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オードリー・ヘップバーンの映画で有名な『ローマの休日』の舞台版が、5月12日から大阪で、東京は5月23日から幕を開ける。

ストレート・プレイとして新たに構成、好評を得た初演から2年、今回は、アン王女役を2人の女優がダブルキャストで競演することで話題になっている。
アン王女役の1人は荘田由紀、若手ながら次々にヒロインに抜擢されている文学座の女優で、母親が鳳蘭といういわば演劇界のサラブレッドである。そしてもう1人は秋元才加、人気絶頂のAKB48のメンバーとして活動、女優の資質に恵まれていることから舞台や映像で活躍している。

 

そんな2人が競演するストレート・プレイ版『ローマの休日』は、登場するのはアンのほかに新聞記者のジョー、カメラマンのアーヴィングという3人だけの芝居。初演は、そのシンプルで洒落た演出と映画より踏み込んだ内容に対して、作・演出のマキノノゾミが第36回菊田一夫演劇賞を受賞するなど高い評価を受けた。その注目の舞台でアン王女に取り組む2人に話を聞いた。


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荘田由紀・秋元才加(パンフレット撮影取材より)撮影/冨田実布
 



【人見知りが直ってきた】


ーー今回、アン王女役で競演するわけですが、お互いに関する知識はどのくらいありましたか?

荘田 私は秋元さんをテレビの『笑っていいとも』で拝見してて、すごい頭が切れる方というイメージがありました。

秋元 荘田さんは文学座の方ですので、舞台の事をいろいろ学ばせていただきたいなと。

荘田 いえいえ、そんな、何もないです(笑)。

秋元 舞台も何回か出させていただいてはいるんですが、まだわからない事もあるので不安があるし、いつも現場で教えていただくという感じなんです。
 

ーー現場ではどんどん聞きにいく方ですか?

秋元 はい。稽古場で恥をかくのは平気なんです。わからないままやるほうが恥ずかしいので。

荘田 最初に聞かないとだめですよね。ずーっと聞きそびれて今さら聞けないという時もたまにありますから(笑)。
 

ーープロデュース公演だと初対面の方も多いと思いますが、それは大丈夫ですか?

秋元 私、実はすごく人見知りなんです。

荘田 それ『笑っていいとも』でも言ってて、「え?ウソー?」って(笑)。

秋元 そうなんです(笑)。もじもじしてて、積極的に行く子を陰から見てて、大丈夫そうだなと思ったら自分も行くほうなんです(笑)。でも、舞台は期間が短いから、そんなことをしているともったいないので、自分から話しかけるようにしていたら、少しずつ人見知りが直ってきました。

荘田 AKBのようにたくさんメンバーがいると、性格もいろいろでしょうね。

秋元 どんどん行く人とそうじゃない人とが、すごくはっきりしますね。


s_021撮影/冨田実布

【アン王女に自分を重ねる】
 

ーー映画の『ローマの休日』とは違う、舞台版ならではの面白さはどんなところだと思いますか?

荘田 映画に出てこないバックグラウンドがいくつか描かれていて、ストーリーに新解釈が入っているし、そこは舞台版ならではですね。

秋元 あの時代にあった「赤狩り」の話ですよね。それに1人1人の権利ということについて考えさせられるところもあるし。アンが料理を作ってあげたいというセリフが、映画とはちょっと別のタイミングで出てきたりするので、アンの心の見え方なども違っていて面白いと思います。
 

ーー演じるアン王女については、どんなふうに捉えていますか?

荘田 以前は映画のオードリーを可愛いなと単純に見ていたんですが、取り組んでみて、みんなが羨むような立場でもそれ以上に背負っているものが大きいし、普通の生活はできない。そこがとても可哀想だと思います。

秋元 王女様でも普通の若い女の子で、閉じ込められてつまらなそうな顔をしている姿には親近感が湧くし、外に逃げ出して恋もしたけど、きちんと自分の立場へと戻っていく姿には感動します。まだすごく若いのに。
 

ーー秋元さんはアイドルだし、荘田さんも有名な鳳蘭さんの娘さんだから、わかる部分もあるでしょうね。

秋元 王女さまとはだいぶ違いますけど(笑)、重ね合わせられる部分はあると思います。

荘田 私はまったく関係なくて、本当に自由です。この仕事を続けていたらいつか不自由になることがあるかもしれないけど、今は気ままな毎日です(笑)。
 

ーーアン王女を演じるとき、これは大切にしたいというものはありますか?

荘田 やはり品は大事だと思います。そしてそれをどこまで崩して、可愛らしさや人間らしさとして出せるかですね。

秋元 私も王女としての生まれと育ちからくる品を表現しつつ、1人の女の子として親近感を出せればいいなと。憧れられる存在と親近感とをいいバランスで出したいと思っています。


【ダブルキャストはメリットが!】
 

ーー3人きりという少人数での舞台についてはどうですか?

秋元 歌とか踊りのない芝居は初めてなので、すごく緊張はありますが、演出のマキノ(ノゾミ)さんにたくさん怒られたいなと思っています。今回はいいチャンスなのできちんと見ていただいて、少しでも成長していきたいと思っています。

荘田 私もしっかり見てもらえることが嬉しいです。それに関係性をお互いに考えながらできることもいいし。3人だとお客様も集中して観てくれそうで、舞台上でも気が抜けないですよね。

秋元 うわー、ご飯を食べられなくなりそう。私、ご飯を食べると気が抜けてファーとなってしまうから(笑)。
 

ーーダブルキャストで演じることへのプレッシャーはどうですか?

荘田 私はわりと劇団でダブルやトリプルキャストを経験していて、演じる人が違えば絶対に同じにはならないし、その人の生きてきた生活とか性格が影響してくるので、そこが面白いと思っています。それに客観的に自分の役や作品を見られるんです。自分ではわからないところが他の人を見ていてわかったり、すごくメリットがあります。今回も秋元さんの演技を参考にして、そのうえで切磋琢磨していきたいですね。

秋元 私も「AKB歌劇団」という作品で経験があって、そのときは2人があまりに個性が違っていて役の性格を変えるくらいになったのですが、でもお互いを見ることで勉強になりました。今回はとくに文学座の荘田さんということで、すごく勉強できるなと期待しているんです。

荘田 何も勉強できずに終わるかもしれないです(笑)。

秋元 いえ、すでにいろいろ刺激をいただいてます。それに吉田栄作さんや小倉久寛さんとご一緒できることも嬉しくて。
荘田 おふたりともすごく大人で懐が深くて、すべてをゆだねていける感じですよね。

秋元 人見知りな私でも(笑)、安心して飛び込んでいけます。
 

※続いて次ページでパンフレット撮影の囲みインタビューも掲載。

 

荘田由紀ショートヘア
しょうだゆき

東京都出身。05年に文学座演劇研究所に入所、08年に準座員、10年に座員に昇格。研究所時代から外部でも大役で出演するなど、活躍が目覚ましい若手女優。外部での初舞台は『路上』(07年)、08年と09年に明治座『大川わたり』に出演。10年には文学座公演『女の一生』で主人公を演じる。11年『嵐が丘』でミュージカルに初挑戦。12年2月『三人姉妹』でヒロインのイリーナを演じた。


秋元才加 New
あきもとさやか

88年生まれ、千葉県出身。06年よりAKB48に所属、チームKのリーダーを努める。派生ユニット「DiVA」のメンバーとしても活躍。ドラマ『名探偵コナン工藤新一への挑戦状』(11年)、『朝ドラ殺人事件』(12年)、舞台は音楽劇『ACT泉鏡花』(10年)、『ダブルヒロイン』(11年)などに出演。映画は『ウルトラマンサーガ』が3月に公開




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『ローマの休日』

オリジナル脚本◇イアン・マクレラン・ハンター、ジョン・ダイトン

原作◇ダルトン・トランボ

演出◇マキノノゾミ

脚本◇鈴木哲也、マキノノゾミ

出演◇吉田栄作、荘田由紀・秋元才加(Wキャスト)、小倉久寛/川下大洋(声の出演) 

●5/12〜13◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

●5/23〜27◎天王洲 銀河劇場 

〈料金〉9000円(全席指定、税込)

〈問合せ〉

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 06-6377-3888

銀河劇場チケットセンター  03-5769-0011 
銀河劇場http://www.gingeki.jp/special/romanholiday2012.html

梅田芸術劇場http://www.umegei.com/schedule/146/




取材・文/榊原和子 写真提供/梅田芸術劇場】
 


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