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世界トップレベルのバレエ団を有する世界随一のバレエ大国・ロシア。そのロシアから、観るものの心を震わせるドラマティック・バレエが、5年ぶりに日本に上陸する。
国立モスクワ音楽劇場バレエ団の来日公演で、総勢150名というメンバーによって上演されるのは、誰もが知っているチャイコフスキーの『白鳥の湖』、そして名作小説『ノートルダム・ド・パリ』をもとに作られた『エスメラルダ』。ともにバレエファンなら胸躍る作品だが、とくに演劇的なバレエとして語られるのが『エスメラルダ』。演劇ファン必見の作品である。

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【マーロン・ブロンドやアル・パチーノの演技理論】

バレエ大国ロシアにあって、国立モスクワ音楽劇場バレエ団の優れている点として語られるのは、マーロン・ブロンドやアル・パチーノも習得した演技理論、"スタニスラフスキー・システム"に基づいて、作品が作られていることだろう。
アメリカの「アクターズ。スタジオ」のメソッドとして知られる"スタニスラフスキー・システム"の生みの親は、K・S・スタニスラフスキー。彼はチェーホフなどを世に送り出した人物として、世界の演劇史に名を残している。そして、彼とともにモスクワ芸術座を設立したのが、この国立モスクワ音楽劇場バレエ団の創始者、ネミロヴィチ= ダンチェンコなのである。
そんな2人の名前を冠するバレエ団だけに、「ダンサー=俳優」の理念を掲げて、踊りの技術だけでなく、登場人物になりきる俳優としての表現力をダンサーに求め、また、原作やバレエを知らない人でも内容がわかるように、ストーリーを重視している。まさにドラマティック・バレエという形容にふさわしい、演劇的なバレエを実践しているのが、この国立モスクワ音楽劇場なのだ。

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【パリの街を背景に繰り広げられる愛憎劇】

今回の演目の1つである『エスメラルダ』の原作は、ヴィクトル・ユゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』、ディズニー映画『ノートルダムの鐘』やフランスのミュージカルなどでも有名な人気作品だ。この物語を国立モスクワ音楽劇場のウラジーミル・ブルメイステルは、今から50年以上も前にバレエ作品として誕生させた。彼は、不滅のレパートリー『白鳥の湖』を生き返らせたことでも有名なバレエ界の名匠で、この『エスメラルダ』だけでなく、『ジャンヌ・ダルク』やシェイクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』など、幅広いジャンルからバレエ作品を創作している。今回の2演目も「ブルメイステル版」と名付けられているように、彼ならではの世界観を表現したドラマティックなバレエ作品になっている。

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 【あらすじと解説】

物語の主人公はタイトルロールでもある美しいジプシーの踊り子エスメラルダ。彼女は衛兵フェビュスに恋をする。だがエスメラルダに邪な心を抱く聖職者のフロロは拒まれた憎しみから彼女を陥れる。魔女裁判にかけられ死刑を言い渡されるエスメラルダ。そんな彼女を救い出したのは、ひそかにエスメラルダに恋していたノートルダム寺院の鐘つき、カジモドだった…。
15世紀の荒んだパリの街を背景に、麗しいエスメラルダをめぐって繰り広げられる愛憎劇。そこにブルメイステルは、エスメラルダの出生の秘密にまつわるエピソードを加え、愛、嫉妬、欲望、裏切り、心の叫びを激しく美しく描き出している。
ジプシーたちの情熱的な踊り、エスメラルダとフェビュスの愛のパ・ドゥ・ドゥや悲劇を呼ぶフロロとの踊りなど、見どころも満載。さらに、ダンサーと共に来日する専属オーケストラが奏でる音楽や、緻密で洗練された衣装や舞台美術と「ダンサー=俳優」が織りなす濃厚なドラマ。観るものすべての心に感動を呼び起こすドラマティック・バレエの世界がそこにある。

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【人物ミニ知識】

K・S・スタニスラフスキー(1863-1938)
20世紀演劇界の最高の功労者。1898年、ネミロヴィチ=ダンチェンコと共にモスクワ芸術座を設立。チェーホフなど多数の劇作家の作品を世に送り出した。登場人物の内面を伝える表現方法「スタニスラフスキー・システム(実践演技習得理論)」を生み出す。このシステムはやがてアメリカに渡り、「NYアクターズ・スタジオ」でアクターズ・メソッドとして確立された。

ネミロヴィチ=ダンチェンコ(1858-1943)
20世紀演劇界を革新したロシアの劇作家。1898年、スタニスラフスキーとともにモスクワ芸術座を設立した。1939年、ヴィクトリーナ・クリーゲルが創設したモスクワ芸術バレエ団と彼の劇団が合併。1941年に「スタニスラフスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念国立モスクワ音楽劇場」となる。死去までの3年間、同劇場の芸術監督を務めた。

ウラジーミル・ブルメイステル(1904-1970)
不滅のレパートリー『白鳥の湖』を生き返らせたバレエ界の名匠。1929年からボリジョイ劇場の名バレリーナとして活躍、のちに創設されたモスクワ芸術バレエ団のダンサーとなる。1938年に『海賊』を新演出し、芸術監督としてデビュー。1941年から1970年まで30年間にわたり国立モスクワ音楽劇場の主席芸術監督を務める。

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【『エスメラルダ』2010年来日公演の新聞批評】

「庶民の姿に精彩があり、社会の不条理に抵抗する群衆のエネルギーが印象的だ。ソ連時代の名作が新鮮によみがえった」読売新聞(2010.4.27)

「大聖堂の内外を写実的に再現した美術も、不気味なほどの存在感だった」日経新聞(2010.4.28)

「エスメラルダの奔放なダンスと演技生の強い心理描写を生かした演出が、あらためて演技するダンスの魅力を味あわせてくれた」東京新聞(2010.4.28)

「色彩鮮やかで様々な踊りの感情が渦巻く作品。民衆の渦、キャラクターダンスの混沌、端正なクラシックバレエ。フェブの婚約者の宮殿で繰り広げられる、贅沢な5人のソリストたちのハイレベルなヴァリエーションが素晴らしい」モスコフスカヤ・コムソモーレッツ紙


〈公演情報〉
チラシ

スタニスラフスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念
国立モスクワ音楽劇場バレエ
ブルメイステル版『エスメラルダ』(全3幕)全3回
ブルメイステル版『白鳥の湖』(全4幕)全3回
芸術監督◇イーゴリ・ゼレンスキー
管弦楽◇国立モスクワ音楽劇場管弦楽団
●5/20〜24◎東京文化会館 大ホール
〈料金〉S席¥14,000  A席¥11,000  B席¥9,000  
C席¥6,000  D席¥4,000 (全席指定・税込)    ※『エスメラルダ』『白鳥の湖』2演目セット券は S席¥25,000 (全席指定・税込)
 〈お問い合わせ〉
キョードー東京 0570-550-799(平日11:00〜18:00/土日祝日10:00〜18:00) 



【写真提供:キョードー東京】



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