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人気漫画『インフェルノ』が舞台化され、シアターGロッソで上演中だ。(11日まで)
原作は、舞台『メサイア』の原案や『魔界王子 devils and realist』などの漫画原作で人気の高殿 円と、『アルカナ・ファミリア』のRURUという豪華コンビによる漫画『インフェルノ』で、講談社ARIAで絶賛連載中。今回の舞台化は、原作者・高殿 円が脚本も担当、演出はドラマやアニメ、また歴史ものの舞台脚本や演出で気を吐く西森英行(Innocent Sphere)が手がけている。

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【物語】
皇歴235年、かつての東京は今では"ラージ・プリズン"と呼ばれ、巨大な暗黒街と化していた。コーザ・ファミリーの御曹司・リッカと、“血の誓い”でリッカの"息子"となり地獄から救い出されて以来、リッカに仕えるノエル。だが御曹司とファミリー最強の男という“親子”は、ファミリー内のみでなく、敵対するマフィアからも注目を集めていた。そんなある日、コーザの次期ドンであり、リッカの兄のサーシャが、新しい幹部を決めるゲームをすると言い出して……。

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背景になるのは汚染され混沌とした社会。その中で他人でありながら、“血”で親子の契りを結んだリッカとノエルが、ファミリー内外の敵を相手に戦っていく。その戦い方のスタイリッシュかつスマートさが、原作同様にこの舞台でも見どころで、ファミリー最強の男と呼ばれるノエル役を演じる平野 良が、ほぼ全シーンに渡って超人的なまでの戦いっぷりを見せてくれる。
会場のシアターGロッソは高さが特徴だが、それを生かして装置は3層に作られていて、一番下のステージ前面とリッカの邸がある2階部分が、主なアクティングエリアとなっている。その階層を軽々と跳び上がり、飛び降り、横に飛び移り、まさに縦横無尽というべきアクションを、ノエル=平野 良は“涼しげにスマート”にこなしてみせる。『インフェルノ』の舞台化の鍵は、ある意味ではノエル役のリアリティにかかっているとも言えるのだが、驚嘆すべき身体能力とキャラクター把握の確かさで、平野はそれをみごとに成功させている。
 
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もちろん一方の主役であるリッカを演じる植田圭輔も、身体の不自由性と過去の事件のトラウマを抱えるコーザの御曹司という、どこか複雑な陰影を持つ青年の繊細さとカリスマ性を、立ち姿だけで感じさせ、またノエルへの依存の中にも「親」である威厳を滲ませるなど、的確な演技力で物語の中心となる魅力的なリッカを作り上げている。
 
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2人を取り巻くキャラクターもそれぞれ実力派のキャストたちが演じていて、リッカの兄でドンの座を手に入れるために策略をめぐらすサーシャ・藤田 玲は、ストーリー部分を牽引する役割を果たしているし、その部下のクラウド・山内圭輔と兄弟分スネーク・桑野晃輔は、野心に燃え、ファミリーを攪乱する要因として、アクションも含めて活躍する。

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リッカの叔父のオリーブ・藤原祐規は、静かな佇まいと知的な雰囲気を漂わせ、大きな存在感で場面を引き締めている。コーザの幹部ウィウィーの唐橋 充はファミリーの中に異質感を持ち込む役割で、強い印象を残す。また、謎の男ブラック・サンタの中村龍介は、謎を保ちながらも笑いとともに懐の深さを感じさせ、見るものを惹きつける。

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そのほかにコーザと敵対する赤城グループの片桐・六本木康弘、ウィウィーの部下のアンク・新田健太、さらに小笠原竜哉、湯浅雅恭、石田颯巳、石上龍成、坂本和基、竹中凌大、中下伊織といった出演者たちがアクションで役柄で各場面を膨らませている。

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原作世界の終末的絶望感も感じさせながら、「ファミリー」で結ばれた男たちの愛と葛藤とシビアな戦いが、熱く、だがそれをクールにスタリッシュに見せるステージングが素晴らしい。また原作がある作品のハードルの1つであるビジュアル面を、容姿でも動きでもクリアしてみせる出演者たちの高いクオリティ。そして、ハードボイルドな男社会の戦いの中で描かれる、人間くさい情と愛の結びつきが心に残り、これからも連載の続く原作漫画の世界への期待を、さらに増してくれるような上質な舞台化となった。

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【初日コメント】

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植田圭輔
今回インフェルノという作品が舞台化されるのは一発目ということで、そうそうたるキャストが揃い、作品をより良くしようと稽古の段階から演出の西森さんを交え、みんなでディスカッションしたり、ここはこうだねとか共通認識を取り合って一つの目的地を目指して今日までやってきました。それが辿り着いたかどうかはまだわからないんですけど、僕ら自身もまだまだ上を目指して皆さんに楽しんでいただけるような作品創りを本番明けてからもやっていきたいと思っておりますので、楽しみにしていただけたらと思います。

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平野 良
今回僕はここまでアクションが多いのは初めてに近くて、30代になってからは間違いなく初めてになります。派手な演出やアクションが多いので、まずは初日を迎えてアクションチーム含め、怪我せずに最後まで走れたらいいなと思っています。
観にきていただくお客様には、アクションやセットも豪華で凝った造りになっているので、目で見て楽しい部分もありますし、根本には人と人との心理戦みたいなものがありまして、台詞だけではなく間とか役者の技量に結構かかっている部分もあります。本当に演劇的な内容になっていますので、そういう面でもかなり楽しめる作品になっていますのでぜひ遊びにきてください。
メインはリッカとノエルの二人の絆に重きを置いているんですけど、実はその周りにいるキャラクター達もいろいろ繋がりや絆があったり、だからこそぶつかったりとか戦略で陥れたり、その人間模様がかなりおもしろいと思うんです。だから観てくださるお客様が誰にでも感情移入できるような創りになっています。みんな一人一人が主演のような創り込みをしているので、そこが見どころです。 


〈公演情報〉

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『インフェルノ』
原作◇高殿 円 
漫画◇RURU(講談社「ARIA」)
脚本◇高殿 円
演出◇西森英行(Innocent Sphere)
出演◇植田圭輔、平野 良、藤田 玲、山内圭輔、桑野晃輔、藤原祐規、唐橋 充、中村龍介 他
●9/3〜11◎シアターG ロッソ
〈料金〉プレミアム席10,800円[前方エリア・特典:非売品グッズ]、一般席6,900円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉CLIE 03-6455-4771(平日11:00〜18:00)
〈公式サイト〉http://www.clie.asia/inferno/
 ⒞高殿円・RURU/講談社/2016旧東京保安委員会




【文/榊原和子 撮影/鏡田 伸幸】





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