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リーマンショックに想を得て、東京の中野区にギリシア神話の巨人がやってくるという音楽劇『巨人たちの国々』を上演した舞台芸術集団 地下空港の伊藤靖朗。私たちを取り巻く社会の問題を寓話的に転換し、エンタテインメントに可視化を試みる彼の作品が小説になったという。
舞台の小説化とは!? 演劇集団 地下空港とは!?


ーー小説化のいきさつを教えて下さい。

2009年に中野の劇場で上演した『轟きの山脈』を観て下さった日経新聞社の方が、全国紙夕刊の人物紹介コラム「フォーカス」というコーナーで紹介してくださり、その記事を読んだPHP研究所の方が、2010年に上演した音楽劇『巨人たちの国々』を観て、ぜひ小説化をと言って下さいました。

ーー小説化は大変そうですが・・・。

はい。一年かかりました。本文中の書体を変えたり、小説でここまでやっていいのかというチャレンジをさせていただきました。そもそも劇団公演では、観客を参加者にする仕掛けを作って上演していますので、小説にすることはそこからしないと意味がないと思い、いろいろ工夫をしてあります。もしかするとどこかからか、お叱りを受けるかも知れませんが。

ーー目次や注意書きなどちょっと面白そうですね。前から気になっていたのですが、地下空港という名前の由来を教えて下さい。

地下をのぞくと飛行機がゴーッと飛び立つようなイメージで。ぼくは空港がとても好きなんです。空港って、各国の女性たちがいい香水を使っていて、いいにおいがするんです。いろんな発見があって、言葉が通じなくて大変なこともあるけど、わくわくする場所だと思っていて。観ていただいたお客さんに、そんな気持ちになってもらえるといいなと思ってつけました。

ーー次回公演のご予定は?

次は12月を予定しています。今、自分が震災や原発問題を経て感じていることを劇にしないわけにいかない、と思ってタイトルを決めました。『増殖島のスキャンダル』。どこまでどう描こうか、これから1月かけて書き上げる予定です。

ーー最後に小説ついて一言お願いします。

かなり過激な方法論を用いた、危険なエンタテイメント小説です!中野の街が大変なことになります。小劇場発、今の日本を写し出す長編ファンタジー、ぜひぜひみなさまチェックしてみて下さい!

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伊藤靖朗プロフィール
いとうやすろう○1979年生まれ、静岡県出身。中学3年の時に、静岡市の代表としてカナダへ。現地の中学校でカルチャーショックを受ける。大学在学中に「ICU歌劇団」等に参加。2000年より、作品を発表。演劇で社会に貢献するために、日夜研鑽を重ねている。
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次回予定◇演劇集団地下空港『増殖島のスキャンダル』12/8〜18@恵比寿site

演劇集団地下空港公式サイト
http://www.uga-web.com/

【取材・文/矢崎亜希子】