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佐々木喜英・柳下大・馬場徹


男子新体操をテーマにした青春ドラマ『タンブリング』vol.3が、8月8日の東京国際フォーラム ホールCを皮切りに大阪、また東京と上演されるが、この『タンブリング』は、テレビで2010年に放送されたドラマの舞台版、第三弾となる。
 

物語は、ドラマの3年後から始まる。烏森高校を卒業し、男子新体操の強豪大学へ進学した水沢拓(柳下)は、男子新体操部のエースとして活躍するが、ある事件がもとで退学し、鶴島大学へ編入、新体操とは無縁の日々を送っていた。その鶴島大では、男子新体操部が廃部の危機に瀕しており、部長の木下遼(馬場)や月岡悠人(佐々木)たちは、なんとか団体戦出場を果たそうと部員を集めていた。そんなある日、木下はキャンパスで水沢の姿を見つける。実は、2人は同じ小学校の幼馴染みだった。入部してほしいと頼み込む部員たちに、「新体操をやめた」と言ってかたくなに拒む水沢だが……。

テレビドラマ版にも水沢拓役として出演した柳下大が舞台初主演。『新・幕末純情伝』や『SAMURAI7』などで注目される馬場徹や、ミュージカルからストレートプレイまで幅広く活躍する佐々木喜英といった若手たちが中心のキャスティング。その出演者が一丸となって,吹き替えなしで挑む男子新体操が、なんといってもこの舞台の大きな見どころとなっている。演出・振付は、これまでのvol.1、vol.2に引き続き、増田哲治(TETSUHARU)が手がけている。



【稽古場レポート】

 

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夏の盛りに始まる『タンブリング』vol.3の舞台。初日に向けて熱い汗を流す出演者たちを、都内で行なわれている稽古場に訪ね、見学とインタビューをする機会を得た。


普通の稽古場と違って目をひくのは、セットの中心を占めている新体操のマット。そのマットの上で、キャストたちが新体操のトレーニングを行なっている。黙々と練習メニューに取り組む出演者たち。

宙返りがうまくできない人がいたら、周りがすっとアシストに入り、アドバイスをするなど、早くもチームワークのよさが感じられる。

そのあとストレッチと発声練習、芝居の稽古へ向けて準備が始まる。せりふを確認しながらストレッチをする人、振付を確認する人、腕立て伏せに励む人など、それぞれクールダウンしながら、台本の読みあわせや立ち稽古、止めながらの通し稽古に向かって準備を整えていく。


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この日の稽古は2幕目。物語の鍵を握るシーンから始まる。
まずは、柳下、馬場、佐々木による台本の読み合わせ。台本を片手に、演出家の説明や指示を聞きながら、本番さながらに芝居を進めていく。たとえば、セリフの言葉1つ変えるにしても、出演者と演出家が率直に話し合う。

立ち稽古に移る頃には、3人とも台本に目をやる頻度が格段に少なくなっている。

立ち稽古でもアイディアを出し合いながら、1つ1つのセリフや動きを大切に芝居を組み立てていく。そんなふうに稽古が進んでいくなかで、3人の芝居が、みるみるうちにブラッシュアップされていく。

セリフ回しや動きを毎回少しずつ変えてみるなど、試行錯誤を重ねながら稽古に取り組む姿には、確かな芝居心とともによりよい舞台を作り上げたいという思いが溢れていた。

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そんな熱気に満ちた稽古場で柳下大・馬場徹・佐々木喜英に話を聞いた。


【柳下大・馬場徹・佐々木喜英インタビュー】


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――舞台は、ドラマから3年後という設定ですが、それぞれの役どころを教えてください。
 

柳下 ドラマでも演じていた水沢拓という役です。新体操が大好きで、高校の時、新体操に情熱をかけていて、大学でも新体操を続けていましたが、ある事件をきっかけに、新体操から離れることになって……。自分にとって新体操とは何なのかということで悩んだり、大学生なので高校生よりも現実と夢との葛藤があったりします。そんななかで、高校の時と同じように、素晴らしい仲間にまた出会えて、自分の未来、将来を見つめるという役柄です。
 

馬場 僕は木下遼という役です。トモくん(柳下大)が演じる水沢拓とは幼馴染みで、大学の新体操部の部長として新体操をやっているんですが、単純に部員が足りないというところからスタートし、人を勧誘しては部に招いて、自分たちの夢に向かってやっているなかで、水沢と出会います。木下的にはちょっと企みがあって、水沢にアプローチするのですが、そのなかで水沢は、自分の本当にやりたいことに向かって頑張っていく。僕は今回(水沢に)きっかけを与えていく役割りですね。
 

佐々木 僕は月岡悠人を演じます。ばーちょん(馬場)が演じる木下遼と同じ(大学)四年生で、昔から部員が足りなくて、新体操部で団体に出たいという夢を叶えるためにずっと2人で頑張ってきたという役です。僕の役は、自分が鏡に映っている姿を見て自分に酔いしれるような部分もあるんですけど(笑)。
柳下 ちょっと本人に似ている部分が。

佐々木 そうですね、実際僕も鏡よく見ますけど(笑)。そういうちょっとナルシストっぽい、クールなキャラクターですが、内に秘めた新体操への情熱はものすごい。自分ばっかり見てるようで、何気に周りも見ていて、周りの人の異変に気づいたりするという役です。

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皆さん、吹き替えなしで新体操をされますが、苦労しているところは?
 

柳下 僕は、最初は感覚を取り戻すのが大変でしたね。それと同時に、ドラマでやっていた時に、筋肉が足りなかったとすごく実感していたので、舞台に向けて筋トレは日々してきました。

佐々木 僕も新体操は初経験ですし、周りのメンバーが運動能力が高いので、ついていくことが、まず大変でした。でもトモくんとか、僕が困っているとすぐ横について補助してくれたりするので、支えられながら。

柳下 いやいやいや。

佐々木 僕もトモくんと同じで、筋肉がずっと足りてなかったんですよ。

柳下 でも今いちばん筋肉ある。筋トレしすぎだよ(笑)。

佐々木 倒立とかでも支える筋肉がないんだなって最初思ったので、筋トレを頑張ろうと。本番まで期間が短いので、プロテインを買って飲んだり、稽古の合間にひたすら筋トレしてます。

柳下 いや、びっくりしましたよ。だって1か月前ぐらいは俺のほうが筋肉あったんだから。最近見たら、俺よりついてて! プロテインすげえって(笑)。
 

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――本当に筋肉ありますね。よかったら柳下さんもちょっと見せてください。
 

柳下 俺も結構、頑張ったんですよ。(ジャージを脱いで逞しい二の腕を見せてくれる)

佐々木 すごい。やっぱりトモくんのほうが筋肉がありますよ。

柳下 いや、(佐々木は)最初はほんとに細かったから、すごいよ。

佐々木 僕は体重が58キロだったんですが、今63になりました。

柳下 俺も63だから、同じぐらいになってる。


――その増えた5キロは全部筋肉なんですね。そういう皆さんの鍛えた身体と技がこの舞台で見られるわけですが、物語のほうの見どころも教えてください。
 

佐々木 今回はvol.1、vol.2と違って大学生のお話です。実際に新体操をやってる人たちも高校生と大学生では結構レベルの差があるので、そこを見せていきたいですね。運動神経が高いメンバーが集まっているので、前の舞台とはまた違う新体操を見てほしいと思います。

馬場 そうですね。今までは高校生の設定でやってきたものが、今回大学生という。

柳下 おんなじこと言わないよね。

佐々木 はははは(笑)。

馬場 (笑)。言いません!

柳下 今、真面目なトーンだったから、心配になっちゃった。びっくりした(笑)。

馬場 なので、もっと濃い、しっかりしたものをお届けしないといけないと思います。あとは、体操メンバーをサポートしつつ、基本的には僕が話を回す人なんで、自分の役割りはしっかり果たそうかなと。実際に体操をやる躍動感とともに、内容の濃いものをお届けできるように作っていきますので、ぜひ楽しみに見ていただければと思います。

柳下 そうですね、やっぱり前回が高校生で、今回は大学生で。

馬場 だから、言ってる言ってる(笑)。

佐々木 一緒、一緒(笑)。

柳下 (笑)。今回のテーマは「夢」です。この作品は、まず夢を持つことの楽しさや大切さというもの、夢に向かい一歩踏み出す勇気というものを、大学生の僕たちを通して伝えている作品です。夢を持ってなかった人は夢を持つきっかけになったり、前に踏み出そうとしている人の後押しになるような作品になったらいいし、観た方の気持ちが前向きになったり、勇気を持てたりする、そういう舞台になればいいなと思っています。


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やなぎしたとも◎1988年生まれ、神奈川県出身。06年、D-BOYSに加入。音楽ユニットD☆DATEとしても活動中。最近の舞台は『検察側の証人〜麻布広尾町殺人事件』『熱海殺人事件NEXT 〜くわえ煙草伝兵衛捜査日誌』(11年)、『淋しいマグネット』(12年)など。

ばばとおる◎1988年生まれ、東京都出身。ミュージカル『テニスの王子様』で人気を博す。最近の舞台は『新・幕末純情伝』ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』(11年)、VISUALIVE『ペルソナ4』『SAMURAI7』『蒼い妖精とピノッキオ』(12年)など。

ささきよしひで◎1987年生まれ、東京都出身。最近の舞台は『淋しいのはお前だけじゃない』(11年)『道化の瞳』(12年)、『朗読劇 私の頭の中の消しゴム』(11年、12年)など。また、2012年6月より近未来型音楽ユニット「3Peace☆Lover」としても活動中。



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舞台『タンブリング』vol.3

脚本◇広田光毅

演出・振付◇増田哲治(TETSUHARU)

出演◇柳下大、馬場徹、佐々木喜英、木戸邑弥、春川恭亮、青柳塁斗、延山信弘、志尊淳、土屋シオン、浅香航大、江田結香・新垣理沙/石井正則

●8/8〜12◎東京国際フォーラム ホールC

●8/17〜8/19◎イオン化粧品 シアターBRAVA!

●9/21〜9/23◎赤坂ACTシアター(東京凱旋公演)

〈料金〉

東京公演/S席7800円 A席6800円(税込・全席指定)

大阪公演/7800円(税込・全席指定)

東京凱旋公演/7800円(税込・全席指定)

〈問合せ〉

東京公演/DHE 03-5457-8883 (平日12:00〜18:00)

大阪公演/イオン化粧品 シアターBRAVA! 06-6946-2260 (10:00〜18:00)

東京凱旋公演/DHE 03-5457-8883 (平日12:00〜18:00)
HP http://www.tumblingtbs.jp/

 

【取材・文/塩田史子 撮影/冨田実布】

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