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 ヒット・ミュージカル『キャバレー』が、藤原紀香主演で2010年の1月、日生劇場で上演されることが決まった。演出は宝塚歌劇や東宝ミュージカルで、次々に優れた舞台を作り出している小池修一郎、共演には諸星和己や阿部力など新鮮な顔ぶれが揃った。

『キャバレー』の初演は1966年のブロードウェイ、それ以後世界中で上演され、1972年には映画にもなっている。映画ではライザ・ミネリが演じたショーガールのサリー役に、今回挑戦するのは藤原紀香。今年1月に、同じ日生劇場『ドロウジー・シャペロン』でミュージカルデビューを果たし、2度目のミュージカル出演となる。

物語の背景になるのは1920年代のベルリン。ナチズム台頭の兆しが人々の心を不安にさせるなかで、退廃と享楽が渦巻くキャバレー「キット・カット・クラブ」を舞台に、ショーガールであるサリーと売れないアメリカ人作家の恋物語や、その周辺で生きる人々の姿を描いている。

DSCF0155この日の制作発表は麻布十番のクラブで行われ、「キット・カット・クラブ」を模した舞台上に、まずMCの諸星和己が現れ「キット・カット・クラブへようこそ!」という有名なセリフでショーの幕をあげる。サリー役の紀香はピンクのファーと大胆なスリット入りドレスで登場、主題歌の「キャバレー」を熱唱した。

その後、演出家の小池修一郎、共演の諸星和己、阿部力も加わり、記者とのやりとりが始まる。

小池「初演時のアメリカは公民権運動の時代で、社会的な関心が強く、この作品のナチスの問題ともリンクしやすかった。今の2010年の日本でどう受け止めてもらえるか、そこを考えて演出したい。何度も上演されている理由はエンターテインメントとして一級品だから。その部分と時代性とをうまく取り入れていければと思っています。紀香さんは『ドロウジー・シャペロン』で声が出るのを知ってるので、これでまた本格派のミュージカル女優への道が拓けるのではないでしょうか。諸星さんは以前観た作品で彼とは知らずに“すごい表現ができる役者だな、誰だろう”と思って観ていて、びっくりしたことを覚えてます。『キャバレー』という作品についても詳しく、その彼のMC役は非常に期待してます。阿部さんはこまつ座の公演を観て、芝居ができる人だと知っていたけど、オーディションで歌えることもわかったので楽しみです」

DSCF0164藤原「世界的に有名なこのミュージカルで、サリーをさせていただけることはとても光栄だし嬉しいです。ミュージカルは2度目ですが、今回はとくに夢のような舞台ですから、視覚も聴覚もプルプルふるわせながらいい舞台にしたいと思います。最初の舞台出演で学んだことは、毎日いかにベストコンディションを保つかで、そのメンテナンスはたいへんだなと。日々最大の力を出して乗り切っていく毎日に、いろいろな意味ですごく強くなりました。サリーはショーガール、そういう役はやりたかったのですが、でも歌姫なので、その点でもみなさんが満足していただけるように精一杯勉強しながらでがんばりたいし、役としても感情の部分などで、すごく深いものを感じながらできればと思っています」

阿部「ミュージカルはずっとやりたかったのですが、まさかこんな有名な作品に出られるとは思ってなくて。先ほど皆さんお会いしてまたいい意味で緊張してますが、僕たちの作った新しい『キャバレー』になればいいなと思っています。歌は役者になる前は歌の仕事をしたいと思っていたんですが、いつの間にか芝居のほうに進んでにいて、でも歌を忘れてはいなかったので、今回をきっかけに、自分でもうまいへたではなく好きだからとことん勉強したいと思ってます。あまりナンバーは多くないのですが丁寧に歌いたい」

諸星「ニューヨーク公演のアラン・カミングのMCを観て衝撃を受けました。すぐにオーディションを受けに行ったんですが、グリーンカードがないから当たり前で、落ちました(笑)。作品の内容だけでなくその時の客席との一体感とか、全てが強烈で、僕に演劇への新しい発見をさせてくれた思い出があります。もう会えないかと思っていただけに、今回MC役をやれることは本当に嬉しい。MCは大事な役どころですから、毎日がライブだと思って頑張りたい。悩みのない毎日を作ります(笑)」

最後に小池修一郎が再びコメント。

DSCF0152「作られた当時も今も世の中の争いごとはなくなってないし、そういうことへの深いテーマがこの作品にはあるのですが、でも今回はそれを露骨に出すことなく、面白いエンターテインメントとして観ていただきたいし、ミュージカルらしい楽しさを見せていきたい。もう何回も日本でも上演されていて、手垢のついたものになりかねないけど、そこでいかに新鮮さを出すかでしょうね。たぶん多くの人は、紀香さんのサリー・ボウルズが観たいんだと思いますが、サリーという女性はある意味では女性の積極性を持っている。2010年の女性たちの共感を得られるんじゃないかと思ってます。男性のかたは阿部さんのクリフがサリーに襲われるではないけど(笑)、それに近いシーンもありますので、そういうところに好奇心を持っていただくことからでもいいので観にきてください。そこからこの『キャバレー』に託されたテーマを、最後に受け止めていただければいいので」

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ブロードウェイ・ミュージカル『キャバレー』

2010/01/7〜29◎日生劇場

2010/2/5〜7◎梅田芸術劇場メインホール

2010/2/12〜14◎ 愛知勤労会館

2010/2/20〜21◎北九州芸術劇場大ホール

 

修辞・訳詞・演出◇小池修一郎

出演◇藤原紀香 諸星和己 阿部力 高嶺ふぶき 戸井勝海 杜けあき 木場勝己 他

 

<料金>

日生劇場/S席¥12600 A席¥8400 B席¥4200
     キャバレーシート¥30000(ペア/プログラム1冊付)

梅田芸術劇場/S席¥12000 A席¥8000 B席¥4000

<チケットに関するお問い合わせ>

東京公演/ホリプロチケットセンター03-3490-4949          http://hpot.jp

大坂公演/梅田芸術劇場 06-6377-3800

愛知/キョードー東海 052-972-7466

北九州/北九州芸術劇場 093-562-2655                                                               【取材・文/榊原和子】