くせもの揃いの作家、演出家、そしてキャストで話題の舞台、『博覧會』の初日が近づいてきた。

4月8日の東京グローブ座を皮切りに、福岡、そして大阪と3都市で上演するこの作品は、パルコ・プロデュースならではの演劇の面白さを満載したエンターテイメント演劇である。

物語の背景になるのは戦前の台湾。成功を夢見て海を渡った旅芸人一座が、大舞台を前に繰り広げる人間模様。日本統治下とはいえ、異国である台湾で生きる日本人たちの、もの悲しくもしたたかな日々が、ペーソスと毒を含んだ役者たちの姿の中に浮かび上がる。

脚本は、劇団猫のホテルの主宰であり、自身のユニット「身も心も」などで作家・演出家・俳優として活躍する千葉雅子が、新たに書き下ろしたもの。また演出は、『鈍獣』や『印獣』を企画から参加した「ねずみの三銃士」の一員であり、『ヴァンプ・ショウ』や1昨年の『49日後…』などを手がけた池田成志が腕を振るう。

キャストは、一座の座長役として篠井英介、その娘に星野真里、座長に拾われて娘と兄妹のように育てられた男に荒川良々、一座の親方に大谷亮介、女形修業中の芸人には菅原永二という、まさに個性溢れる面々ばかり。また彼らを迎える台湾総督府の催事課長は池田が演じ、千葉も一座の女優兼女中として登場する。

その話題作に取り組むカンパニーの様子を、池田成志×菅原永二の対談記事の一部からお伝えしよう。
IKEDA,SUGAWARA
池田成志・菅原永二
池田 今回、千葉さんと打ち合わせしてて「戦前の台湾で売れない芸人が集まって、まるで場末スナックみたいに、ダラダラとリハーサルが続くっていうのはどうでしょ?」って提案を受けて、なんとなくその湿度の高そうな空気感を感じた気がしたんです。そこから話づくりが始まってます。僕も千葉さんも昭和30年代の日本映画が好きなんですよ。どうにもならないことにもがきながらも、生きているみたいな。
菅原 僕の役は一座の役者さんなんですよね。
池田 うん、女形もやるかも。
菅原 えっ、……英介さんがいるのに。
池田 そのくせ、星野真里ちゃんに惚れたりして。
菅原 なんじゃ、その役。
池田 ふふ、面白そうだね。
(中略)
池田 今回、僕をはじめバイブレーヤー体質の人が多いんです。こういう役者って、いろんな芝居で1人はこういう人はほしいよね、みたいなキャステイングをされるから、同じ芝居に出ることがなかった。そういうヤツら同士の打っては返しという芝居が観たかったから。
菅原 自分が学生だった頃から活躍されてる大先輩ばかりで……、ただ個々に面識はあって
……、緊張するというか、恐縮するというか……はい、すみません……、正直そういうの一切ありません(笑)。
(演劇ぶっく4月号、池田成志×菅原永二対談より)

といった具合に魅力的な役者たちを前に、池田成志演出のプランも絶好調。2人に言わせると「バカで悲しい千葉雅子ワールド」が花開く作品になりそうである。


パルコ・プロデュース
『博覧會〜世界は二人のために〜』
作・出演◇千葉雅子
演出・出演◇池田成志
出演◇荒川良々 星野真里 篠井英介 大谷亮介 菅原永二
●4/8〜21◎東京グローブ座
●5/1◎ももちパレス(福岡県立ももち文化センター大ホール)
●5/4、5◎梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

〈お問合せ〉
東京/パルコ劇場 03-3477-5858
福岡/ピクニック092-715-0374
大阪/キョードーインフォメーション 06-7732-8888

http://www.parco-play.com/


【文・榊原和子 撮影/岩村美佳】