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2月29日に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで初日を開け、3月6日まで上演していた『ETERNAL CHIKAMATSU』-近松門左衛門「心中天網島」より-が、3月10日にBunkamura シアターコクーンで東京公演の幕を開けた。(27日まで)

作品のベースになっているのは近松門左衛門の代表作『心中天網島』で、遊女小春、治兵衛、その妻おさんの三角関係を描いた究極の愛の物語。
この舞台の演出はデヴィッド・ルヴォー、『日陰者に照る月』でウエストエンド演劇賞を受賞、その後、様々な作品でトニー賞を受賞し、世界の演劇界に衝撃を与え続けている。そのルヴォーのオリジナルアイデアに基づいて、作・演出家・翻訳家として知られる谷 賢一が書き下ろした最新戯曲だ。

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主演は、日本を代表する女優の1人である深津絵里、そしてこれからの歌舞伎界を担う中村七之助。2人はなんと今回が初共演となる。共演には映画・ドラマで特別な存在感を放つ女優・伊藤歩、柔剛自在な演技力とその個性がひかる中嶋しゅう、実力・人気ともに日本でオンリーワンの演劇ユニットTEAM NACSの音尾琢真など、錚々たる俳優陣が顔を揃えている。

物語は、やむなく売春婦をしている女(深津絵里)が馴染み客と命がけの恋に落ちるが、周囲の反対を押し切って思いを遂げることはできないと、女は嘘の愛想尽かしをして男と別れる。自暴自棄で街を彷徨う女は、かつて遊女の涙であふれたという蜆川(曽根崎川)で自分と似た境遇の遊女(七之助)に出会う。江戸と現代、二つの世界が今ここに結び合う…というもの。

なによりもまず、深津絵里と中村七之助という2人のヒロインが絵のように美しい。そして、その美を夢幻のようにも現実のように生々しくも変化させてみせるルヴォーのスピーディで洗練された演出、歌舞伎の様式と美を取り込んだシンプルで色鮮やかな舞台美術、また現代語と近松の書いた詞を違和感なく繋いで物語を縫う谷 賢一の脚本。どれをとっても演劇ならではの特性を生かし、演劇でしか表現できない世界がそこに構築されている。また劇構造に仕掛けがあることで、近松の心中物を描きながら、それを批評し、同時にそこで生きる人間を慈しむ眼差しがあって、それがこの作品の豊かさを感じさせてくれる。まさにルヴォーならではの新しく息づく「チカマツ」がそこにあった。

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その初日を前にした深津絵里、中村七之助、デヴィッド・ルヴォーからのコメントが届けられた。
 
【コメント】

深津絵里
いよいよ初日です。まだ実感が沸いてないのが本音ですが少しでもお客様に楽しんでいただけるように全力を尽くすのみです。どの時代でも上演されている近松の古典的なお話をあえてイギリス人のルヴォーさんが演出に挑むことが、この作品のすべてなのではないかと思います。そこが一番の見所だと思います。

中村七之助
とてもいい緊張で初日を迎えられることが嬉しいです。稽古で自分がやってきたこと、キャストスタッフ皆で同じ方向を向いて突き進んできたことを信じてやるだけです。近松も初演は僕たちと同じパワーでやっていたのかなと思います。このチカマツもいつか古典になるかもしれません(笑)。ぜひともその初演を見逃さず観に来ていただきたいです。

デヴィッド・ルヴォ
稽古で積み上げてきたことが形になり、とても興奮しているし、楽しみにしています。
この舞台は、息ピッタリのお二人(深津絵里さん、中村七之助さん)によって2つの世界が見事に合致しました。難しかったと思いますが、とても素晴らしいものができました。当初、絵里さんには現代、七之助さんには過去を演じてもらおうと思っていましたが、結果的には、お二人とも未来を演じてくださいました。お客様に観ていただけるのが楽しみです。
 
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※この公演の製作発表の記事はこちら
http://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/archives/51989085.html


〈公演情報〉
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『ETERNAL CHIKAMATSU
―近松門左衛門『心中天網島』より―』
作◇谷 賢一
演出◇デヴィッド・ルヴォー
出演◇深津絵里 中村七之助/伊藤歩/中嶋しゅう/音尾琢真 ほか
●3/10〜27◎Bunkamuraシアターコクーン
〈料金〉S席11,500円 A席9,000円 コクーンシート6,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉
東京/梅田芸術劇場 0570-077-039

【文/榊原和子  撮影/岸隆子(Studio Elenish)】



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