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世界へ発信する責任感とワクワク感

英国女王のエリザベス1世を主人公にしたミュージカル『レディ・ベス』が、いよいよ4月13日に初日を迎える。(11日、12日にプレビュー公演あり)
そのなかで、ベスの恋人の吟遊詩人・ロビン役を加藤和樹とダブルキャストで演じる山崎育三郎。帝国劇場で上演されるミュージカルですっかりお馴染みの山崎だが、今回は彼の初主演作『モーツァルト!』を手がけたミヒャエル・クンツェ×シルヴェスター・リーヴァイ×小池修一郎というゴールデントリオによるオリジナル・ミュージカルで、しかも世界初演ということで、その重みを受け止めつつ、意欲的に前向きに取り組んでいるようだ。その意欲を語った演劇ぶっく4月号のインタビューを別バージョンの写真とともに紹介する。
 
ロビンの明るさで観客を引き込みたい

──クンツェ&リーヴァイの新作に出演する気持ちはいかがですか?
光栄です。しかもただの新作ではなく世界初演ですから。クンツェさん&リーヴァイさんの新作は、ふつう海外で上演されてから日本に来ますが、今回は日本からスタートして世界へ発信するという、世界が注目する初演ということで、ひときわ責任と緊張感を感じています。役柄も、これまでは、すでにほかの方が演じた役をいただくことが多かったのですが、今回のロビンは僕と加藤和樹くんで、ゼロの状態から作る作業ができるのはすごくワクワクします。
──製作発表では歌声も聴かせていただきましたが、すでに吟遊詩人ロビンの感じが出ていました。レディ・ベスの恋人であり心のよりどころである彼について、今の段階でのイメージは?
この作品で唯一自由奔放に生きているキャラクターなので、ロビンが出てくるたびにお客様がホッとできたらいいかなと思います。彼以外は厳しい規則や自由のない縛られた生活の中で生きているという舞台設定なので、彼の明るさやオーラでちょっと空気が変わればいいなと思っています。
──ポスターの衣裳も素敵ですね。
今まで着たことないようなすごいコスチュームで(笑)、加藤さんと僕はカツラの髪の色が違うんですよ。2人のキャラクターが違うので、同じロビンでもまったく違います。両方観て楽しんでいただきたいです。
──確かにいい意味で真逆の2人ですね。
よくそう言われます(笑)。似ていると「ああいうふうにやったほうがいいかな」とか、いろいろ思ってしまうかもしれないので、全然違うことでお互いを客観的に見ることができるから、すごく刺激的ですね。
──今まで、大作ミュージカルでダブルキャストやトリプルキャストをたくさん経験されていますが、そういうなかでの自分の色の出し方や作り方というのは?
周りを気にしないことがいちばんです(笑)。『レ・ミゼラブル』のマリウスは4人いましたし、僕はそこからスタートしたので、とにかく自分の世界に入っていく。基本的にマイペースなので、自分と向き合うのは得意なんです(笑)。それに加藤くんとは普段から仲良くしてるので、いろいろ話し合っていけると思います。
──加藤さんは山崎さんを素晴らしいと、以前からリスペクトしているそうですね。
『コーヒープリンス1号店』(12年)というミュージカルで共演したとき、そう言ってくれました。「ミュージカルが好きになった」とも。嬉しいことですよね。同世代の人がミュージカルを好きになって、もっとやりたいと思ってくれるというのは、僕にとって目指すところなので。

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作品や役とともに声も歌い方も変えていく

──山崎さんは大作の主役続きですが、いつもミュージカルに対しての想いが深くて、しかもいろいろ勉強しているという印象を受けます。
やっぱりミュージカルも、表現することも好きなので、勉強という感覚はないですけど情報は集めようと思います。知らないことにも興味が湧くほうで、ある人物になるときもその人の背景などを知って、心がちゃんとできていれば、どんなふうにセリフを言おうが、歌おうが、その人としてそこで生きることができると思っているんです。
──クラシックからロックまで、歌われるジャンルも幅広いのですが、歌い方で心がけていることはありますか?
お芝居でキャラクターが変わるように、役によって声質や声の出し方、息の遣い方を変えます。その役ならではの声があると思うんです。僕は昔からいろいろなジャンルに興味があって、中学生のときにロックバンドのボーカルをやり、高校からクラシックを勉強し、祖母の影響で演歌も好きですし、カラオケではどんなジャンルでも歌います。でもそれがミュージカル俳優だと思っていますし、作品ごとに芝居が変わるように歌も変化させたいと思っています。音大時代にその教えを全部を受け入れたらオペラの声にしかならなくなって、かえって役の幅が狭まってしまったこともありました。だからと言ってロックだけでは『レ・ミゼラブル』のようなドラマチックな声が必要な声は出せない。そのいいバランスは常に意識してます。そこを目指すと役の幅が広がる。たとえば『RENT』も『レ・ミゼラブル』もどちらもできるような歌い手でいたいし、作品によって声も変化させたいんです。
──『RENT』と『レ・ミゼラブル』は同じミュージカルとは思えないぐらい違いますね。
ちょっと専門的な話ですが…日本語はミュージカルには難しいという面があります。日本語は線が細いので、2000人クラスの劇場だと声が奥まで届かない。英語だと、母音で喉の奥が自然に開くんです。喉の奥が開くと声に厚みが出る。イタリア語や韓国語も、歌のポジションで会話も喋るから喉が強いんだそうです。日本語はぼそぼそ喋っても相手に伝わるという、世界の中でも最も歌に向いていない言語だそうです(笑)。ですから僕は日本語を英語の母音で発声するということを舞台で実践するようにしています。

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ミュージカル俳優になりたいと思ってもらえるように

──そういう実践も含めて、本当にミュージカルがお好きなんだなと感じます。
好きですね。でも日本には外国のようにミュージカルを教えてくれる専門学校があるわけではないので、とにかく若い世代に、もっともっとミュージカルを見てほしい、志してほしいと思います。ジャニーズやEXILEになりたいと思う子がいるように、僕たちのようなミュージカル俳優になりたいと思う子がどんどん出てくるように、これからもがんばりたいですね。
──この『レディ・ベス』もミュージカルの宣伝に大きな力になればいいですね。
この作品を観ていただいて、どんな時代でもさまざまな障壁と闘いながら、自分の信念をもって生きること、そして愛情を貫く大切さを感じてほしいです。世界に発信するにふさわしい素晴らしいミュージカルになると思いますので、皆さん、ぜひ世界初演を一緒に盛り上げてください!


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やまざきいくさぶろう○86年生まれ、東京都出身。高校・大学で声楽を学び、07年『レ・ミゼラブル』のマリウス役でデビュー。以降『モーツァルト!』『嵐が丘』『ロミオ&ジュリエット』『ミス・サイゴン』等ミュージカルに多数出演。10年にアルバム『愛の五線譜』でソロCDデビュー。“StarS”としてもミニアルバムをリリース、昨年11月には日本武道館公演を成功させた。第36回菊田一夫演劇賞を受賞している。

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『レディ・ベス』
脚本・歌詞◇ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲◇シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞◇小池修一郎
出演◇平野綾/花總まり(Wキャスト) 山崎育三郎/加藤和樹(Wキャスト)未来優希/吉沢梨絵(Wキャスト)平方元基/古川雄大(Wキャスト) 和音美桜 吉野圭吾 石川禅 涼風真世 石丸幹二/山口祐一郎(Wキャスト) ほか
●4/13〜5/24◎帝国劇場(4/11、12プレビュー公演)
〈料金〉S席¥13,000 A席¥8,000 B席¥4,000(全席指定・税込)
〈プレビュー料金〉S席¥10,500 A席¥7,000 B席¥3,500(全席指定・税込)、
●7/19〜8/3◎梅田芸術劇場メインホール
●8/10〜9/7◎博多座
●9/13〜24◎中日劇場
〈お問い合わせ〉東京/東宝テレザーブ 03-3201-7777(9:30〜17:30)



【文/白川早良 撮影/岩田えり】


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