池田本データ

生身の人間が音速で走るレースを、生身の舞台で演じ切る──。
90􃻥􃻜年代、演劇界の常識を覆した伝説的作品、西田シャトナーの名作『破壊ランナー』が、バージョン・アップして、4月21日〜30日、Zeppブルーシアター六本木で上演される。パワーマイムというスタイルで演劇界に衝撃をもたらした「惑星ピスタチオ」の代表作の1つだ。
今回、この名作の主演をつとめるのは、俳優として、また劇作家・演出家としても活躍する池田純矢。『破壊ランナー』に出演したレジェント俳優・保村大和をはじめとする豪華共演者とともに、身体表現の極致ともいえるシャトナーワールドが展開される。
そんな作品で主役として豹二郎ダイアモンド役に挑戦する池田に、この作品への思い、そして俳優と作・演出家という2つの顔について話してもらった「えんぶ4月号」の記事を、別バージョンの写真とともにご紹介する。

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強いヒーローに憧れて格闘技を身に付ける

──西田シャトナーさんの作品に出演するの初めてだそうですね。
はい。でも作品は何本も観ています。いつもエネルギーのすごさに圧倒されますし、同時に繊細な絵作りに感動します。
──独特の身体表現であるパワーマイムについては?
初めて観たときは衝撃でした。ある意味、子供時代の遊びの延長を本気でやっている凄さというか。子供の頃は、自分で擬音をつけながらメカニックな動きをして遊んだりしますよね。あれを高度なレベルで表現にしている。自分があれをやる側になったら相当たいへんだなと思いました。
──池田さんは殺陣やアクションはもちろん、新空手、ボクシング、エクストリーム・マーシャルアーツと様々な格闘技も身に付けていますね。
幼稚園児の頃にビデオで黒沢明監督の『七人の侍』を観て夢中になって、将来の夢は三船敏郎か勝新太郎になりたいと(笑)言ってたんです。もちろん戦隊ヒーローも好きでしたし、ジャッキー・チェンも好きで、ああなりたいと思って格闘技をやるようになったんです。
──その身体能力は俳優という仕事に役立ったと思いますが、演じるということを意識したのは?
初めて1つの役と向き合う作業をしたのが映画の『DIVE』(08年)で、そのとき熊澤(尚人)監督にめちゃくちゃ怒られたんです。「まっすぐ立て。ちゃんと立て」と。あとで思い返すと「役としてちゃんとそこにいろ」ということなのですが、当時13か14歳だったので、ただただ怒られてることしかわからなかったんです。でも悔しくて自分なりに頑張って考えて。完成した映画を観たらすごく面白くて、自分ではない自分がいたんです。そこで演じることへの意識が目覚めた気がします。
──強いヒーローになることから、それを演じる側へと意識変換したわけですね。
大人になってもヒーローに憧れているわけにはいきませんからね(笑)。少しずつお芝居をさせてもらう中で、俳優という職業に憧れが移っていったんだと思います。

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役という絶対的なものがあるとすごく安心する

──俳優という仕事が自分に合っていると思うところは?
僕は自分のことはよくわかってなくて、どれが自分なのかとても曖昧なんです。たとえば今話しているのは役者池田純矢ですし、プライベートでも色々な顔を演じている気がするんです。本当の自分は?と考えると答えられないし、むしろ役をやっている時のほうが全力で答えを出そうとするので、今回なら豹二郎はこういう人間だと言えるんですけど、自分のことは怖くなるくらいわからない。だから役という絶対的なものがあることですごく安心するんです。
──最近、作・演出家としても活動していますが、俳優だけでは表現しきれないものがあるのでしょうか? 
もちろん書くことでしか表現できないものがあるからですが、作・演出をすることで俳優としての自分に色々なものが返ってくるんです。僕は演出をするとき、その俳優の体と声を借りて、自分のやりたい芝居を表現しているつもりなのですが、その中で想像してもいなかった声や表情に出会える。自分が演じるならこうなると思って書いた本でも、他の役者さんが演じることで、思いがけない発見があるんです。そういう意味で作・演出という仕事から、役者としての自分にフィードバックするものは大きいです。
──最後に『破壊ランナー』への抱負をぜひ。
この作品は90年代に生まれて、その後の演劇の世界に大きな影響を与えました。この中に出てくるパワーマイムという表現がなかったら、生まれなかった作品が沢山あったと思います。その伝説的な作品を、シャトナーさんは「再演ではなく新しく上演する」とおっしゃっています。それを僕らで可能にしたいし、間違いなく面白いものにする。その覚悟ですので、期待していただきたいです!

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いけだじゅんや○大阪府出身。06年、JUNONスーパーボーイコンテストで史上最年少準グランプリを獲得。以後、映画、ドラマ、舞台で活躍中。主な出演作品に、ドラマ『海賊戦隊・ゴーカイジャー』『牙狼< GARO >〜闇を照らす者〜』『人形佐七捕物帳』、映画『DIVE!!』『ライチ☆光クラブ』、舞台『ミュージカル薄桜鬼 藤堂平助篇』(初主演)少年社中『リチャード3世』(主演)『ベイビーさん〜あるいは笑う曲馬団について〜』(主演)AGAPE store 『七つの秘密』bpm本公演 『アヴェ・マリターレ!』(主演)など。作・演出家としてエン*ゲキ#01『君との距離は100億光年』(15年)エン*ゲキ#02『スター☆ピープルズ!!』(17年)を発表。


〈公演情報〉
hakaiPR のコピー

キティエンターテインメント×東映プレゼンツ
SHATNER of WONDER #5
『破壊ランナー』
作・演出◇西田シャトナー 
出演◇池田純矢/河原田巧也  米原幸佑 宮下雄也  平田裕一郎 白又敦  伊万里有/鎌苅健太 兼崎健太郎  村田充 ほか 
●4/21〜30◎Zeppブルーシアター六本木 
〈お問い合わせ〉 東京音協:03-5774-3030 
http://hakai-runner.com




【取材・文/宮田華子 撮影/岩田えり】



『明治座 五月花形歌舞伎』 




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