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  Ⓒヨーロッパ企画/女性チャンネル♪LaLa TV

「女性チャンネル♪LaLa TV(ララ・ティービー)」で深夜に放映されているオリジナルショートアニメ『キョートカクテル』が、そこここで話題を呼んでいるようだ。作り手の中心はヨーロッパ企画の石田剛太。脚本・演出を担当し、声の出演もしている。“得意の恋愛話”を絶妙にアレンジした内容は、ヨーロッパ企画らしさを存分に生かしながら、石田自身の個性も際ださせる“大人のラブストーリー”(本人談)だ。今冬にはジェーン・スー原作で人気女優たちが出演するドラマ『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』とのコラボレーションも企画されているという、まさに登り調子! 石田剛太の恋愛から創作までに、ご注目を!


「恋愛だけだったら、石田くんおもしろいの書けるから」


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――この『キョートカクテル』という短編アニメーションは、ヨーロッパ企画の多様な活動
の中から派生したものですね。

そうです。派生して派生してという感じなんですよ。きっかけは、うちのメンバーがやっているラジオ番組の中にラジオドラマのコーナーがあって、そこをまるまる一本ぼくが担当したというのが最初なんですけど。そのラジオドラマをもとにアニメにしました。なんでそのラジオドラマをぼくが一本やることになったかというと、劇団の永野(宗典)がNHKのEテレでやってるアニメがあって。そこで『タクシードライバー祗園太郎』というタイトルで恋愛エピソードを書いたら、それがなんか、ちょっとヘンテコな恋愛みたいなロマンチックな感じだったんで。「それ、おもしろいね」って、メンバー内で盛り上がたんです(笑)。そこからですね。そこから派生しました。
――うまく流れが作られていて、おもしろいですね。
ぼくもびっくりしました。なんか、こんなふうにやっていたことが、今こんなことになるの??みたいな。え?これ?みたいな。びっくりしますよ、本当。思いもよらないところに、人って行くんだなぁって。
――もともと脚本とかを書くのは得意だったんですか?
まったく。マネージャーの吉田から「恋愛だけだったら、石田くんおもしろいの書けるから」って言われて。「そうですか〜」って言いながら。「無理だと思うけど」と書いてみたら、書けたかどうかは分からないけど、自分で書くのが楽しくなってたんです。どんどんどんどん出てくるんで。それが質が高いかどうかは、ちょっと置いといて。「あ、これも書きたい、あれも書きたい」みたいな。やってるうちに、楽しくなってたっていうのが、最初ですね。

かなりぼくの恋愛エピソードも入っています。

――石田さんは実際の恋愛も得意なんですね。
それは(笑)。・・・・・・好きは好きですね。恋愛の話をしたりとか。人の恋愛話を聞いたり。自分も人を好きになることが多いですね。でも今、11年くらい付き合っている人がいて、そんなに経験豊富というわけでもないんですよ。でも一人の女性に対して、いろんなものをプレゼントしたりとはかします。それを台本とかにしていますね。たとえば、この間書いたエピソードがあるんですけど、「なにもない日に、たとえば誕生日とかクリスマスとか、そういう記念日じゃない日にプレゼントをこう、出すんですよ。そうすると相手が「え、今日誕生日とかじゃないよ、わたし」とか言ったときに。「え、別に誕生日とか記念日とかじゃない日にプレゼント渡しちゃいけないの?」って言うと、女はよろこぶんですよ(笑)。「女は喜ぶ」っていう言い方は最低ですけど。ドキっとするというか。
――ドキっとはしますねぇ。
うれしいと思うんですよ、プレゼントとか。っていうのをやったことあります。たまに花を買ってきて、花束。花束を渡して、「今日別になんでもない日だけど、たまたま花見付けたし、きれいだし買ってきたよ」みたいな。
――じゃあこのドラマのそこここに実体験が組み込まれている。
けっこう、あるんですよ。ぼくの話すごく混ざってます。ぼくの話だけだと、そこまでロマンチックじゃないから、そこからさらにかぶせてはいます。たとえば、それを渡したときに、彼女は「うれしい」だけで終わるけど、『キョートカクテル』だったら、さらに女はこんな返しをしてくるみたいのは、ありますね。アレンジはしています。ただ、本当にかなりぼくの恋愛エピソードは入っています。
――ちょっと嫌ですね(笑)。
(笑)そうでしょうねぇ。嫌かもしれないですね、こいつの世界観・・・・・・。
――いやいや、このドラマの構造がそうなっているじゃないですか。メインの話があって、最後の落ち、マスターと常連客でドラマの内容についてのツッコミ。あの構造を考えたときにもう勝ちですね。

ああ、そうですか! ありがとうございます。
――だって、けっこう外しても大丈夫じゃないですか。メインの話は。
ハハハ。そうですね。ロマンチックであればあるほど、恋愛が過剰であればあるほど、バーに戻ってからの最後の受けでおもしろくなることもありますね。

原点というか、そもそものアイデアはラジオなんです。

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――そうですね。あれは絶妙な会話ですが、どういう風に作っているんですか? ラスト1分くらいの。あれがあるから、見る人はいつでも安心して見てられますよね。
あれの原点というか、そもそものアイデアはラジオなんです。ぼくと永野と本多(力)と3人でやってたんですね。ラジオドラマを聴いてもらったあとに、3人でしゃべるんですよ。永野と本多とがつっこみを入れるんです。「いや気持ち悪いでしょ、あれ」とか「あんなことやる人、キモイでしょ、ヤバイでしょ」というのに、それに対してぼくが「いや、違うんだよ、これはね。こういう世界観で、これがいかに〜、お前達は本当に恋愛がダメだなぁ」っていうふうなのをラジオでやってたんです。それのパッケージがよかったんで。ただ今回はそれをやりっぱなしだと、笑いなのか、ロマンチックねらいなのかどっち、って中途半端になっちゃいそうで。バーを舞台にして、それをマスターと常連客、諏訪(雅)なんですけど、特に諏訪なんか、ぼくの考えた恋愛話なんかにつっこみが冴え渡る人なんで(笑)。冷めた目線をすごく持っている人だから。おまかせなんですよ、あそこは。わりと。
――その感じはすごく出ていますよね。
ヨーロッパ企画っぽい会話のやりとりができるんで。諏訪と2人で。そういうのをやってみたという感じですね。
――ヨーロッパ企画っぽいという話でいうと、実写とあまり動かないアニメーションというちょっとちゃちい組み合わせが、逆にすごく効果的に見えるというか。メインのドラマの内容がどんなに濃くなったり、少しエグくなってもあの絵でOKっていう。相乗効果で素敵な画面になって出てくる気がしますよね。
アニメだけじゃなく、カクテルが注ぎ込まれているシーンは実写の動画が入っていたりとか。普通のアニメとかだったら、いろいろ動かないと絵が持たなかったりとか、ずーっと見てられなかったりとかするんですけど。なんか、まったりなんとなく見てられるとか。

「京都でいきましょう。あなたたち京都にいるんだから。」

――勝ちの要素のひとつとして、バーのある場所が「京都の木屋町」っていうのも。
そうみたいですね。京都はよく言われます。
――ずるいですね(笑)。
(笑)京都を出すとね。それはね、番組のプロデューサーが「京都でいきましょう。あなたたち京都にいるんだから。」と。ハハハ。
――映像でも実在する場所が出てきますね。
京都でカップルがよく行くデートスポットだったり、ぼくたちがちょっといいなと思うところだったりを狙ってロケをさせてもらってます。
――バーのマスターがカエルなんですね。
カエルは、なんでカエルにしたかっていうのは実はなんとなくなんですけど。恋愛ドラマをやるので、それを語って聞かせるマスターはかっこいいダンディな人よりも。カエルよくしゃべるし、みたいな。あれは僕なんで、ハハハ。なんかこう、そういうイメージですね。
――いろいろ揃いましたね。
そうですね。そういういろいろが、いい感じに抜けてて。でもロマンチックにしたいんで。
――ところどころではロマンチックとは思いますね。
ありがとうございます。フフフ。
――実在のお店も出てくるんですね。
そうですね。店名を出した方が、京都に興味を持ってもらえるし。ああ、ここにあるんだっていう。そういう京都の観光ガイド的にもなるから。わかりやすいんじゃないかなと。
――そうですよね。
そこで実際に出しているサンドウィッチだったりするので。あ、ここ行ったらこういうの食べれるんだとか、思ってもらえるといいなという狙いです。

「大人ってずるいことしてたんだな」って本当に思ったわけですよ。

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――それがあると見る人は情報量が増えて、スムースに次に進めますよね。その中で、タイトルにもなってる、カクテルが出てきますがお好きなんですか?

それがですね、ぼくあんまりお酒は強くなくて、多少飲めるくらいで。カクテルも全く飲んだことがなかったんですけど。ヨーロッパ企画の公演に客演で来ていただいた菅原永二さんが、バーに行く人だったんですよ。ぼくはそれまでバーに行ったことがなかったんです。お芝居が終わってみんなで飯食って、飲み会みたいなところに行った後に、「もう一軒行こう」ってバーに連れて行ってもらったんですよ。それが本当に初めてくらいの感じで。そしたらね、そこがね、もうすごい素敵な雰囲気が漂っていて。「なにこの空間?」みたいな。「大人ってずるいことしてたんだな」って本当に思ったわけですよ。ああ、こういう世界があって、こういうところに一人で来て、ゆっくりお酒を飲んでっていうことをしてたと思うと。これまでちょっと損してたなと。そこからカクテルとかを飲むようになりました。
――ほー。
教えてもらって。なんか、こう、「これマティーニっていって。これとこれのウォッカとなんとかのリキュールで。ウォッカベースで」とか、そういうのを聞いていると「あ、かっこいいなぁ」って。それでなんかこう、色も綺麗じゃないですか。それを見ながらゆっくり飲んでいると「あ、今なんかすごい幸せなんだなおれは」と実感できるというか。ハハハハハ。
――そうなんですか。
贅沢。すげえ贅沢だなと思って。なんか。飲み物が5〜600円でチャージ1000円くらいで15〜600円でしょ。それを1杯。30分、1時間くらいをね、こうやって、こう何もせず。別にスマホとかを触るわけでもなく。たまにね、マスターともしゃべったりとかもするんですよ。でも必要以上はしゃべんない。ハハハ。ちょっとしゃべっては。
――まさにそういう世界なんですね。
そうなんですよ。最近。
――いろんな要素が石田さんの中に入ってきたわけですが、表出する力があればこそですね。
本当に、クオリティはよくわかんないけど、楽しいから。自分の好きなことをいっぱい書けるから。自分の好きなことばっかりをやれているので。
――楽しさは充分に伝わってきます。
ありがとうございます。

恋愛の話ってみんな好きなんですよね。

――なによりですよね。まだまだ続く話なんですか?
最初のうちはいっぱい書けたんですよ。でもどんどん書いていくとさすがにもう自分からはないんですよ。自分からないとなかなか書けないもので。恋愛するしかないっていう。
――がんばって。
でも彼女ずっといるし。
――それはそれで。
もうぼくね、仮想でいろんな人を勝手に好きになっていくしかないなと。
――それでこそ作家の道なんじゃないですか?
いやー、そういうことなんですかね。作家ってすごいなって思いますね。でも本当に今は楽しくやらせてもらってますね。だからもう、最近、飲み会で役者さんとかと飲む機会があったら、だいたい恋愛エピソードを聞いているんですよ。「最初つきあったとき、どんな感じでした?」とかそれをネタにするみたいな。そんな感じですね。
――石田さんとお酒飲む人は、気をつけないといけないですね。
でもね、恋愛の話ってみんな好きなんですよね。自分が話すのも好きだし、意外と。
――そうですね、自分からは切り出しづらいけど、振ってくれれば話すっていう。
なんかちょと自慢してくるんですよ、みんな。自分からは語りたがらないけど、聞くとふわーってしゃべりはじめる。でなんか、いい恋愛エピソードとかがあるんですよね。すごくつらかったやつとか、最低の振られ方したやつとか、そういうのを聞いているとなんかこう、おもしろいんですよね。話はずむし。だからやっぱりみんな、恋愛好きなんだなって。
――いいフィールドを押さえましたね。
楽しいですね。確かに恋愛はヨーロッパ企画の中でだれもやらないんで。ぼくが、じゃあヨーロッパ企画の中では恋愛担当としてやらせてもらってますね。

「女がマウントポジション取る」って、おもしろい表現だなと思って。

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  Ⓒヨーロッパ企画/女性チャンネル♪LaLa TV

――すばらしいですね。で、さらに、ジェーン・スー原作で『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』というドラマとのコラボレーション企画がありますが。このだラマはいろんな人気女優が出演するドラマですよね。
そうなんです。『キョートカクテル』とコラボをしましょうということになって。まさにこのアニメの世界観で。バーのマスターと常連客が登場して。結婚ができない女性が主人公のエピソードがあって、その中でもぼくがやらせてもらうのは、特に女が恋愛に夢中になりすぎて男が引いちゃったエピソード、それをやらせてもらいましたね。女が盛り上がって『キョートカクテル』っぽいロマンチックなことをやろうとするけど、男が引いちゃうみたいな。それを常連客とマスターで「あれじゃ結婚できないよな」ってみたいなつっこみを入れるとすごくマッチしたんです。
――もともと世界観が近い?
恋愛は恋愛なんで、そこを、うまくやらせてもらえたのかなとは思います。ただ、『キョートカクテル』の場合は男女二人とも盛り上がるんで、あれなんですけど、ジェーン・スーさんの視点はわりと引いているところがあるので、逆に盛り上がり過ぎちゃって引いていくっていう目線があるので、そこをこううまいことをやりました。
――これにも諏訪さんのつっこみはあるんですか?
入れました。諏訪にジェーン・スーさんの言葉を語ってもらってる感じで。「あんなふうに女がマウントポジションを取ったら、男はもうぼこぼこにされるだけだから」っていうメッセージがあるんですけど。「女がマウントポジション取る」ってなかなかおもしろい表現だなと思って。それをそのまま諏訪さんが突っ込みを入れる感じで語らせてもらったりとか。
――じゃあ全体的に安心ですね。
そうですね。この常連客がつっこみを入れることによって見てられる。
――いやいや、オープニングもステキですよね。
ありがとうございます、オープニングはちょっとキザな感じで。フフフ。

次回はプロデュース ユニット「イエティ」に出演。

――演劇の話を少し。次の石田さんの出演は、プロデュース ユニット「イエティ」ですね。
大歳(倫弘)くんっていうヨーロッパ企画の若手っていっても、もういい年なんですけど、後輩が作・演出を務めるユニットなんですけど。ヨーロッパ企画のメンバーと客演さんで、という形でやっているんです。ヨーロッパ企画っていうのが、代表の上田(誠)が統括して緻密に組まれた企画性みたいなもので作っていくのに対して、大歳くんはそういうのではなく。あえてそれを逆手に取る。あえてジャンク・カルチャーみたいなのに手を出すっていう。それもね、自分で言い出したようなあれなんですけど。
――もっと突っ込んで行ってる?
なんか、サブカルチャーっていうと、もういま市民権を得ておしゃれな感じになってると思うんですけど、そのおしゃれな感じっていうよりも。なんかこう、たとえば、ドンキホーテとヴィレッジヴァンガードって、実は置いているものがかなり一緒なんですよ。でもヴィレッジヴァンガードは何かおしゃれで、ドンキホーテはヤンキーの文化じゃんみたいな。ドンキとヴィレヴァン間違えたヤンキーがどんどんどんどんおしゃれになっていくっていう話だったりとか。そういうのを自分でジャンク・カルチャーって言い出して。今回はインターネット。ネット社会のなんかこう、ぼくもまだあんま聞いてないんですけど。そういうのをテーマにしていくっていうのが。なんかすごく俗っぽい。ヨーロッパ企画ってあんまりそういうのをしないので。そこをあえて、触れてやっていくっていうのが。演劇であんまり扱われないようなテーマを、やりたいんだみたいなことを本人が言っていて。それがおもしろいので、のっかって一緒に毎回やらせてもらっています。


石田剛太

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いしだごうた○79年生まれ、愛媛県出身。99年からヨーロッパ企画に参加。メインの存在から飛び道具まで幅広い役柄を演じる。『こちらヨーロッパ企画福岡支部』(LOVE FM)を始め、ラジオパーソナリティやMCの仕事も多数。


石田剛/太活動予定

{映像}
『キョートカクテル』

キョートカクテル

監督・脚本◇石田剛太
声の出演◇高阪勝之 福井菜月 石田剛太 諏訪雅 本多力
演出◇柴田有麿 角田行平 山口淳太
イラスト◇角田貴志
フラッシュアニメ制作◇西村直子 森本萌黄
音楽◇村角ダイチ
女性チャンネル♪LaLa TV◇毎週(月)24:45〜ほか
番組ページ◇http://www.lala.tv/programs/kyoto_cocktail/

『キョートカクテル』Xmas特別編一挙放送
CS放送・女性チャンネル♪LaLa TV◇12/24(水)、25(木) 23:00〜
LaLa TV◇http://www.lala.tv/

『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』
原作◇ジェーン・スー
出演◇相武紗季 市川実和子 井上和香 大和田美帆 木南晴夏 小島聖 酒井若菜 佐藤めぐみ 鈴木砂羽 谷村美月 平山あや 渡辺真紀子 他
CS放送・女性チャンネル♪LaLa TV◇毎週(火)24:00〜/毎週(日)11:00〜ほか
番組ページ◇http://www.lala.tv/watapro/

[演劇]
イエティ『カレの居ぬ間に ビッグフット!』

20141120172421257
作・演出◇大歳倫弘
出演◇石田剛太 酒井善史 角田貴志 池浦さだ夢(男肉 du Soleil) 満腹満(THE ROB CARLTON) 望月綾乃(ロロ)
2014/12/18〜21◎元・立誠小学校(京都)
2015/1/15〜18◎駅前劇場(東京)
2015/1/23〜25◎dependent theatre 2nd(大阪)
ヨーロッパ企画◇http://www.europe-kikaku.com/


【構成・文/坂口真人 撮影/矢崎亜希子】


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