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池上永一の大ヒット長編小説『テンペスト』の舞台化が決定し、その製作発表が10月14日に都内で行われた。琉球舞踊のステージから始まった製作発表からは、作品への大きな意気込みを感じることができた。物語の舞台は19世紀江戸時代末期の琉球王国。仲間由紀恵が天才美少女である真鶴(まづる)と、孫寧温(そんねいおん)を演じる。男性しか上級官僚になれなかったのが当時の琉球王国。性別を偽り、男として働く際の真鶴の名前が孫寧温である。寧温と親友になる薩摩藩士の武士、浅倉雅博役に山本耕史。寧温のライバルであり、共に改革に取り組む喜舎場朝薫(きしゃばちょうくん)役にTEAM NACSの安田顕。若くして琉球の王に即位する尚泰王役、伊坂達也。西岡徳馬は寧温の正体に気づき琉球乗っ取りを画策する徐丁垓(じょていがい)役で出演、生瀬勝久が聞得大君(きこえおおきみ)という巨大な霊力を持つ琉球の王族神として登場する。なんと生瀬は女性役だ。
脚本は映画『パッチギ!』や『フラガール』で日本アカデミー賞脚本賞を受賞した羽原大介、演出を務めるのは『ケイゾク』や『TRICK』、TV・映画界で活躍する堤幸彦である。
映像、舞台、幅広いステージからスタッフ、キャストが集まった『テンペスト』は2011年2月6日から28日まで赤坂ACTシアターで、3月5日から20日まで大阪の新歌舞伎座で上演される。

池上
このたび『テンペスト』が舞台になると聞いて一番驚いています。真鶴という主人公を“絶世の美女”と書いたおかげで、仲間由紀恵さんと会うことができました(笑)。180年ぐらい前まで、琉球は独立した王国でした。みなさんは琉球の歴史のことをあまり知らないかもしれませんが、みなさんが江戸や大阪の時代物を楽しむのと同じように、これからは琉球の歴史を日本のもう一つの歴史として、楽しんでいただけたらと思います。ありがとうございます。

このような大きい舞台の演出をさせていただくこと、とても光栄に思っています。私ができることは、ここに集まった素晴らしいキャストと、スタッフと、それから最新鋭の技術を使って、映像なども多用しまして、とにかく面白い、見終わった後に何か大きい心のお土産を持って帰っていただけるような、そういう舞台を作っていくことだと思います。みなさまよろしくお願いします。

s_RIMG3071仲間 私がこの作品と初めて出会ったのは母がキッカケでした。沖縄生まれということで、琉球の歴史を勉強できて、物語もとても面白いということで母から『テンペスト』を勧められました。今回『テンペスト』に出演することができること、とても不思議なご縁を感じます。
伊坂くんは事務所の後輩ではございますが、舞台経験は私よりも数多く、学ぶことが多いんじゃないかと楽しみにしております。山本さんとは、紅白という大きな舞台で紅組白組という敵対する役ではあったんですけど、協力して色んな事を相談してくださった印象があって、お芝居のことも相談させていただけるのではないかと、とても頼もしく思っております。西岡さんはこうしてきちんとお芝居させていただくのは初めてですが、扮装が怖いので、お優しい方だとは思うんですが(笑)、今回は敵対する役ということで、西岡さんの迫力に負けないようなお芝居を頑張らなければいけないと思っております。そして・・・やまださん・・・(安田:“やすだ”です(笑))、安田さんは(客席:笑)初めてご一緒させていただきます、一緒にいるシーンがとても多いので楽しみにしております。生瀬さんはすごい扮装をされてるので(笑)、なにしろ、よろしくお願いします。(客席:笑)すごく色んな意味で頼りにもしておりますし、頑張りたいと思います。
とにかく今回の舞台は歌もあり、踊りもあり、色んな見所がたくさんあると聞いております。私は4年ぶりの舞台になりますが、頑張ってたくさんの方に楽しんでいただけるようなお芝居をしたいと思います。よろしくお願いします。

山本 薩摩藩士、浅倉雅博を演じます、山本耕史です。久しぶりにこんなに大作な、出演者の方も大勢いる舞台に出演します。それだけでわくわくするというか、エンターテイメント性の高い舞台になるんじゃないかと思ってます。外でお客さんとして見たいなと思うような期待感がすごく漲っていて、そんな作品に出演できることを光栄に、嬉しく思います。舞台で和装で演じたことはないので、本当に初挑戦というかゼロからスタートする気持ちで頑張りたいです。力強いキャストの方たちの中で、自分がどういう風に存在できるのか、稽古の中で見つけていきたいと思います。

西岡 私が演じます徐丁垓と言う役が、これが悪い男なんですねぇ。人間のあらゆる種類の欲望の、悪い部分の固まりみたいな役でして。ですから私は本当に根は善人なんですけど、その悪い部分を探って探って、それを大いに楽しんで、仲間さんが笑っていられないぐらい怖い人を演じて見せますから、どうぞ期待していてください。

安田安い田んぼ」と書きまして、安田でございます(笑)。稽古の目標ができました。早くみなさんに名前を覚えていただくという(笑)。喜舎場朝薫という役をやらせていただきます。本当に頭の良いエリートということでありまして、そこに苦労するかなと思うんですが。先ほど池上先生から「もっと動きやすい着物を着ていた」という話を伺えたので、その辺はちょっと安心しております。このままだと熱くて仕方がないんじゃないかと思ってました(笑)。精一杯やらせていただきます。安田顕でございました。

伊坂 尚泰王役を務めさせていただきます。琉球王国の最後の王様の役なのですが、尚泰王は小さい頃に父の急死に伴い即位しました。未熟ながらも国家を思い、琉球を守ろうとした、そんな一生懸命な姿を精一杯演じていきたいと思います。大先輩に囲まれてプレッシャーはあるんですが、精一杯ついて行きます!よろしくお願いします。

生瀬 僕は学生時代にシェイクスピアの『テンペスト』に一度出たことがありまして、その時脱水症状で救急車で運ばれたという苦い経験があります(笑)。今回は何で運ばれるかわかりませんけれど、でももうシェイクスピアの『テンペスト』はこれで終わりですね。この芝居をやってしまったら。日本で『テンペスト』と言ったら、池上先生の『テンペスト』ということになると思います。これはもう、お約束します(笑)!今回は仲間由紀恵さんと敵対する役なんですが、僕は仲間さんと色々なタッグを組んできまして、ほとんどが!敵役です。今まで数々の敵役をやってきましたが、全てヒットしております。お約束します、面白いです。最初『TRICK』で堤監督で、そのあと『ごくせん』で・・・もう数えたらキリがないです・・・まぁその2本なんですけど(笑)。とにかくどういう演出をされるかは堤さんの腕にかかっております。エンターテイメントということで派手な演出もあるかと思いますが、私は役者でございます、生身の人間でございます。その演出に負けないぐらい大きな声で!!大芝居をうちます!!お約束いたします!!・・・どうぞよろしくお願いいたします。

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【質疑応答】 

ーー仲間さんは今回、琉球舞踊のシーンがあるそうですが、いかがですか?

仲間 琉球舞踊は小さい頃に長くやっておりまして、やっとこういう舞台で役に立つときが来たと思っております。ついこの間一度、お稽古に行かせていただいたんですが、基本はなんとなく身体に染みついているような感じでしたので、あとはもっと練習をして良い舞をお見せできればいいなと思っております。

ーー山本さんは歌も歌われるようですが。

山本 おそらく詩吟的な、詩吟に抑揚がついてメロディーになっていくような、歌い上げて自分の気持ちをそこに投影させるシーンがいくつかあるようです。役者なので歌えと言えば歌いますし、踊れと言えば踊りますし、脱げと言われれば脱ぐしかない(笑)。そこまで今回は命を賭けないとパワーに負けてしまいそうなので、なんでもよろしくお願いしますと先ほど堤さんに伝えたところです。

ーー生瀬さんは今回女性役ですね。

生瀬 あまり意識はしてないですね。女性っぽくやろうとか。これは演出のつついさんと(堤:つつみ、です、み!(笑))、あ、色々お話したいと思いますけど。本当に特に意識せず、僕は基本気持ちで芝居してますんで(客席:笑)・・・どこかから笑い声が聞こえてますけど?(笑)

ーー堤さんと縁が深い方も、そうでない方もいらっしゃいますが、堤さんの演出を受ける上でどんなことを楽しみにしていらっしゃいますか?

仲間 現場をご一緒させていただくと、現場がとてもやり易いというか、私たち演者にあまりプレッシャー与えないような明るい現場作りを心がけてくださいます。今回私は舞台と言うことで非常に緊張しているんですけれども、監督もいらっしゃることがとても心強いです。

いつもと一緒です。ギャグはないです。

仲間 ギャグはないんですか?

ちょっとあるかも。

仲間 ちょっとって、どっちなんですか?(笑)

おいおい。

仲間 こんな感じです(笑)。

山本 僕は映像でも、舞台でも初めてです。でもお話は何度もさせていただいて本当に、堤さんからイメージとかアイディアがとっても溢れているのが伝わりました。自分が大体こんな感じかな?って想像できるよりも、どうなっちゃうんだろう?って期待感がある所に僕は行きたがるタイプなので、お話をすればするほど凄いものになるんじゃないかな?って期待感があります。

生瀬 いやあの〜・・・

以上です。(客席:笑)

生瀬 あの〜(笑)やっぱり堤さんとは長いんですけど、でも映像だけでした。映像の監督が舞台を演出するってよくあることなんですが、やっぱりこれは本職とは違うと思うんですよ。今回もきっと良いケミストリーが生まれるんじゃないかと。それを是非生かして欲しい!舞台の演出家の良い所ではない、映像から来る見方が絶対あると思います。僕は今まで映像では何一つ文句も言わず付いてきましたけど、今度の現場では言うこと聞かないです!(客席:笑)そのくらいのつもりで。

ちょっとキャスト変えようかな。(客席:笑)

生瀬 ・・・あ、ちょっと待って!ちょ、ちょっと待って(笑)!私、子供もいますので。ついて行きますので、やりたいことをやっていただければと僕は思いますよ。

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琉球ロマネスク
『テンペスト』

原作◇池上永一(「テンペスト」角川文庫)
脚本◇羽原大介
演出◇堤幸彦
出演◇仲間由紀恵 山本耕史 福士誠治 安田顕 伊坂達也 西岡徳馬 生瀬勝久 他

東京 ●2011/2/6〜28◎赤坂ACTシアター
大阪 ●2011/3/5〜20◎新歌舞伎座

<料金> 
東京 S席:10,500円/A席:7,800円(全席指定・税込)
大阪 1階席:11,000円/1階花道席:10,000円/2階席:6,500円/3階席:3,000円/特別席:13,000円

<問い合わせ>
東京 チケットスペース 03-3234-9999
大阪 新歌舞伎座 06-6772-2121

【取材/文 岩見那津子】