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前田美波里、柴田理恵、キムラ緑子という実力派のベテラン女優が顔を合わせる三人芝居、『淑女のロマンス』が9月に紀伊國屋ホールで上演される。
スーパーの鮮魚売り場で働く女、夫との離婚を考えている女、詩を作る浮世離れした女、それぞれ生き方も背景も違う3人がマンションの一室で顔を突き合わせ、若い男をめぐって恋の火花を散らす。
水谷龍二らしい笑いと会話で描き出される、そんな物語を演じる「淑女」の1人、前田美波里に話を聞いた。

共演者の舞台の強烈さに「うわぉ!」

──久々のストレートプレイということですが。
考えてみたら、平幹二朗さんが演出されたシェイクスピアの『冬物語』(01年)以来です。平さんの奥様の王妃をやらせていただいたのですが、そのときも平さんから「ここは一応死んでるという設定なので、美波里さんはジプシーになって踊ってください」と言われて。私の出る舞台は、必ず歌か踊りがあるんです(笑)。それが今回は、そういう場面がまったくないので、新鮮な気持ちで取り組んでいます。
──共演が柴田理恵さんとキムラ緑子さんですから、丁々発止という舞台になりそうですね。
とにかく強烈なお2人ですよね。この舞台に出ると決まってから、お2人の舞台を拝見しに行ったんです。WAHAHA本舗も『殺風景』も強烈で。「うわお!」と(笑)。
──美波里さんも、華やかな存在感でお2人に負けないと思います。
でも華やかさはあまり必要ない役なんです。職業が職業なので、ハハハ(笑)。初演の脚本を読んでいて、「私がこの役をやったら面白いんじゃない?」と冗談で言ったら、本当にそれが来ちゃったんです(笑)。
──水谷龍二さんの脚本を読んだ印象はいかがですか?
マンションに最初に緑子さんがいて、そこに私、そして理恵さんと1人ずつ現れて、お互いに牽制したり騙し合ったり、見栄を張ったり、ちょっとだけ自分が勝ってるとか思ったり…そのうちにだんだん本音が出てくる。そのあたりの駆け引きが実にうまく書かれていて、しかも、それぞれが背負っている生活なども見えてくる。女性のお客様ならいろいろ思い当たることが多いでしょうし、実によく出来た本だと思いました。
──観客としては、3人の心理を含めて盗み見る楽しさがありそうですが、演じる側の緊張感はすごいでしょうね。
小さめの劇場で観るからこそ面白いお芝居だと思いますし、以前からそういう空間で自分を試したいと思っていたんです。それがやっと叶うので、とても楽しみなんです。ミュージカルばかりで地方をまわっていたので、今度は日本の津々浦々をこの役で生きてみたいと思っています。

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芝居だけで声がかかるような役者に
 
──3人の女性のバトルではありますが、3人の恋心は純粋で、どこか「淑女」という感じで、そのイメージが、あのチラシの宣伝写真なのかなと。
撮影で「髪の毛つけてください」と言われてびっくりしたんです(笑)。プロデューサーが「風に揺れなくちゃいけないんだ」と言うので、長めのヘアピースをつけているんですが、「美波里さん、若い頃の写真を出したの?」とみんなに言われてます(笑)。カメラマンの腕がいいんでしょうね。3人とも若くて、乙女になってます(笑)。
──この作品ですが、どんな方に観ていただきたいですか?
やはり芝居好きな方に観てもらいたいですね。今までの私のイメージといえばミュージカルだと思うのですが、そろそろ演劇の人に(笑)、なりたいなと思っているので。
──前田美波里の新しいステップということですね。
この年で新しいステップなんておこがましいのですが、でもけっこう挑戦型なので、最近は映像では少しずつですが、キーになる役を頂けるようになりました。できればこの作品で、舞台の上でも芝居だけでお声がかかるような役者になりたいです。もちろん一方では踊ったり歌ったりも続けながら、演劇人としても自分を高めていければと思っているんです。



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まえだびばり○48年生まれ、神奈川県出身。15歳で舞台デビュー。66年の資生堂夏のキャンペーンで一躍脚光を浴びる。ミュージカルを中心に東宝や劇団四季などの数多くの舞台に出演するほか、TV、CMなど多岐に渡って活躍している。最近の主な出演作品は、テレビドラマ『ラスト・シンデレラ』『ヤバい検事 矢場健〜ヤバケンの暴走捜査〜3』土曜ワイド劇場『スペシャリスト2」』、映画『劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐』、舞台『Endless SHOCK』『Legendary VI〜Tne Show of Dream〜』『IN THE HEIGHTS』など。主演舞台『アプローズ』で、第30回松尾芸能賞優秀賞受賞。


〈公演情報〉
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トム・プロジェクト プロデュース
『淑女のロマンス』
作◇水谷龍二
演出◇高瀬久男
出演◇前田美波里、柴田理恵、キムラ緑子
●9/25〜10/2◎紀伊國屋ホール
〈料金〉前売¥5,000 当日
¥5,500 学生¥2,000 シニア(60歳以上)¥4,000(全席指定・税込)

その他全国公演あり
〈問合わせ〉トム・プロジェクト 03-5371-1153(平日10時〜18時)
http://www.tomproject.com/




【取材・文/宮田華子 撮影/田中亜紀】 


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