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「演劇の迫力をスクリーンで体感する」という言葉に嘘はなし!

生の舞台の魅力を限りなくそのままの形で、スクリーン上でも表現しようと試みてきたゲキ×シネ。04年の『アカドクロ』から始まり、07年『朧の森に棲む鬼』や10年『蛮幽鬼』と着々と上映作品を増やし、少しずつではあるが公開館数も増え、認知度も広まってきているといったところ。
6月25日から全国公開が決まっているのが、2010年に劇団☆新感線の30周年記念興行として赤坂ACTシアターなどで上演された『薔薇とサムライ』。劇団の看板役者である古田新太と、ゲスト出演した天海祐希のW主演が大きな注目を集めた超話題作だ。
公開に先駆けて試写を見てきたのだけれど、これがもう本当に面白かった。

もちろん劇場で生の舞台も見ている。
観客同士の興奮が充満していく独特の劇場の雰囲気だとか、笑い声や拍手から生まれる連帯感だとかは、やはり劇場で見たときの方が実感できるし、それが生の舞台の代えがたい魅力でもあると思う。
映画館で見るとやはりその辺りの興奮は薄くなる気がするが、そのマイナスを補ってくれるのが、編集された映像ならではの表情のアップだったり、音や台詞の聞き取りやすさ。
ここぞ!という表情は必ずアップ。劇場でオペラグラスを使うよりも近く細かな表情がわかるから、その時の心情もぐっと伝わってくる。

上演時間は途中休憩有りの197分と、とても長いのだけれど、作品のテンポの良さと迫力で、その長さを感じないままカーテンコールまで見続けることができた。正直にいって、今どこの劇場の椅子と比べても最近の映画館の椅子のほうが、はるかに座りやすいだろうし、時間の長さはまったく問題にならないはず。

見終わって、いち演劇ファンとして、演劇に興味のない友人を誘いたい。
という気持ちになった。いや、むしろ誘う。
前売り券だと2000円、当日売りの一般券でも2500円、学生・小人券は1800円という安さも魅力。
それだけの価値があったとは思っているが、実際の上演ではS席12500円。
さすがに気軽には誘える値段ではない。

普段演劇とはかけ離れている人にも、劇団☆新感線をはじめとする演劇の面白さに触れてもらえるとても良いチャンスになりそうで、今から6月25日からの全国公開が楽しみだ。

とにかく天海祐希と古田新太が格好良い。
劇場で見た方も見ていない方も是非。
私もまた絶対見に行ってしまうと思う。




ゲキ×シネ
『薔薇とサムライ』
作◇中島かずき
演出◇いのうえひでのり
作詞◇森雪之丞
出演◇古田新太 天海祐希
浦井健治 山本太郎 神田沙也加 森奈みはる 橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと 藤木孝 ほか

6/25〜全国ロードショー

HP
http://www.bara-samu.com/



【文/岩見那津子】