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8月5日の長野プレビュー公演からいよいよスタートを切る、劇団☆新感線の2016年夏秋興行。
宮藤官九郎が新感線Rシリーズ(音モノ)を書き下ろすのは、06年の『メタルマクベス』以来で10年ぶり。作品は、SHINKANSEN☆RX『Vamp Bamboo Burn〜ヴァン!バン!バーン!〜』で、主演は生田斗真。平安時代から1000年の時を超え、愛した女の生まれ変わりを探しているビジュアル系バンドのボーカル=実は吸血鬼に生田が扮して、巻きおこすロックでヴァンプな物語だ。
そんな作品に登場する2人の女優、華と人気と実力を兼ね備えた小池栄子、演技派として活躍の場を広げる高田聖子、そして演出家として話題作に挑戦を続けるいのうえひでのりに、この新作について話してもらった演劇ぶっく8月号のインタビューを、別バージョンの写真とともにご紹介する。

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いのうえひでのり・小池栄子・高田聖子

宮藤官九郎から新感線への挑戦状?

──台本を読んだ印象はいかがでしたか?
いのうえ すごく面白いけど、これをやるのはたいへんだなと。音モノということでは『メタル マクベス』(06年)の世界に近いけど、あれはシェイクスピアですからね。これは言ってみればタランティーノとかロバート・ロドリゲスの世界で、グラインドハウス系のB級映画的な面白さで、あまり新感線はやってないテイストです。でもクドカン(宮藤)ワールドであることは間違いないです。
小池 面白いからこそ、その面白さが演じて薄まらないようにしないと。とにかく「おっ?えっ?」というようなセリフのオンパレードで。
高田 こうきたか!みたいなね。いのうえさんへの挑戦状でもあるし、新感線への挑戦状でもあるような脚本です。この人がこの役をやるのか、みたいな意外性もいっぱいあって。
いのうえ 宮藤くんは『犬顔家の一族の陰謀』(07年)や『ラスト フラワーズ』(14年)に役者として出ているから、新感線の役者のことをよく知ってるんです。それに(生田)斗真とは映像をやってて、漫画のコマみたいなことを再現できる役者だと。
──小池さんの役はかぐや姫だそうですね。
小池 おてんばなかぐや姫です(笑)。
高田 おてんばって言うと可愛いニュアンスがあるけど、ちょっと違うというか。ワイルドというか(笑)。
小池 あのほっそい竹からよく生まれてきたよね!みたいな生命力がある(笑)。
いのうえ そのかぐや姫に、斗真が1000年前から引っ張りまわされるという(笑)。
──聖子さんの役はクリニックの婦長さん。
高田 某クリニックのCMソングで登場したい気もするんですが(笑)、役柄としてはなんでしょう?とにかく婦長さんです(笑)。
いのうえ ちょっとアグレッシブだよね
高田 地味にアグレッシブですね(笑)。でも報われないんです。なんか宮藤くんの本だと報われないことが多い(笑)。
──面白いけど演出がたいへんというのは、宮藤さんのオタク的な面白さを、どう新感線エンターテインメントにするかみたいなことでしょうか?
いのうえ そうですね。オタク的だしサブカルだし、でもそれをわかりやすく演出するというより、全部わからなくても、ニュアンスでなんとなく面白がれるように持っていければと。パロディでも元ネタを知らなくても笑えてしまうことってあるから、大丈夫かなと思ってます。
 
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ちょっと面白い斗真くんが見られそうかなと

──今回の主役、生田斗真さんについての印象は?
小池 私は舞台では初共演ですが、今回、ちょっと面白い斗真くんが見られそうかなと。
いのうえ 宮藤くんの本だから一筋縄でいかない役で、そこが面白い。
高田 私も初共演ですが、斗真くんが新感線に出ているのを初めて見たとき、こんなに水を得た魚のように生き生きして馴染んですごいなと。それに一緒に出ているカンパニーのみんなが、彼をすごく愛してるのが伝わってきて。まだ十代でしたよね?
いのうえ 学生服で稽古に来てた。『スサノオ』で出てもらったのは19年前だったね。今回、斗真もとても楽しみにしててくれますから、思い切りやってもらおうと思ってます。
──小池さんは3度目の新感線ですが、高田さんから見た小池さんは?
高田 私は栄子ちゃんの大ファンで、憧れの女優です!
小池 そんな(笑)。聖子さんこそすごいですよ。私がウケなかったところとか、「あそこもうちょっと長くお客さんに顔売って去るくらいでいいんじゃない」とかアドバイスしてくれて、なるほどと。
いのうえ うちにはそういう演技指導する人はいっぱいいるからね(笑)。
小池 お客さんの息をちゃんと感じてやるのが大事なんだなと。
高田 栄子ちゃんは言われるとちゃんとやる。素直なんです。いつも思うけど、姿は小池栄子さんなんだけど中は空洞なのかというくらい、毎回その役になりきってしまう。
いのうえ 簡単に諦めないよね。ある公演でたいへんな役どころやってたんだけど、最後まで諦めなかった。
──こんないい女なのにどんな役でも吹っ切ってやるのがすごいですね。
小池 自分のさじ加減で恥ずかしがってること自体恥ずかしいじゃないですか。何でもとりあえずやってみようというだけなんです。
 
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しがみついて、付いてきてください

──小池さんから見た高田さんは?
小池 すごいなと思うのは、十分面白いシーンなのに、明日はもっとこうしてみようとか最終日まで考えてて、古田さんもですけど、1つでもお客さんに笑いを持って帰ってほしいという気持ちなんですよね。お客さんたち笑ってくれてるし平均点取れているからいいかなとか、そういう気持ちになりそうな時、ぴりっと引き締めてくれるんです。
高田 そんな大層なことじゃなくて、いつも口癖みたいに「パッとさせたいね」と言ってるように、なんかパッとしたいだけなんです。
いのうえ 華やいでいたいんだよね。別にドッカンとこなくても。
高田 それで自分も気持ちもパッとなるから。毎回楽しくなりたいんですよ。別に面白いことやるとか笑わせるとかじゃなくて、何かこうトキメキたい。自分がね。それでお客さんもちょっと喜んでくれたらという。
小池 納得! いつも聖子さんの舞台を見ていると、やらされてる感がなくて楽しんでる。だからつい目で追ってしまうんですけど、今の話を聞いて腑に落ちました。
──最後に改めてこの公演の抱負を。
高田 意欲作ですが、期待していただいていいのではないかと。この人はこうなるだろうという、いつものイメージは取っ払って来てほしいです。それにすごいスピードで色んなことが起きますから、しがみついて、付いてきてください。それから個人的にはちょっといいシーンがありまして、相手役が意外というか、ちょっとたまらないというか。言えませんが(笑)。
小池 そこ、お客さんは見逃せないと思いますよ。
高田 そういう新鮮な感じの組み合わせは、私だけでなくあちこちにありますから。
小池 私は最初に本を読んだとき、スピードに追いつけなくてふりほどかれて(笑)、何回も読んでやっとこういうことだったのかと。それを少しでもお客さんに理解していただくためにがんばります。聖子さんもおっしゃったように意外な役とか組み合わせがあるし、みんな色んな役でフルに出てますから、そういうみんなとか表情を観るだけで醍醐味があると思います。そこに音楽があって、私としてはかなり動けるかぐや姫になると思うので。今、トレーニング中です。
──歌って踊ってアクションをするかぐや姫ですね。
小池 そのどれかが欠けるかもしれないですけど(笑)。とにかく観たことのないかぐや姫になります。
いのうえ 本当に観たことない芝居になると思います。僕も楽しみですし、昔から新感線を観てる人、宮藤さんの芝居を昔から観てる人、ジャニーズファンの人、初めて新感線を観る人など、みんなに楽しんでもらえると思うし、情報量がすごく多くて、それがすごい展開をしていくという、これまでにあまりない芝居になると思います。


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いのうえひでのり○福岡県出身。演出家、劇作家、劇団☆新感線主宰。80年に劇団☆新感線を旗揚げ、ほぼ全作品の演出を行う。劇団外でも『ロッキー・ホラー・ショー』『今ひとたびの修羅』『断色』『鉈切丸』歌舞伎NEXT『阿弖流為』など多数演出。第61回芸術選奨文部科学大臣新人賞をはじめ受賞も多数、昨年の『熱海殺人事件』の演出で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。

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こいけえいこ○東京都出身。98年『美少女H』(CX)でドラマデビュー。以降、舞台・ドラマ・映画と数多くの作品に出演。最近の舞台は『今ひとたびの修羅』『万獣こわい』『才原警部の終わらない明日』など。新感線には『髑髏城の七人』(11年)、大人の新感線『ラストフラワーズ』(14年)に出演。昨年の『グッドバイ』では第23回読売演劇大賞・最優秀女優賞を受賞。
 
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たかだしょうこ○奈良県出身。87年『阿修羅城の瞳』より劇団☆新感線に参加。以降、看板女優として数々の公演でヒロインを演じている。自身が座長をつとめるプロデュース集団「月影十番勝負」・「月影番外地」公演を定期的に行っている。劇団以外の主な舞台は『いやおうなしに』『つんざき行路、されるがまま』『ライン(国境)の向こう』など。


〈公演情報〉
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2016年劇団☆新感線夏秋興行
SHINKANSEN☆RX『Vamp Bamboo Burn〜ヴァン!バン!バーン!〜』
作◇宮藤官九郎
演出◇いのうえひでのり
出演◇生田斗真/小池栄子、中村倫也神山智洋(ジャニーズWEST)/橋本じゅん高田聖子粟根まこと/篠井英介 他
バンド◇岡崎 司(G.) 、松崎雄一(Key.) 、福井ビン(B.) 、松田(Dr.)
●8/5〜7◎長野 サントミューゼ(プレビュー公演)
〈料金〉S席¥13,800 A席¥9,800(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション北陸 025-245-3939(平日11:00〜18:00 土曜11:00〜17:00)
●8/17〜9/18◎東京 赤坂ACTシアター
〈料金〉S席¥13,800 A席¥10,500(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉東京/サンライズプロモーション東京 0570-00-3337
(10:00〜18:00)
●10/7〜9[◎富山 オーバード・ホール
〈料金〉S席¥13,800 A席¥10,500 B席¥7,500(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション北陸 025-245-3939(平日11:00〜18:00 土曜11:00〜17:00)
●10/19〜31◎大阪 フェスティバルホール
〈料金〉S席¥13,800 A席¥11,500 B席¥9,500(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 
05702-00-888(平日11:00〜18:00 土曜11:00〜17:00)





【取材・文◇宮田華子 撮影◇アラカワヤスコ】 


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