稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

観劇予報は2019年2月20日に引っ越しました。
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2017年04月

三宅弘城扮する完璧なる執事・鎌塚アカシが帰ってくる! シリーズ第4弾『鎌塚氏、腹におさめる』詳細発表!

鎌塚4宣伝写真

舞台版「スクリューボールコメディ」として好評を博している倉持裕作・演出、M&Oplaysプロデュース「鎌塚氏」シリーズ、その第4弾『鎌塚氏、腹におさめる』が、8月5日より本多劇場にて上演される。この度そのヴィジュアル及びあらすじが解禁となった。

NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の亀助役で大ブレイクを果たした三宅弘城が完璧なる執事・鎌塚アカシとして活躍するこのシリーズ、これまで『鎌塚氏、放り投げる』『鎌塚氏、すくい上げる』『鎌塚氏、振り下ろす』を上演してきた。今回は、鎌塚氏が探偵ポワロよろしく?あるお屋敷で起こる殺人事件を解決するために奮闘する新作コメディとなる。
 
共演には、鎌塚氏の相棒で推理小説かぶれの伯爵令嬢に二階堂ふみが扮するほか、映画やドラマで活躍中、倉持裕の舞台『家族の基礎』で革命家の役を演じた眞島秀和、お笑いユニット我が家の谷田部俊、主演の三宅とともに、スミキチ役でシリーズすべてに出演している玉置孝匡、ドラマに舞台に、個性的な演技が光る猫背椿、コントからシリアスまで、幅広い役柄をこなす大堀こういちといった個性的で賑やかな顔ぶれが登場する。

【『鎌塚氏、腹におさめる』概要】

■時/現代
■場所/貴族制度が続いている世界の日本。綿小路公爵家の広大な敷地にある様々な場所
■登場人物
鎌塚(かまづか)アカシ/綿小路公爵家執事長・・・三宅弘城
綿小路(わたのこうじ)チタル/綿小路家令嬢・・・二階堂ふみ
鬼集院(きじゅういん)ヤサブロウ/爵位は伯爵、チタルの母方の叔父・・・眞島秀和
毛呂(もろ)ヨシミ/綿小路家庭師・・・谷田部俊
宇佐(うさ)スミキチ/ヤサブロウの従者・・・玉置孝匡
太田代(おおたしろ)テマリ/綿小路家料理女中・・・猫背椿
綿小路ナオチカ/綿小路家当主、チタルの父・・・大堀こういち

■あらすじ
名家、綿小路家の当主であるナオチカ公爵は相当な癇癪持ち。どんな使用人も長続きしない。そこでついに「完璧なる執事」鎌塚アカシの出番となった。さすがはアカシ。十手先を読む仕事ぶりで、公爵に怒鳴る隙を与えない。
そんな公爵には探偵小説にのめり込む一人娘のチタルがいる。アカシにとっては主人のナオチカよりもこのチタルの方が扱いにくい。彼女は、昼間に何度も眠りに落ちる特異体質だったのだ。
屋敷に出入りする者の中に、チタルの母方の叔父、鬼集院ヤサブロウ伯爵がいる。毒舌家で誰の目にも嫌なやつだ。自分の姉(チタルの母)が早死にしたのを公爵のせいにして恨んでいる。チタルはこの叔父が大嫌いだった。
ある日、綿小路家に大事件が起きる。ナオチカ公爵が、屋敷の倉庫の中で遺体となって見つかったのである。遺体の背中にはナイフが深く刺さっていて、殺人事件であるのは明白。ところが発見当時、その部屋のドアには内側から鍵が掛かっており、つまり完全な密室殺人だったのである。
警察はすぐにさじを投げてしまうが、一人娘でしかも探偵かぶれのチタル、そして「完璧なる執事」鎌塚アカシが黙っているわけがない。かくして二人の捜査が始まる。
容疑者はもちろんヤサブロウ伯爵だ。アカシとチタルは、伯爵の犯行の証拠を突き止めるべく、庭師のくせに草木をすぐに枯らしてしまう毛呂ヨシミと、同時に二つのことが出来ない料理女中・太田代テマリに協力を仰ぎながら屋敷中を駆け回る。
一方、自分に容疑がかけられていると知ったヤサブロウ伯爵は、従者の宇佐スミキチにアカシとチタルの捜査を妨害するように命じる。
アカシとチタルの捜査は、何度となく脇道にそれつつも、徐々に核心へと近づいていく。果たして密室殺人の謎は解けるのか? 真犯人は誰なのか……?

〈公演情報〉
M&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、腹におさめる』
作・演出◇倉持裕
出演◇三宅弘城、二階堂ふみ、眞島秀和、谷田部俊、玉置孝匡、猫背椿、大堀こういち
●8/5〜27◎本多劇場
●8月〜9月◎愛知、大阪、島根、広島、宮城、富山、静岡にて上演
〈前売り開始〉6月10日(土)
〈料金〉前売・当日共¥7,000 U-25チケット¥4,500(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉M&Oplays 03-6427-9486(平日:11:00〜18:00)
〈M&OplaysHP〉http://morisk.com


ギリシア悲劇『エレクトラ』で共演! 麿赤兒・白石加代子インタビュー

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父を暗殺した母とその情夫への姉弟の復讐が描かれるギリシア悲劇『エレクトラ』。このドラマティックな作品が、豪華出演者と鵜山仁演出によって、4月14日〜23日の世田谷パブリックシアターを皮切りに、新潟、兵庫、相模原、水戸で上演される。
キャストは、母であるクリュタイメストラに白石加代子、娘のエレクトラに高畑充希、父アガメムノンは麿赤兒、そして弟オレステスには村上虹郎という、まさに新鮮な組み合わせとなっている。

今回、クリュタイメストラを演じる白石加代子はこの役はなんと4度目。一方、ギリシア悲劇にはこれが初出演となる麿赤兒。そんな2人に、作品と役柄のこと、そして演劇界に旋風を巻き起こした状況劇場、早稲田小劇場時代について話してもらった「えんぶ4月号」の記事を、別バージョンの写真とともにご紹介する。

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世界一怖い女性の役がなぜ何度もくるのか

──麿さんは『エレクトラ』は初出演ということですが。
麿 僕はギリシア悲劇自体が初めてです。アレンジした踊りは作ったことがありますが。
白石 私はクリュタイメストラをこれまで4度演じているんです。なぜこの世界一怖い女性の役が何度も私のところにくるのかしら!(笑)という気持ちです。
──この役の激しい愛憎とか情欲などを演じられる人は、そう簡単にはいないからでしょうね。
白石 そのへんは1人の女としては、私にはないものですが、演じる楽しみはあります。いつもなんとか寄せ集めて、掻き立てながらやってきましたが、でももう出し尽くしたと思っていたのに(笑)、ああ、私はまたこの役をやるのかと。
──女性としては、エレクトラの復讐心のほうが理解できないという声もあります。
白石 確かにそうですね。でも父親を崇拝するあまり母親を憎むというふうに捉えたら、わかる気もします。今回のエレクトラの(高畑)充希ちゃんが若いから、以前『グリークス』(00年)で演じたときのように、血みどろで猛々しい母親という一面だけでなく、もう少し女の弱くて優しい部分も盛り込もうかなと。相手役も、『グリークス』では平(幹二朗)さんでしたが、今回は麿さんですから、また違うものになると思います。
──お二人の共演は?
麿 3度目ですね。『ゴドーを待ちながら』(94年)と『常陸坊海尊』(97年)かな。
白石 麿さんのことは状況劇場の時代から拝見していて、テントにのしのしと出ていらしただけで、どう言えばいのかしら、人間の肉体を超越した彫像のような、まるでギリシア悲劇の原型そのものというか、神のような…そういう存在でした。
麿 自分では全然分かりませんが(笑)。
──今回のアガメムノンについてはどう演じようと?
麿 今は導かれるままにとしか言えないんですが(笑)、他に老人やアポロンやトアス王という役も演じるので、勝手に共通項を見つけたいとは思ってます。
白石 今、おっしゃったことでピンときたのですが、今回の台本は、今までにない台詞が入っているんです。「父親と母親というものがいて、父親を好きな人間と母親を好きな人間がいる」なんて。つまりこの物語は男と女の闘いであり、父性と母性のせめぎ合いのようなものかもしれないなと。そう考えると、クリュタイメストラの解釈もまた変わってくるのかなと思います。

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それぞれの集団で特権的肉体だった2人

──先ほど白石さんから状況劇場の話が出ましたが、麿さんは早稲田小劇場は?
麿 観てますよ。喫茶「モンシェリ」の上にあった劇場にもよく行きました。その時代の早稲田小劇場で、加代子さんは1つの時代を作りましたからね。周り中から「とんでもないのが入ってきたぞ」と(笑)。
白石 早稲小と状況は交流はあったんですよね。早稲小は状況以外の劇団はちょっと無関心で(笑)、でも状況のことは無視できなかったの。
麿 僕らのほうはバカにされてると思って開き直ってましたからね。忠さん(鈴木忠志)を後ろから襲ってやろうかと(笑)、背が高くて背広着てカッコいいから。僕らは馬車馬みたいになって芝居やってるのに(笑)。
白石 いえいえ、めくるめくような方ばかりでした。あの時代って寺山(修司)さんも私たちも、唐(十郎)さんも外国にどんどん公演しに行きましたよね。演劇が文化の先頭切って走っていた時代で、そういう時代が一瞬だけどあったの。
──文化を牽引していましたし、演技スタイルでも革命を起こしました。
麿 加代子さんが入ったことで早稲小のスタイルが変わったんです。忠さんにとって白石加代子は特権的肉体だったわけです。
白石 「特権的肉体」は唐さんの言葉で、状況の皆さんこそ、そのものでした。
麿 ただ、アングラ時代は演技論が確立していたわけではないんです。それこそ早稲小では加代子さんを通じて出来てくる、唐にとっては僕ら役者たちを通じて出来てくる、そのベクトルから生まれた。そして、そういう破天荒と言われるような、傍若無人で実験的なところから、僕自身もぽつぽつ拾ってきたものがあるんでしょうね。

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舞台の上で5分、観客の目に耐えられればいい

──そういうお二人だからこそギリシア劇でもそのままで存在できるわけで、肉体も精神も鍛え方が違うという気がします。
白石 麿さんはその後、舞踏で徹底的に身体を検証していらっしゃって、私なんか足下にも及ばないですけど、こうやって40年、50年経ってから、2人でギリシア悲劇をやらせていただけるというのは、何かエッセンスは残ったんだなと思います。集団でよく演出家に言われたんです。「舞台の上で5分、客の目に耐えられればいいよ」と。5分飽きないで観てくれればすごいことなんだと。麿さんの舞踏は、そういうことを言葉を使わないでやっている。その基本は同じなのかなと。私はあまり色々なものを巧みに演じられるほうではないのですが、全部削いでしまっても1つだけ、せめて5分耐えられればいいかなと。そして内容が充実している本と演出に寄り添っていけば、お客様は最後まで観てくださる。だから基本はそれで、麿さんもそういうことを常に考えながら来られたのかな…。
麿 踊りはそこにいればいいんですが、いるにはどうしたらいいんだというのがある。その空白までお客さんは観てくれるだろうかと。お客さんの想像力というのは裏腹ですからね。そのために言葉や声があるといいのですが、手続きだけに終わるとつまらない。ましてやギリシア劇は、内臓から出てくるような言葉をそのまま吐き出すみたいなもので、それを言語化されているのが加代子さんなんです。
──そんなお二人が、この作品へかける思いを最後にぜひ。
白石 私にとって今回で4度目になるこの『エレクトラ』ですが、ギリシア劇といっても、今回はちょっと室内劇のように空間を狭めたものになりそうで、人間関係が少し細かく繊細に出てくるかなと思っているんです。麿さんとの夫婦関係がどうなるか楽しみですが、あまり会話がないんですよね。
麿 すぐ殺されてしまうから(笑)。アガメムノンは白石さんと高畑さんから抽出するしかないと思っているし、それぞれの違う視線を引き受けるので、ちょっとピカソの絵のように歪んだ姿になるんじゃないかな。
白石 エレクトラが喋るお父さん、私が喋る夫はぎくしゃくしますからね。
麿 いっそ出てこないほうがいいかもしれない(笑)。そんな大層な親父じゃないということで(笑)。

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白石加代子・麿赤兒

まろあかじ○奈良県出身。64年より土方巽に師事、65年、唐十郎の劇団「状況劇場」に参画。唐の「特権的肉体論」を具現化する役者として、演劇界に大きな変革の嵐を起こす。72年、舞踏カンパニー「大駱駝艦」旗揚げ。国内外で新作を上演し続けながら、役者としても映像、舞台で活躍中。近年の主な舞台は『毛皮のマリー』『荒野のリア』『レミング』など。舞踏批評家協会賞、文化庁長官賞表彰、ダンスフォーラム賞・大賞、東京新聞制定「第64回舞踊芸術賞」などを受賞。

しらいしかよこ○東京都出身。67年、劇団早稲田小劇場(現SCOT)に入団。黎明期小劇場演劇の興隆のなか、数々の伝説的名舞台を生んだ。89年、SCOTを退団。以来、映像や舞台で幅広く活躍中。最近の主な舞台は『百物語』『笑った分だけ、怖くなる』『死の舞踏』『漂流劇 ひょっこりひょうたん島』『愛情の内乱』『原作ミヒャエル・エンデより〜オフェリアと影の一座』 など。読売演劇大賞優秀女優賞、芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章、旭日小綬章、菊池寛賞など受賞多数。


〈公演情報〉
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りゅーとぴあプロデュース『エレクトラ』
演出◇鵜山仁
原作◇アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデス(ギリシア悲劇より)
上演台本◇笹部博司
出演◇高畑充希 村上虹郎 中嶋朋子 横田栄司 仁村紗和/
麿赤兒 白石加代子 
4/14〜23◎世田谷パブリックシアター、
4/25・26◎りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場、
4/29・30◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、
5/2◎相模女子大学グリーンホール 大ホール
5/6・7◎水戸芸術館・ACM劇場
〈お問い合わせ〉MTP 03-6380-6299
http://www.ryutopia.or.jp/performance/event/303/ 





【取材・文/宮田華子 撮影/安川啓太】



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抱腹絶倒のタクフェス 春のコメディ祭!『わらいのまち』開幕!ゲネプロ&囲みインタビュー

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あたたかい笑いと切ない涙で感動を誘う宅間孝行主宰「タクフェス」。今春は最初から最後まで笑える「タクフェス 春のコメディ祭!」と銘打ち、2011年に初演された『わらいのまち』を再演。キャストを大きく変えて、笑いのエンターテインメントとして上演する。

『わらいのまち』は、とある寂れた温泉旅館を舞台にした、宅間孝行初の「暗転なし」「転換なし」「ノンストップ」で繰り広げられる一幕物の舞台。初演に引き続き、仲居のくにゑ役に柴田理恵、コメディ初挑戦となる永井大、映像に舞台にめざましい活躍の柄本時生、昨年の初舞台に続き2度目の舞台出演となる鈴木杏樹など総勢15名で繰り広げるドタバタ喜劇だ。その公演が3月30日に東京グローブ座で開幕した。(4月12日まで)。

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【あらすじ】
何の名所も特産品もない寂れた田舎町の温泉旅館「まつばら」に国会議員の大関代議士(橋本真実)が、泊まりに来ることになった。明日から始まる町の未来をかけたお笑いイベントを視察にやってくるのだ。町おこしの実行委員長を務める「まつばら」の次男の松原信雄(永井大)、三男で板前である松原将雄(柄本時生)、仲居のくにゑ(柴田理恵)、真知子(鈴木杏樹)も大喜び。しかし、この日になって、長年音信不通だった疫病神とあだ名のヤクザの長男の松原富雄(宅間孝行)が、帰ってくるというのだ。一体なぜ? 何のために? みんなが慌てふためく中、富雄がとうとう帰ってきてしまう。とにかく、無事に視察を終わらせたい面々は様々な嘘と方便を使って、富雄をごまかしていくのだが、行き違いやら勘違いが交錯する羽目になって、最後には……。

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舞台は鈴木杏樹演じる仲居の真知子が風呂場の暖簾をくぐるところから始まる。彼女が独り言のように達者な大阪弁でギャグをかませば、一気に笑いが広がっていく。「春のコメディ祭!」の開幕だ。

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コメディ初挑戦となる永井大は次男の信雄。頼りない長男の代わりを務めようと必死になるが、そのあまり空回りしてしまう、その面白さを真面目に丁寧に演じてみせる。
板前である三男の松原将雄役の柄本時生は、末っ子の甘えたがり屋で、常に頼りなげな様子をまるで素のままのように演じてみせる。セリフまわしも淀みなく、身体表現も豊かで、キャラクターを饒舌に伝える。
 
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真知子役の鈴木杏樹は、これが2度目の舞台というのが嘘のように落ち着きがあって、ネイティブである関西弁を駆使してのギャグも自由自在、笑いをさらっていく。

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同じく仲居のくにゑは柴田理恵。宅間作品の常連だけあって、言うことなしのコメディエンヌぶり。ギャグはもちろん、少し展開の早いストーリーをセリフでフォロー、勘違いや行き違いを交通整理してくれる。おかげで観客は置いて行かれずに物語に楽しむことができる。

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新町朋美役の岡本玲はワケありげな顔で赤ん坊を抱いて登場。彼女は秘密を抱えている役で、唯一シリアスな雰囲気を醸し出す。

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水道工事夫の太役の土平ドンペイは、すぐに故障する宿のトイレを修理をさせられることになり、ことあるごとに登場。彼が出てくるだけで1つの笑いの仕掛けになっている。

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また、探偵・若松役の佐藤祐基は、黒のスーツにハットという姿でカッコいいのだが、どうみてもハードボイルドものの探偵のパロディといった感じ。
若松と一緒にやってくるのが、大学病院で医者をやっている小谷役の冨永竜。彼はこの宿に彼女を探しに来たらしい。小谷の秘密は大詰めの笑いのネタとなっているのだが、そこまでのタメをきっちり抑える。

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さらに、打ち合わせにきたイベントのPR会社の担当者たち、山吹あかね役はえまおゆうで、あかねは足が臭くてデリカシーのない女性というキャラクターだが、これを元宝塚トップスターのえまおが面白おかしく演じて女優魂を炸裂させる。
自称"美貌で生きる女"石嶺小百合役の松本若菜は、目鼻だちのはっきりした美貌の持ち主だが、自分でもそれを鼻にかけている様子がおかしく、可愛らしさも感じさせる。

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この家の疫病神である長男、松原富雄が帰ってくると伝えにくる寺の住職・寂蓮役の尾関伸嗣は、事情を知らないようで知っているフリをする様が可笑しい。
富雄が帰ってくるという噂を聞きつけて殴り込みにくるかつこ役のブルは、女子プロレスラーという役どころで、スリッパで男性・女性を問わずひっぱたくというインパクト満点のキャラクター。

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そしてこの作品の真打ち、松原富雄役の宅間孝行が登場。富雄はとにかく面倒と混乱を持ち込む男で、弟の信雄は彼をここから去らせようと嘘をつくのだが、それがすべてのドタバタの始まりとなる。
富雄は客間にいた小谷たちを中国人だと勘違いしてしまい、一方、仲居たちは彼らを代議士らしいと思い込んで丁重に扱ってしまう。

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そこに本物の代議士・大関杏子役の橋本真実と秘書の神村役の辻本祐樹がやってくる。橋本の上から目線の喋り方は政治家の傲慢さを感じさせる。また秘書の神村は、実は大関を嫌いで裏で政治家の悪態をつく。そんな屈折を辻本が巧みに表現、語られる時事ネタが今の社会批評にもなっている。

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富雄は石嶺小百合に一目惚れ。だが、とあることで小百合と信雄が恋仲だと勝手に思い込んでしまい、それを聞いた真知子は、信雄のことが好きで告白までしてしまっただけに、ショックのあまりに日本酒一升瓶を2本飲んでしまう。

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そのうえ、小谷たちは中国マフィアで、この宿に止まっている代議士を狙いに来ているという話になり、事態はどんどん収拾がつかなくなっていく。
とはいっても、最後はバラバラのピースを1つのパズルへと完成させるのが宅間孝行のすごさで、ひねりも入れた展開の面白さと、コメディと銘打った作品であっても涙もあれば人生を考えさせるテーマ性も落とし込んでいて、だからこそ観客を惹きつけるのだろう。

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そしてやはり役者としての宅間孝行も見逃せない。周りに迷惑をかけながらも、芯にはぶれない正義感や反骨心を持っていて、不平等な世界に立ち向かう富雄の姿は、とにかくカッコいいのだ。そして演出家としては、暗転なし、転換なし、ノンストップで繰り広げられる1幕もののコメディの面白さを正攻法で見せてくれる。
 
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さらにタクフェスならではのお楽しみがたくさんあり、前説やチェキ会、フリートークに近いアドリブ合戦、最後にはダンス、ボンボンでの人文字もあって、本編プラスお楽しみ満載の舞台だ。笑って笑って、ちょっとだけしみじみする。桜咲く春に似合いの明るく感動的な舞台である。

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【囲みインタビュー】

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『わらいのまち』の初日前日に、プレス用の公開舞台稽古と囲みインタビューが行われ、宅間孝行、永井大、柄本時生、柴田理恵、鈴木杏樹が登壇した。

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宅間孝行(松原富雄役)
お芝居は、お客さんが入って、育ててもらうところがあるので、お客さんから教わるほど、いろいろ変わっていくと思います。まずは稽古場でやっていたことを見せていきたいな。タクフェス名義ではコメディは初めてですけど、いつも8割はお客さんに笑っていただきたいと思っているので、コメディだからという意識はないです。逆に言うと、いつものタクフェスだと泣かせてくれるだろうと最前列の方がタオルを持っていらっしゃる。それがプレッシャーになるので、コメディの時はそこまでプレッシャーは感じなくて楽しんでやれますね。今回は泣かせるシーンはおまけで、笑っていただきたい。ちなみに、今日のゲネプロはですね、永井大(マサル)がミスをしていたので、てめえマサル、このやろうって、思ったんです。「柴田姉さんの一番美味しいネタを吹っ飛ばしたな、マサル」って思ったら、それ僕でした(笑)。杏樹さんが助けてくださったんですけどね。チームワークがすべてですね。今日ご覧いただいて、我々は芝居というよりはイベントとしてお客さんに楽しんでいただきたいと思っています。チケット代8000円というのは、安くありません。ただ、ディズニーランドのフリーパスが7800円で、そこに負けたくないなという気概を持って、8000円分を楽しませるぞという気持ちで臨んでいきたいと思います。劇場でお待ちしております。ちなみに、最後のボンボンのところは、カタカナで「みんなありがとう❤」︎とやろうとしたのに、全然できなくて、これは明日までの宿題ですね。できなくて実際に声出しちゃいましたからね(笑)。

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永井大(松原信雄役)
いよいよ本番が間近だなという緊張感が走りますね。お客さんがさらに多くなって、出ている時の景色も変わるし、そこでお客さんに育ててもらうこともあるんです。千秋楽まで、どういう風に、どういう感じで走っていけるのか楽しみですね。やはりお笑いは、ボケるのが難しいと思います。僕は実行委員長の役なので、明日大イベントがあるんだという、楽しさを届けるような表現をできたらなと思います。コメディは初挑戦ですが、コメディの難しさを経験させていただいて、ありがたいです。間だったり、セリフの言い方だったり、テンポだったり、日常的にふざけているのを、お客さんに直接届ける表現が難しくて、考えれば考えるほど、頭が固くなってしまうので、それを取り除いた時に、伝えたいものが伝わるのかなと思います。

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柄本時生(松原将雄役)
お笑いがどれだけ難しいものか、柴田さんや宅間さんに教わったりして、勉強になり、楽しくやらしていただきました。本番が始まってお客さんがどういう反応をしていただけけるか楽しみですね。この中では一番年下なので、言いづらいことはあるんですけど、稽古はツラ(辛)楽しいです。稽古は辛いですよ。宅間さんは俺が一番辛いって叫んでるんです。リーダーが辛いというんだから辛いんですよね。だけど楽しい。辛いことも楽しいこともあって出来上がっていくんだなと実感しています。

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柴田理恵(くにゑ役)
お笑いは、お客さんの反応を見て、自分たちの演技も変わっていくと思うので、そこが勝負です。私のシーンをすっ飛ばしたときは、宅間さんがマサルくんにめくばせしていたんです。それが宅間さんだったなんて(笑)。展開の速さが見せ場ですね。次から次へ、入って出ていく、パズルのようにバラバラで、一つの事柄の捉え方がぜんぜん違う。そこでこんがらがって、最後に集結していくのが、この舞台の妙味ですね。我々のセリフと出入りで、鮮やかに編んでいけたらいいと思います。こうやって、一つの喜劇を作り上げていくのは難しいけれど、面白いなと思います。私は初演の時も出演しましたけれど、別物ですね。出演者が変わっているので、生まれ変わったようで、新鮮で面白いです。稽古はツラ楽しいですけど、暗闇から光明が一筋見えた時に、生きててよかったと思えるんですよ。

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鈴木杏樹(真知子役)
私はコメディが初めてですので、お客さんの反応ですとか、こちらとの兼ね合いで、何が生まれるのかわからないので、それを経験することが明日から楽しみです。コメディエンヌとしては先輩の柴田さんを見習いながら演じていきたいですね。今回は上手に大阪弁に変換できることができるので奇跡です。真知子さんになると自然と関西弁になるので大丈夫です。生まれが関西で、物心がついた時から、吉本新喜劇に育ててもらっているにもかかわらず、笑いを表現することが、いかに難しいか身にしみて感じました。

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 〈公演情報〉
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タクフェス 春のコメディ祭!『わらいのまち』
作・演出◇宅間孝行
出演◇宅間孝行 永井大 柄本時生/柴田理恵 鈴木杏樹 ほか
●3/30〜4/12◎東京グローブ座、
4/14〜16◎中日劇場、
4/18〜23◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
〈お問い合わせ〉東京/サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜18:00)
http://takufes.jp/warainomachi/


【取材・文・撮影/竹下力】



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劇場×ホテル×飲食の複合施設「浅草九倶楽部(ココノクラブ)」グランドオープン!

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浅草の新しい劇場「浅草九劇」は3月3日に開場し、ベッド&メイキングスやカンパニーデラシネラなどがすでに公演を行っているが、その建物『浅草九倶楽部(ココノクラブ)」が4月1日にグランドオープン。その開業記念イベントにタレントの眦脹簓Г登壇した。
 
この「浅草九倶楽部」は、長谷川京子や新垣結衣らが所属するレプロエンタテインメントが手がける、劇場・ホテル・飲食の複合施設。イベント前には同施設がある浅草・ひさご通りを、レプロエンタテインメン所属の若手タレントによるちんどん屋ユニット「咲九楽(さくら)」と、人気若手劇団「劇団子供鉅人」が練り歩きを行ない、開業に華を添えた。
 
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同施設オリジナルの赤の法被を着用した眦弔蓮台東区長の服部征夫氏や、カフェ・カンパニー(株)代表取締役の楠本修二郎氏らと共に記念の鏡開きを行なった。乾杯時には、眦弔「この新しい劇場から、日本はもとより、世界に通用する若きエンタテイナーたちよ、出てこいや!!」と決め台詞を披露すると、集まった観客達から歓声があがった。イベント後には地元住人らに振る舞い酒が行なわれ、大盛況の中開業を迎えた。
 
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『浅草九倶楽部』とは、演じる人、創る人、観る人。暮らす人、通過する人、留まる人ら、三者三様九重の個性が出会い生まれるエンタテインメントを”芸能の聖地”浅草から発信するプロジェクト及び施設名として名づけられた。2階の劇場『浅草九劇(アサクサキュウゲキ)』は、一足はやく3月3日(金)に開業。ベッド&メイキングスやカンパニーデラシネラなど演劇界で最も旬な劇団が参加したこけら落とし公演のチケットも完売となる盛況ぶりを見せている。4月7日からは同社所属の若手女性タレントによる公演『ローファーズハイ!!』がスタートする。
また劇場部分以外のホテル『WIRED HOTEL』とカフェ&バー『ZAKBARAN』は、WIRED CAFE等を手がけるカフェ・カンパニー株式会社が運営。同社は初のホテル事業進出となる。
観て、食べて、泊まって楽しめる、浅草の新たなエンタテインメント複合施設『浅草九倶楽部』に今後注目が集まりそうだ。

浅草九倶楽部 
住所:東京都台東区浅草2-16-2


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末満健一の「TRUMP」シリーズ最新作『グランギニョル』がこの夏、染谷俊之・三浦涼介の出演で上演!追加キャストも発表!

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染谷俊之、三浦涼介

不死を失った吸血種《ヴァンプ》たちが、永遠の命を持つとされる吸血種《トランプ》の不老不死伝説に翻弄されていく。
大人気舞台『刀剣乱舞』の脚本・演出を手掛ける劇作家・末満健一が、ライフワークに掲げ、’09年より展開する「TRUMP」シリーズの新作がこの夏、東京・大阪にて上演される。その新作に、染谷俊之、三浦涼介の出演が決定した。
舞台『私のホストちゃん REBORN』や『剣豪将軍義輝』主演等、出演作が相次ぐ染谷と、ミュージカル『手紙』や『黒執事〜NOAH’S ARK CIRCUS〜』で、その演技と確かな歌唱力で魅せた、俳優とミュージシャンの顔を併せ持つ三浦。人気と実力を兼ね備えた2人の共演となる。
新たな伝説の幕開けを予感させる、「末満×染谷×三浦」が作り上げる『グランギニョル』に期待が集まる。

【ものがたり】
特権階級である貴族家系の家督者であり、吸血種の統治機関《血盟議会》の若手議員でもあるダリ・デリコ。ダリはある日、血盟議会より停職処分を受けるが、上司ヨハネスよりある事件を秘密裏に捜査することを命じられ、下級議員マルコとヴァンパイアハンター歌麿と春林らと事件を追う。やがて、《黒薔薇館》という社交倶楽部が捜査線上に浮かびあがる。
混迷する人間関係、血盟議会という巨大組織との対峙、陰謀渦巻く黒薔薇館、そして吸血種の間で伝承される原初の吸血種《TRUMP》の不死伝説──事件を解き明かした先で、ダリがたどりつく真実とは?

末満健一
脚本家・演出家・構成家・俳優。舞台『刀剣乱舞』の脚本・演出、TVアニメ『ボールルームへようこそ』(今夏放送予定)のシリーズ構成・脚本など、幅広いジャンルの作品を手掛ける。独自の耽美な世界観に基づいて紡ぎだされる作品は“末満ワールド”とも称され高い評価を得ている。

「TRUMP」シリーズ 
劇作家・末満健一が手掛ける吸血種《ヴァンプ》の宿命を描いたゴシック・ファンタジー「TRUMP」シリーズ。’09年、自身の演劇ユニット“ピースピット”での初演の後、12年に再演。13年の俳優集団D-BOYSによる演劇公演Dステなどで、キャスト・演出を変え、すでに3度の再演がなされている。
さらにアナザーストーリーとして、ハロー!プロジェクト“演劇女子部”で「TRUMP」の3000年後を描いた『LILIUM -リリウム少女純潔歌劇-』、劇団Patch公演では14年前を描いた『SPECTER』がそれぞれ上演された。綿密に練られた脚本はリンクする伏線とヴァンプの運命、輪廻転生の壮大な世界観とともに話題となり、シリーズ全体を通し累計4万人以上もの観客を魅了している。

東啓介松浦司
東啓介・松浦司

本日、4月1日、追加キャストが発表された。
4月上演予定のミュージカル『「薄桜鬼」原田左之助篇』主演の東啓介、「ドラゴンクエストライブスペクタクルツアー」(’16)にて勇者役で人気を博した松浦司をはじめとする、多彩な出演者が集結した。東啓介、松浦司、藤木修、大久保祥太郎、田村芽実、池村匡紀、菊池祐太、吉田邑樹、日南田顕久、田中真琴。この多彩なメンバーで送る『グランギニョル』に 期待したい!

 
公演情報〉
ピースピット2017本公演 
『グランギニョル』
作・演出末満健一
出演◇染谷俊之 三浦涼介 
東啓介 松浦司 藤木修  大久保祥太郎 田村芽実 池村匡紀 菊池祐太 吉田邑樹 日南田顕久 田中真琴  
●7/29〜8/6◎サンシャイン劇場
●8/18=20◎梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ




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