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アイルランドのダブリン北部。海沿いの町の古びた家で、男たちが興じるポーカー。5枚のカードに託された男たちの命運。人生のすべてを賭けたゲームが、今、始まる…。
5年前に、小日向文世、吉田鋼太郎、浅野和之、大谷亮介、平田満という名優5人で演じた傑作舞台、『海をゆく者』がそのままのキャストで帰ってくる。まずは12月8日にパルコ劇場で初日を迎え、その後、来年1月には6都市での上演が待っている。(12月7日にパルコ劇場にてプレビュー公演が急きょ決定!)
どこかミステリアスな存在感を放つロックハート役として、初演で強烈な印象を残した小日向文世に、
今回の再演へかける抱負を語ってもらった演劇ぶっく12月号のインタビューを別バージョンの写真とともにご紹介する。

ダメな男たちばかりなのに愛おしい芝居

──5年前のキャストが全員、今回も揃いました。
嬉しいですよね、この5人の座組だからいいので、1人抜けても違う芝居になってしまうと思います。それに鋼太郎だけ4歳年下ですが、あとはみんな同学年なんです。でも、共演はそれまであまりしていなくて、浅野だけは何回か三谷(幸喜)さんの舞台で一緒になりましたけど、大谷とは自由劇場以来だし、鋼太郎とは初めて、平田さんとも舞台は初めてだったんです。
──その5人の方ならではの演技力で、アイルランドの濃密な人間関係が面白かったです。
そこは演出の栗山(民也)さんのおかげですね。アイルランドが好きでよく行っていたということで、細かく具体的なことを教えてくれたんです。印象に残っているのは、あの国はとても宗教的な風土なのですが、この芝居に出てくる人間たちは、できるだけ神とかそういうものから遠いダメな人間で、それを徹底して見せる。そういう演出でした。そこをきちんと見せておくので、最後の最後に出てくる「上にいる方はこの虫けらのような人間たちが大好きなんだ」という言葉が効いてくるんですよね。
──確かに、とっちらかった世界の中にも聖なるものが見える終幕ですね。
みんな格好は汚いし、鋼太郎は唾をやたら吐くし、壁にガンとぶつかる浅野とか(笑)、出てくるのは本当にダメなやつばかりで、女にも金にもだらしないアル中の男ばかりなのに、神様はちゃんと温かく見守っているという。しかもクリスマスの日で、最後にふっと温かい気持ちになるのがこの戯曲の素晴らしいところなんです。

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ロックハートは
ダークサイドを広げてくれた役

──ポーカーをしながらの会話も多くて、難しかったのでは?
覚えにくくてたいへんでした(笑)。みんなで稽古や本番前に何度もカードの稽古をするのが日課でしたね。カードさばきもたいへんなんですけど、それぞれの手の内にある札とか引いてきた札などが、全部ストーリーの伏線になっているから、言い間違えるわけにはいかない。よくやったなと思います。
──小日向さんのロックハートは、平田さん演じるシャーキーに、カードをしながらプレッシャーをかける役ですね。
シャーキーを苛める役割です(笑)。どうやってプレッシャーを与えるか、その表現を、前回と同じやり方にするか変えるか、今回はどう脅そうかなと(笑)。この初演を見た三谷さんが、僕にナチスの宣伝相ゲッベルスの役で『国民の映画』(11年)を書いてくれたんです。僕はそれまで三谷さんの作品では善い人の役が多かったんです。『国民の映画』以降、悪い役のお話も多くなりましたから、ロックハートはある意味僕のダークサイドを広げてくれた役なんです。
──みんなの中で唯一裏がある役ですし。
鋼太郎がこの役がやりたいと言ってました(笑)。でも、みんな、他の人間の役もやりたがって、大谷は鋼太郎の役か平田さんのシャーキーもいいねと。僕は大谷の役がお調子者で面白そうだなと(笑)。「思い切ってダブルとかいいね」とか話したり。こういう男ばかりの芝居ってあまりないですからね。しかもダメなところをさらけ出す露悪的な芝居で(笑)。若い女性のお客さんとかには嫌がられそうだけど。
──ところが今回の再演は、女性の観客からの注目度がアップしているそうです。
それは鋼太郎の影響じゃないのかな?『花子とアン』でしょう(笑)。でも、若い女の子にモテル中年男というのがちょっとしたブームだという話もあるけど(笑)。この作品は、最終的には人間の無邪気さ、弱さが描かれています。若い女性にも若い男性にも見てほしいですね。
──再演での熱演が期待できそうですね。
5人の息を合わせて、ちょっと可笑しくて、スリリングで、最後に人間の愛おしさみたいなものを、しっかり伝えられればと思っています。

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こひなたふみよ○54年生まれ、北海道出身。77年にオンシアター自由劇場に入団。96年の解散まで中核的存在として活躍。解散後は映像、舞台で活躍中。第19回読売演劇大賞最優秀男優賞、第86回キネマ旬報ベスト・テンで助演男優賞を受賞。最近の主な出演作品は、TVドラマ『MOZU』(TBS・WOWOW)『ラストホープ』『HERO』(CX)『悪夢ちゃん』(NTV)『緊急取調室』(ANB)、『嫌われ監察官』(TX)『平清盛』(NHK)、映画『アウトレイジビヨンド』『逆転裁判』『清須会議』『舞妓はレディ』、舞台『国民の映画』『藪原検校』『K.ファウスト』『あかいくらやみ』など。


【プレビュー公演決定】
12月7日(日)18:00開演 
〈料金〉¥6,500  U
-25チケット(25歳以下限定)¥4,500 
※U-25チケットは引換券です。
観劇日に劇場受付で身分証明書を提示の上、指定席券と引換になります。

〈公演情報〉
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パルコ・プロデュース
『海をゆく者』
作◇コナー・マクファーソン 
翻訳◇小田島恒志 
演出◇栗山民也
出演◇小日向文世 吉田鋼太郎
浅野和之 大谷亮介 平田 満
●12 /8〜28◎パルコ劇場
●2015/1/6〜◎金沢、豊橋、大阪、
仙台、広島、福岡
〈料金〉¥7,500 U-25チケット¥4,500(全席指定・税込)
〈問合わせ〉パルコ劇場03-3477-5858
http://www.parco-play.com/web/program/seafarer2014/ 

 


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