動機は?また提供する楽曲のイメージは?

遠藤「楽曲は寺山さんの詩に僕が曲を付けるっていう形です。僕が人が書いた詩に歌を付けるのは初めてなんで、結構苦労しています。しかも曲がブルースなんで。僕、実はパンクで、ブルースやったことなかったんで(笑)、実際ブルースってどうなのかって、ここんとこブルース聞きまくってます。変なブルースになると思います。(笑)。
蜷川さんとは実は、1986年に一度、『オデッセイ1986セックス』っていう、僕の歌と、ニナガワスタジオの人たちと、台詞のない芝居の合体したやつをやったんです。その時僕は歌うだけだったんで、結構その気になってやってたんですけど、今回はちょっと芝居があるっていうんで、今回そっちの方が、プレッシャーがでかくて、訛りなおりませんよ?って言ったら、いや、いいですよって。実際演技やったことないから絶対下手ですよと言ったら。演技なんて下手でいいんだよ!なんて蜷川さんに言われまして、それが逆にプレッシャーになりまして。どうなるか僕も本当に初体験なんで、プレッシャーを感じつつ楽しみたいと思ってます」

ーー森田さん、寺山修司の処女戯曲ですが、作品の印象は?

森田「読ませていただいて、台詞がすごく独特で彼の舞台ならではかなぁと思ってます。それからお話が難しいんで、今回心強いユニークな先輩がたくさんいますので、とにかく聞いて、稽古頑張って行きたいと思います」

ーー森田、窪塚、寺島さん、蜷川さんに対するイメージ、期待や恐れは?

森田「僕は過去二回舞台に出させてもらってるんですが、全く違う演出方法になるのかなと思ってます。蜷川さんとお会いした時に、自由に勝手に動けよと言われたんで、そういうプレッシャーを感じながら、自分なりに考えて頑張って行きたいと思います」

窪塚「一番最初お会いした時は、人の噂の話しか聞いたことがなくて、灰皿を手裏剣のように投げられたりとか、色んな罵詈雑言が飛び出すみたいなことは聞いてたんですけど、お会いして本当に、すごく懐の深い方というか、優しさ、慈悲か!ってぐらいの、優しさに満ちた人だったんで、逆に怖かったです(笑)、これが変わるんじゃないだろうかって、急旋回を稽古中に見せるんじゃないかとか(笑)。 
いろいろまだ不安な部分がありますけれども、そこは、やると決めたからにはね、やるだけなので、委ねてやっていこうと思いますけど、まだちょっとしかお話していないのですけど、蜷川さんの歩かれてきた道っていうのが凄く魅力的だと感じたので、そういう意味を含めて、蜷川さんの地位だったりとか、みんなからの名声だったりとかを超えて、凄く一人の人として魅力的な人だなと思いますので、そこに自然と、素直に、委ねられるなという思いになりました。なので楽しみです、稽古が」

寺島「私はほぼ森田さんと窪塚さんの間に存在している女性なんですけど、本当に蜷川さんは綺麗な男性には優しいので(笑)、また私がサンドバック状態になるのかな?という予感はしております…ハイ」DSCF1085

蜷川「僕ら7年間に渡って喧嘩をしておりまして、(寺島は)僕の芝居は全然見ていません。その原因はほぼわかってるんですが、これでようやく僕らが口をきく仲になったという(笑)。どうか誤解しないでください(笑)。この三人については、きっと上手くいくでしょう。しのぶともこれでようやく仲直りができるんじゃないかな?と期待しております。失礼しました。
ついでですが、遠藤さんとは、彼がスターリンというバンドをしていたころ、渋谷陽一さんの紹介で知り合い、ベニサンで一緒に『オデッセイ1986セックス』という作品をつくりました。その頃の演劇人はそれぞれ孤立していて、寺山さんと唐さんは仲良かったけど、僕は寺山さんとあまり接点がなかった。そういういろいろあった時代の作品です。そういう作品をできるのは僕の喜びです」

 

 

『血は立ったまま眠っている』

●2010/1/18〜2/26◎Bunkkamuraシアターコクーン

●2010/2/22〜28◎シアターBRAVA!

作◇寺山修司

演出◇蜷川幸雄

出演◇森田剛 窪塚洋介 寺島しのぶ 遠藤ミチロウ 金守珍 三谷昇 六平直政 大石継太 柄本佑 冨岡弘 丸山智己 蘭妖子 江口のりこ 他

 

<料金>

シアターコクーン S席¥9500 A席¥7500 コクーンシート¥5000(全席指定/税込)

<チケットに関するお問い合わせ>

東京公演/Bunkkamuraチケットセンター 03-3744-9912(11/29 前売初日特電) 11/30以降 03-3744-9999

大坂公演/キョードーチケットセンター 06-7732-8888

 

    【取材/岩見那津子  文/榊原和子】

 

 

『歌舞伎座さよなら公演 十二月大歌舞伎』稽古場と囲み

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改修のため来年4月以降はいったん休館となる現在の歌舞伎座で、宮藤官九郎が初めて歌舞伎の作・演出を手がける。タイトルは『大江戸りびんぐでっど』、昼の興行でのトリを努める。

また同じ12月の夜興行には、6年前に初演された野田秀樹の『野田版 鼠小僧』を上演。現代演劇界の人気作・演出家2人が顔を並べてのさよなら興行となる。

宮藤官九郎作・演出の『大江戸りびんぐでっど』は、江戸時代の町にゾンビが上陸、騒動を巻き起こす。また野田秀樹作・演出の『野田版 鼠小僧』は、鼠小僧を野田流にアレンジした風刺的作品。

 

この公演の公開稽古は11月25日に行われ、有明の広い倉庫を利用したもの稽古場に、50人以上の記者やカメラマンが集まった。高さも広さもたっぷりあるスペースを縦横に使って、実寸大のセットが組まれた中で、伸び伸びと役者たちは動き回っている。その中で演出をつける宮藤官九郎や野田秀樹。歌舞伎の役者たちとともに見る彼らの姿は、どことなく新鮮な感じがする。

宮藤の『大江戸りびんぐでっど』は、ゾンビの侵入にあわてふためく町の人々の様子と、ゾンビたちの襲撃の模様が、リズミカルなダンスや、現代的なセリフのやりとりで繰り広げられる。

野田の『野田版 鼠小僧』では、勘三郎の鼠小僧が、町の人々をからかう洒脱な一場が公開された。

 

DSCF1041その合間に行われた記者会見には野田、宮藤をはじめ、中村勘三郎、市川染五郎、坂東三津五郎、中村扇雀、中村勘太郎、中村七之助、片岡孝太郎などをはじめ、出演者全員がずらりと並んだ。

 

 

宮藤「稽古はいつもやってる日にちに比べると短いけど順調です。いい方向に向かってるかは(笑)。みんな見てる方向は一緒なんですけど、その方向があっているかどうか心配ですね(笑)。でも歌舞伎の人たちはすごいなと思いました。セリフや動きを覚えるのが早いので、なんか早くから稽古しちゃってすみませんって感じです。

なぜゾンビかっていうのは、僕が思う江戸っておおらかというか、意外とゾンビを取り込んでいくのかなと、そういうふうになるのかなと思っているんですが。

くさやについては、くさや汁で人間が生き返るというルールを作りまして(笑)、それにのっとってやってます。なぜゾンビかというとゾンビが好きなんです(笑)。怪談ってたくさんあると思うんですけど、ゾンビっていうのは魂がないのにそこにいるという感じが歌舞伎になりそうな気がしたというか、なんとなくしたんでしょうね(笑)。落語の要素も好きなのでいろいろ入ってます。

花道は、最初はびっしりゾンビで埋め尽くしたら面白いかなって思ったけど。さすがに埋め尽くすほどはいないです(笑)。でもなるべく埋め尽くしたいです。

歌舞伎を作るうえで苦労したのは、どういうふうに見得を入れていこうかなとか、一応歌舞伎を観た感じになってほしいなと思いました。好きな歌舞伎作品は、野田さんの『野田版・研辰の討たれ』を観たときにすごいいいなと、自由だなと思いました。

夜が野田さんの作品というのがすごく安心で、気が楽になりました。うちの親には夜に観にくるようにいいます(笑)」

 

DSCF1043野田「再演なんですが、歌舞伎という世界そのものが巨大な劇団でだなと。1つの演目ができてその再演だと、僕なんかほとんど覚えてなかったけど、稽古の最初のシーンから役者さんがどんどん進めてくれるんです。すごいなと思いながらも、あまり段取りよくいくところにちょっと問題もあるんだよねー、みたいなところもあります(笑)。

作品的には、鼠小僧は12月のために書かれた作品なんで、やっとちゃんとした季節にやれるなと。前は冬の話を夏にやってたので。レパートリーになっていくというのが歌舞伎では普通にありますから、再々演もまたあるかもしれませんね。

宮藤くんに関してですか?8年前に僕は宮藤くんみたいな立場にいたんだけど、少しずつ押し出されるように、年取ってきたのかなというか、墓場が近ずいてる気がしてます(笑)」

 

勘三郎「宮藤さんの本もすごく面白いと思いますし、本を読んでるより稽古場でさらに面白くなってます。宮藤さんには3年前から書いてくれ書いてくれとお願いして、ようやくあと1週間で実現します。

昼間に宮藤官九郎さんで夜に野田秀樹さんって、普通の小屋ならあり得ないですよね。そういう贅沢なことをさよなら公演のときに書いていただいてとても嬉しいと思いました。

新しいものを作り出し、再演もよりよいものにしたい。どっちも出てるけど、どっちも負けたくないというか、両方にテンションがあがっていくのが役者としては幸せです。宮藤さんの演出は、ずっと笑ってくれてるんですよ。でもそれだけにムッとした顔をすると恐いですね。でも役者を乗せるのはうまいので楽しいです。

さよなら公演2作が新作というのは、歌舞伎という定義はさておいて、江戸時代はその時々の作家が勢いで書いた作品が今残っているわけで。今回の公演は、まさに今を生きてる作家が才能をぶつけて演出してくれていることが嬉しい。同時に、それだけじゃなくて『野崎村』とか『身替座禅』が興行にあるなかで、こういうものがやれる時代になったっていうのはすごく嬉しい。

研辰の討たれ』のときに野田さんの「しないでじらし、されるがジェラシー」ってセリフを喋るのも恐かったのが、今は「リビングデッド」ですからね、10何年でここまで来たなと。三谷幸喜さんがそれを観に来て書いてくれて、その三谷さんの芝居にちょっと出たときに宮藤さんが観てて舞台から「今度書いてください」と言ったのが今回実現したので、全部縁なんですね

 

三津五郎「宮藤官九郎さんの演出ですか?僕はまだ要求されてるレベルに達してないので、あと1週間でそのレベルに達したいと。今、あんまりやりすぎると、今出てる芝居がめちゃくちゃになりそうなので(笑)」

 

染五郎「一座の感じですか、とにかく宮藤さんのお芝居にうまく乗ってやりたいと、その1点だけでやってます。役割りとしては話のストーリーテラー的な役割りもあったりするので、なんとか力ワザででももって行きたいです」

 

『歌舞伎座さよなら公演 十二月大歌舞伎』

●12/2〜26◎歌舞伎座

<料金>1等席¥16000 2等席¥12000  3階A席¥4200  3階B席¥2500  1等桟敷席¥18000 (全席指定/税込)     

<チケットに関するお問い合わせ>

チケットホン松竹 03-3490-4949 

チケットWeb松竹 
http://www1.ticket-web-shochiku.com/p/(パソコン)

http://www.ticket-web-shochiku.com/(携帯)

 

 

               【取材・文/榊原和子】

 

 

小手伸也主演映画『不灯港』を観るチャンス!

今はもうすっかり晩秋ですが、暑かった夏。
花火、海水浴、すいかetc.
夏は短くて、楽しいことがありすぎて、
私はついうっかり、一つだけやり残したことがありました。

それがこの映画『不灯港』を観ることです。

不灯港

寂れた港町で父親から継いだ船で、
漁を続ける漁師万造38歳。
不器用な彼が、恋に落ち、
灰色だった生活に、彩りが・・・。

無骨なロマンチスト、万造に分するのは
劇団innerchildを主宰し、俳優としてNODA・MAP、
劇団☆新感線など人気の舞台に多数出演している小手伸也さん。
低く太いお声、立派なお体、濃いお顔が、渋い漁師にピッタリ。
これを見ずに年は越せないと
地方の映画館に遠征をする覚悟でした。

ところが、今月28日、池袋にある新文芸坐で、
1日だけ上映されるとの情報をキャッチ!

新文芸坐では、23日より12月5日まで、
気になる日本映画たち」と題して、特集上映が行われます。
宮藤官九郎監督の『少年メリケンサック』や
劇団はえぎわを主宰しているノゾエ征爾さんが出演する
ウルトラミラクルラブストーリー』(松山ケンイチ主演)など
気になっていたけど、見逃してしまった映画が満載!
しかも30日には『美代子阿佐ヶ谷気分』が上映され、
今、駅前劇場で毛皮族に出演中の町田マリーさんと坪田義史監督のトークショーがあります。

これはもう行くしかない。
寒くなってきたこの時期。
暖かい映画館で、見逃してしまった映画をまとめて観よう!

【文・矢崎亜希子】
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