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安部公房作『城塞』が、気鋭の演出家・上村聡史によって、4月13日から新国立劇場 小劇場で上演中だ。(30日まで)

この作品は、新国立劇場の演劇シリーズ「かさなる視点―日本戯曲の力―」の第2弾で、昭和30年代の日本の名作戯曲を30代の気鋭の演出家たちに託す3ヶ月連続のシリーズ。第1弾で3月公演の三島由紀夫作・谷賢一演出の『白蟻の巣』に続いて、4月はこの『城塞』、5月は田中千禾夫作・小川絵梨子演出『マリアの首』、6月はウィリアム・サローヤン作・宮田慶子演出『君が人生の時』、7月がジョン・オズボーン作・千葉哲也演出『怒りをこめてふり返れ』というラインナップが続く。

『城塞』は、戦時下のとある家庭で繰り返される、父子による奇妙な"ごっこ"を描き、戦争によって富を築いたブルジョア階級の責任を問う痛烈な視点が際立つ傑作で、山西惇、辻萬長ら重厚な舞台を支える実力派俳優陣の名演も大きな見どころだ。

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【あらすじ】
とある家の広間。爆音が響く。電燈が尾を引いて消える。どうやら戦時下のようである。
「和彦」と呼ばれる男とその父が言い争っていた。父は「和彦」とともに内地に脱出しようとするのだが、「和彦」は母と妹を見捨てるのか、と父を詰る。しかし、それは「和彦」と呼ばれる男が、父に対して仕掛けた、ある"ごっこ"だった……。

上村聡史は新国立劇場では、2013/2014シーズンに、サルトル作『アルトナの幽閉者』を演出。難解で複雑な構造の戯曲を鮮やかに視覚化し、質の高い舞台成果を上げたことは記憶に新しい。常に問題意識を持ち、時代や状況に批評精神を投げかける上村の演出で、『城塞』の新たな上演に期待が高まる。
また出演者も山西惇をはじめ、椿真由美、松岡依都美、たかお鷹、辻萬長という実力派5人が、安部公房の骨太な戯曲に挑んでいる。 

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この作品の初日公演開幕にあたり、出演の山西惇によるコメントが届いた。

【山西惇コメント】

私が生まれた1962年、戦後17年目に初演された作品ですが、怖いくらい今の日本にも通じる物語です。私が演じる戦争成金の「男」は、父の代から続く事業を引き継ぎさらに大きくしながらも、罪の意識に苛まれ続けている。戦争が人の心に残す傷の大きさ、深さを思わずにはいられません。…とはいえ、安部公房らしいシュールな喜劇性も存分に盛り込まれていますので、大いに楽しんでいただけるのではないかと思います。
 

〈公演情報〉

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2016/2017シーズン
かさなる視点―日本戯曲の力― Vol. 2
『城塞』
作◇安部公房
演出◇上村聡史
出演◇山西 惇 椿真由美 松岡依都美 たかお鷹 辻萬長(※「辻」は点が1つのしんにょうです)
●4/13〜30◎新国立劇場 小劇場
 〈料金〉A席6,480円 B席3,240円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999




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