IMG_0263

2月10日、東京芸術劇場シアターウエストにて初日を迎える舞台『オーファンズ』。
1983年にロサンゼルスで初演され、日本でも市村正親、椎名桔平など名だたる俳優たちによって演じられてきた不朽の名作だ。俳優集団D−BOYSの柳下大が自ら宮田慶子にオファーし、企画化された今作。翻訳を劇団DULL-COLORED POPの主宰で、作・演出家、翻訳家として活躍する谷賢一が手掛けることで、現代の日本に合った作品へと生まれ変わった。
場所はアメリカのフィラデルフィア。長屋の一軒家で暮らす親を失くした孤児の兄弟、トリートとフィリップ。ふとしたきっかけで2人と暮らすことになった中年男性・ハロルドとの3人の絆の物語。

柳下は兄・トリートを演じる。利発ながら暴力的な性格で、強盗をしながら弟と2人きりの生活を送っている。兄に抑圧された生活を送る弟・フリィップは、劇団プレステージの平埜生成。若手ながら蜷川幸雄作品にも参加するなど、今後が注目されている。兄弟を導いていく中年男性・ハロルドを演じるのは、舞台でのキャリアを着実に積み重ねている高橋和也。孤独に満ちた2人を優しく包み込む。

2月6日、初演を間近に控え、都内の稽古場にて衣装付通し稽古が行われた。

IMG_0206

うす暗い部屋で一人、TVを観るフィリップ(平埜)。
そこへ警戒した様子のトリート(柳下)が帰宅する。
「どこだ?!フィリップ!」
盗品を吟味するトリート。二人はその盗みで日々暮らしていた。
そんなある日、トリートはバーで出会ったハロルド(高橋)を連れ帰る。
ハロルドは自身の孤児院での思い出を語りながら、酔いつぶれて寝てしまう。
彼の手荷物から実業家と勘違いしたトリートは誘拐を思いつき、寝ている間に椅子へと縛り付け、フィリップに見張りを命じるとまた出かけていった。
しかし思惑通りにはいかず苛立ちながら帰宅すると、そこには声高らかに歌い自由にふるまうハロルドがいた。
「おまえ、俺に誘拐されてんだぞ?!」
意に介さないハロルドは、
「私のところで働かないか?私たちはきっとうまくいく」
はじめはまったく相手にしなかったトリートだが、高額の報酬に応じることとなる。
ハロルドとの生活は、兄弟2人に少しずつ変化をもたらしていく。
富と教養を与えられ、トリートは人とのつながりを学び、フィリップは自分が住む世界を知るようになる。
3人はお互いにかけがえのない存在となっていくが……。

IMG_0308

柳下は、暴力で抑圧するという歪んだ愛情でしか弟を守ることのできないトリートをナイーブに表現。
屈折した気持ちを抱え、すぐ凶暴になる一面と、どこまでも弟を想う温かい一面、複雑な感情を丁寧に演じ分けている。
平埜は、純真無垢なフィリップを繊細に体現。兄の暴力におびえながら、それでも日々を楽しもうとするひたむきでまっすぐな少年を等身大で演じている。

 IMG_0226

そんな兄弟を優しく包み込む役どころの高橋は、まさにハロルドそのものである。愛嬌のあるキャラクターながら父性をもって2人に接する男は、高橋自身にも通じるものがあり、ハロルドに説得力をもたらした。

IMG_0242

クスッと笑えるシーンもありながら、気づけば前のめりで3人の濃密な会話劇に惹きこまれてしまう、あっという間の2時間。
ラストシーンは、しばらく立ち上がれないほどの圧倒的余韻を感じさせた。
谷賢一の翻訳により新たに生まれ変わった『オーファンズ』は、宮田慶子の演出により、強烈に心に訴えてくる人間ドラマに仕上がっている。



キャスト座談会はこちら
http://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/archives/51988031.html
谷賢一インタビューはこちら
http://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/archives/51987217.html

〈公演情報〉
0000000059702
『オーファンズ』
脚本◇ライル・ケスラー
翻訳◇谷賢一
演出◇宮田慶子
出演◇柳下大 平埜生成 高橋和也 
●2/10〜21◎東京芸術劇場 シアターウエスト 
●2/27、28◎新神戸オリエンタル劇場 
〈料金〉
東京/S席¥6,800 高校生以下¥4,000(全席指定・税込)
大阪/S席¥6,800 A席¥5,800(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉ワタナベエンターテインメント03-5410-1885 (平日11:00〜18:00)




お得なチケットいろいろ販売中!
shop_rogo_l

header_rogo


粟根まこと(劇団☆新感線)、松永玲子(ナイロン100℃)などなど連載中!
title