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「日本を変える」をキーワードに次々と巻き起こる連続爆弾事件。サスペンスとアクションで現代社会を映し出す舞台『WORLD』。 ゲームやアニメの映像作品で活躍する菅野臣太朗が、自ら演出するサスペンスタッチの書き下ろし新作である。その主役で実行犯の「破天荒な男」を演じるのは、 今、注目度が高い若手俳優の一人、辻本祐樹。優しげな容貌にクールさを併せ持ち、シリアスドラマからミュージカルまで幅広く活躍中である。そして共演には、新進気鋭の演歌歌手の松尾雄史や、AKB48の佐藤亜美菜、ベテランの野村宏伸、大鶴義丹、金山一彦といった実力派俳優や、モロ師岡や逸見太郎、下村尊則など個性溢れる面々が顔を揃えている。このキャストで濃密かつ綿密な人間ドラマが展開する『WORLD』という作品と役柄について、主演の辻本祐樹に話してもらった。
 


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世界を変えるために闘うリュウジ


──注目作の『WORLD』に主演として取り組むわけですが、最初に台本を読んだときの印象は?

まず感じたのは、映画みたいな台本だなと思いました。すごく細かく書かれていて1シーン1シーンが絵になって浮かんでくるんです。映画ならこう撮るのかなとかいろいろ想像できるんですが、でもこれは舞台ですから、どう演出するのかなと。出てくる世界が壮大ですし、それに僕のリュウジ役も爆弾魔ということですから、どうやってお客様に感情移入していただけばいいのかなと思いました。

──かなりサスペンスタッチでドラマティックな作品なんですね。

そうですね。あまり身近とは言えない世界を描いていますが、そこをどんなふうに受け止めて、感じ取ってもらえるかなと。ただ、爆弾魔などが出てきても暗いというよりは力強い作品だと思います。作・演出の菅野(臣太朗)さんも「1人1人、パワーの溢れる作品にしたい」とおっしゃっていたので、それを目指していこうと思います。

──リュウジは爆弾魔で「破天荒な男」ということですが、どんな背景があるのですか?

彼には大きなトラウマがあるんです。あらすじに「ある事件」という言葉が出てくるのですが、まさにその過去が彼を爆破テロに走らせる動機になっています。「世界を変える」というのが彼の中ではテーマで、爆弾テロもリュウジの中では正義であり、これをやるしかないと思っているんです。

──そしてリュウジには仲間がいるのですね。

同じ孤児院で育った弟分のケンジ、松尾雄史さんがやっている役なのですが、そのケンジと再会して一緒に行動するようになります。佐藤亜美菜さんが演じるくるみも、あとから仲間になりますが、彼女はかなり重要なキーパーソンと言えます。そして警察側や闇の世界からもいろいろな人物がリュウジたちに近づいてきます。

──その人物たちとして、野村宏伸さん、金山一彦さん、大鶴義丹さんとベテランの方々が顔を揃えていますね。

本当にすごい方ばかりです。野村さんは警視庁の捜査課長、金山さんは刑務所に入っていた元警察官、大鶴さんはアジアンマフィアの役です。物語の中では、それぞれ目的があってリュウジたちに近づいてきて、最後ではそれぞれの世界が混ざり合います。そのときにこの作品の大きなテーマが見えてくることになります。

──いろいろ伏線や謎も張り巡らされている作品という気がしますが?

その通りです。お客様は細かいところを見逃さないようにしてくださいね(笑)。菅野さんがすごく膨大なものを書かれていて、映画だったらパート1,2になりそうな長さだったのですが、それを舞台なのでだいぶ短くして、面白い要素をギュッと詰め込んであります。

──そんなすごい作品で、ベテランの方を相手に真ん中をつとめるわけですね?

そのことはあまりプレッシャーに考えないようにしています。年齢やキャリアに関係なく、作品の中ではそれぞれ対等だと思っていますから。皆さんそれぞれ、僕が小さな頃からテレビや映画で拝見してきたような素晴らしい方ばかりなので、演技を稽古場などでこっそり覗きつつ(笑)、絶対に負けないぞという気持ちを持っていたいなと。野村さんや金山さんは、映像ではご一緒させてもらっているのですが、舞台では初めて共演するので、どういうパワーを出されるのかなとすごく楽しみです。


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現代的なテンポとリズムの作品


──菅野さんはゲームやアニメの作家として活躍中ですが、ほかの作品などは?

見ていないんです。どんな演出をするのかなと思っていたら、すごくテンポのいい演出で、早いというのは聞いていたのですが、本当に1週間も経たないうちに全部作り終えてしまいました。

──その早さにキャストたちも付いて行っているわけですね?

はい。セリフも皆さん全部入れてきて。すごいですよ、みんな!

──辻本さんも台本を覚えるのは早いほうですか?

ふだんはそんなに早いほうではないんですが、今回は会話劇なのでけっこう覚えやすいですね。それに、感情で喋っているのですごく喋りやすいんです。

──ナチュラルに言える?

そうです。たまに「これは間(ま)が欲しいな」という作品もあったりしますが、これはガンガンいけます(笑)。テンポとかリズムが現代的で、とくに僕たち3人の若いグループはそういう感じです。

──そのテンポでドラマティックなサスペンスが展開するんですね。

すごいですよ、シーンが映像みたいに70いくつもあって、舞台では普通はあり得ないですから。それをポンポンポンポン稽古で作っていってます。シーンが多いから段取りも忙しくて、どこかから出て、はけて、またあっちから出て、みたいな(笑)。出ずっぱりのほうがラクかもしれないというくらいなんですが(笑)。しかも他の方たちのシーンとの流れをくずさずに乗っていかないといけないので、袖でも気が抜けないです。全部のセリフをしっかりと聞いても演じないと。

──段取りなどが多いなら、やはり全部通して全体が見えたほうが、演じやすいかもしれませんね。

僕はこの作り方がすごく好きです。最初にこの『WORLD』の世界全体が見えたことで、自分がどう流れを作っていけばいいのかわかりましたし、1つ1つのシーンを固めていくよりはやりやすいですね。


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悪い役もやれるようになって


──辻本さんは、映像や舞台で活躍中ですが、役柄も普通の青年からちょっと影のある役まで、かなり幅広いですね。

とりあえず今はなんでも、ジャンルを問わずやってみたいと思っています。映像も声の仕事ももっとがんばりたいし、歌はまだまだなんですがミュージカルも。やっぱり舞台をやる以上は、いろいろできないといけないなと、ダンスをはじめいろいろなレッスンに通って、もっともっと技術を身につけたいと思っています。

──ミュージカル『冒険者たち』で演じたイカサマ役のような、クールでかっこいい役も似合いますね。

昔は弱い役とか優しい役ばかりだったんですよ。幼くてひよわな感じに見えたらしくて(笑)。でも、大人の俳優になるにはもっと強い役とか悪い役とかやりたいなと思っていて、ちょうどその頃、ドラマの『相棒』で犯人役をやらせてもらって、自分の中ですごくテンションがあがったんです(笑)。今回もそうなんですけど、自分にないところを出す役だと、いろいろ想像して膨らませて、前面に押し出さなくてはいけない。そういう役はすごく興奮しますね(笑)。だから今回はずっとテンション高いままでいられそうです(笑)。

──なんといっても爆弾魔ですから。

めちゃくちゃ悪い役ですよね(笑)。でもそのリュウジに、最終的にはお客様が感情移入してくれるような、そういう人物になればと思うんです。リュウジにはこれしかなかったんだなと思ってもらえるようになれば成功かなと。

──辻本さんはお芝居をするのが本当に好きそうですね。

大好きです。とくにいろいろな先輩方と出会って、その方々の演技を見るのがすごく好きなんです。ドラマも映画も大好きでいつも見ていますし、小さい時からテレビっ子だったので(笑)。

──その頃は、演じてみたいとか思いながら見ていたのですか?

この役やりたいなとか、こう演じてみたいなとか思って見ていました。自分なりにどんどんイメージが湧いてくるんです。

──その小さな頃からの夢が叶ったわけですね。

まだまだですけど、少しずつ有り難いお仕事が増えてきたので、1つ1つそれに応えていかないといけないなと思っています。お客様を楽しませて、また辻本祐樹を見たいと思うような俳優にならないと。今回も主役をさせていただくので、その期待を裏切らないように。本当に面白い作品なので絶対に見ていただきたいと思いますし、僕も舞台を爆破させる勢いで(笑)がんばります。



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つじもとゆうき○1985年生まれ、大阪府出身。 01年『3年B組金八先生此擔太宏文役でデビューし注目を浴びる。 その後も『ウォーターボーイズ』(CX)『七子と七生』(NHK)『白虎隊』(ANB)連続テレビ小説『ちりとてちん』(NHK)などのドラマに出演。 11年に出演した『新選組血風録』(NHK BSプレミア)では沖田総司役で評判となる。 12年の大河ドラマ『平清盛』や13年の『御鑓拝借 酔いどれ小藤次留書』(NHK)に出演。 主な映画出演作品は『銀のエンゼル』(04年)『男たちの大和/YAMATO』(05年)『Iam日本人』(06年)「百万円と苦虫女」(08年)『「わたしの」の人生我が命のタンゴ」(13年)など。 舞台は08年〜ミュージカル『テニスの王子様』、 今年は『ドリームジャンボ宝ぶね』『マウストラップ』『冒険者たち』などに出演。


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Askプロデュース 

 『WORLD』 

脚本・演出◇菅野臣太朗 

出演◇ 辻本祐樹 / 佐藤亜美菜(AKB48) /松尾雄史 

岩永洋昭 中原裕也 渡部将之 右近良之 米沢瑠美 早川亜希 モロ師岡 逸見太郎 下村尊則/野村宏伸 / 大鶴義丹 / 金山一彦  ほか

●10/18〜27◎シアター1010

〈料金〉前売6,800円 当日7,300円 (全席指定・税込)

〈問合わせ〉 Ask TEL03-5948-7011 

公式サイト http://world-ask.com 





【取材・文/榊原和子 撮影/田中亜紀】

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