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中村七之助、市川染五郎、中村勘九郎

市川染五郎、中村勘九郎、中村七之助ら豪華歌舞伎俳優が出演し、連日客席を興奮と感動の渦に巻き込んだ舞台、『 歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』がシネマ歌舞伎の最新作として6月25日から新宿ピカデリーほか全国57館で公開となる。

本作品は、市川染五郎が劇団☆新感線のいのうえひでのり、中島かずきとタッグを組んで、昨年夏から秋にかけて新橋演舞場と大阪松竹座で上演。蝦夷の長である阿弖流為と朝廷側の坂上田村麻呂の戦いを軸に、壮大な歴史ドラマを歌舞伎の様式美と新感線ならではの現代的なテンポと迫力で描き出し、かつてない新感覚の一大エンターテインメントを作り上げた。阿弖流為には染五郎、坂上田村麻呂を勘九郎、阿弖流為の恋人・立烏帽子を七之助が演じている。
そのシネマ歌舞伎版の全国公開に先立って5月17日、新宿ピカデリーで市川染五郎、中村勘九郎、中村七之助によるトークイベントと、映画の完成披露上映会が行われた。

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【トークイベント】

 
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市川染五郎
 本日はお集まりいただきましてありがとうございます。このシネマ歌舞伎ですと何年経っても疲れていない(笑)、年をとらない姿が観られます(笑)。何回も上演すればするほど価値が上がっていくものだと思います。シネマ歌舞伎用に新たに生み出した『阿弖流為』です。ぜひお楽しみください。
 
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中村勘九郎
 皆様ご来場くださいましてありがとうございます。私はまだ観ていないのですが、色々な人から話を聞くと物凄い映像になっているとのことで、僕も楽しみなんですけど。この『阿弖流為』は染五郎さんが歌舞伎NEXT として発信した第1回目の作品なので、みんな気合いが入っています。それが映像で残るということをとても誇りに思います。今日の1回目、皆様楽しんで帰ってください。

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中村七之助
 ご来場たまわりましてまことにありがとうございます。みんなで1つの方向を向いて一緒に作った作品です。それが映画になったということで、映画ならではのところを、存分に楽しんでください。
 
──新橋演舞場の公演ですが、アクションも多くてたいへんだったでしょうね?
染五郎 合戦ものですので、当然立ち廻りは多いんですが、とくに蝦夷側の長である阿弖流為ですので、先頭切って戦っていくわけですし、とにかく強いんです。「なぎ倒す」と一言台本には書いてあるんですが、その「なぎ倒す」をどう表現するかというので、たいへんでした。殺陣アクションは新感線の川原(正嗣)さん、それに中村いてう(いちょう)さんが考えてくれたとても緻密な殺陣で、たいへんでしたが、それが見どころになって、このお芝居の柱になっていますのでがんばりました。
勘九郎 これ新橋演舞場での映像ですけど、大阪では小ネタが変わりまして、鮭のところなんか変わりましたから、撮った日がどうだったのか、すべってないかとか心配です(笑)。お客様の拍手を入れたところとわざわざ取って編集したところもありますので、色々想像しながら観てください。
七之助 歌舞伎の歴史の1歩目を染五郎のお兄さんと踏み出せたのは嬉しかったですし、ずっと新感線は観ていたので出てみたかったので嬉しかったです。でも、皆さんに新感線は出るものじゃなく観るものだよって言われていたんですけど、まさしくその通りでした(笑)。まあ地獄でした(笑)。新感線の公演ではお休みが週に1回あるということですが、この公演はなくて、平均年齢がかなり高かったと思うんですが、走らされたり(笑)、けが人も出たりたいへんでした。みんなでパワーを振り絞ってやっていましたから、そのパワーがお客様に届いたのかなと思います。

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──いのうえさんと中島さんと一緒に歌舞伎を作り上げたわけですが。
染五郎 始めるにあたってお二人と話し合って、作り上げたわけですが、「歌舞伎NEXT 」は「いのうえ歌舞伎」とどう違うんだろうとか、考えましたけど、結局稽古に入ってからとにかく面白いものを、すごいものを、みんながびっくりするようなものを作ろうじゃないかと。カンパニーはその思いだけで作り上げた感じでした。いのうえさんの演出は、座ってないですからね。基本的立って付けていきますからね。そのいのうえさんの引っ張っていく力にみんなが乗って一気に作り上げた感じです。
勘九郎 稽古期間はすごく楽しかったです。みんなが熱い気持ちで作品を作り上げていこうというパワーが稽古場の巣鴨の体育館に充満していて、心地良かったですし、これはすごいものを作らなきゃという気持ちにもなりました。本番中も終わってからも、この作品に出られたということが幸せだなと感じています。
七之助 稽古も楽しかったですね。いのうえさんの演出を初めて見たときはびっくりしたんです。「2歩歩いて左を向いてこの台詞を言ってください」とか「この台詞では真っ直ぐ向いて」とか形が決まっていて、その中で自分が感情をどう表現するかなので、あ、歌舞伎とほとんど似てるなと。さらに僕がおどろいたのはいつも観ている新感線の方は、そういう演出をされているんだと。古田(新太)さんや橋本じゅんさんの演技を観て「自由にやっているなあ」と思っていたんですが、あのお2人もそういう演出を受けていたんだと。それを毎回、新鮮に自由にやっているように見せている。新感線の人たちは恐ろしい人たちだなと、自分もそこに行かなくちゃなと強く思いました。そして余談ですが、今度僕と兄はコクーン歌舞伎で『四谷怪談』をやるんです。それでお岩さんのお墓にお参りしたんですけど、ふっと見たら稽古場だった体育館の隣だったんです。なんかあの熱い気持ちを忘れるなよと言われたような気もしますし、中村七之助の歌舞伎人生にとても深く刻まれた稽古であり演目なのは確かです。

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ここでサプライズで、5月18日に誕生日を迎える七之助へバースデーケーキが運ばれてくる。蝦夷の里の星空をイメージしたケーキを見て「熊子もいる」と喜ぶ七之助。その熊子を染五郎が七之助の口にスプーンで運んであげる一場面も。

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七之助は「33歳になります。次の歌舞伎NEXTのときにまた動けるよう、日々精進していきたいです」と語り、和やかな中でイベントは終了した。

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シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』は6月25日から、東京・東劇、新宿ピカデリーほか全国で公開。
〈シネマ歌舞伎HP〉http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/ 



【取材・文・撮影/榊原和子】



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