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tptが12月15日〜25日、イギリスの劇作家アレクシ・ケイ・キャンベルのデビュー作『プライド』を日暮里のd―倉庫で上演中である。


1958年と2008年、二つの時代の女一人と男二人の物語。舞台は石造りの床、柱、階段、門があり、ソファやテーブルや扉もあるが、抽象的な装置となっている。そして、シルヴィアとフィリップ夫婦の家から、様々な場面へ転換してく。


シルヴィアが作家のオリヴァーを夫フィリップに紹介するためにディナーをセッティングする。妻は夫がオリヴァーを気に入ったか気にする。夫はオリヴァーを好きになれない。何故?

時代を隔て同性愛の受け止め方が変わっている様を描く。密度の高い対話劇だ。


シルヴィアの馬渕英俚可は、洞察力を持つアーティストをデリケートに表現して目が離せない。シルヴィアは愛する者を思い、深く思考する者だ。意識的でないとしても、自分の幸せとは別のところに行き着く可能性を殺さず真実を追う。

同性愛を嫌悪し、同性愛者だという自覚を抹殺する夫フィリップは須賀貴匡。穏やかな人柄だが、同性愛に対する攻撃をやめるわけにはいかない。現代、その苦悩は取り除かれたとしても、人を愛する苦しみを静的に表現した。

フィリップを愛するオリヴァー役の山口馬木也は、1958年には解放されない時代に苦しみを切々と表す。現代では男にだらしない男でありながら人間的な魅力を感じさせ説得力がある。

シルヴィアは1958年と2008年のキャラクターの違いが一番大きい。それぞれ、一人二役の演じ分けがみどころだ。また、一人が演じるところに意義がある。オリヴァーの浮気相手や医者を演じる谷田歩の変幻も面白い。


シルヴィアがオリヴァーとフィリップを誘った「プライド」とは、ゲイプライドもしくはLGBTプライドと呼ばれるイベント。ゲイ及びゲイフレンドリーの人々が思い思いの装いで街を練り歩き、同性愛者の権利を主張するパレードである。


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『プライド』
作◇アレクシ・ケイ・キャンベル
訳◇広田敦郎
演出◇小川絵梨子    
出演◇馬渕英俚可 須賀貴匡 山口馬木也 谷田 歩

●12/15〜25◎d-倉庫
〈料金〉4500円

〈問合せ〉 tpt 03-3634-1351 
d-倉庫 (日暮里駅南口より徒歩7分 東京都荒川区東日暮里6-19-7-2F)  

http://www.tpt.co.jp/index.html


【文/佐藤栄子 写真提供/tpt】