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こんなに笑えるシェイクスピアは初めて」と好評を博してきた青木豪演出による、Dステのオールメール・シェイクスピアシリーズ。その第3弾として登場するのは、シェイクスピア喜劇の中で最も幸福な物語とも言われる『お気に召すまま』。
「当時シェイクスピアもそうしていたに違いない」という戯曲の読み解きから、1人2役でのキャスティングが多用されるなど、シェイクスピア没後400年のメモリアルイヤーに相応しい、仕掛けの詰まった本格喜劇となっている。
そんな作品に取り組む若手演技派の柳下 大と遠藤雄弥、実力派の鈴木壮麻が集まって、作品への意気込み、そしてDステの未来までを語ってくれたえんぶ10月号のインタビューを、別バージョンの写真とともにご紹介する。
 
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遠藤雄弥、柳下大、鈴木壮麻
 
一点の曇りもない喜劇で人間讃歌

──『お気に召すまま』という作品についてどう感じていますか?
柳下 僕にとっては初めてのシェイクスピア作品ですが、青木豪さんの上演・台本によるこれまでのDステのシェイクスピア作品は、『ヴェニスの商人』も『十二夜』もすごくわかりやすかったんです。ですから自分としては、初シェイクスピアはDステの豪さんのもので出たいなと思っていましたし、豪さんも「一点の曇りもない喜劇」とおっしゃっていて全員がハッピーになれる作品なので、皆で楽しく作っていきたいです。
遠藤 やはり日本人の感性だと、「ここでそのまま思った通り言う?」みたいなストレートな台詞があって、ヨーロッパの時代物だなぁと思います。それを日本人が演じる面白さがまずある上に、今回は喜劇ですから、とても楽しいものになるだろうなと思います。
鈴木 まず人間讃歌の物語ですよね。大ハッピーエンドで素敵だなと思います。シェイクスピアの作品は言葉が豊かなので、そこをどう自分で咀嚼して、命を吹き込んでお客様に伝えていけるか。演じる方のハードルは高いのですが、お客様にはリラックスしてご覧頂きたいです。

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2役もありの新鮮なキャラクターたち
 
──演じる役柄について教えてください。
柳下 オリヴァー家の三男オーランドーという、王子様みたいな役です。すごく真っ直ぐでピュアな人なので、とことん王子様キャラになりきろうと今回は思っています。本当にただひたすらにロザリンドを恋して、全く周りが見えなくなっているので、そういう状況に陥ることが不自然でないように、何の作為も曇りもない人として作っていきたいです。
遠藤 僕は2役で、松尾貴史さん演じるフレデリック公爵に仕えている宮臣のル・ボーと、アーデンの森の娘のオードリーを演じます。シェイクスピア作品に触れるのも、青木豪さんの演出を受けるのも初めてですし、本多劇場に立つのも女性役も2役を演じることも初めてで、初めてづくしなので、何もかもがとても楽しみです。情報通のル・ボーも、可愛くない女の子という設定のオードリーも、扮装写真を撮った時から面白かったし、新鮮に取り組めると思います。
鈴木 僕も2役で、貴族のアミアンズと、結婚の神のハイメンを演じます。ハイメンは最後の最後に登場して「これにて一件落着」と締めるという役どころです(笑)。アミアンズは歌うシーンが多いのですが、まだ曲ができていませんから、どんな曲を歌うんだろう?という気持ちでいますが。
柳下 壮麻さんはすごく美声の方だから、とても楽しみなんです。
鈴木 いやいやそんな。豪さんが僕の舞台を観に来てくれて「色々なアイディアが浮かびました」と言ってくれているので、怖い部分もありつつ(笑)、楽しんで取り組みたいです。

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──今回、たくさんの方が2役で出演する中で、柳下さんは1役を通しますね?
柳下 だからこそブレずにいたいと思います。周りの方がどう変わろうとも、ただロザリンドが好きなだけ、一目惚れしただけを貫くのが、いいんじゃないかなと。ロザリンド役の前山剛久君とは一度共演はしているのですが、こんなに絡みがあるのは初めてなので、難しいことは考えず、どんな芝居で来られようとも「好き!」でいようと。そして、ロザリンドが男装をして前に立っても気づかないくらい(笑)一途な思いが、微笑ましく見えたらいいなと思っています。
 
この作品でDステの次の歴史に繋げてい

──お互いへの期待や、魅力を語ってください。
柳下 遠藤さんとの共演は5年ぶりくらいになるんですが。
遠藤 そんなに経ったっけ?
柳下 Dステではすれ違いになっていたから。でもずっと遠藤さんのことは「家の柱」のような人だなと思っていて。役者としてもプライベートでも軸や芯をしっかり持っている方ですから、「お願いします!」という感じです。壮麻さんには意欲的に食いついていって、表現の仕方や良いところを全部盗んでやろう! くらいの気持ちでいます。
遠藤 僕は(柳下)大の芝居に感銘を受けることが多くて、その表現に胸を打たれてます。それに役によって立ち居振る舞いまで変わってきながら、素の明るさや人懐っこさも投影されるのがいいなと思います。壮麻さんはとても柔らかい雰囲気の方で、事務所のパーティで「君が遠藤君なんだね」と話しかけてきてくださったことがあって、僕を知っていてくださったんだ! とすごく感激しました。

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鈴木 知ってますよ! あの時も仲間に入れて欲しくて話しかけたから(笑)、今回共演できるのがとても楽しみです。柳下君は、さっきも僕から良いところを盗むなんて言ってくれましたが、本人がこれだけ主役経験を重ねているのに、いつも腰の低い青年で、僕こそ見習わなければですし、役を生きようとしている役者さんということが手に取るようにわかりますから、そういう人たちと共演できるのが嬉しいです。
──Dステもこの作品で19作を数えて、次はいよいよ節目の20作品目ですね。
柳下 まだどの作品になるかはわかりませんが、いつもの流れの通りだとすると、この『お気に召すまま』の公演中にはきっと発表されていると思います。毎年必ず1本〜2本、公演を続けてこられたのは貴重なことですから、何よりも今後も途切れずに続けていくことが大切だなと。
遠藤 理想としては、同世代の俳優の方達にDステに出たいと言って頂けるように、そこを目標に続けていきたいですね。
柳下 今回も壮麻さんはじめ、強力なベテランの方達に出て頂くので、まず、また出たいとおっしゃって頂ける舞台にするように頑張って次に繋げたいですね。
鈴木 豪さんの演出はシャープで新しさもあるので、若い人たちが飛び込んでいきやすいシェイクスピア・ワールドだと思いますから、節目を目指していく作品として、お客様にも喜んで頂けるものを、一緒に協力して作っていきましょう。
柳下・遠藤 はい、よろしくお願いします!


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やなぎしたとも○88年生まれ。神奈川県出身。06年俳優デビュー。主な出演作品として、TVドラマ『軍士管兵衛』『果たし合い』、舞台『真田十勇士』『熱海殺人事件』『ブロードウェイミュージカル『アダムスファミリー』『いつも心に太陽を』(主演)『オーファンズ』(主演)『浮標(ぶい)』などがあり、17年1月ミュージカル『手紙』への出演が控えている。
 
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えんどうゆうや○87年生まれ。神奈川県出身。映画「ジュブナイル」で俳優デビュー。映像、舞台などで多彩な活躍を続けている。近年の出演作品として、ドラマ「ドクターカー」「おわこんTV」「パーフェクトリポート」映画「ボクは坊さん」「龍三と七人の子分たち」「ホットローズ」舞台城山羊の会『仲直りするために果物を』『宮本武蔵(完全版)』などがある。
 
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すずきそうま○60年生まれ。東京都出身。82年劇団四季に入団。抜群の歌唱力で中心俳優として活躍。98年退団後も舞台を中心に活躍中。作詞・作曲をしたアルバム「宝もの」を始め「クッキー」等のCDを出している。第23回読売演劇大賞優秀男優賞受賞。近年の主な出演作品に『サンセット大通り』『タイタニック』『フロッグとトート』『Forever Plaid2016』『End of the RAINBOW』などがあり、17年1月『フランケンシュタイン』への出演が控えている。

〈公演情報〉
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Dステ 19th『お気に召すまま』
作◇ウィリアム・シェイクスピア
翻訳◇松岡和子
演出・上演台本◇青木豪
音楽◇笠松泰洋
出演◇柳下大、石田圭祐、三上真史、加治将樹、西井幸人、前山剛久、牧田哲也、遠藤雄弥、松尾貴史、鈴木壮麻、大久保祥太郎、山田悠介(台本の登場順)
●10/14〜30◎東京・本多劇場 
●11/12、13◎山形シベールアリーナ
●11/19、20◎兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
〈料金〉7,000円 召しませシート6,000円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉ワタナベエンターテインメント 03-5410-1885(全日11:00〜18:00)




【取材・文/橘涼香 撮影/岩田えり】



『ハンサム落語第八幕』




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