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東京おかっぱちゃんハウス会場)玄関
 

5月20日〜22日、東京の「新しいマンションに囲まれた古い家」で『死ぬ家』というタイトルの作品が上演される。公演の主宰・脚本・演出を手がけるのはげんこつ団の団長、一十口裏。初の個人企画作品を上演する場所に選んだのは、都内に残った大きな古民家。その建物を活かしつつ、展開される「死体のない葬式」の話は、「多次元ファミリードラマ」という。ノスタルジックなイラストとシンプルなタイトルの描かれたチラシを手がかりに、謎多き新作公演について一十口に話を聞いた。


shinu_ie


家が主役の、非常に馬鹿馬鹿しいコメディです。
 

──『死ぬ家』というタイトルを見たとき、ドキッとしました。

あ、家が死ぬんです。人が惨殺されたりするのではなく。そして死体がない葬式の話です。

──「家が死ぬ」とはどういうことですか。

ずっと古い家に代々住んでいる家族の家で、葬式の日の葬式が始まる前の話です。基本その状況と家族の話が軸にあって、家が主役になります。建物としての家というだけではなく、「家」というものが主役で、それが死にます。その「家」でどう過ごしてきて、どう過ごしていくか、の、非常に馬鹿馬鹿しいコメディです。

──なぜ家が主役の話を書こうと思われたのですか?

けっこう長いこと今の場所、都内の住宅街に住んでるんですけど、すごい見かけるんですよ。古い家が急にポコッとなくなっちゃって小さな建て売りとかアパートが建てられていくのを。そこに住んでいた人とか、どこに行っちゃったんだろうとか不思議なんですよね。古い家にも壊れそうな家もあれば綺麗な家もあって。そこに住んでいた人達にも色々な人がいて。こう言っちゃあれですが比較的不思議な人達が多い。古い家っておもしろいなと思って。興味深いですよね。

──まさにチラシに書いてある「新しいマンションに囲まれた古い家」のことですね。今回の公演会場もほぼ同じような環境のようですが?

はい、上石神井の住宅街にある古民家です。敷地がけっこう広くて家も広いんです。今回、劇場じゃない場所でやってみたいなと思って、家っぽい家を探していたらいい感じの家が見つかって。そのままの環境を活かした作品を作ることにしました。室内の床は畳で天井の高さも家のものです。


naibu東京おかっぱちゃんハウス内部


ちょっと普通ではない、ファミリードラマを。


──観客も同じ高さ、場所に座ることになるのですか。

お客さんも同じ高さです。参加型ではないんですけど、居ていただくという趣向です。暗転ができないので、時間も飛ばないんですよ。場所も時間もそのままという縛りがある中で、どこまでへんなことができて、なおかつファミリードラマができるかなと。せっかく家でやるので、家をフューチャーしたいなと思って。本当に素敵な古くてキレイにとってある古民家なんです。

──建物を見るだけでも楽しそうですね。

古民家が実際の舞台であり、主役なので、ぜひ一緒に見て体験していただきたいなと思います。いろんなお芝居がある中、これがとりたててすごい斬新だというわけではないですけど、内容的に「普通では済まないものですよ」と(笑)。普通のファミリードラマの枠からはみ出しますが、あくまでファミリードラマ。家の構造自体を活かしたここでしか鑑賞できない作品になっています。


【プロフィール】

Yoshida

一十口裏

いとぐちうら○東京都出身。げんこつ団団長。1991年、女子美術短期大学在学中にげんこつ団を旗揚げ。げんこつ団の公演では脚本、演出の他、映像、音響、チラシのデザインも手がける。また現在は映像作家としても活動中。最近、健康のため、苦手だった果物を着々と克服中。webマガジン「日刊☆えんぶ」にて読み切りエッセイ「妄想危機一髪」連載中。

http://blog.livedoor.jp/nikkann2-mo_so_kiki/



〈公演情報〉

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一十口企画『死ぬ家』

脚本・演出◇一十口裏

出演◇春原久子 大場靖子 河野美菜 川端さくら(乙女装置) 辻崇雅(10・Quatre) 松尾拓 杉村こずえ (映像出演・植木早苗)

5/20〜22◎東京おかっぱちゃんハウス http://www.okappachan.com/ 

一十口企画公式サイト〉http://itoguchi-kikaku.officialblog.jp/



【取材・文/矢崎亜希子


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