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笠井里美・石井双葉

昨年度は1年間をかけて、「悪と自由」というテーマで三部作を発表したアマヤドリ。
『ぬれぎぬ』では個人の悪を、『非常の階段』では集団犯罪の悪を、『悪い冗談』では国家という大きな悪と真っ向勝負を挑み、話題を呼んだ。
約半年ぶりの公演は「うつ」と「競争」を、個人的な視点からアプローチする新作。
夏まだ暑い8月上旬、中心メンバーの一人、笠井里美と今年入団した期待の新人・石井双葉に、注目の新作について、アマヤドリの魅力について話を聞いた。


役者同士が、お互いに影響し合うのが面白いんです!

——稽古はもう始まっていますか?
笠井 始まっています。稽古期間の前半は作・演出の広田が執筆中で稽古をお休みしていることが多いので、その間、私が中心となって、「群舞」を作っているところです。

——「群舞」というのは、どういうものですか?
笠井 群舞は時間で言うと1曲の長さでだいたい4分間くらいです。わたしたちは前身の集団ひょっとこ乱舞の時から、役者のダンスという点にこだわっていて。ダンスだけの部分でダンサーと同じ土俵に立ったら、もう身体から違うので、かなわないじゃないですか。だから役者の身体や、普段の生活の中で自由に踊る感じを生かして、もとから自分が潜在的に持っている欲求の動きでダンスを作っています。一般的なこれぞ「ダンス」みたいな振付とは別のものを目指しています。

——振付は作品のテーマ「うつ」と「競争」に合わせて作っているのですか?
笠井 全然関係ないです。あえて、テーマを合わせずに作ることによって、最終的にできた作品とダンスが合わさったら、「こんな風にダンスが見えるんだ!」というアクシデントを楽しみにしています。

——実際に踊る俳優の一人として、笠井さんの振付はいかがですか?
石井 わたしは高校の時にチアリーディングをしたり、ダンスは少しやってきたんですけど、アマヤドリのダンスはまったく別物ですね。音楽に合わせて振付け通りに踊るんじゃなくて、振付け一つ一つにも動機を持たせて、役者同士がコミュニケーションを取りながら皆で一緒に踊るというか、お互いに影響し合うのが面白いんです!

広田さんの言葉は、なぜかキュンキュンするんです!

——昨年は「悪と自由」の三部作に取り組むなど、重いテーマが多いですが、チラシなどのビジュアルに寓話っぽさがあるのはなぜですか。
笠井 アマヤドリの前身・ひょっとこ乱舞時代は、現実とはかけ離れたフィクションの世界を舞台にした作品を多く作っていたんですけど、アマヤドリに変わってからは、今まさに問題になっているような社会的なテーマを扱うようになったんです。だから広田的には、フィクションの部分も忘れたくないというか、扱うテーマは社会的な問題でも、舞台は日本ではないどこかとか、何百年も先の未来の設定とか、そうすることでバランスを取っているのかなと思っています。アマヤドリは作品によってさまざまな表情を持っていて、寓話的な作品のときもあれば、岸田國士やヘンリック・イプセンといった古典作品を扱うこともあります。エンタメ系とかアート系とか何か一つのジャンルにカテゴライズ出来ないので、アマヤドリってこんな劇団って一言で説明ができないんです。でも今作では、社会派とか固いイメージだけではなく、芝居やダンスでもコメディタッチの部分とかも膨らませて行けたらいいなぁと思っています。

——石井さんが考えるアマヤドリの魅力はどういうところですか?
石井 まず広田さんの言葉ですね。シェイクスピアみたいな大げさな台詞じゃない、普段普通に使っている言葉なんですが、心にすっと入ってきて、なぜかキュンキュンするんです。そんな言葉たちが、実際に舞台上で形になるとさらにキュンキュンするんです!それとやっぱり「群舞」ですね。役者にしか出来ないダンスというか、人と人とが繋がっているというか、一言では言い表せない不思議な感じが魅力です!

——今回の作品は「楽しむのがヘタな、みなさんへ」というメッセージありますが、最後に作品についてのアピールをお願いします。
笠井 「楽しむのがヘタな、みなさんへ」というのは、「生きるのがヘタな、みなさんへ」と言い換えることができると思うんです。広田自身とても生きていくのが大変な部分がある人間なんですが、だからこそ、そういう人たちに届くセリフを書ける作家なので、世の中生きづらいなと思っている方達に足をお運びいただけたらと思います。
石井 前作までが重い内容だったので、アマヤドリの作品に難しい印象を持たれた方も多かったようなんです。でも、今回はコメディタッチな作品になる予定なので、今までアマヤドリを見たことがない人はもちろん、見たことがある方にもぜひ観に来て欲しいです!

【プロフィール】
笠井里美(左)
かさいさとみ○1983年生まれ、東京都出身。2004年『無題のム』の広田淳一の演技に惚れ込み、2006年よりひょっとこ乱舞(現アマヤドリ)の作品に出演。小柄ながら溢れるパワーは並みではない。現在では、激高する演出家・広田に応答できる唯一無二の存在。

石井双葉(右)
いしいふたば○1992年生まれ、東京都出身。アマヤドリ『うれしい悲鳴』を観て衝撃を受け、入団を決意。オーディションを受け、2014年よりアマヤドリ作品に出演後、2015年正式に劇団員に。「楽しい!」って思ったら、何でもやる、物怖じしない頑張り屋。

【公演情報】
subarashii

アマヤドリ『すばらしい日だ金がいる』
9/18〜27◎吉祥寺シアター
作・演出◇広田淳一
出演◇笠井里美 渡邉圭介 小角まや 榊菜津美 糸山和則 沼田星麻 中野智恵梨 石本政晶 石井双葉 石井葉月 宮崎雄真 他
〈公式サイト〉
http://amayadori.sub.jp/

【インタビュー・文◇矢崎亜希子】

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